1 開催日時

令和6年5月15日(水曜日) 午後6時30分~8時

2 開催場所

防災センター402・403会議室

3 出席者

委員:加藤会長、市川副会長、馬場委員、毛塚委員、矢﨑委員、細谷委員、植村委員、富永委員、野木委員、山本委員、稲葉委員、豊田委員、北澤委員

事務局:冨田子ども家庭部長、山口子ども若者政策課長、岡本子ども家庭課長、中村子ども発達支援課長(兼)教育部教育支援課長、三宅児童育成課長、大橋北部児童館長、西村企画政策係長、梶山企画政策係主事

4 欠席者

松田委員、梅本委員、小西委員

5 傍聴者

3名

6 議事内容

  1. (仮称)狛江市子ども条例の今後の進め方と市として目指したい方向性について
  2. (仮称)第3期こまえ子ども・若者応援プランの基本理念及び目標等について
  3. その他

7 資料

  • R6第2回_アジェンダ
  • 資料1-1  (仮称)狛江市子ども条例の今後の進め方と市として目指したい方向性について
  • 資料1-2  子どもの権利条約第1~40条抄訳一覧
  • 資料2 (仮称)第3期こまえ子ども・若者応援プランの基本理念及び目標等について

 

8 会議の結果

 

議事1 (仮称)狛江市子ども条例の今後の進め方と市として目指したい方向性について

事務局より資料1-1、資料1-2の説明

【会長】
 前回までの会議を踏まえてスケジュールを修正していただいた。精査する内容については次回以降となるため、次回以降の会議に向けて一通り資料はご覧いただきたい。スケジュール変更について、理念的なものではないという点で検討されたことは説明の中で良く伝わったが、会議の中で話されたことは、子どもの権利について語り合うだけの土壌がまだまだ出来てないという点であると考える。そこに関してはどのようなアプローチをするかという議論がされたと思うが、この点についても持ち帰り、何らかの議論がされたのか。

【子ども若者政策課長】
 土壌づくりは条例制定後まで見据えて、継続的に行う必要があると考えている。条例を作っていることをまずは広めるところから始め、全員に深く理解をしていただくことは難しいが、我々も勉強しながら、市民の皆様へご理解いただきたいと考えている。

【委員】
 今回の資料はかなり前回よりは分かりやすくなり、時間をかけて検討されたのだと思う。条例の具体的な内容は次回以降の会議の議論のため、踏み込んだ内容は控えるが、一市民として意見を申し上げると、狛江市として大事にしたい理念はどのようなものであるかを知りたい。今回の資料で参考として、人権を尊重しみんなが生きやすい狛江をつくる基本条例などを挙げているが、重要視しなければならない子どもの権利条約やこども基本法の理念そのものを条例の中で十分に考慮する必要がある。これまで子どもはあくまで大人たちの施策の対象にあったという考え方を転換し、子どもは生まれながらにして既に大人と同一の価値があるということ、また、子どもが意見を表明し、権利を行使し、最大限の最善の利益が確保されるように子どもたちの権利行使を支えていくことを知っていく必要がある。また、場合によっては大人が子どもの権限行使を牽引していくような、社会、また、それに伴い子どもたちでなく大人も成長していけるような社会というような子ども観の転換ということを考えないといけない。そうでないと、ただ人権を保障すると言っているのでは、これまでとあまり異なった内容にならないのではないかと考える。
 また、条例制定に向けた全体のプロセスを見ると、非常にパワーが要るような内容になっている。全体のスケジュールを検討すると個々の一つ一つの内容を具体的にどのようにやっていくかということと、総合的に全体のスケジュールを考えていくということを、行ったり来たりしながら最終的なスケジュールの中でどのような対応ができるかを検討する必要がある。本気で行う場合、本当に重大なことだと思っている。そこに関して委員としてどのような役割を果たすことができるのか、また、予算的にどのような措置が必要なのかということについても検討させていただきたい。

【委員】
 子ども条例に関わることでいうと、学校で過ごす時間は子どもにとってとても長く、大きい役割を担うと思う。教育委員会は小学校、中学校を管轄している部署だと思うが、そこの長か、もしくは長でなくても、教育委員会の担当者と一緒にこの会議の場で話し合い、会議の雰囲気などを感じ取ってもらいたい。小学校や中学校の中でのことと、この会議の内容について、乖離がないかなども分かってもらうために一番重要な部署だと思うため、この会議への出席を希望する。

【子ども若者政策課長】
 小学校、中学校の校長会の代表の先生方がいらしているが、教育委員会は現在この会議に出席しておらず、その話をちょうどしていたところである。教育委員会で作っている計画もあり、整合性を図る必要もあるため、その点に関しては調整、検討していきたい。

【児童育成課長】
 児童館とは連携しながら行っていきたい。

【委員】
 こども基本法の大きな柱の中の一つである子どもの意見の尊重は新しく大きく謳われるようなところである。条例を制定するしないに関係なく、学校の中で子どもに対し、新たな意見が尊重されなければならないという教育を進めなければいけないと思う。市内の小学校、中学校でどのように進めていくかを聞きたいが、自治体でやっていかなければいけないことだと思うため予定があれば伺いたい。また、予定がなければ、早急に立てていただきたい。

【会長】
 計画については、狛江市基本計画策定分科会の方でも項目を検討しているところである。その点に関してもメールでご意見をいただければ、分科会の方で活かしているようにしていきたい。狛江市総合基本計画・後期基本計画とリンクしないと上手く動かないところもあると思う。分科会での資料を必要に応じて共有し、それを見ていただき、この条例制定に関して活かせるところや反映させて変えていかないといけないところもきっとあるのではないかと思う。基本計画とあまりずれるのは良くないと思うため、その点の調整はこちらでさせていただく。条例に関する詳細は今後の議論とし、本日の議論の内容をご理解いただいた上で、今後も会議へ協力する流れで良いか。

議事2 (仮称)第3期こまえ子ども・若者応援プランの基本理念及び目標等について

事務局より資料2の説明

【会長】
 今回提示していただいたものの最終的な完成時期はいつごろになるか。

【事務局】
 次回の会議でもう一度確認し、最終案とするが修正は可能である。また、次回の会議で修正案を提示し、その後個別の施策の議論に入る。

【会長】
 本日のこの議論では、多くの意見を出していただいた方が今後の流れにつながるため、ぜひ意見出しをお願いしたい。

【委員】
 基本目標の(1)の説明文の中の児童虐待の防止に向けて体制を整備する、という点について、市や子ども家庭支援センター、児童相談所など要対協のメンバーが記載されているが、後に広がることを考えるとふらっとなんぶやcomarch、プレーパークなど、この文章に入れる必要があれば、入れてほしい。

【会長】
 個別の施設を挙げるか、要対協で必要な機関という書き方にし、他の機関が加われるような余地を残しておくか、というところか。

【委員】
 居場所を増やそうという流れが全体的に進んでいるため、包括的な方が良いと思う。ちなみに「ゆるくつながる」という言葉が基本理念から抜けた理由はあるか。

【事務局】
 今回はこども基本法の制定等も踏まえ、このように提示させていただいた。もし変わりなく入れるということであれば、修正可能である。

【委員】
 「地域とともに」という言葉は良い言葉ではあり、聞こえはとても良いが、個人的には地域とは壁と距離があると感じる。それであれば、基礎の部分になるため「ゆるくつながる」という元々あるものを受け継ぎ、うまく反映させた方が良いと思う。

【副会長】
 どういう壁を感じるのか。

【委員】
 冷たく感じないか。最近、地域とつながるという言葉を聞く。とても良い言葉であるが、使われ過ぎており、軽く聞こえてしまう。それであれば狛江は小さい市であるため、やはり隣の方々とゆるく、どこかにつながっていくのが求められると思う。柔らかい曖昧な表現でも良いのではないかと感じる。

【委員】
 私も「ゆるくつながる」という言葉は良い言葉と感じていたため、なぜ取ってしまったのか気になった。こども大綱などを踏まえての言葉だと思うが、個人的には“まんなか”という言葉は好きではない。“まんなか”という言葉は飾り物になり、最終的には空洞になってしまう、日本にはそういうものが多い。それよりも子どもや若者はまんなかではなくても良いので、あらゆるところにいてほしい。ドーナツの円をイメージするのであれば、ドーナツの中にたくさん入っていてほしい。あらゆるところで子どもや若者が意見を述べられる、権利を行使できる社会であってほしい。それが「ゆるくつながる」ということと直接結びつくか分からないが、「ゆるくつながる」という言葉があってほしいし、「地域とともに」という言葉が冷たく感じることも分かるような気がする。

【委員】
 町会とのつながりは嫌だが、友達グループが良いという意見も結構ある。

【委員】
 地域団体同士のつながりや横のつながり、地域住民の相互交流が書かれているが、地域団体や地域住民と、行政や学校などがゆるくつながるようなことが一番の希望である。その部分が地域団体同士で助け合ってほしいというように見えてしまう。行政や学校と地域がきちんと繋がっていく、コミュニティスクールの意味合いがあると思う。子どものことを周りの大人たちが話し合うのではなく、子どもも一緒に皆対等な立場で話し合うということが盛り込められることが一市民としての希望である。この会議においても委員と事務局との間に壁を感じるが、もっとゆるく自由に発言できるような雰囲気を自然にこの会議から作っていけたら良いと思う。

【会長】
 今の意見は基本的な視点の(2)だと思うが、支援を求める人の安心というところは、私も同じように感じており、市は何をするところであるかが見えてこない。市と地域の温度差、情報のアップデートの遅さがある。新しいことや持っている情報を常に新しいものにしていくことは大変だが、それはやはり行政にやっていただき、必要な人に必要な情報が届く形を作っておかないと安心というところにはつながりにくいと感じており、今後盛り込んでいけたら良いと思う。

【委員】
 こどもまんなかを採用するかどうかは様々な議論があるが、法律的な根拠がある言葉であるため、この言葉自体はおかしいものではない。ここに盛り込むかどうかは様々な議論があって良いと思う。私としては、前回のプランと今回の案を見比べたところ、基本目標は前回のものを踏襲しつつ修正を加えており、基本理念と基本的な視点がかなり大きく変更していると思う。基本理念と基本的な視点、基本目標は重層的に体系的な位置づけにするのは基本的な考え方かもしれないが、それがあまりうまく行ってないではないのかと思っている。基本理念と基本的な視点は同じようなことが書かれており、違いが不明確であるという印象を持っている。基本目標のところで、前の二つの基本理念と基本的な視点との断絶があるような印象を受けた。全体的に初めに理念があり、次に基本的な視点と続き、それらを達成するために目標を作るという配置がうまく行ってないではないかという印象を持った。また、子ども・若者がまんなかということについて、こども基本法における子どもの範囲とここでの子どもの範囲は同じであるか、また、従来の子ども・若者の範囲と同じであるかについて説明があった方が良いと思う。

【会長】
 読み手によって解釈が異なってくる。

【委員】
 従来、子どもは20代前後まで、若者は40歳前までと捉えているとすると、今ここで言っている子ども・若者はどこまで言っているのか、また、こども基本法で言っている子どもとはどう違うか、概念の定義の問題が曖昧になっている。場合によっては狭まっていると捉えられる可能性がある。ここで言っている子ども・若者はこども基本法でいう子どもであると、従前の若者は年齢がもう少し高い人たちと認識している場合、その人たちは今回のプランから除外されたと理解する可能性がある。

【委員】
 居場所づくりなどの補助金では、若者は30歳前後が含まれている。そこまでの幅があるのかそれとも子どもは18歳まで従来とおりとするか。

【委員】
 こども基本法自体は年齢によって子どもを定義していない。発達段階にある人たちという定義であるため20歳を超えても含まれているが、従来言っている若者は大体どのぐらいの年齢の人たちを示しているのか、そこは私が理解不十分かもしれないが、現在言っている子どもは39歳まで含んでいるのか分からなかった。

【事務局】
 この計画は子どもと若者を含めているため、39歳までである。

【委員】
 従来言っていた若者も入るということか、また、従来も若者と言えば39歳くらいまで含まれていたのか。

【子ども若者政策課長】
 そうである。こども大綱ではこどもまんなかと書いてあり、すぐ下では全ての子ども・若者が、と書いてある。こども大綱と言いながら、若者、少子化対策といったものを含めてこの大綱の中に入っている。

【委員】
 基本的な視点(1)「全ての子どもや若者とその家庭の最善の利益を図ります」という点について、子どもや若者の利益とその家庭・家族の最善の利益が一致していれば良いが、児童相談所で取り扱うケースの中には必ずしも一致しないものもある。具体的に言えば虐待されている子どもの利益と保護者の利益が相反することは珍しくない。性的虐待など明らかな人権侵害を受けている子どもがその家に帰りたくないと意見表明しているにもかかわらず、保護者は世間体が悪いといった理由で子どもを返してほしいといった具合である。そのようなときに狛江市では、誰の最善の利益を優先するのか、子どもの利益か、保護者の利益か?「我が市では子どもの利益を優先します」と毅然と言えるか、が問われると思う。そういうケースもあるということを考えるとどのような表現が良いか分からないが、この一文では説明しきれない。児童福祉法第3条の2では、子どもが健全に健やかに成長できるように、保護者を支援するという表現の仕方をしているので、あくまでも子どものために保護者や家庭を支援していくという書き方ぶりにしないとうまく伝わらないような気がする。

【会長】
 今の想定している家庭や子どもは、ある程度満たされている子どものイメージがこの資料の中から見えてくるため、今のお話にあがったような子どもたちのことを考えると少し書き加える必要があるかもしれない。

【委員】
 家庭の対立で親御さんを悪者扱いするということではなく、そうせざるを得ない親御さんもいるため、その親御さんを含めて支援していくという書き方ができると良いのではないかと思う。

【会長】
 そこが難しいが、資料の文章を見ると綺麗に書かれているため綺麗に読めてしまう。子ども時代の逆境体験や傷つきが将来的にメンタルヘルスを引き起こすことは明らかである。そのような子ども時代を過ごす子どもが一人でも減るように、という書き方だと異なってくるのではないか。また、子どものいない方たちと子どものいる方たちの双方が歩み寄れない状況になりつつあるように感じているため、分断を生みたくないと考えてる。子どものいる方たちや若者だけが読む計画ではなく、一般の市民も自分事として見てもらえるような書き方でないと子どもに関心のある方しか読んでもらえず、もったいないと思う。
 基本目標の(2)の中の「虐待はあらゆる子育て当事者が無縁ではないという認識をもち」から始まる説明文について、「虐待はあらゆる子育て当事者が」と書かれているが、その書き方はあまり好きではない。子育て当事者だけの問題にしてしまうと少し嫌な感じがするため、虐待を引き起こす要因は誰にとっても無縁でないという書き方のほうが無難だと思う。子どものいない方の圧力が親御さんに虐待を引き起させることもあるため、そのような文言を盛り込むと良いのではないかと思う。

【委員】
 基本的な視点の(1)について、「その家庭の」の文言を削除し、子どもの最善の利益のために家庭を支援する、という書き方の方がシンプルで良いと感じた。

【委員】
 基本理念があり、基本的な視点、目標がある。基本理念は概要で、それに対しどのような視点があるか、どのようなところを見ていくか、具体的には子どもや若者、家庭など、世の中の全てを視点として置き、それをクリアするために目標として作っていくという、系統を立てた方が見やすいのではないかと思った。最善の利益というと家庭の最善の利益とは異なる。子どもにとっての最善の利益をずっと言っているため、その言葉をあまり乱用するのはどうかと思うし、子ども特有のものではないのかと考える。「ゆるく」というワードについては、前回の計画策定の際の会議において「ゆるく」を決めたときに、非常に議論があった。狛江は様々なところにつながりがあり、何かいい言葉はないかと様々なワードを出した中で「ゆるく」はどうかという意見が出て賛同を得た。また、漢字ではなくひらがなにし、その言葉の中に様々な考え方があり、様々な捉え方ができる。そのような議論があったことを踏まえ、基本理念には、「ゆるく」という言葉がほしいと思う。

【委員】
 基本的な視点の(2)の「さまざまな主体」という点について、「行政が連携・協働」という言葉が最後に出てくるが、地域団体がメインで書かれている。「soranaの会」という発達の子どもを持つ親の会の代表をやっているが、SNSで情報収集できるようになったり、煩わしい人間関係を嫌うようになった風潮もあってか、会を辞める方の数が非常に多い。責任感を持ち、この会を必要と思ってやってくださる方ほど、子どもに障がい特性があり、普通の子育てよりも負担が多いことに加え、会のことをやりきれなかったり、親の介護が必要になったりと、辞めていく方が毎年度末出てくる。新しい方も入り、細々となんとか持たせているのが現状である。私の団体が特殊かもしれないが、何にしろ行政に絡む手続きが大変手間である。オンラインで15分の面談で済んだり、年度一回で終わるような内容であっても、提出しなければならないものが多く、会の中で誰かが負担をしないといけないことが起こっている。皆のために頑張っているのになぜ負荷が必ず発生するのだろうと思っているところに、この資料の中の文章を見ると、お金はかけないがさらに地域で頑張ってほしいというメッセージと感じてしまう。
 サードプレイスのような居場所は若者の年齢に関係なく、また、学童であれば大抵3年生までしか利用できないが、4年生になっても居場所が必要な子どもが必ずいる。対象年齢にかかわらず、その子どもが学童にふらっと行けたり、若者の年齢範囲を超えた方でも居られるような居場所づくりをする必要があると感じている。場所づくりは必ずお金が伴うため、行政が主導し、どのエリアにどのくらい作っていくかという目標を立てていく必要がある。ふらっとなんぶが市の外れに1つできたから良いというものではなく、世田谷の子育て支援のようにベビーカーのお母さんが歩いて行ける拠点、場所ごとに必ず1つ作るという目標を立てて作っていくという、旗振り役を行政が担い、市民活動は支えるということが前提でないときついと思う。もちろんつながりやすいということ、市民が主役でやっていくのは本当に良いが、丸投げ感があり不安というか疑問である。

【委員】
 「地域社会」や「地域とともに」ということはとても多いと思う。地域にそれだけ期待されているのだと感じるが、地域にも限界がある。基本目標の(3)について、「地域社会で支え合う子ども・若者支援の推進」の二つ目の説明文の中に、「子どもの遊び場等を整備し」とあるが、地域の方で子どもの遊び場を整備するのは難しいと思う。行政も補完するような書き方にすると良いのではないかと思う。

【会長】
 少し発想が逆になったほうが良いのではないか。子育て支援や若者の支援を通しつつ、地域がつながっていくような、地域が醸成されるような働きかけという、地域に丸投げではなく、切口として地域づくりをやっていくという方が良いのではないか。

【委員】
 福祉の教科書には自助、共助、公助という言葉がある。この文言だと自助と共助だけ、自分たちで頑張ってほしいというように読み取れる。公助というバックアップがあるからこそ、出来るところまでは頑張ってみようという自助、共助が機能する。この文言だと、当事者は自分たちだけで頑張れと言われているようで不安に感じてしまうかもしれない。

【会長】
 そこは行政がささやかに支えていくような文言があると良いと思う。

【委員】
 団体や地域住民のことを書くことはもちろん良いが、それを支えたり、牽引するのはやはり行政であることを明記しておかないと、行政は予算がないから地域に頑張ってほしいと読めてしまう。

【委員】
 おじいさんが子どもたちを遊ばせようと公園の遊具に玩具をぶら下げたところ、それが逆に危ないという理由で訴訟されたことがあった。その人が良かれと思ってやったことが、逆に回りまわり悪い方向に行ってしまうということは良くないと思う。子育ては大変だが、その中で親も学ぶことがあり、楽しいこともあり、プラスのところもなかなか伝わっていかないところもある。子育てを大変だから応援するのではなく、みんなで楽しい子育てをしていこうということを書いてもいいではないかと思う。

【会長】
 基本目標のところで対象の年齢が39歳までだとすると整理した方が良いと思う。子どもだけの内容が書かれているところもあれば、若者支援だと異なる内容、例えばひきこもり支援なども入ってくる。39歳まで支援があるにしても就労が目的ではないと、なかなか若者支援に入り込めないではないか。一緒くたになり過ぎているため、読んでいると子どもだけのことに読めてしまう。説明文の中に「子ども・若者」と書かれているところと、「子ども」だけのところがあり、少し読みづらい感じがする。

【委員】
 家族支援のところに重きを置いて書いてもらえるところがあると良いと思う。子どもと若者の最善の利益はもちろん図りつつ、子どもだけが支援されて子どもが児童相談所に行っているが、その家庭にはあまり支援されてない現状がよくあるため、そこをもっと取り組むと良いと思う。また、現在行政は虐待がきっかけではないと動けない部分もあり、虐待につながる可能性のある家族の支援ニーズだけをキャッチするのではなく、フランスでは虐待ではなく心配というキーワードだけで支援が入るところがあり、そのくらいでないと子育て相談をしていて遅いと思う。虐待の手前で心配というキーワードだけで家族支援することがあると良いと感じた。

【委員】
 海外の研究でエビデンスとして出されているが、親の幸福度を上げることにより子どもの幸福度が上がる、そこの考え方が重要である。子育て支援は親を甘やかすということではなく、子どもの幸せのためには、その家庭ごと幸せにしていくという視点で施策をたてる必要があると思う。

【会長】
 基本目標(1)について、「ヤングケアラーを生み出さない地域づくり」という文章に修正していただいたが、ヤングケアラーや虐待が生じるのは大人の課題が解決されないからである。子どもの利益を守るために大人の支援を充実させるという書きぶりの方が分かりやすいのかもしれない。地域は地域で大事であるが、そこに「地域」と言われると伝わりにくい。

【委員】
 「自分らしく」という言葉が入っているが、この部分はメインになってもいいではないか。子どもだけではなく大人も自分らしくいるということ、今回の資料に書かれていることは子ども・若者と自分らしくということであるが、大人が自分らしく出来ないのは不幸な感じもあるため、そこが書いてあるといいと思う。

【委員】
 最終的に市として取り入れる施策はどのようなことが想定されているのか。計画を策定するのであれば、そこに基づき、施策を展開できるようにならないと意味がない。ベビーカーで行ける範囲の居場所づくりについてもどこで作るか、お金があるかということや、どのような施策が想定されているか、また実際にどこまでできるかということも気になった。基本的な視点の中に、子ども・若者の支援のためにバックアップとして家庭を支援することや、それとは別に行政も子どもや家庭、地域団体を支援するというようなことが書かれると良いのではないかと思う。お金がかかわってくるため、補助金を活用したり、居場所となるような場所を借りるなど、居場所づくりといっても考えることが多くある。

【副会長】
 基本理念があり、基本的な視点があり、基本目標があるという構造がきちんと出来ていないと感じている。基本的な視点と基本目標の抽象度があまり変わらない。基本目標だけを見るととても良いことが書いてあるが、具体的に何が実施されるか見えてこない。基本目標(1)の1つ目と2つ目の説明文については基本的な視点とほとんど変わらない。何をやってくれるのか、何ができるかを気になっている。そして基本目標(2)で、突然少子化対策になっているところが一番気になったところである。二番目に気になったところが基本理念について、子育て世帯とあまり子育てに携わっていない方はどう受け止めるかがとても気になった。子ども・若者だけが優遇され、自分たちは周辺なのかというように受け取られたら、とてももったいないと思う。子育てにあまり関わらない方々も一緒に関わっていくこと、分断を生まないということは大事であり、そのような分断を生まない文言はないか。皆がそれぞれの立場でそれぞれ子育てに楽しく関われるまち、というイメージの方が分断が生まれないと思う。
 初めてこの資料を読んだとき、我々は周辺かと思わず聞いてしまった。そのように受け取る人もいると思うし、「こどもまんなか」という言葉はこども大綱の言葉でもあるが、こども大綱を知っている人があまりいないため、掲げる内容がきちんと分かるような何かを作らないといけないと思う。

【委員】
 前回の会議において子ども条例の議論をしていた中で、子どもの権利条約、こども基本法、こども大綱などがあるため、今回のプランの中に概念として持ち込むということをしていると思う。子どもメインの考え方を持ってきているが、従来のプランが子育て支援の視点からできたものであるため、子育て支援の考え方をメインにするのか、それとも子どもの権利をメインにするのかによってかなり大きく変わってくるのではないかと思う。前回の会議で、私が、「こどもまんなか」ということや今までの流れと大きく方針変換することがいいのではないかと発言し、それを踏まえて今回の資料を作成したのかもしれないが、「こどもまんなか」というメインでやっているとなると、これまでの子育て支援を中心とした考え方とかなり大きく変わってくる。今回の子育て支援というスタンスで考えていくのであれば、どちらが良いという問題ではなくこどもまんなかとは少し違う。こどもまんなかに固執しているわけではなく、子育て支援のスタンスでプランは策定し、子ども条例は別で作るということであれば異論はない。

【委員】
 日本保育学会で社会的子育ての実現の発表があり、指定討論者として先生の話を聞き質問をする立場で参加した。そこで発表されていたことは、子育ては子育てしている家庭だけではなく、子育て中のお母さんが違う家庭のお子さんも一緒に育て、一緒に成長を見守り、それが喜びにつながることや、保育を学ぶ大学生が大学のキャンパス内で子育ての広場を開催し、そこに関わることで学生が子どもたちに励まされ、お母さんも学生に励まされるということであった。また、ある子ども園ではお散歩に行く際に出会ったお年寄りと交流することで子どもたちも様々なお年寄りの世界を知り、お年寄りも子どもと触れ合うことで元気をもらえるような実践があり、社会で子育てをすることが義務ではなく楽しみであり、全ての世代にとって喜びであるという発表があった。そのようなことを書いてほしいし、そういう狛江になってほしいと発表を聴いて思った。子どものために何でもできる公園にしようとしても反対が起きたり、子どもが公園で葉っぱをちぎると、お年寄りが怒ったりすることが現状起きているが、そうではなく、子どもの失敗も成功も皆で見守りながら、お年寄りも子どものいない若者もそこからエネルギーを貰えることをプランに反映してほしいし、そのような地域になることを願う。全ての市民が子どもを育てるのは子育て家庭のメリットだけではなく、自分たちにもメリットがあるのではないかということに気付くようなきっかけにしてほしいと思った。

【会長】
 基本理念のキーワードがもうひと捻りができるといいと思う。子ども・若者の育ちをゆるく見守る地域づくりというイメージである。文言の整理と、基本理念、基本的な視点、基本目標の内容が似通っており、明確な違いが分かりづらいため、そこの整理をお願いしたい。

【委員】
 「地域とともにつくる」の主語は市・行政なのか、市民と言っているのか、地域とともにつくるのは誰を想定しているのかを考えると、狛江市が主語になるのだとは思うがいかがか。

【事務局】
 行政計画のため、主語は狛江市である。

【委員】
 全体的にこどもまんなかにこだわらなくても良いのではと感じている。前回のプランでは、「ゆるくつながり、地域が子どもと若者を支えるまち・狛江」というシンプルで分かりやすい一文だった。子育ての喜びを分かち合うまちとかでも良いのではないかと思う。

【委員】
 互いに育ち合うということは重要であり、子どもを支えるではなく、互いに関わることにより支え合い、成長していくということが重要である。幼稚園に職業体験に来る中学生や高校生自身が成長していくのはもちろんだが、その家の保護者の方々も自分の子どもが幼児のことを思い出し、地域や様々な団体と関わりを持つことで互いに喜び合い、成長し合うまち・狛江を目指していく、子ども・若者応援プランだが世代を超えた全員が喜び合えるまちになれば良いと考えている。

【委員】
 「関わり合う」や「触れ合う」という相互に関係して、影響し合う感じがとても良いと思う。つながるのは大変であるため、先ほどの意見は聴いていて心地よく、自分らしさも大切にされていると思った。「まち」についてだが、コンパクトなまちを活かすのは狭いからこそつながれる、つながりやすいということが書いてあるが、市が狭いからこそつながりやすいというメリットや具体的にどうして狭いからこそつながれているのか、ここは小さいというだけを言いたいのか、小ささを活かせている施策は一体どのようなものであるかということが気になった。

【会長】
 狭いからこそ苦しくなることもある。顔見知りであるが故にSOSを発信できないなど、書き方によっては誤解されてしまうこともある。

【委員】
 基本目標(2)の最後の説明文の中に、「支援をつなぐためのマネジメント」と書かれているが、具体的にどのような意味合いか。

【事務局】
 子育て・教育支援複合施設やこども家庭センターなどの運営という意味合いだが、どちらかというと調整やコーディネートに近いため修正する。

【委員】
 避難訓練で中学生に指導することがよくあるが、親は働きに出ていたり、高等学校の兄姉も遠くの学校に行くことから、中学生が地域で一番実行力や行動力、体力があり、地域の人たちを助ける立場になって動いていかないといけないということを伝えている。生徒会の活動においては主体性を育むような教育をしていく必要があり、防災の考え方と同じように地域の人たちと一緒に中学生がリーダーとなり、動ける子どもたちにしたいと思っている。今の子どもは家に遊びに行く時、二人で関わって遊ぶのではなく、それぞれ全然違うゲームをし、関わらないで遊んでいるということがよく言われているが、そういう世の中で多種多様な人たちが折り合いをつけながら課題解決をし、共に生きていくこと、本来人と人が関わっていくことが本当に楽しいことであるということをしっかりと中学生たちに素地をつけて知ってもらわないといけないと思う。
 部活動にエネルギーをかけている現状があるが、教員の働き方改革というところもあるため、うまくバランスをとりながら地域にもエネルギーを注いでいけたらと思う。その他、市の施策として遅くから始めて遅くまで開いているような、時間をずらしたセンターの運営などができると働いている親御さんも活用できると思う。

【会長】
 今の意見は本当に大事なことで、地域に愛着を持つということは、地域の中で大事にされた経験がないと子どもが地域に愛着を持たないと思う。そういう意味で人と暮らす心地よさみたいなものを地域の中で子どもたちが体感でき、還元したいと思ってもらえるような地域づくりというところがポイントになると思う。大事にされた経験がない子どもがあまりにも多いため、人のことを大事にするという感覚が育ちにくいため、そこがうまく書き込めるといいと思った。

【委員】
 理念については、現在のプランの「ゆるくつながり、地域が子どもと若者の支えるまち・狛江」を微修正するような方向でいいか。

【副会長】
 会議への教育委員会の参加については喫緊の課題であると思う。学校の先生方は子どもの育ちの一番のサポーターであり、先生方の協力がないと本当に子ども条例ができないと思う。この会議の総意として、是非参加してほしいということを強く求めたい。

【会長】
 本日の会議で出た意見を持ち帰りいただき、次回の会議で活かしていけたらと思う。

議事3 その他

事務局より次回の日程について

【事務局】
 次回の日程は6月11日(火曜日)に開催予定である。

【会長】
 以上をもって会議を終了する。