令和7年度 第2回 狛江市子ども・若者・子育て会議(令和7年5月23日開催)
1 開催日時 |
令和7年5月23日(金) 午後6時30分~午後8時12分 |
2 開催場所 |
市役所4階特別会議室 |
3 出席者 |
委員 加藤会長、市川副会長、馬場委員、梶川委員、富永委員、大塚(直)委員、稲葉委員、豊田委員、藤具委員 事務局 冨田子ども家庭部長、山口子ども若者政策課長、中村子ども発達支援課長(兼)教育部教育支援課長、三宅児童育成課長、松倉教育部理事(兼)指導室長、西村企画政策係長、梶山企画政策係主事 |
4 欠席者 |
毛塚委員、細谷委員、岸田委員、平見委員、小西委員、大塚(隆)委員、山本委員 |
5 傍聴者 |
3名 |
6 議事内容 |
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7 配布資料 |
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8 会議の結果 |
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◆議題1 (仮称)子ども条例(案)及び逐条解説(案)について
〇事務局より資料1、2の説明
【会長】
逐条解説は今回初めて目にするため、まずは印象を含めて意見をお聞きしたい。
【委員】
逐条解説は大人が読むという認識で間違いないか。子どもも含めてこれを読むという認識なのか。
【事務局】
まずは大人が読む一般的なものをつくり、これを基に子どもに伝わりやすいものをつくっていければと考えている。
【委員】
8ページの「条例の構成イメージ図」について、このような図が入るのは分かりやすくて良いと思う。質問だが、子どもの周りにある市や大人、保護者、施設関係者が子どもの権利を守っていくというイメージなのか。
【事務局】
その通りである。
【委員】
ここに子どもがいないと思った。子どもの権利について検討する中で、大人や市や保護者や施設関係者と同等に子どもを入れ、子どもも一緒に自分たちの権利について考えたり、検討したり、言い合えるような関係性があると良いと思う。子どもを真ん中にして、子どもがいないところで大人が話し合うのではなく、ここにも子どもがいても良いのではないかと思う。狛江市らしさの一つとして、そのような面が出れば良いと思う。
大人と保護者の書き方について、子どもがいる家庭とそうではないところという意味合いで分けていると思うが、当事者性の高い人とそうではない人という分け方をしているのであれば、もう少し考える余地があるように思える。
【委員】
子どもの権利が真ん中に来ているが、事務局としては真ん中に子どもがいるというイメージなのか。それとも子どもと子どもの権利は別でとらえているのか。
【事務局】
第8条から第12条の中で子どもという文言がないため、入れた方が良いということであれば、考慮する。
【委員】
子どもを真ん中に置き、子どもの権利を地域ぐるみで保障していくということであれば理解できる。子どもの権利を子どもも大人もみんなで考えていこうということであれば、この周りの真ん中に子どもがいるべきだと思う。
【会長】
先程の意見によると、真ん中からも周りに発信できる矢印をつけておくと、その方向性が出てくるかもしれない。図で表現するのは分かりやすいが、難しいとも思う。その辺りのイメージが、委員の中でもずれているのであれば、それは一致させた方が良いと思うため、この図についての意見が他にあればお願いしたい。
【委員】
子どもを真ん中ということで、子どもの権利を表していると思うので問題はないかと思うが、確かに子どもということが出てこないため入れた方が良いと思う。
あとは、図を斜めに倒し、周りに人がいて、子どもの権利があり、その上に子どもがいる形で良いと思った。
【委員】
これまでの議論の経過を見ていると、子どもは保護の対象ではなく対等であり、私のイメージで言うとすべて横一線で対等であるという認識である。そして、これまで蔑ろにされてきがちだった子どもの権利をみんなで意識して守っていこうというイメージである。
【委員】
丸のところに、子どもの権利を保障するための地域づくりということで丸がつけられているのであれば、そこはやはり子どもも入るべきだと思う。この条例を良く見ると、大人と子どもが共に生きるということが繰り返し言われているため、共にということであれば、大人の横には子どもがいてしかるべきだと思う。保護者と大人が二つ重なるようなイメージだが、共に生きるということを表現できると良いと思う。
【会長】
保護者と大人を分ける必要性はどうか。イメージとして子どもが入っていないのはいかがなものかと思う。大人と対等という部分をイメージとして伝えられればという点は明確である。
【委員】
対等は対等だが、力関係では圧倒的に子どもの方が劣っており、大人の援助が必要な場面は必ずあるため、大人と子どもを分ける必要はあると思う。イメージとしては、色々な人が子どもの権利という神輿を担ぎ、その上に子どもが乗って、みんなで盛り上げていきたいというイメージである。
【委員】
大変綺麗にまとまってはいるが、第2~5章が文字で表されているため、ユニバーサルデザインのようにカラーリングで分けてみたり、マインドマップのようにつなげ、大人と保護者や、団体と施設関係者等、類似しているところを色分けした方が個々の状況が分かりやすいのではないかと思う。
【委員】
このような図は真ん中に子どもがいることが多い。対等に並べると勝てないという、ある意味の不公平感のようなものもあるため、子どもの方に注力するようなものがあると良いと思った。
【委員】
大人と子どもの権力の力関係としては、大人の方が強い。だからこそ今、子どもにも大人と等しい権利があることを認めようという説の通りだと再確認しており、また、関連して、子どもと大人を対等に扱う必要があると考えている。
今年度からの参加であるため、これまでの議論について聞きたい。子どもの定義について、こども基本法では「心と身体の発達の過程にある人」とされており、それを採用している自治体もある。すべての子どもはいつか大人になり、すべての大人もかつては子どもであったという、子どもと大人の連続性のようなところをもう少し書き込めると良いと思う。
例えば、世田谷区では大人の定義を「過去に子どもであったすべての人」としている。武蔵野市の条例では、「子どもからおとなへの移行を支援する」と書かれている。子どもと大人の連続性や境目をどのように支えるかということについてこれまでの議論を確認したい。
【事務局】
子どもの定義に関しては議論があり、他自治体も参考とした。成人年齢が18歳と改正されたところもあるため、そこを一旦区切りとした。しかし、必ずしもそこで区切るのではなく、逐条解説の第2条の6行目にあるように、必ずしも一律に年齢で区切ることが適切ではないこともあると記載している。
【委員】
子どもと大人に関するイメージとして、子どもか大人かの区切りではなく、子どもはいずれ大人になり、大人もかつて子どもであり、またその中間的な時期もあるということをこの会議体としても議論して、条例にも盛り込めたら良いかと思う。
私は子どもの居場所づくりに関わっているため、第16条について二点ほどある。一つが、第6条の「生きる権利と成長・発達する権利」の(5)の休息について、とても大事だと思う。武蔵野市では条文の中に「市は、子どもが休息を必要とする場合に育ち学ぶ施設の活動その他の活動などを休み、多様な居場所で過ごすことについて、市民、保護者および育ち学ぶ施設の関係者の理解が得られるよう、必要な啓発に努めます」と入れている。学校などを休むことは決して悪いことではなく、学校に限らず、習い事や塾も含め、休むときにはしっかり休息をとることが必要であり、なおかつ他の多様な居場所で過ごすことについて、市民や保護者、施設関係者に理解を求めることを盛り込んでいる。子どもの休息の権利を具体化するのは難しいが、例えば、学校を休みたいときに休息を取り、休むことに関して子ども自身も自分を否定しなくて良いという権利を織り込んでも良いのではないかと思う。第16条に入れるか逐条解説に入れるかは、選択肢として両方あると思う。
もう一点は、現在、多様な学びが言われており、東京都でも昨年度から多様な学びに関する調査・研究を行っているため、学びについて少し盛り込めると良いと思った。第16条の2項の内容についてはまさに学びである。ここにはあえて学びという言葉は入っていないが、学校の学びに限らず、地域での多様な学びを提供することが大事であり、そのようなことを逐条解説の中に盛り込めたらと良いと思う。
【会長】
今の意見の一点目については、情報がないことによる格差や知らないから関心がないという市民を減らし、自分事として捉えてもらえるよう、条例をうまく活用してもらえたら良いと思う。今話が出たように、関心がない人もかつては子どもであったため、自分事として捉えてほしいということと、子どもたちはこれから大人になっていく、ということが両方書けたら良いと思う。逐条解説の8ページが肝心だと思うため、そこに書ければ良いと思っている。
また、「はじめに」がとても読みにくく、シンプルに書いた方がすっと読めそうな気がするし、読む気にもなると思う。皆にとって、この条例が大事なものだと考えて読み進めてほしいのだというメッセージになったら良いと思っている。
また、8ページの図の描き手が見えず、誰が言っているのかが不明であるため、もう少しシンプルに描いた方が良いと思う。
【副会長】
「はじめに」の2段落目から5段落目くらいまでが読みにくい。5段落目の内容について、今の社会状況や大人の理解が及ばないから子どもの権利が必要ということではなく、どのような社会であっても、子どもの権利は絶対的に守られなければならず、みんなで守って理解していくことが必要なのである。そのため、もっとシンプルに書いて良いのではないかと思う。
また、2段落目の前半部分の内容について、教育されることは子どもの権利なのであり、子どもの権利を保障することと、大人が子どもを教育することが対立構造になっているため、誤解が生まれると思う。否定的な意見も踏まえた上で検討したことを伝えた上で、子どもの権利を皆で理解し、守っていくことが大切であり、子どもの権利条約も踏まえて条例を制定した、というような書き方ではいけないのだろうか。様々な理由が書いてあることによって疑問を持つ人が多くいると思う。なぜ大事なのかという点をもう少しシンプルに書き、詳細は本文と逐条解説で理解していけたら良いのではないか。
【委員】
私としては、否定的な意見もかなり出ていたため、それに対する応答的な対応を条文に盛り込むという考えで、反対的な意見があってもなお、この条例を進めてきたという状況を書きたかった。あまりシンプルに書いてしまうと、子ども条例を定めると判断した経過が分からなくなってしまう。
先程意見があった子どもと大人の対立構造については、そうは言っても、子ども条例ということで、子どもを取り出さないとこの条例は成り立たず、やはり子どもと大人を分けて考えざるを得ないと思う。ただ、一般的に言われていることではあるが、子どもの成長発達の度合いによって、支援の程度も変わってくるのは当然のことであり、条例の中に発達の度合いに応じた支援が必要であることが盛り込まれていると思う。子どもと大人の間に線が引けるわけではないのは当然であり、それ踏まえた上で、一つの考え方として子どもと大人を他の表現を用いることはあり得ると思う。
【委員】
大前提として、大人が読むということであれば、反対意見に対する打ち返しというのは理解できる。逆に、子どもたちが読むような文章に関しては、分かりやすい文章やイラストなどを用いて、進めた方がしっくり来るのではないかと思う。
【委員】
もう少し短い方が読みやすく、多くの人に読んでもらえるかと思う。読んでもらいたい内容であるため、3ページ目の「条例ができるまで」の最後にこれまでの議論を踏まえて伝えたいこと等、盛り込むことも良いかと思う。
【委員】
第15条のヤングケアラーの部分について、私自身、ヤングケアラーの子どもたちと関わっていく中で、子どもが子どもでいることができることが第一かと思う。掃除やご飯の支度をする等、大人の役割を担っている子どもが多数おり、子どもでいることや子どもとして認識されることがとても大事だと思っている。
意見を表明して良いことや大人と対等に扱われるべきであるという部分がとても大事である一方、子どもでいることも権利であるということも逐条解説に入っていると良いと思う。
第16条の居場所づくりの部分について、オンラインはどうなのか。自分自身、オンラインの居場所づくりに関わっており、実際に行っている自治体も多数あるため、オンラインも居場所になり得ると書いてもらえれば、居場所の認識が変わるのではないかと思う。
【会長】
ヤングケアラーの子どもたちへの支援も大事だが、そうせざるを得ない家庭にも目を向けてほしいと前回から話してきた。子どもたちに子どもらしい環境を提供できない大人に対し、市としては手を差し伸べる準備があるということ、それによりヤングケアラーが生み出されないのだというニュアンスが少し入ると、読み手が大人であれば、より問題に対して響く言葉になってくると思った。
【委員】
相談体制の部分の窓口開設については前回も議論があったが、福祉のつなぐシートを逐条解説の中の相談窓口等の一覧に入れても良いのではないかと思った。
【委員】
先程言った通り、大人と子どもには明確な力関係の違いがあり、対等に扱われるという前提があるからこそ、子どもの権利という形で明確に打ち出すことが大前提である。その上で、先程の「はじめに」の部分とも関連してくるが、前文の最後のひと段落について、この部分は欠かせないとは思うが、大人からのメッセージの最後のひと段落としては少し弱いと感じる。
先程、メッセージを発信する側は誰なのかという点について、市又は大人からのメッセージとするのであれば、大人側からの決意表明であるべきではないかと思う。千葉市こども・若者基本条例では、「全てのこどもや若者が自分らしくいきいきと健やかに成長し自立できる社会を、こどもや若者、おとなが一緒になってつくっていくことを約束するため、この条例を制定します」とし、世田谷区では「区や大人の決意表明」というタイトルで、「私たち区や大人は、子どもが権利の主体として、一人ひとりの子どもが豊かに育つことが保障され、自分らしく幸せや今を良き、明日からもよい日と思える社会を実現していきます」という文章で前文を終えている。大人の責務として子どもが権利の主体であるということを認めて、子どもが幸せであれる社会をつくるための条例なのだということを盛り込めると良いと思う。一つ上の段落に少し肉付けするような形で、大人側の決意表明やメッセージをもう少し厚くできれば良いと思う。
【会長】
その行の内容がふんわりと他人事になってしまっている気がするため、もう少し踏み込んでも良いと思う。
【副会長】
この条例は子どもに理解してもらうことはとても大事だが、大人に理解してもらうことこそが大事であるため、子どもへのメッセージがあまり強調されると、子どもが理解すれば良いのかと受け取られかねない。大人の決意表明という形なのかどうかは分からないが、大人へのメッセージも必要なのかと思う。
【委員】
「この条例の制定により」のところは、子どもには自分を大切にしてもらいたい、その上で他の人の権利も大切にしてもらいたいという表現を若干変えたが入れた。私が最初に書いた原稿には入っていなかったため、私としては積極的に入っていなくても良いと思っており、これを入れる主旨がどうかということだと思う。また、逐条解説の方にこども基本法の解説を少し入れると良いかもしれないと思った。
【委員】
条例の一番最後の付則について、3年を目途に条例の規定の見直しを行うことが書かれている。この会議において、生きた条例にしたいという話が出たが、その都度抱える問題は変わってくるため、話が上がったものを3年待たずにボトムアップできる体制についても考えていけると良い。
【委員】
子どもの権利が守られているのかどうかを評価したり、監視したりする体制や、子どもや周りの人が訴える場所や機関はあるのか。子どもの権利を具体的にどのように保護し、守っていくのかということが抜け落ちている気がする。予算の関係上、専門機関を立ち上げられないということはあると思うが、子どもの権利が守られていないときに救済できるものがなければ、ただつくっただけになってしまうため、セットで考える必要があり、条文の中に明記した方が良いと思う。
【会長】
その点については事務局に持ち帰って検討していただき、次回提案できればと思う。次に、二つ目の論点についてもどのように推進していくか、今後の市の取組の方向性について意見交換をしたい。
【事務局】
本日欠席の委員から送付された、校長会としての意見を会議開催前にメール共有させていただいた。一つ目の意見としては、①の子どもの参加のハードルが低いということが一番であり、まずは、参画することを体験することがスタートであること、二つ目の意見としては、②の生徒会、児童会を構成メンバーとし、定例会を開催するような、常設で会議体を持つことが良いと思う、とのことであったため、共有させていただく。
【委員】
イベントについては単発でも良いと思う。今は知ってもらわないと意見も出てこない状態であり、毎月、毎週やっていたら連続性のあるものになってくるため、それで周知がされてきたら常設で良いと思う。
【会長】
入口的にということか。
【委員】
そうである。集まってそこで発言してもらうことが連続していくと、言いたいことを言って良いのだ、思っていることを伝えて良いのだということになり、より活発な意見が出てくると思う。まずはイベント性が強く、単発で終わってしまうものであっても繰り返し行い、それが当たり前になるような社会を目指すと、子どもたちも意見を出しやすいのではないだろうか。
【委員】
資料に子ども議会、狛フェス中高生ブースについてハードルが低いと書かれているが、狛フェス中高生ブースは応募者が現時点で4人で、ハードルが低いとはあまり思えない。どちらのイベントも年に1回の実施であり、参加した子どもたちが面白かった、と口コミで誘ってくれれば、どんどん広がっていくはずである。沖縄の公民館を取材したときに、最初、中高生の参加者が10人だったのが、今では毎年100人に迫る応募者がいるとのことで、どうすればそんなに集まるのかと質問したことがある。面白い、自分たちで色々決められる、大人がすごいと言ってくれる、誰かの役に立てたなどの体験を得ることができ、子ども同士の口コミで広がっていくとのことだった。やるなら本気でやらなければならないと思う。
【委員】
このような企画に参加した後には楽しかった、参加して良かったという意見を言ってくれる一方で、忙しいという意見もある。子どもたちも年を追うごとに忙しくなり、興味はあっても、自分がやりこなさなければならないことが多い状態だと、時間がない中、会議に出席しなければならないことはハードルが高いと思う。
また、情報収集だけにコストをかけるのはとてももったいなく、アンケート等であればコストがかからずに済む。教育委員会やPTA等に協力してもらうことができれば、その予算を別の企画に回すことができると思う。また、小中学校においても市の施策や学校等のテーマについての意見発表の機会がある。そのようなものもうまく活用し、関係部署と協力しながら実施し、意見が集まると良いと思う。また、コミュニティスクールにおける子どもの意見聴取についても、教育委員会と足並みを揃えてコストのかからない意見の聴き方や窓口ができると良いと思う。
【会長】
既存の仕組みの中でもう少し活用することができ、生徒会に市の職員が参加する等、子どもたちのところに大人が出向く形の方が、もしかすると子どもたちの負担は少ないのかもしれない。
【委員】
せせらぎ公園等、人の集まる場所に行って話を聴くと良いと思う。野川のえんがわ こまちと一緒に園庭開放をやっているが、そこが楽しい、魅力的であれば子どもたちの口コミで広がる。先程単発という話が出たが、単発を多数やれば連続性のある活動になるため、ぜひ検討してもらえればと思う。
【会長】
子どもたちがいるところに、例えば「今日は市役所の人が来るから言いたいことを言える日」のようなテーマを設定しても良いと思う。あえて、新たなものを組み込むというよりは、既存の仕組みの中で子どもたちが来やすいような場面に、少し意識的に大人が出かけて意見を聴くことで予算をかけなくてもできるのかもしれない。
【副会長】
意見表明権については、これまでの調査の結果を思い出すと、親と学校の先生への色々な思いがたくさん書かれていたと思う。イベントにしてしまうと、意見はイベントでしか言えないのだという誤解を与えないかと心配に思う。元々はそうではなく、日常生活の中での意見表明が大切だと思う。日常生活の中で、自分がきちんと子どもの意見を聴いているのかと、振り返ってもらえるような文言にはならないのかと考えた。
私は立場上、療育機関で言葉を上手く伝えられないお子さんの意見表明権がどのように保障されているかがとても気になっている。普段の生活の中での意見表明権というものであり、わざわざ意見を聴こうという話ではないのではないかと思う。
【委員】
市政に対する意見や意思表明という点で読み返せば、日常生活において、子どもたちが自分たちの意見を表明したいが、大人の抑圧によって言えないということがたくさんあると思う。市の施策に対する意見を子どもから聴きたいということであれば、来てもらうというよりも出向くという方が、自由な意見が出るのではないかと思った。
【委員】
例えば、子どもの居場所等において、子どもたちが何かしたいと言ったことに対して実際に場所を提供したり、一緒にやってみる等、そのような積み重ねの延長線上に市政があると思う。
日々子どもたちが出入りしているところやティーンズルーム等で意見を言うことができたり、解決に向けて大人も含めて一緒に考え、それが市政につながっていくような仕組みができると良いと思う。日常の自分の居心地の良い場所で、意見や文句を言ったことが、何か世の中を変えることにつながって行く点がどうすればできるのか、それこそ子どもと一緒に考えたい。
【委員】
私としては、日常的な意見が市政に結び付いていくようなシステムがあると良いと思う。子どもの意見がいかにして大人に影響を与えることができるかということこそ、子どもの意見を聴いた方が良いのではないかと思う。
そして、イベントについては真剣な内容であったり、細かい話も多いと思うため、イベント自体が面白いかということはあり得ないのではないかと思う。何が面白いかと言われれば、子どもが大人に影響を与えられることができるということが、やりがいにつながることだと思う。今の書面を見ると、①も②も最初から決定権に限界があると書かれていて、本当にこのイベントが大人に対して影響を与えることを想定しているのかと正直思っている。
例えば、50万円で何でも使って良いと、子どもたちにお任せするような部分がないと、結局、イベントであれ何であれ、結果としてこういう理由でダメだったということになってしまう。小さなことでもお任せするようなことができると参加する人が増えていくのではないかと思う。
【委員】
この企画がいかに大事かというよりも、子どもの声を聴き、その声を実現するために努力することが大事である。色々な人に配慮することも視野に入れ、実現できそうなものをここに入れておけば、そんなに議論を重ねなくても良いと思う。
【副会長】
私も今の意見が大事だと思う。あえてここに入れる必要があるのか疑問に思う。それよりも大事なものが、その子たちの意見を表明する機会をもっと設けることが必要なのである。あえてここだけにそんな具体的なところを書くのか、私はよく理解ができていない。
【委員】
ここは凄く大事な肝で、どんなに大変でもやるという意気込みを入れないと、狛江市の本気度がこの条例から見えないと思う。具体的なところを何か一つでも入れないと、狛江市で条例をつくる意味がないのではないかと思っている。
子どもたちに主権が渡されない、大人が用意した中で、いくら子どもたちが話し合って考えても良くならないため、子ども議会の内容を検討する等した方が主権者教育にもつながると思う。
【会長】
今の議論の中で、イベント等を実施する目的をどうするかが大切である。日々の子どもたちの生活の中で生まれてくる声を聴き、その声が反映された体験をできるような経験を積み重ねられるようにしていく必要がある。あえてイベントではなく、生活の場面でないと声は拾えず、毎日の積み重ねであるということをキーワードとして検討すると良いと思う。
【委員】
今の考え方が大事だということを書くだけならいくらでもできる。どのような形で実現して、最終的に子どもたちに条例ができて良かったと思ってもらえるかが重要である。私としては具体的に何をやるかを切り離して条文だけを考えるのは、ほとんど意味がないと考えている。
【委員】
私としても①と③のどちらも充実させていくというところが肝かと思う。3~4か月、10回近い回を重ねて、実現していく子ども議会は肝にすべきだと思っている。子どもの意見表明の機会は権利なのだということと、それが条例にもなったということを伝えた上で、今後やっていくべきだと思う。これを一過性のイベントとしてしまっているのは、大人の責任だと思うし、子ども議会で子どもたちが発表したことの実現に向けてサポートすることが大切であり、これを一過性のイベントにせず、組み直しを希望の一つにしていくべきと思う。
もう一つは③について、子どもたちが日常的に自分たちの声を表明できることが大事だと思う。日常的な関わり合いの中でもそうだが、月に1回子ども会議というものをしていて、地域の団体だと「まなびや」というところも定期的に子ども会議を開催していると思う。日常的なものに加えて、児童館やティーンズルームで子どもの声をきちんと聴く場が確保されるべきと考える。③で「範囲が限られる」というのが欠点とあるが、これはむしろ長所だと思う。範囲が限られるからこそ言えたり、実現できること、自分の声で何かが変わったと実感できることが大事だと思う。範囲が限られる場で、子どもが自由に意見を言える場をきちんとつくっていく。児童館やティーンズルーム等、子どもたちが年に何回か集まって、狛江市全体の会議のようなことを行い、身近なところについて考え、自分が言ったことが実現されていくことや自分にも何か変えられるという自己肯定感のようなものの積み重ねの上に市政に声をつなげていくということがあるのではないだろうか。
これらの運営や会議の進行等にあたっては大人の方に難しさがあると思う。子どもの声をどう拾い、それを実現に結び付けたり、子ども主体の会議の場を大人が仕切らずに、子どもをサポートできるかについては力量がいると思う。それに対して職員研修に予算をつけて、必要なことを学んでいくことも大事だと思う。また、例えば、保護者向けに子どもの声を聴いて家庭の中で向き合っていくための研修なども行うと良いと思う。
【会長】
これまでの議論を踏まえ、次回に向けて修正をお願いしたい。
◆議題2 その他
【事務局】
前回の会議で言及したアウトリーチヒアリングのフィードバック資料について、現在TOKYOPLAYと調整しており、皆さんにコメントをいただきたいと思っている。改めて連絡するが、ご協力いただける方はコメントをお寄せいただきたい。
【事務局】
次回の日程は6月12日(木)午後6時30分から防災センター402・403会議室にて開催予定である。
【会長】
その他意見等なければ、以上をもって会議を終了する。
-閉会-