1 日時 平成24年7月20日(金) 午後6時15分~8時15分
2 場所 市役所3階 301会議室
3 出席者 委員長 森 安彦、副委員長 菅原 昭英
委員 新井 勝紘、稲葉 和也、井上 孝、田中 英利子、谷川 章雄、坪西 由美子、冨永 春芳
理事者 高橋 都彦(市長)
事務局 水野 穣(企画財政部長)、浅見 文恵、宇佐美 哲也、清水 聡(市史編さん室)
4 欠席者 なし
5 議題 1.委員長、副委員長の選出について
2.狛江市市史編さんについて(諮問)
3.市史編さんの体制等について
4.歴史的公文書の取り扱いについて
5.その他
6 提出資料 1.狛江市市史編さん委員会委員名簿
2.狛江市市史編さんについて(諮問)
3.(参考資料)八王子市史編さんの基本構想及び編集方針の策定について、小平市史編さん基本方針
4.狛江市市史編さん委員会設置規則、狛江市市史編さん委員会市民委員募集要領、狛江市市史編さん委員会市民委員選考要領、狛江市市史編さん専門調査員及び市史編さん調査員設置要綱、狛江市市史編さん協力員設置要綱
5.「狛江市史」編さんの経緯
6.新狛江市史編さん事業の位置づけ
7.狛江市市史編さん体制(イメージ)
8.市史編集専門委員及び専門調査員・調査員の候補について
9.平成24年1月17日庁議の概要
10.平成24年度市史編さん委員会スケジュール(案)
7 会議の結果

・議事に先立ち、浅見市史編さん室長の司会により、委嘱状交付式を開催。
・市長挨拶

議題1 委員長、副委員長の選出について:資料1
・委員の自己紹介
・宇佐美市史編さん室主査の司会により、委員長、副委員長の選出を行う。
・委員から、事務局案があるかとの質問が出されたため、事務局案として、委員長を森委員に、副委員長を菅原委員に依頼したい旨を提案したところ、事務局案については、全会一致で承認された。
・これ以後、森委員長が議長を務め、議事を進行。
議題2 狛江市市史編さんについて(諮問):資料2・3
・高橋市長から委員長に対して「狛江市市史編さんについて」諮問書が手渡された。
・事務局から答申までの流れを説明。年内を目途に本委員会で答申案をまとめ、平成24年度末にパブリックコメントを実施したうえで、平成25年度の第1回市史編さん委員会にて修正をしていく方向で進めたい。
・また、基本構想等の検討にあたっては、資料3として配布した資料を参考にしていただき、狛江らしさを出せるような内容にしていきたい。具体的な内容については、第2回目以降の委員会で実質的な議論をしていくことになった。
・委員長から、諮問の2(市史編さん事業の基本構想、基本方針、基本計画について)と3(市史編さんの基本方針について)との違いは何か質問が出された。事務局から、諮問の2は事業に関する大枠の基本方針について、3は通史や史料集等、刊行物の編集・刊行に関する方針である旨の説明をした。
・委員からは、3年を目途に基本構想等を見直す事例もあるとの指摘があり、副委員長から、今年度作成する答申は市史編さんの当初段階における素案であり、この答申をもって市史編さんの方針が最終的に確定するわけではなく、何年かごとに計画を見直すことを答申に含む方向で検討したいとの意見が出された。
・副委員長からは、事業が進んでいくなかで、編集専門委員会等の作業内容を、逐一編さん委員会で点検できる体制としておくべきとの意見が出された。
・委員長からは、資史料の収集、整理、執筆などの過程が、分野ごとの請負作業にならないよう、編さん委員会で常に全体像を把握できるような体制をとっていく必要があるとの意見が出された。
・副委員長からは、銀行町・六郷用水・軍需産業・北口再開発等に関連して、すでに市民活動の成果が積み上げられてきており、市民有志で行っている活動の成果をどのようなかたちで生かしていくのか十分に検討すべきとの意見が出された。これと関連して、委員からはTERRA塾や民家園で開催している講座狛江学等の成果も市史編さんに反映することができないかとの意見が出された。また、市民の中でも資料を集めたり、開発される前の古い道を歩いたりしているグループがあるので、市史編さん事業に組み込んでいければとの意見も出された。
・副委員長から、以前行った聞き取り調査の成果をどのように活用していくのか、また今後も調査を行っていくのかについての質問が出された。さらに、寺社建築や美術工芸分野についても十分な調査などが必要であるとの指摘があった。事務局よりこうした調査は、文化財担当と連携をしたうえで、市史編さんと並行して行っていきたい旨を返答した。
・委員長より、現在までの蓄積や編さんの過程における成果を公表するために「市史研究」などを刊行するべきとの意見が出された。
・以上、各委員から出された意見を踏まえ、事務局で方針案を作成し、次回以降の編さん委員会に提案していきたい旨を説明した。

議題3 市史編さんの体制等について:資料4~8
・事務局から市史編さんの体制について説明。本来であれば、市史編さん委員会から基本構想等についての答申を受けた後、体制等の整備は行うべきではあるが、平成32年度の市制施行50周年に向けて刊行を目指す8年間というタイトなスケジュールにあるため、当面、事務局案で開始させてもらい、必要に応じて修正していきたい旨を説明した。
・資料4・7をもとに、市史編さん委員会から受けた答申に基づいて市史編集専門委員会で実際の作業を行うこと、編集専門委員会を補助する立場として市史編さん専門調査員・編さん調査員を設置すること、市民協働を見据えて市史編さん協力員を設けたこと、また編さんの事務調整・調査補助を行うために市史編さん室を企画財政部内に4月に設けたことを説明した。
・事務局からは、参考資料として配布した資料5・6を説明。
・副委員長から、市史編さん室が市長部局に設けられたことは好ましいと考えるが、教育委員会の文化財担当との連携についての質問が出された。事務局からは、市史編さんにおいては、これまでの文化財担当の蓄積を活用していくことは当然ながら、市史編さんの過程で収集された資料の保存・管理についても文化財担当で検討するなど連携をとっていきたい旨の説明をした。
・事務局から、市史編集専門委員及び専門調査員・調査員は、編さん委員会の承認を得て委嘱する旨を説明し、菅原・森・新井・冨永の各委員に市史編集専門委員を兼務してもらい、各分野の作業に着手したい旨を説明した。これは、今回の編さん事業のなかでは、近世の古文書類が多数あること、また近・現代に関しては、前回の市史で史料集として刊行することができておらず、史料数も膨大であることから、早めに着手する必要があるためである。考古や民俗といった他分野の編集専門委員に関しては、随時追加していくことを説明した。
・あわせて、事務局から、市史編さん専門調査員2名と調査員3名を委嘱したい旨を提案した。
・委員長及び副委員長から、近世・近現代分野だけではなく、民俗・考古・美術工芸・建築といった各分野についても編集専門委員を早めに委嘱した方がよいのではとの意見が出された。事務局から、必要に応じて人選が固まり次第、編さん委員会に提案をし、承認を得たうえで委嘱をしていきたい旨の説明をした。

議題4 歴史的公文書の取り扱いについて:資料9
・事務局から、資料9をもとに説明。市役所内の行政文書は保存期限があり、それが過ぎれば廃棄になる。廃棄される文書のなかから、歴史的価値を有した文書を選別し、保管・管理していくための選別基準を平成24年度中に策定し、3年間蓄積期間をおいたうえで、平成28年度から公開を開始する予定である。これは今回の諮問のうち、「1.歴史的資源の取扱方針について」に該当するもので、「公文書等の管理に関する法律(通称:公文書管理法)」等が整備されてきたことを受けたものである。
・歴史的公文書については、編さん委員のなかでもこの分野に詳しい委員を中心に作業部会のような形で内容を詰めたうえで、第2回か第3回の編さん委員会に提示したい旨を提案した。
・委員長から、いわゆる公文書管理法が施行されて以来、その管理が自治体においても取り上げられるようになったことなどの意見が出され、その上で、市が所蔵する近代文書についての質問が出された。事務局からは、次回の編さん委員会に提示したいという旨の返答をした。加えて、今回諮問された歴史的公文書の基準作りは、今後廃棄となる行政文書が対象であるとの説明をした。
・委員から、現在まで歴史的公文書の保存に関する基準がなかったことから、早めに基準を設けるべきであるということや、選別収集する判断は、主管課のみならず全庁的に行うべきであり、ある程度の権限を持った組織が必要なこと、また他自治体の事例を参考にして作成していくべきであるとの意見が出された。
・副委員長から、行政内部で問題が起こるような文書は、その事案が終了する前に年限が来ると廃棄されてしまう。保存場所の問題もあり合理的になりすぎたのでないか。そのため、歴史的繋がりを残すという意識を行政が持つ必要があるとの意見が出された。
・委員から、平成28年度の公開にあたって、公開スペースを設けるのかとの質問が出された。事務局から、市役所2階の現在は電算室として使用されているスペースでの保存及び公開を考えているとの返答をした。また、文化財及び古文書は原物の公開は行わないこと、その公開方法については市史編さん室と文化財担当との間で考えていくこと、さらに文化財に関しては別に取扱基準を設けることを説明した。
・委員から、行政文書のうち、どれが歴史的価値を有するのかを判断することは非常に難しいため、逆に廃棄できる基準を考える方が現実的ではとの意見が出された。また、副委員長から、文書の廃棄・保存に関してどのような問題が発生しているのかということを担当課それぞれに聞いておくべきであるとの意見が出された。事務局側から、基準ができる前には明らかに廃棄しても支障がない文書から廃棄していくという考え方もあり、基準についてもある程度の試行は必要であること、さらに板橋区公文書館や府中ふるさと歴史館等といった、先行自治体を参考にしながら検討していきたいとの考えを伝えた。
・委員から、短時間で歴史的公文書を的確に選別することは極めて困難であるため、特定の場所に一定期間集積をしつつ、時間をかけて峻別をしていく必要もあるとの意見が出された。
・委員長から、過去のものに基づいて行われる市史編さん事業と、これから発生する廃棄文書を選別するための歴史的公文書の取り扱いでは、一線を画しているため、切り離して行うべきではとの意見が出された。歴史的公文書の取り扱いに関しては、日本ではようやく公文書管理法が施行されたものの、それを取り扱うアーキビストの制度的確立がなされてはおらず、公文書をどう残していくのかその整理・保存の学問的体系化が遅れているとの指摘もなされた。さらに、市史編さんの最終目的としては、編さん過程で収集した史料を保存・管理・公開するために歴史資料館や公文書館などの施設を作るという視野を持っておくべきであり、歴史的公文書もこうした施設において保存・公開を行っていくという考えを持っておく必要があるとの意見が出された。

議題5 その他
・今後のスケジュールについて(資料10)
・平成24年度市史編さん委員会は4回実施予定、この4回を目途に基本構想や編さん方針等について答申を作っていきたい。次回は8月末~9月初旬に開催予定をしている。
・会議の公開について
・委員から、「狛江市市史編さん委員会設置規則」の第7条にある委員会の公開についての質問が出された。事務局から、会議は公開であり、広報紙とホームページで周知し、傍聴の希望があれば可能であること、個人情報などを取り扱う際には、公開しない部分があること、会議録は公開されること等を説明した。

・議長、閉会を宣言。    
    


狛江市市史編さん委員会委員 名簿

肩書 選任の区分 氏名
  委員長 学識経験者 森 安彦
  副委員長 学識経験者 菅原 昭英
  委員 学識経験者 新井 勝紘
  委員 学識経験者 稲葉 和也
  委員 文化財専門委員 井上 孝
委員 公募市民委員 田中 英利子
委員 学識経験者・文化財専門委員 谷川 章雄
委員 公募市民委員 坪西 由美子
委員 文化財専門委員 冨永 春芳