1 日時

令和4年2月16日(水曜日) 午後7時~8時57分

2 場所

狛江市防災センター401~403会議室(オンライン含む)

3 出席者

委員:奥村隆一、関谷昇、西智子、深谷慎子、岡本千栄子、麻宮百、石田琢智、伊東達夫、
伊藤秀親、小林未結希、大門孝行、馬場正彦、箕輪明久、若山拓也

事務局:政策室長 冨田泰、政策室市民協働推進担当 馬場麻衣子、高橋健太朗

4 欠席者

なし

5 提出資料

資料1 令和4年度市民公益活動事業補助金について・令和4年度市民協働事業提案制度について [69KB pdfファイル]

資料2 ワークショップのまとめ [281KB pdfファイル]

資料3 条例等検証事項(市民協働) [78KB pdfファイル]

資料4 他自治体補助金等比較表 [107 KB pdfファイル]

資料5 市民協働事業提案制度提案実績一覧 [170 KB pdfファイル]

資料6 市民協働提案制度他自治体一覧 [169KB pdfファイル]

参考資料 他自治体補助金交付事例 [124KB pdfファイル]

6 会議の結果

1.開会

(1)配布資料の確認

 

2.議題

(1)令和4年度市民公益活動事業補助金・市民協働事業提案制度について

-資料1に基づき、事務局から説明-

・令和4年度については、両事業とも大きな変更は予定していない。現在検証いただいている結果、答申を踏まえ、令和5年度募集分より新たな形で実施できればと考えている。

・市民協働事業提案制度については、行政提案型のテーマ案の庁内募集を今回は1カ月早めて行っており、募集以降のスケジュールについては、例年の形に戻す予定である。

・審査についての担当案については、今年度中に調整の上打診させていただく予定である。

(会長)令和5年度からは、今回議論していく改正条例の下で実施していく形になる。事務局からの説明等で何か質問等あるか。

 -質問等なし-

 

(2)市民参加と市民協働の今後の推進・改善に関する事項(条例等の検証)について

-資料2に基づき、事務局から説明-

・前回2つのテーマでそれぞれ議論していただき、その際挙がった課題・解決策、また関連性のあるものが分かるように資料にまとめている。

・ワークショップでいただいた意見等については、条例に基づく運用面に関するものが多かったが、特に周知・啓発(意識の向上)については、市民参加の部分にも共通する課題だと思うので、今後の議論の際も検討をお願いしたい。

(会長)私はテーマ1に参加したが、今の条例の考え方等に反映させるといった観点では、課題2「周知・理解不足」、課題3「専門性・情報支援不足」は大体出てくる話である。注目したいのは、課題5「行政との役割分担が明確でない」、課題6「市民と行政の関係性の維持」で、市民や行政という特性も違い、立場も違う異なる主体がどういう形で連携していくかという難しさの一端がこの2つの課題として出てきていると思うので、役割分担をどうしていくのかということを考えていく時に、このあたりを留意した上で条例に反映していけるといいかなということが1点ある。
もう1点、特に前回のワークショップの中で、私自身が面白かったと思った、気付きを得ることができたものは、課題1「個人の課題から行政事業へつなぎにくい」といった意見である。行政の課題と言っているが、その手前にはまちづくりの課題あるいは市民の課題が根にはある。市民は地域で生活している中で、最終的には行政課題になるかもしれないが、まちづくりの課題に1番アンテナを張って、現場で見ている人たちである。市民の発見をちゃんと課題として認識して、それを市民と行政が一緒になって考えて解決していくというボトムアップでの意思決定のされ方や仕組み、事業の作られ方ができると、とても理想的なまちになっていくのではないかなと感じたので補足させていただいた。

(副会長)市民目線からすれば、市民自身がどういう課題を抱えているかという点が出発点になる。どういうところにどういう問題があるのかということを市民がなかなかお互いに共有出来ていない。それがまた市民活動の情報不足ということにもつながっていって、そのあたりがなかなか裾野が広がっていかない大きな1つの課題ということは出ていたように思う。
条例に絡めて言えば、そういう課題の深堀りとか情報の共有のされ方がどうあればよいのかというあたりが1つのポイントになると思う。今も市は情報を積極的に発信する責務がある等は描かれている。ただ、これは単なる運用面だけの話ではなくて、もっとこうしなければいけないということを条例の中で描く必要があるかということは1つの論点になると思う。今の条例は行政活動が出発点になっているが、市民目線からすれば、市民自身がどういう課題を抱えているかということが出発点になる。そこを出発点に、今会長がおっしゃったようなボトムアップのような動きが誘えるような条例にすることが大事なのかなと思った。
もう1つ、テーマ2について言うと、プラットフォームをどのように位置付けていくのかということは、市民活動にしても協働にしても大きな課題になってくると思う。市としてどういう課題に取り組んでいるのか、どんな取組がなされているのかということがまだ分からないし、逆に市民からすれば、何をどこまで求められているのか、協力することが求められているのかということが分からないから、なかなか活動に踏み込んでいけないという側面もあると思う。
そういう意味では、市民、地域と企業等と行政がどのように相対峙しながら、課題の深堀が図れるか、そういう場が圧倒的に少ない。それを条例でどう謳えばいいのかということが今後の議論になると思うが、そういうことが課題として、条例との関わりで出てきているのかなと思う。

(会長)私のコメントと副会長のコメントを少し参考情報としながら、活動していない人と活動している人、今後始めようとしている人という形で議論を深堀りできればよいかなと思う。

-資料3、4、参考資料に基づき、事務局から説明-

(会長)資料3で見る3つの市を解決していくという観点に立った時に、資料4の昭島市から藤沢市までの事例の中で、どれが参考になりそうと思ったか。

(事務局)資料4で太字にしている部分が、狛江市の課題に対して参考になるかなという点で考えている。

(会長)市民公益活動事業補助金を実際活用された立場から、資料にある課題以外の課題や、この課題の特にこの部分はもう少しニュアンスとしてはこうであるといった点、また、この課題を解決するための解決策、こういった方向があるのではないかという意見等があれば併せてお願いしたい。

(委員)継続と自立というキーワードが出てきて、だから単年度事業ということで認識したが、ただ、本当にそれが協働事業として実施していくことのプラスなのか。私たちは、自立というよりもどちらかというと市の事業に変換していただいて、継続的に動いているといった流れが出来上がったが、子どもの遊び場を運営していく上で、行政にお金を出して支援してもらう形が必要だったので、自立した上での継続ということを求められていたら、最初からこの協働事業としては、提案しても却下された内容だったのかなと思う。
他の自治体の事例を見ると、狙いという点で自立というところもあり、単年度の扱いを見据えた協働事業もあるとは思うが、狛江がどちらを採るのかというところもあるかと思う。自立を採るならば、基本的に継続的な事業まで向かうのは、かなり難しいところもあって、団体としてはやっていくことにハードルが上がる。継続を望むのであれば、行政がある程度手を差し伸べながら、一緒に進んでいく、並走していただくという形になると、団体側も市のために、自分のまちのためにという動きの中で、市民の人たちが市民のために動くという流れになっていくのかなと思う。継続と自立、自立する見込みがあるならば、継続してやっていいよというこのキーワードが、これからどうするかという点かなと思う。

(会長)例えば1つのシナリオだが、まず初年度は補助金制度を使って、こういった事業をということを提案しながら、実際に補助金で実施する。有効性も確認出来るし、これが市の課題を解決することにも非常に有益であるという点が確認出来たら、次年度以降は委託事業という形で仕組みを変えて、継続させていくという流れが、実際には収益事業として成り立たない、ビジネスとしてなりにくいものだからこそ、ビジネスに入ってきていないわけだから、そういったところは初年度と2年目以降の市と団体の役割環境を変えて継続させるという形が現実的ではないかといった認識で合っているか。

(委員)はい。最初から、協働事業の目的が継続するための自立と書かれてしまうと、協働事業を提案する入口から、その前に自立出来ないから、じゃあ無理だなということで引っ込んでしまい、協働事業に提案するまでにも至らないことになるなと思う。

(会長)行政としては、委託事業にするという判断をする時には、予算上の担保もしないといけないので、その場合は、その初年度の補助金で事業を行っている中で、次年度委託事業として行うための費用というのを、予算化していく必要があるということになるか。

(事務局)今は協働事業のお話をしていただいているかと思うが、補助金の場合は最初活用していただいていて、ある程度活動が安定的になって、引き続き実施することになっていった場合には、協働事業等の御紹介もして、そちらでまた一緒に実施して、そこからまたつなげることが出来るようであれば、市の事業にもつながっていく可能性もあるとは思う。

(会長)補助金事業として、継続的に補助をし続けるという仕組みということか。

(事務局)補助金については、スタート補助金は1回だけで、チャレンジ補助金は3回までという決まりになっている。

(会長)3年だと3年の中で、自立して独自で収益を上げる仕組みを作ってくださいねという趣旨なのか。どちらのスタンスの補助金になるか。

(事務局)いずれは自立していっていただきたいが、あくまでこの補助金は、スタート補助金であれば、市民公益活動を始める第一歩であるといった形で捉えていただいて、もともと、もちろん自立が出来ていない団体が補助金というのは必要かと思うので、そういった団体に活用していただきたい。自己資金、自立に関して言っているのは、補助金を申請してきた際に、予算書に収入が補助金しか計上されていないといった団体がほとんどであるという現状があるからである。収入に関して自助努力、寄付でもよいし、協賛金を集めるといった形でもよいし、難しいかもしれないが、クラウドファンディング等を活用してもよいし、何か自助努力をしていただきたいという形になる。

(会長)継続していく時に、どういう形で活動資金を確保していくのかという話と、初年度であっても、全額補助ではなくて、自助努力というものが必要であるという、1年目の話と継続的な話と2つの話がある。このあたりについて、他の自治体はどのような形で行っているものが多いか。

(副会長)基本的に行政の立場からすると、自立していってくださいという思いはよく分かる。様々な市民公益活動が、どうしても、特に活動資金の部分で行政の補助金に依存してしまう傾向があるので、ここを何とかクリアしながら、依存しないで、自立的にいろんな活動をやっていってもらいたいということが行政サイドからの視点だと思う。
市民活動をする側からすると、自立という意味の認識がずれているように思う。例えば、今の狛江の条例で言うと、第24条で財政的支援をする意味合いが2つ謳われていて、1つは、行政と対等に活動出来る団体になるための支援をするということ、もう1つが、行政に代わってサービスを提供出来る団体になってくださいという意味合いになっている。行政活動を担える団体になるために、市も応援するという建付けになっている。そういう意味での自立でよいのかどうかということは、是非皆さんに考えていただきたいが、前から申し上げているように、市民活動というのは、行政活動を行うためだけにやっているわけではなく、市民活動をもっと幅広くやって、行政とは関係なしに、自分たちで必要なことをどんどんやっているという側面もあるので、行政云々とは関係なしに、自立してやっていこうという団体もたくさんある。どういう意味で自立ということを考えなければいけないのかということは論点の1つとして、整理しておいた方がいいのかなと思う。支援制度を巡っては、どの自治体も今が過渡期というか、問題に直面しているところがある。自立に向けて皆さん頑張ってくださいという制度運用になってしまっているが、それが逆に提案数を減らしてしまっているという傾向にもつながっている。補助金をもらうのはいいが、その先どうなるかが結局見えてこないということが、どの自治体でも問題になっているところだと思う。
初期支援を経て、自立して活動をやっていくことが広がればよいが、それだけだと、先細りになってしまう。もっと市民が市民を応援するような裾野を開いていかないと、多分団体はなかなか自立出来ない。ポスト提案制度といつも申し上げるが、提案制度、補助金の後、どういう開路が開かれているかということを少し整理しないと、この制度運用の検証になかなかならないかなとは思う。自立するのも1つの開路、行政と協働して、もっと継続して事業をやっていく形も1つの開路、更にそれが発展して市の事業にしてしまうという開路も1つで、提案制度の後、その事業がどのように展開していくのかという方向性をいくつも想定した上で、今のこの運用の在り方が望ましいのか、あるいはどういうことをもう少し加えたらよいのかといった交通整理をした方がよいのかなと思う。どの自治体も、結局自立支援というところで止まってしまっているのがほとんどである。その先どうすればよいかという開路がなかなか開かれずに足踏みしているというのが私の受けている印象である。そういう意味では、制度そのものの見直しとともに、補助金をもらった後どうしていくべきなのか、どんな開路を開いていくべきなのかというあたりも併せて検討した方がよいのかなと思う。

(会長)浦安市で市民参加に関わっていた時に、狛江市でいう提案制度に該当するような気もするが、介護予防の団体を市側が作りたくて、裏でお膳立てをして確か作った団体だったと思うが、委託を前提にして、市民団体を設立してもらい、そこに毎年介護予防の介護保険の費用の一部を使って、介護予防を行うサービスをそこで展開する形だった。市民と行政の課題が一致していれば、そういった形もありなわけである。

(副会長)形としては市民活動で続けたが、一定期間補助金をもらった後は、実施団体と連携する協働事業という形に発展した。それで今も一緒に続けられているが、市民活動部門で応援するというところから、関係部署に事業を移してそこで協働事業としてステップアップを図っているという1つの開路として進んでいる例かと思うので、そのあたりが狛江市の場合どのように開かれる必要があるのかについては検討してもよいかと思う。

(委員)資料で、平成19年から提案の実績が出ているので、実際その後どうなったかという結果があれば、いろいろ今後分析が出来るのではないかと考える。

(会長)この辺りは何かお持ちか。

(事務局)資料で色付けしているものは継続性が見られる事業になるが、それ以外のものについては、イベント的なものや講演会等で、団体自身がそれぞれ活動されている部分もあるが、継続した形で課題解決、公益的なものに結びついているとは言いづらい。

(委員)団体が、実際継続について困っていることや団体の生の声を聞くことも今後につながるのではないか。

(委員)例えば、事業がうまくいって、補助を3年受けた後に、これをベースに変えなければいけないのか、補助金の制度が別途あったり、委託事業の制度が別途あったりすれば、また討論の仕方が変わってくると思うがそういうものはあるのか。

(事務局)先の補助という形で直接的なものはないが、協働事業として一緒に進めていって、引続きお願いしたいとなった場合、委託であったり事業に対する補助という形で、関係する内容での補助制度を立ち上げるという場合はある。

(委員)件数はこれだけたくさん出てきて、押し上げていただいて、うまくいくところもあるだろうしいかないところもあるだろうが、うまくいっているところが、これがよいとなった場合、完全な自立ではなくて、補助金と同様に捉えて構わないような形で運営するということが可能な制度となっているのか。

(事務局)制度としてはそういう形にはなっていない。

(委員)協働事業のこれまでの実績を見た中で、最初から単年度を目指しているものの方が多いように見えていて、だからこそイベントのようなものが入ってくるのではないか。単年度である、自立するという目的、狙いが見えてしまうことによって、イベント等が協働事業として多くなってしまうのであれば、その前のスタート補助金、チャレンジ補助金でイベントのようなものに挑戦されるのはいいと思うが、協働事業に関しては、もう少しちゃんと継続していくという流れを採りたいなら、何かを変えていかないと、イベントみたいなものも含めて、協働事業として提案されることになるのかなと思う。市民からすると違いがはっきりしないのかなという気がする。
私も行政が求めている活動を協働事業にしてほしいという流れになるよりは、まちに住んでいる人たちが、まちの人たちのために動き出すからこそ力が発揮されていくという形が望ましい。私は子育ての部門で今その方向で動いているが、まちに住んでいる人たちでないと出来ないことで、外部委託で違うところの方たちが団体として来て、子どもたちのためにこういう場所を開くと言っても、多分そうはならない。だから、市民が市民のために動くという状態に価値がある。そこを市として協働事業のポイントとして抑えていただければ、もっとまちづくりに市民の意見が反映されて、市民の本当にかゆいところに手が届くようなまちの作りなるのかなという気がする。

(委員)補助金の制度を増やすこともありかなと思うが、自立してもらうためにはお金だけではなくて、知識も必要かなと思うので、発足した団体向けのマネーリテラシーであったり、マネージメント等徐々に資金を調達する工夫、昭島市の審査基準等にある「資金を調達する工夫、検討をしているか」等を真似するというか、参考にして、スタート補助金もあって、かつ資金調達も出来るようなプラスアルファの知識もあった方が自立しやすいし、お金の知識があれば、他のことに何か使えるからよいのではないかと思った。

(会長)今日はいろいろ課題等を確認するというところで留めておければと思うが、多面的な意見が出たので、これをどう考えるかという点を詰めればよいかと思う。私自身今の中で、市民公益活動事業補助金と市民協働事業提案制度の役割分担の明確化という点はあるかなと感じた。例えば、スポット的なものは補助金、継続的なものは提案制度というのがよいかは分からないが、明確な役割分担は少し行う必要があるかなということと、市民、団体の期待、狙いと行政の期待、狙いの部分に若干の齟齬が生じている部分があるのかなという気がしたので、このあたりは、改めて事業周知の部分で正確に行っていく必要はあるかなと思った。後は行政側の決心、判断になると思う。補助金でも協働事業でも、委託事業になる場合、財政的にも大きな決心がいるので、そのためにはハードルが高いというのは結構大きいと思う。
そういうこともあって、本位的には自立してほしいという思いも分かるので、例えばだが、継続と自立といったところに焦点を充てるならば、執行に関わる事業費だけではなくて、その1年間の補助金なりの期間の中で、自立するための仕組みを作る期間として、そのための費用を補助金として見る形も考えられる。それとともに、例えばクラウドファンディングなり、資金を調達するための知識をその期間で得ることが出来るとか、少なくとも、次年度以降に、体制、人を強化したり、確保していくという意味での工夫等行ってもらい、自立のための事業、取組というものを補助金の中で含めていき、それもきちんと評価していった方が、自立を目的とするのであれば重要かなと思った。

-資料5、6に基づき、事務局から説明-

(会長)提案制度の審査をされたことのある方でコメントをいただけるか。

(委員)提案の中身を見る時に、市民に役立つものなのかという視点で見ていた。団体が単発のことをやる時に、お金が足りないので協働事業にしてくださいよといったものが多くて、それが果たして市民協働なのか、そこに非常に疑問を感じていた。例えば、子ども食堂は10年位前に出てきて、国の補助金も含めて定着してきたものだと思うが、継続的に何か市民の問題を解決していこうというものを市民視点で発掘していくものだと思っていた。団体は問題解決することを提案しながら、ある程度の援助がもらえたり、方法、ノウハウを学び合えるものだろうと思ったら、提案してきているものが割と違っていて、相互の理解に齟齬がある、ずれがあったのかなということが今順を追って見せていただいて分かってきた。自立というものを考えていくのか、継続して市民の中のアイデアをうまく、住みやすいまちを作っていくものの1つとして考えるか。
例えば子育てであれば、これだけの条件で国がお金を出し、都がお金を出し、市がお金を出すということが今の子育て支援の地域拠点事業だが、もっと相互性で身近で、いろんなことが出来る子育て支援の小さな輪を地域にたくさん作っていくという市の姿勢と、当事者の意見が合った時にお金が出ていくんだろうと思う。審査の際の自分のスタイル、意識としては、継続していけるような地盤を市民とともに考える場の1つの事業だと思っていたので、そこに応募する団体もそうだし、市が自立というのを強く言われてしまうと、どうなんだろうと少しすっきりしない部分があるというのが実際関わった感想である。

(会長)今の意見は事務局としてどうか。

(事務局)御指摘いただいたとおりだと思うので、事務局としても改善を図りたいと考えている。単発的なものが多いという点も、事務局としても、継続的な事業として、市として、また団体側で実施出来るきっかけになることが協働事業だと思っている。

(会長)結構本質的な課題、指摘だと思うので、これは引き続き考えていきたい。

(委員)今年度市民提案型で出された電柱の想定浸水深の表示については、自分の家が危ないというところから、まちが危ない、そして最後には市が危ないというところに最終的にはいくのではないかといった議論が審査の中でも出されたと思うし、プレゼンテーションの中でも質問が出てきたと記憶している。そう考えると、個人の問題が、市民のレベルに上がっていって、行政のレベルに上がっていくのではないかなという点においては、1つの意味はあるのかなとは思う。行政提案型のラグビーの事業は、スポット的な印象があり、基本的に暮らしの問題に入っていけるのかどうか非常に疑問があった。

(委員)協働事業で長期的にというところにつなげるやり方の1つとして、基本計画が自治体にはあるので、例えば、提案された協働事業が、計画に該当するものはどんどん吸い上げて、市民が動きやすい状態にする等の行政の動きもあると、更に市民がまちのために活躍できるまちになるのではないかなと思う。ただ、協働事業の時にその担当課だったとしても、本来の計画にある、他の担当課が持っている課題であったりする時にはそこには情報がいかないといったことがあるかもしれないので、そこがうまく稼働していくと、もっと市民がまちのために活かされるかなと思うし、そういうための協働事業が1つあるということだと思う。将来的には道筋の違いというか、そういったことも含めてのものが協働事業であるというまちづくりに関連する太い大きな流れに乗れると思う。

(会長)政策立案への市民参加の話だと思う。PlanとDoとCheck、計画を作っていくPlanで、今回はDoで行動に対して市民が参加したり、協働したりということになる。Checkは、財政的に適正なのかどうか、市民が行政の活動をチェックすることになるが、必要なのはDoの前のPlan、政策立案である。そこの市民参加との連動性を高めることによって、基本計画の中で、この市民の提案はここに位置付けられ得るのではないかというところに、もう少し市民と行政が関わりながら、位置付けていってつなげていくと継続性が高められるという意向として受け取った。そうすると、事務局と企画部門との連携というところが視野に入ってくる気がしていて、今回条例を変えるという節目なので、チャレンジの意味で、そのような可能性も少し模索してもよいのかなと感じた。

(委員)まちのために人が動くという流れは、行政側としてはどうしてもボランティアで動くという前提になっている気がする。新しい団体で割と働き盛りの世代の人たちが最近増えてきたなと思っている。そういった方たちは、例えば1人事務局を雇うことが出来て稼働出来る人がいれば、メインの仕事をしながらまちのために動くことが出来たりするかもしれない。全部ボランティアでやってくれという前提になるとかなり難しいところもあって、やっぱりやりきれない、続けていくことが出来ないという方たちもいるのかなと思う。
働きながらまちのためにやっていくという稼働をさせていくことで、若い世代の人たちもまちづくりに参加していけるような流れにもなるのかなと思う。基本的な考え方が明記されているわけではないが、補助金の体制としても、市民が市民のために行うものに関しては、そこに人件費というものは全くなく、とにかく永遠的にボランティアでやるのが当たり前という形でなくなると、もう少し若い世代が入ることが出来るのかなと思う。

(会長)無償で使えるから市民と協働しようとか参加を募ろうとか、安く使えるから市民を活用しようとは思っていないとは思うが、そんな風に思っているのではないかと市民に見えてしまうと、うまくいくものもうまくいかなくなる。そういうところの理念って重要で、条例の中にきちんと謳っていく必要があると思う。やり方として、お金の取り方はいろいろあって、5分位の動画を作って、企画、プレゼンテーションの動画をアップすると、それに対して市民が投票すると、人口も多いのですぐ集まるとか、そういう形でお金を捻出する仕組を行政が作る。お金を出すのは市ではないが、仕組さえ作れば、後はお金を集めてくるやり方はいくらでもあるので、そういういくつかアイデアを持ち寄りながら、条例には入れないが、取組の玉として持っておくことも考えられる。
後、まずアイデアを出して、それをネットに流しているというもので、DoではなくPlanの方での市民参加といったところと、それを実際出来ますよとなると、提案した団体がやるということでももちろんいいし、市民の投票で1,000票集まったら行政がお金出すのでやりましょうとかイベント的な形になって、市民参加も進むのではないかなと思ったので、相模原市のものはヒントになるかと思う。

(委員)今日のテーマにもあった自立と継続といった中で、特に資料6の金額等のところが負担金で、初年度、2年度、3年度とパーセントが出ていて、負担額が減っていっているので、自立を促す形もあれば、提案する側も自立の支援を待つのではなくて、自分たちでも考えられるような形で、最初から計画を立てることができるのではないかと感じた。

(委員)行政提案型は平成26年から新規に設置されているようだが、これはどのような意図で設置されたのか。

(事務局)最初は自由なテーマで団体が提案出来る市民提案型で募集をしていたが、開始から経過した年度において、件数が0件となっている時期が続いたので、ある程度市からテーマを示した方が提案しやすいのではないかということで、行政提案型を加えた形になる。
(委員)資料のこの白枠の部分は募集をしたが応募がなかったという理解でよいか。

(事務局)その通りである。

(委員)他自治体も件数が少ないということで、難しいことだと認識した。自分事で考えると、ある程度テーマが分からないと、何を考えていいのかさっぱり分からないなというのがあったので、行政側から出されると取っ付きやすいのかなと思ったが、意外に難しそうだなという印象を持った。市民が考えるきっかけづくりとして、行政提案型ももう少し工夫をして設定していけると、市民が市のことをもう少し考えられる気がした。市民提案型はハードルの高いことだし、そこはあってよいと思うが、せっかく行政提案型を設けているのであれば、そこを何か工夫して、例えば私でも面白いのかなみたいなものが出てきたら、うまく階段が設定出来るのかなと思った。

(会長)令和3年度の行政提案型は9件のテーマ設定だったか。かなり行政も頑張って手を出してきているが、このあたりをうまく認知、周知する部分に課題があったのか分からないが、うまく説明して、体制がある程度揃ってなくても、今後市民一人ひとりが集まって、団体がなくても何か参加出来るような工夫をすることによって、少しやってみようかなという人が一歩進むかもしれない。市民提案型も大事だが、行政提案型からうまく引っ張ってくるということは面白いというか重要な意見だなと思ったので何か検討できるとよい。
社会課題をきちんと解決し得る提案かどうかといった観点で評価しようと思っているが、なかなか見合うものが出てこなかったという課題は1つ浮き彫りになってきたので、まちづくりの課題を解決し得る団体が手を挙げやすい仕組やあり方を検討していけるとよいかなと思った。資料3に戻って、「協働主体(定義)」だが、これは市民団体に加えて、企業、個人も協働相手として捉えてもよいのではないかという考えという理解で合っているか。

(事務局)いろいな主体との連携が考えられえるので、団体に限らずという点でその通りである。

(会長)市の現時点での考え方になるが、これについて何か意見があるか。もう少し協働相手の概念を広げていこうという考え方である。

(委員)毎年行っている市民アンケートの結果等も参考になるかと思う。

(会長)団体以外に協働相手を広げるという点に関しては、特に異論はないという感じでよいか。次に登録制についてだが、これは趣旨としては登録制は必要かという問いになるか。

(事務局)その通りである。

(会長)形骸化しているという感じになるか。こちらについては見直してもよいかもしれない。次にこまえくぼ1234については、事務局の見立てとしては、他自治体と比べると頑張ってほしいという感じになるか。

(事務局)センターとして実施している事業等は、他自治体と同様と考えているが、活用されていない部分がある。

(会長)機能はあるが、活用が不十分という点になるか。

(事務局)その点もあるが、協働事業や補助金活用の入口としての情報提供等の部分でもう少し機能するとよいかなという部分がある。また、先ほど例として挙げたアイデア募集のような形についても、こまえくぼ1234には個人の方も登録があるので、センターできっかけでつながるとより団体等と身近なところにいるのでよいかなと感じている。

(会長)こまえくぼ1234について意見等あるか。

(委員)こまえくぼ1234は指定管理だと思うが、そのあたりの関係はどうか。

(事務局)指定管理になっているが、基本的にはこまえくぼ1234が事業を実施する形となっている。

(会長)認知、活用が課題であるという点は事務局と委員では認識は一致していると思う。次回はどのような進め方になるか。

(事務局)今日いただいた意見もまとめさせていただくが、周知、啓発も含め、個人の方が審議会等参加していただくという市民参加の部分についても併せて、既存の参加手法と併せて、双方向性や参加しやすさ等のアイデアをいただく形で予定したいと考えている。

(会長)今、会社の中でwillとcanとneedの3つの円が重なる部分に、我々社員が一番意義のある仕事があるのではないかというのがあって、willは自分がやりたいこと、canは自分が出来ること、needは会社が必要としている事業、その中の交点になるところをみんなで探している。多分、まちづくりも一緒で、市民が出来ること、団体が出来ること、行政、まちづくりの課題が重なるところにまちづくりの活動があると思う。その重なりを出来るだけ広げていくための仕組、取組と、それを見出していく、交点となる部分を市民と行政が一緒に見出していくような条例の仕組というか考え方を条例の中に謳えるといいなと思っている。

(副会長)協働主体については、多分今の運用だと個人や企業等も含め広げていくということだと思うが、もっと広げるところがあり得て、複数の団体が連携して提案することは出来ないかという点がある。近年は、小学校区単位でいろんな協議会を作ったり、いろんな活動団体が連携してやるような活動の母体が作られ始めている。学区を始めとしたエリア単位で提案をして、市としても応援していくというところまで協働主体は広がり得る可能性があり、実際広がっている。個人や団体という点だけではなく、例えば、子育て支援をしている団体が連携してもう少し大きな事業フレームを提案するという形はどんどんあってもよい。連携体やネットワーク体、そういった部分にも協働主体は広がるのではないか。
登録制については、単に登録のための登録はあまり意味がないが活用次第だと思う。最初は私的な活動かもしれないが、それが公共性を帯びていく、いろんな活動の広がりを持っていく、実績を積んでいく、そうした中で、登録制の持つ意味というのは、その団体の情報を公開していくという意味合いがあると思う。この団体としてはこういう目的でこういうことをやっている、これまでこういう経緯でこういうことをやってきた、実績がある、後、100万円あったらこういうことが出来るとか、こんな団体と連携したらこういうことが出来る等の情報をどんどん盛り込んでいくような情報サイトにして、登録制のような形でやっていけば、もちろん提案要件にすることも出来るが、広い意味でいうと、マッチングにつなげていくことが出来る。情報をオープンにしていく、いろんな連携とか新たな事業を作っていくきっかけになるような形で仕組をリニューアルしていくのであれば、もっといろんな可能性があるのかなと思った。
こまえくぼ1234については、場として求められていくのは、具体的な事業を練り上げていく場であり、ここを担う団体というのは、橋渡しが出来るということが非常に大事になってくると思う。今後、協働が面的な動きを作り出していくのであれば、例えば、子育ての公園部分を事業として充実させていこうという提案をされたら、こういう人たちをもっと巻き込もうよとか、こんなこともやってみようよとか、こんな風にしてお金を集めようよとか、どんどん事業を膨らませていく役割が、中間団体には求められていると思う。いろんな人たちを巻き込んでいく、いろんなお金の流れを作ってそれを巻き込んでいくという形で、事業をどんどん練り上げていく場に出来るかどうかということが今後の大きな課題になってくると思うので、そのあたりも見通しながら検討していけるといいのかなと思う。

(会長)条例でも、改正後の方向性として「点から面へ」ということもヒントになるかと思う。

 

3.その他

来年度第1回審議会については4月27日(水曜日)午後7時からの開催とする。

 

-閉会-