市民参加と市民協働に関する総合的評価(PDF)

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 市民参加と市民協働の実施状況(平成25年度)に関する総合的評価

総合的評価のまとめと提言
第一章 総合的評価について 
第ニ章 市民参加の評価
第三章 市民協働の評価

総合的評価のまとめと提言

 平成25年度の市民参加と市民協働の実施状況を大雑把に俯瞰(ふかん)してみると平成24年度と大半の項目で大きな相違点はないものの後期基本計画の計画当初(23年度)からみれば改善傾向にあることが窺える。例えば、市民委員の充足率は、基本計画の計画当初の75.8%から平成25年度83.0%、市民協働事業件数(財政的支援と参入の機会提供件数の合計)は計画当初の59件から平成25年度65件などが挙げられる。
 特に、昨年度に当審議会が答申の中で(1)無作為抽出制度の活用、(2)市民モニター制度などの導入、(3)市民協働事業提案制度の見直しと市民参加と市民協働の推進に関する改革の3点を提言したが、(1)と(3)については平成26年度早々に実施され、その成果も出ていることは大いに評価できよう。また(2)についても導入の方向で目下検討中と理解している。
 しかし各章の評価の中でも触れているように改善すべき課題が多々あることも指摘しなければならない。これらの課題を改善するための要諦は、やはり昨年度の答申で行った3提言の実行と改善にあると考える。つまり

提言1. 無作為抽出制度の一層の活用
手始めに5つの審議会等について無作為抽出制度を既に導入しているが、無作為抽出制度を活用しておらず、公募市民委員の欠員のある審議会等は10以上存在する。中には、公募市民委員定数の半数以下、あるいは全くいない審議会等もある。是非、これらの審議会等にも裾野を広げることを期待したい。
 また、全委員あるいは公募市民委員に占める女性の比率が極端に低い審議会等が数多く存在する。これを改善するために無作為抽出制度を活用することについては慎重を要するが、女性の参加を一層促すことが必要であろう。

提言2.「行政提案型市民協働事業」の継続と「市民協働事業提案制度」の不断の見直し
基本条例第27条に基づく市民協働事業提案制度の提案が平成24年度、25年度、26年度ともに皆無であり、また平成23年度以前も1件程度と低迷が続いていた。これに対し市は、平成26年度早々に「行政提案型市民協働事業」を導入し、11テーマを一般に公表し、4団体が応募した。このことは、画期的なことである。 
 この「行政提案型市民協働事業」の有効性については、今後の推移をみなければならないが、今のところ順調なスタートと言える。従って今後もこの方式を継続して行くことを期待したい。
 但し、市民協働事業の促進に万全と言える方策はないだろう。従って「市民協働事業提案制度」の不断の見直しが肝要と思料される。

提言3.「市民モニター制度」などの早期導入
昨年度の答申でも述べたが、パブリックコメントやワークショップ等への市民の参加数が極めて少ないうえ、特定の市民の参加に限られる傾向にあり、参加者に市民の広がりが欠けている。市では「市民モニター制度」などの導入を検討中と理解しているが、早期に実施されることを期待したい。

 以上、基本的には、本年度の3提言は昨年度の提言の延長線上にあると言える。いずれの提言も万能とは言えないだろうが、試行錯誤しながらも改善していくという姿勢が重要である。上記の3提言が市民参加と市民協働の一層の促進に多少なりとも役立つことを期待して当審議会の答申としたい。

第一章 総合的評価について

 過去20年を振り返って、日本が大きく変化したことの一つが、地方分権である。国から地方自治体へ事務や権限の移譲が進み、地域で自立して意思決定を行い、必要な事業を行う環境が整いつつある。これに伴い、年々重要になってきたのが、市民参加と市民協働の視点である。地域の意思決定にいかに市民の意見を反映するか、地域に必要な事業を市民と共に行うか。狛江市(以下「市」という。)は、いち早く、平成15年4月に「狛江市の市民参加と市民協働の推進に関する基本条例」(以下「基本条例」という。)を施行し、以降、様々な市民参加手続きと市民協働事業を実施してきた。
 狛江市市民参加と市民協働に関する審議会(以下「審議会」という。)は、当該基本条例の第30 条第1項の規定に基づき設立されたもので、同条第2項各号の規定に基づき、市長より下記の事項についての諮問を受け、調査及び審議を行ってきた。
(1)市民参加と市民協働の実施状況に関する総合的評価の実施
(2)市民参加と市民協働の推進の検討と改善
(3)市民参加の手続きの方法及び市民協働事業の提案に関する事項
 本総合的評価は、上記の(1)の諮問を受け、実施するものである。従来は、市民参加と市民協働の実施状況について、実施の翌年度に評価・答申を行ってきた。答申は年度末に行われたが、このスケジュールでは、答申で示された提案事項等が、実施の翌々年になってもすぐに実行に移せないという課題があった。こうした状況を改善するため、平成24年度市民参加と市民協働の実施状況に対する答申時期を、従来であれば平成26年3月であったものを早めて平成25年11月に行った。その結果、市長の指導の下、答申の提案等は、平成26年度早々に実施される運びとなった。この成果を活かすとともに、答申で示された提案等がより速やかに検討・実施されるようにするため、平成25年度を対象とする本総合評価については、平成25年度だけでなく、今年度(平成26年度)上半期までの現状分析と評価を行い、抽出された課題の解決に向けた方策を提言等としてまとめることとした。
 平成25 年度の市民参加と市民協働の実施状況を評価するにあたり、事務局である政策室協働調整担当で、「市民参加の実施状況調査」、「公募市民委員アンケート」、「市民協働事業概要調査」及び「市民協働事業評価アンケート」を実施した。また、「市民公益活動事業補助金(スタート補助金、チャレンジ補助金)報告会と選考会」、「市民協働事業提案制度報告会と審査会」及び「参加と協働推進市民フォーラム」に審議会委員が手分けして出席し、これらの成果を総括すべく審議を行った。本評価書は、こうした調査及び審議の結果を踏まえ、以下の構成で執筆した。
 本章(第一章)は、総合評価の根拠、目的、実施方法を示す。第二章では市民参加について、第三章では市民協働についてそれぞれ評価の詳細を記述する。総合的評価のまとめと提言では、市民参加と市民協働についての現在の課題とこれに対する今後の対策及び改善方法等を提案する。なお、このまとめと提言は、本評価の理解を容易にするため冒頭に配置した。
 また、今回の総合的評価も、後期基本計画でも謳っているように「選択と集中」の視点から、極力重要なポイントに絞って、かつ簡潔、明瞭さを心がけた。

第二章 市民参加の評価

1.平成25年度の市民参加の実施状況の評価
(1)市民参加手続き等の種類
 市民参加の定義は「行政活動に市民の意見を反映するため、行政活動の企画立案から実施、評価に至るまで、市民が様々な形で参加すること」(基本条例第2条第1号)である。
 また、基本条例では、市民参加に関する具体的な手続きとして、以下の4項目を規定している。
1 審議会等(基本条例第2章第2節)
2 パブリックコメント(同第3節)
3 公聴会(同第4節)
4 その他の市民参加手続き(説明会、ワークショップ、フォーラムまたはシンポジウムなど
(同第5節)
 また、「狛江市の市民参加と市民協働の推進指針Ⅱ-A(6)及び(7)」に挙げられている「市長への手紙」、「市長を囲む会」及び「アンケート調査」などの様々な市民参加の手続きも実施されているが、これらは上記4の「など」に含まれると解される。更に基本条例第23条では、「市民投票の実施」についても規定している。

(2)市民参加の実施状況等
 先ず、平成23年度、24年度の2年続けて基本条例第6条第2項に基づく市民参加の手続きの方法の提案があったが、平成25年度は、皆無であった。なお、平成25年4月から一部改正された基本条例が施行されている。
 以下は、主として別紙「市民参加実施状況(平成25年度実績)集計結果」資料等を基に市民参加の実施状況につき個別に評価を行ったものである。

◆審議会等
(公募市民委員の充足率等)
 平成25年度の審議会等の数40件のうち公募市民委員が含まれない審議会等は、12.5%(5件)で、前年度の7件よりも2件減った。また、公募市民委員の定数に占める実数の割合(充足率)は、平成23年度の76%、24年度の79%に比べて25年度は83%と上昇している。後期基本計画で定める目標値(平成31年度85%)達成に近づいた。
 ここで特筆すべきことは、市は、平成26年4月早々に、公募市民委員が不足している5つの審議会等を対象に無作為抽出による審議会等の公募市民委員の募集を行った。その結果、いずれも多数の応募があり、大きな成果を上げている。

審議会等の公募市民委員の募集結果
審議会等の名称 募集人数 応募人数
狛江市外部評価委員会 2人以内 26 人
狛江市男女共同参画推進計画改訂委員会 2人以内 10 人
狛江駅前三角地活用方針検討委員会 2人以内 23 人
狛江市子ども・子育て会議 1人以内 12 人
狛江市環境保全審議会  2人以内 24人

(詳細は「無作為抽出による審議会等の公募市民委員の募集結果について」参照)

 公募市民委員に対する女性が占める割合は、平成25年度は36%で、過去直近に比し横ばいであることから後期基本計画目標38%に向けて一層の努力が必要であろう。
(諮問等事案の公表の有無)
 公募市民委員を含む審議会等では全て諮問・検討等事案の公表(個人情報保護等の事案を除いて)が定められており、これら全ての審議会等で事前に諮問等事案を公表すべきと考えられるが、公表された審議会等は40のうち31審議会等にとどまった。審議会等の実施及び運営にあたっては、一層の努力が望まれる。
(審議会等の公開)
 審議会等の公開に関しては、基本的に非公開が0件となっており、今後も開かれた市民参加の機会が確保されるよう現状を維持するべきである。
(会議録の公表と公表時期について)
 平成25年度は情報公開審査会の一部非公表を除きすべての会議録が公表された。公表することで市民の市政への関心が一層高められるものと考える。
 また、会議録の公表時期については、期間内にすべて公表できた件数は20件で50%(前年度35%)に向上している。期間内に公表できなかった、あるいは一部が公表できなかった件数は件数16件40%(前年度50%)となっており、改善の跡が見られるものの更なる努力が望まれる。
(委員名簿の公表)
 審議会等40 件のうち委員名簿が「公表」されたのが71%(前年度64%)に改善された。基本条例第9条第2項では「審議会等の開催にあたっては、構成員の氏名,選任の区分,肩書等を公表するものとする。なお、構成員に公募市民委員がいない場合はその理由を公表するものとする。」と規定されているが、基本条例の遵守に向かって改善を続ける必要がある。
 委員名簿の公表にあたっては、各審議会等で当該年度第1回目の会議録の作成と併せて、委員名簿を公表するなど工夫すべきであろう。
※【詳細は「市民参加実施状況(平成25年度実績)集計結果」(審議会等)」参照】

◆パブリックコメント
 平成25年度のパブリックコメントは前年度10件に比べて7件に減っている。このうち「まちづくり条例一部改正」に対して意見提出者数が13名で25の意見数がみられたものの、他は全て5人以下で、中には全く意見のないものが1件あった。一般的にパブリックコメントに関する意見提出は例年少ない。しかし市政に関する基本方針や、市民の権利・義務に関連した条例の制定・改廃など(例えば、「まちづくり条例の一部改正」)に対する市民の関心は高い傾向にあり、今後、パブリックコメントを求める案件のあり方を示唆しているものと考えられる。
※【詳細は「市民参加実施状況(平成25年度実績)集計結果」(パブリックコメント)」参照】

◆公聴会
 平成17年1月に、ゴミの有料化問題に関する公聴会以来、一度も実施されていない。

◆その他の市民参加手続き
 平成25年度に行われた「その他の市民参加の手続き」は、平成24年度の20件に比べ13件に減っている。内訳は、市民説明会8件(前年度10件)、ワークショップ1件(前年度3件)、市民フォーラム2件、その他2件(前年度4件)であった。13件のうち、参加者が30名を超える施策が7件(内、3件は100名超)であった。しかし参加者が僅か5名の施策が1件、さらに参加者が1名のみの施策が4件もあったことは憂慮すべきことであろう。
 なお、「その他の市民参加手続き」が行われた主なものを挙げると、市民説明会では、延138名の参加者があった「狛江市立保育園民営化説明会」、ワークショップでは、「狛江市景観まちづくりワーキンググループ」、市民フォーラムでは、小金井市、国立市と連携して行われた「多摩3市男女共同参画推進共同研究会・講演と映画」(参加者約300名)並びに市民参加と市民協働に関する審議会委員も参加し開催した「参加と協働フォーラム・協働で市民力アップ!~市民活動支援センターの活用を見据えて~ 」、その他では、年間291件あった「市長への手紙」並びに延べ49名の参加者があった「市長を囲む会」であった。
 いずれにせよ、上記「パブリックコメント」のところでも指摘したこととも関連して市民の幅広い意見を求める必要がある施策等については、市民モニター制度など、新たな方策の導入が求められよう。
※【詳細は「市民参加実施状況(平成25年度実績)集計結果」(その他の市民参加)」参照】

(3)審議会等の委員アンケート集計結果
 平成25年度に市の審議会等に公募による市民委員として参加していた、所謂公募市民委員を対象に行ったアンケート結果の特徴は次のとおりである。特記すべきは、公募市民委員の大半が、彼ら自身の審議会等での活動につき肯定的な反応を示していることである。
1 回答者の70%が60代以上の高齢者であった。10~30代はわずか3%である。  
2  審議会の会議内容については「充実していた」64%、「十分発言できた」60%、「意見が取り入れられた」59%など前向きに捉える人が多かった。
3 会議への参加については85%が良かったと述べておりながら、次回積極的に応募するが55%に止まったことは、若者・壮年への世代交代を願う高齢者からのメッセージとも受け取れる。
  ※【詳細は「公募市民委員アンケート集計結果」参照】

2. 市民参加の実施等に係る課題
(1)市民参加、特に女性の一層の活性化
 上記「公募市民委員の充足率等」のところで述べているように平成26年度に新たな試みとして実施された「無作為抽出」は成果を上げている。しかし女性の参加を一層促進することが望まれる。また公募市民委員が未達であるにもかかわらず、この制度を活用していない審議会等がまだ存在する。

(2)市民参加の現状の見直し
 市民委員が参加していない狛江市スポーツ推進委員会議をはじめ5つの審議会等は、市民委員につき否定的に考えるのではなく、市民委員にさらに窓口を広げる方向で公募市民委員枠をもう一度検討すべきであろう。

第三章 市民協働の評価

1. 平成25年度の市民協働の実施状況の評価
(1) 市民協働事業の種類
 市民協働の定義は「市の実施機関と市民公益活動を行う団体が行政活動等について共同して取組むこと」である。なお、市民協働は以下の4分野(平成25年度合計241事業。内訳件数は下記カッコ内に表示)に分類される。
1 財政的支援(21件)
2 参入の機会提供(44件)
3 共催・後援(173件)
4 意見交換・情報交換(3件)
※【別添資料「平成25年度市民協働事業実施状況」参照】

(2) 市民協働の実施状況等
 平成25年度市民協働事業の件数(241件)は、平成24年度(245)件と比較して4件減少している。特に③の共催・後援の分野で9件減少している。1 財政的支援と4 意見交換・情報交換は前年度とほとんど変わっていない。
 市民協働事業件数(財政的支援と参入の機会提供の合計件数)は、平成25年度は65件となっていて後期基本計画での目標(平成31年度90件)に程遠い状況となっている。
 こうした中、市では平成26年度に市民協働事業提案制度の見直しを行い、新たに導入した「行政提案型市民協働事業」では11件のテーマを公表し、そのうち4件で市民公益活動団体からの応募を受け、平成26年7月19日に公開プレゼンテーションと審査会を実施している。これについては、狛江市の市民協働の推進の観点から大いに評価できる。

 以下は、「平成25年度市民協働事業実施状況」資料等を基に平成25年度の市民協働事業の実施状況につき個別に評価を行ったものである。

◆財政的支援
 財政的支援の総数は21件で、前年度の22件とほぼ変らない。数年間の推移を見てもほぼ20件前後で固定しつつある。狛江市の財政的支援の全体規模を把握するために下表に平成24、25年度の交付額を示したうえでこの2年間の実施状況と推移を検討した。  

<事業分野別件数・交付額>
  25年度 24年度
件数 交付額(円) 件数 交付額(円)
保健・医療・福祉 5 50,277,073 6 74,450,544
まちづくり 4 4,135,247 4  3,793,333
学術・文化・芸術・スポーツ 4 1,471,000 4 1,471,150
環境保全 1 270,000 1 270,000
災害援護 3 753,000 3 693,000
 地域安全 3 2,342,896 3 2,327,776
国際交流 1 380,000 1 380,000
21  59,629,216 22 83,385,803

 特に保健・医療・福祉分野が、財政的支援を必要する分野であるため、全体の9割を占めている状況は変わらない。また、この分野の交付額が前年度に比べて大幅に減額されているように見えるが、この分野の事業団体の一部が、従来の「補助金」から児童福祉法に基づく社会保障制度の一環である義務的経費(「扶助費」)に移行していることを勘案すると、この分野への実際の交付額は、前年度に比較して増加しているといえる。
 また、財政的支援交付団体数は、平成19年度の126団体をピークに年々減少傾向にあったが、平成25年度は99団体と、前年度の94件よりわずかだが増加している。これは、平成25年度に制度改正された「狛江市市民公益活動事業補助金(スタート補助金・チャレンジ補助金)」により、より多くの団体が申請できる環境を整え、市民活動の活性化が図られたことによるものと思われる。

◆参入の機会提供(委託、協定等)
 参入の機会提供のうち、事業件数は委託・協定・その他で合計44件であり、過去6年間の中で最多である。これは、「障がい者就労施設等からの物品等の調達方針」を策定し、積極的に障がい者団体へ新規の業務を委託したことによるものと思われる。
 また、「狛江市立学校校庭芝生の維持管理」狛江第六小学校グリーンプロジェクトでは、平成25年度から実施した狛江第六小学校の校庭の一部芝生化に伴い、PTA、地域住民を中心に維持管理団体を結成し、活動を始めた。
 参入の団体数も過去6年間の中で最多である。前年度の58件から21%増の70件であった。
 市民協働事業提案制度の提案は平成24年度に続き平成25年度もなかった。この現状に対し市は平成26年度に入って初めて「行政提案型市民協働事業」に取り組み11テーマを一般に公表したことは先に述べた。これに4団体が応じ、そして当審議会による公益性、協働性、具体性、実現性、実施能力の5つの観点からの審議の結果、次の協働事業が首肯されるとして市長に答申された。

  • 終戦70周年平和祈念事業
  • みんなで「エンディングノート」を考え、作ろう!
  • 低炭素社会の実現に向けた再生可能エネルギー発掘等事業
  • 生活保護についての正しい理解を深める協働フォーラム

◆共催・後援
 共催・後援の総数は173件で前年度と比べて9件減少(共催3件増加、後援12件減少)であった。

◆意見交換・情報交換
 意見交換・情報交換の総数は前年度と同じく3件であった。市民協働に関する意見交換や情報交換は、現在活動中の団体と市、あるいは活動団体同士が意見や情報を交換することで、それぞれの活動の幅を広げ、高めることにつながることから、より積極的な開催が望まれる。

(3)市民協働事業評価アンケートの結果と評価
 平成25年度に実施した市民協働事業の中から10事業を対象に行政の担当課と実施団体に対し両者の連携状態、情報・意見交換、達成感等の10項目について事業実施前・実施中・実施後に分けて最高5点から最低1点の点数で評価する方法を主体にアンケートを実施した。(アンケート対象の担当課、団体名、事業名、アンケートの内容等の詳細は、別添資料「市民協働事業評価アンケート(平成25年度実績)集計結果」を参照)
 全体的に言えることは、いずれの事業についても行政と実施団体は、各々10項目について平均より高い3.4程度の評価をしていた。現に、10項目それぞれの評価点全てを合計し、平均点を計算すると、行政並びに団体とも同じ3.4ポイントであった。つまり行政と団体両者の評価はどの項目を見ても極端にかい離していない。なお、両者が最も高く評価している点は、「協働で実施することが、単独で実施あるいは他の手法で実施するよりも効果が上がった」としていることで、この点、市民協働事業のメリットとして注目して良いことであろう。
 但し、情報交換・意見交換に関する項目については、両者とも他の項目に比較して必ずしも満足していないことがアンケートから見てとれる。この点は、過去のアンケートでも同様の結果となっていることから今後協働事業を遂行する上で常にお互いの情報交換・意志疎通等に十分配慮することが求められていると言えよう。
 なお、本アンケートは毎年度同一事業を対象に実施しているものではないので、過去と厳密には比較することはできないが、過去の評価でも概ね同様の傾向がみられる点は注目してよい。
 ※【別添資料「市民協働事業評価アンケート(平成25年度実績)集計結果」参照】

2. 市民協働の実施等に係る課題
(1) 「行政提案型市民協働事業」の成果のチェック
 4件の「行政提案型市民協働事業」がスタートすることになるが、これらがどのような成果を実際に上げられるか、これからの課題であろう。またこの提案型が万能とは言えないので制度の不断の見直しが必要となるかもしれない。
(2) 団体数の増減理由と原因の見極め
 財政的支援交付団体数が平成19年度の126団体をピークに、以降減少傾向にあり、平成24年度は前年度比13団体減少の94団体まで落ち込み、平成25年度には99団体と少し持ち直している。参入の機会提供についても同様の傾向がみられることから、時機をみてその原因と必要な対策を検討することが必要と思われる。
(3) また、先に述べたとおり市民協働事業件数(財政的支援+参入の機会提供、平成25年度は65件)についても後期基本計画の目標(平成31年度までに90件)の達成がかなり難しいと予測されることから、今から対策を考えておく必要があろう。
(4) 市民協働に関する情報発信の充実
 市民協働に関する情報提供は、極めて重要であり、これで十分ということはないので不断の努力が求められよう。
以上