令和7年度第3回狛江市市民参加と市民協働に関する審議会会議録(令和7年8月26日開催)
1 日時 |
令和7年8月26日(火曜日)午後6時30分~7時53分 |
2 場所 |
狛江市防災センター303会議室(オンライン含む) |
3 出席者 |
委員:重藤 さわ子、西 智子、麻宮 百、伊東 達夫、伊藤 秀親、遠藤 貴美子、鳥塚 鈴子、吉田 明広、千葉 尚政 政策室長 杉田 篤哉、政策室市民協働推進担当 白岩 亮、白鳥 美嘉 |
4 オンライン |
関谷 昇、深谷 慎子、岡本 千栄子 |
5 欠席者 |
松浪大輔 |
6 配布資料 |
|
7 議題 |
|
(1)市民協働事業提案制度の審査結果及び答申(案)について -資料1に基づき、事務局から説明- ・プレゼンテーション・審査会については7月26日に実施し、重藤委員、岡本委員、遠藤委員、鳥塚委員の4名に御出席いただいた。審査結果は、行政提案型の1件については採択、市民提案型については3件中2件が採択、1件が不採択となった。 ・狛江市菊花会の「公園を活用したコミュニティガーデンの創出」について、本提案は、身近にある公園に愛着を持つとともに、「地域の庭」としてシビックプライドの醸成につなげていくことを目的に、市民や地域が主体となり市内の公園に花壇の造成や植物の植え付けなどを行う、コミュニティガーデンを設置するというもので、プレゼンの内容としては、提案団体が児童遊園にコミュニティガーデンを設置するだけなく、植え付けなどの段階から子どもや町会など地域を巻き込んだ活動を展開していくという内容となっている。審査結果は、公益性がある取組で行政と団体の役割がはっきりしており、地域課題の解決にも寄与するものであるという点やワークショップの実施経験も豊富であるという点などから採択となった。点数は評価点が91点、うち重点ポイントが54点となっており基準を満たしている。 ・にほんごしえんの「外国人を支えるまち」について、本提案は今年度実施している市民協働事業の内容をさらに推進していくというプレゼンの内容となっており、関係部署との連携会議を踏まえ、取組を推進していくというものであった。本事業は、日本語の支援を必要としている外国人への支援という点で、外国人を含めた多様な人々が暮らしやすいまちづくりという地域課題の解決に寄与する事業であるという点や、教育委員会等との連携については、連絡会議の開催を継続し、政策室をはじめとした部署等と連携した事業の展開を期待するといった点で審査結果は採択となった。点数は評価点が104点、うち重点ポイントが63点となっており基準を満たしている。 ・国際ソロプチミスト東京-狛江の「生理の貧困」について、本提案は狛江市での生理の貧困に対する認知度や具体的な問題点等をアンケート調査を実施し、調査結果をまとめたパンフレットを作成するものである。本団体は「生理の貧困」という重要な問題に取り組もうとしており、女性の地位向上の上で大切なテーマでもあり、狛江市の現状を把握するためアンケート調査を行いたいという趣旨は理解できるものの、資料やプレゼンの内容から、アンケート調査の対象者、発送数、その後の活用方法などの設計が明確でないという意見や、団体と市が協働によりそれぞれの強みを活かし効果が期待できるかという協働性が不明瞭といった意見があり、市民協働事業として実施することは難しいとの結論となり審査結果は不採択となった。点数は評価点が61点と基準を満たしてるが、うち重点ポイントが40点となっており基準を満たしていないことから不採択となった。 ・狛江要約筆記サークルこまくさの「要約筆記啓発事業」について、聞こえない人、聞こえにくい人への理解を深め、コミュニケーション支援の重要性を学ぶ機会を創出することを目的に、手書き要約筆記体験講座や筆談ボードづくりを行うワークショップを開催するという内容となっている。審査会では、要約筆記の必要性、重要性を広める上で公益性が高い取組であるという意見や、ワークショップの開催にあたっては、要約筆記を知らない人、馴染みがない人が参加できるよう、募集方法を工夫してほしいという意見もあり、結果としては採択となった。点数は評価点が87点、うち重点ポイントが49点となっており基準を満たしている。 ・以上の資料1の内容を答申案とすることについて、御審議いただきたい。なお、今回御審議いただいた内容を踏まえ答申を作成し、9月上旬に市長へ答申、庁議に付議し、決定した内容を9月中旬に団体へ通知する予定としている。
(会長)審査基準について、資料に記載された項目のうち公益性、協働性、発展性を重点ポイントとしている。国際ソロプチミスト東京-狛江の提案については全体の評価点は満たしていたが、重点ポイントが基準を満たしていなかったため不採択と結論付けている。理由としては、公益性が高い点は認められるが、市と団体が協働することにより互いの強みを発揮しより良い事業を行うという協働性が基準点を満たしていなかったためである。当日参加いただいた委員から審査状況等について共有いただきたい。 (委員)今回例年より多くの応募があった。事業計画を立てることなど、団体がこまえくぼとやり取りするときに事前に詳しく説明を受けておかないと、良い内容でも不明確なまま進んでいくともったいないと思った。計画をきちんと立て、それに合った収支ができているという最低限のベースとなる部分は、初めて応募する団体は分からないと思うので、事前に教えてあげられるシステムになっていると良いと感じた。 (委員)計画を緻密に立てている事業があれば不明確に感じられる事業もあり、1件が不採択となったが、どの団体も一生懸命参加したいという気持ちはプレゼンテーションで伝わってきた。 (委員)どの団体も丁寧にプレゼンしていただき、質問にも丁寧にお答えいただいたので、資料だけではなくプレゼンテーションを実施する意味は大きかったと思う。プレゼンテーションを行うにあたっては、準備段階で市との協議が必要だと感じた。今回不採択となった団体には理由の丁寧な説明が必要である。それにより来年度以降に新たな提案をする際の参考になると思う。 (会長)4件提案が出てきたということは喜ばしいことだと思う。各団体ともプレゼンテーションや質疑応答に真摯に対応いただき、全てを採択したい思いはあったが、一方でこれは市民協働事業提案制度であり、市と団体のどちらかに大きな負荷がかかるものにはしてはいけないのではないかということで、1件不採択とさせていただいている。市民協働事業提案制度は、制度の趣旨をきちんと理解し市民協働というものを育てていくということが非常に重要であると感じた。審査基準は評価項目が多く、団体の収支等についても多岐に渡り詳細に見て評価している。多くの労力をかけて実施している事業だとすると、より良い形でやっていくにはどうすればよいのかということは議論して考えていかなければならないと感じた。結果や内容について委員から質問やコメント等があれば伺う。 (委員)全体的に考え方について理解でき適切な評価をされたと思う。狛江市菊花会の事業でアドプト制度という言葉が出てくるがどのような制度か。 (事務局)アドプト制度は公園や道路の美化、清掃等の維持管理活動を市民団体に行っていただくという制度である。今回元々行政提案型で「公園を活用したコミュニティガーデンの創出」というテーマで募集し、狛江市菊花会から興味関心があるという話があり、政策室が仲介し環境政策課と団体が意見交換する機会を設け、双方の考え、やりたいことをすり合わせていく中で市民協働事業として提案する話になり、その前段としてアドプト制度を活用し公園の環境整備を行うことになった。今年度既にアドプト制度として実施しており、来年度は協働事業としてコミュニティガーデンを整えるだけでなく、それを活用して地域の方を巻き込んで実施するという内容でプレゼンテーションが実施された。 (委員)アドプト制度と市民協働事業提案制度は別のものなのか。 (事務局)両方とも市民団体との協働という観点からは同じだが、アドプト制度は美化、清掃、維持管理を行うもので、市民協働事業提案制度はさらに地域課題の解決という主旨が広がったものである。 (委員)不採択となった事業については、計画を立てた上で再チャレンジしてほしい。 (委員)狛江要約筆記サークルこまくさのような団体が活動していることや、要約筆記とは何かを知らない方も多いと思うので、市と協働で活動が実現することは市にとってとてもよいと感じた。 (委員)件数が伸びたことは良いことであると感じた。採択案も納得できるので評価としてはよかったのではないかと思う。「外国人を支えるやさしいまち」は3回目だが、課題としては発展性ということが意見にも出ており、今後市との協働でどのような位置付けでどのような形で続けていくのか、庁舎内の連携も含めて実施するという課題は昨年度とほぼ同じである。市としても重要な事業なので、今後どのような方向性で、協働事業としても市の事業としてもどこに重点を置いていくのか市全体として考えてほしい。何回も協働事業を繰り返すだけでいいのかという気もする。会員も減っている状況もあるようなので、良い方向での存続に向けてバックアップしてもらえるとよいと思う。 (委員)市民協働事業提案制度は何年も続けられるのか。 (事務局)3年継続して計画的に続けることもできるし、単年度ごとに申請することもできる。同一事業で3年が限度ということではない。 (委員)基本的には3年であると思う。毎年同じように市との協働や課題が問題として出されていることは事実で、どのように市と学校と団体が結びついていくのかというのがどの団体も難しいところがあると思う。そこで市がサポートできるのが市民協働事業提案制度の大きなメリットであると思う。今回男性の審査委員がいたらより客観的になったと感じている。また、より多くの団体からの応募がないと市民協働事業提案制度自体が成長しないので、もっとアピールして応募が増えるようお願いしたい。 (委員)申請件数が増えたことはよかったと感じている。審査内容については、審査委員の意見も一致しており妥当な審査をしていただいたと思う。 (委員)応募件数が多かったことは喜ばしいことである。不採択となった事業については団体が納得するような説明が必要と考える。 (副会長)内容は多岐に渡ったテーマがあり、件数が増えてよかったと思う。不採択となった事業については、審査委員が審査した内容を見ると客観的に事業そのものの組み立てや具現化可能性や意義を基準に照らしてクリアに説明されているので、審査内容は問題ないと思う。協働事業なのでプロセス評価という部分があり、行政や団体どちらかが一方的にというのではなく、それぞれ相手がいるので、それぞれ相手がどういうことを考えているのか、どうやりたいのか等をぶつけながら役割分担や連携の形を見つけていくのが協働の大事なプロセスになると思う。団体からしたら市がどういうことをやっているのか、どんなことを期待するのか、連携することでどんなことができるのかを丁寧に解き明かすということが大事である。 市民協働事業の後をどのように考えるのかは色々な可能性がある。担当課で引き受けてより本格的に実施していくということもあれば、市民活動としてより自立的に動きを広げていく可能性もある。それぞれ役割分担をしながら活動を進めていく中で、後にどのような形で進めていけばいいのかということも確かめ合いながら事業を進めていただけたらと思う。 (会長)答申ということで、審査委員が行った内容については支持いただけるということでよいか。一方、今後の課題や市民協働事業提案制度のあるべき姿についての意見もいただいたが、次回の審議会の議題として、いただいた論点も整理しながら改めて来年度以降どのようにこの市民協働事業制度を行っていくべきか検討できればと思う。 ―了承―
(3)市民参加と市民協働の実施状況に関する総合的評価について -資料2に基づき事務局より説明- ・前回の審議会での内容を資料にまとめている。最終評価の欄に間違いがないか確認いただきたい。また、各委員に記入いただいたコメントや審議会での発言をコメント欄にまとめているので、追加したい項目や漏れ、誤り等があれば御意見をいただきたい。意見を踏まえ、次回答申案として提示したい。
(会長)前回の審議会の結果を踏まえ、基本的には基準に則ったことはやっているが、結果を考えればもっと効果的にできるのではないかという部分の評価がC評価となっている。その内容がコメント欄で伝わるように記載することとしていたが、気付いた点があればお伝えいただきたい。また、やらなければいけないことはやっているが、さらにこうしたら良くなるということを評価したいが、評価の文言は「とても適切である」「適切である」「適切とは言えない」となっており。その文言で良いのかどうか検討の余地はあると感じている。その点も含め各委員より感想を一言ずついただきたい。 (委員)評価項目①~③がA評価で④総合評価がB評価、もしくはその逆となるケースがあり、違和感を感じる部分があった。 (委員)前回の審議会で他の委員の意見も聞き、全体的に大体の委員の総意という形で評価されていると思う。評価項目の文言について、総合評価だけD評価があるが、①、②、③についてもD評価があっても良いと感じた。 (委員)どの計画にも「行政として通常行われているスケジュールは適切である」という文言が入っており、行政と市民のスケジュールが一致すれば意見は出てくると思うが、一致しないと意見が出てこないと感じた。A、B、Cの評価項目は市の審議会や委員会で評価する際の共通の項目なのか。 (事務局)評価する対象は色々あり、評価項目が全て統一ということは難しいと思う。市の計画の進捗評価では一定の基準はある。今回は流山市のものを参考に作成しており、流山市ではもっと細かい項目になっており検討の余地はある。 (委員)自分が作成した評価と他の委員の評価を比較し、自分が作成した評価が厳しいと感じた。私も行政として通常行われているスケジュールが行われているかという点で評価した。市民参加の評価となると、結果まで評価するのかというのは迷った。スケジュールはあるが広報が後手で行き渡らなかった、市民にとって興味を引く広報がなかったというのは③市民等への情報提供についての項目で評価したので全てC評価となった。スケジュール、情報、市民が参加してどうだったのかをどの項目で評価するのが適切だったかは迷いがあった。結果は参加、パブリックコメントも少なく情報が行き渡っていないということでC評価を付けた。総合評価について、C評価に①~③の3項目が入ってしまうので、Cを付けざるを得ないということが多かった。 (会長)改善が必要というニュアンスの文言が上の項目になく難しかったというのは前回の審議会でも話があり、今後改善に向けて進めていけるとよいと思う。 (委員)コメント欄に意見を記載できるので評価項目はシンプルでよいと思う。総合評価は難しいと感じた。通常行われているスケジュールとあるが、説明会が2/7、8なのに広報が2/1というのが通常行われているスケジュールであれば問題があると感じた。 (委員)評価項目については問題ないと思う。総合評価についてはコメントの内容を活かしていくのが大事だと思う。 (委員)内容ではなく手続を行っているかを見るという点を重点的に見て、適切以上という評価をつけることが多かった。総合評価との違いで改善の評価の欄がないので評価をつけるときに迷った部分はあった。 (委員)A、B、Cという評価項目は問題ないと思う。項目ごとに見ていくと、疑問に感じる部分もあり、私の評価として、各項目では良い評価をしていないのに総合評価は良くなっていることがあった。また計画と実績の差を見ることが必要で、その差についての改善についての意見を言えるようになると良いと感じた。 (会長)総合評価の意味についても考えてもよいのかもしれない。今回は事後評価となったが、事前と事後で見られるようになることで評価のプロセスやポイントがより明確になればよいと思う。 (委員)どこまで自分が調べて掘り起こして評価・コメントしたらよいのか迷った。各委員の資料を見る時間や度合いで変わってくるのではないかと感じた。行政にとって市民説明会やパブリックコメントがどれだけ重要なものとして捉えらえれているのか疑問に感じた。また、適切な手続きを行ったという事実があることは最低限大事なことであると思うが、それに対しほぼ反応がないということをどう感じているのかが疑問に感じた部分である。そういうものに対して市民側が受け取るアンテナをどれだけ張っているかというのが大事になってきてしまい、その問題に対し常日頃アンテナを張って自分がそれに参加するという強い気持ちがないと日程を見逃してしまうという状況になっている。市民の声をどう汲み上げるかというのが非常に難しいことであると感じた。 (副会長)評価の仕組みは、行政が市民から色々な意見を実質的に取り入れようとしているかを評価するということである。担当部署でどれくらい積極的に意見をもらうつもりでいるのか、もらった意見を可能な範囲で計画や事業に反映しようとしているかを問うのがこの評価のポイントであり、行政の立場と市民の立場では見方が違うので市民が行政に寄り添う必要なく、C、D評価を付けるということは恐れなくていいと思う。あくまで市民の目線で事業展開のあり方や意見の取り上げ方が本当にこれでよいのかを市民目線で評価してもらうのが基本的な趣旨なので、行政としては行政の都合や理由がありこうせざるを得ないという部分はあるが、それとは違う市民目線から評価し、それを総合的ににどう捉え今後に活かしていくのかという問われ方がされるとよいと思う。今後に活かしていくことが重要であり行政側もそういう受け止め方をしていただけるとよいと感じた。 また、C、D評価の考え方について、形式でいうと市民説明会・パブリックコメントは大体どの部署でも行っているが、本気で意見をもらうならワークショップや提案を募るなど様々な手法があり、形式的な市民参加というのはどの部署でも行っているが、どこまで実質的なものになっているかを炙り出す視点になる。同様にスケジュールについても事業が終わる終盤でパブコメを実施する運用になっているが、本気で意見をもらうならもっと早い段階から意見を募ってそれを組み入れていくことになって然るべきである。情報提供についても現状を伝えるだけでなく、本気で意見をもらうなら、どこに問題、課題があるのかを丁寧に伝えて具体的な問いを膨らませて様々な意見をもらい、それを集約しながら可能な部分は取り入れていくということが可能になるような情報提供を豊かにしていかないといけない。最後に総合的にどう評価するのかということになるが、私のやり方としては、形式的には間違いなく適切にやっているし評価できるが実質的にどれくらい意見を取り入れようとしているのかという目線で見た時にやや厳しめの評価になった。 (会長)普通に考えたらタイミング的に問題があるというような当たり前の感覚は恐らく行政の担当者は持っていると思う。今回のような第三者がこのような形で評価するのは次に活かすきっかけになると思う。今回初めてのことなので試行錯誤して実施したが、また意見を伺いながらそれぞれ適切に評価できたのではないかと思う。ただし、その結果を市でどのように受け止めていくか、といった対応面が醸成されるには時間がかかると思われるため、徐々にお互いが高め合っていくのがいいと思う。 (委員)厳しめの評価としたが行政目線も入れて評価したと思う。行政では当たり前のことだが、変えていかなければいけない部分であると感じている。一般の会社であれば情報が行き渡っていなければあの手この手で検討すると思う。行政にはそのようなものはそこまでなく、今まで行っていたものを同じような流れでやるようになっていると感じる。市民から声が吸いあがるような情報発信ができて、パブコメを行い、さらに興味を持った方が市民説明会に参加し、その中からさらに審議会に参加するというような流れができると理想だと思う。評価シート自体を変えることについて他の案は浮かばないが、事前に多くの資料等を確認する必要があるなど、評価は難しいと感じた。 (会長)今日の意見も反映し、次回市民協働事業提案制度も含め今後どのようにすればよいのか議論できればいいと思う。
(4)その他 当面の審議会の日程について、事務局から説明。 ・次回は10月21日(火)を予定している。 -閉会- |