1 期間

令和4年3月14日(月曜日)から25日(金曜日)まで

2 開催形式

書面による開催

3 出席者

委員長:森 安彦
副委員長:菅原 昭英
委員:新井 勝紘、稲葉 和也、井上 孝、谷川 章雄、冨永 春芳、堀井 美智子

4 欠席者

なし

5 議題
  1. 令和3年度事業報告について
  2. 令和4年度事業計画について
  3. その他
6 提出資料
7 会議の結果(委員からのご意見)

会議の開催については書面開催とし、あらかじめ事務局から資料を送付し、期間中に委員から意見を求めました。

議題1 令和3年度事業報告について:資料1、3~5

―資料1に基づき事務局から説明―

  • 第1回市史編さん委員会は、令和3年7月2日に開催し、令和3年度に刊行を予定している『新狛江市史 資料編 近現代5』及び『新狛江市史 民俗編』、『市史研究 狛江』第8号の概要を含めて、事業計画について承認いただくとともに、令和4年度末に刊行を予定している『新狛江市史 普及版』について、基本的な考え方に関し議論していただいた旨を報告しました。
  • 新型コロナウイルス感染拡大防止のための緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などが断続的に出されるなか、委員会を対面で開催することが難しい状況にあることから、第2回市史編さん委員会を書面にて開催をした旨や、委員会自体を開催する回数が減少した旨を報告しました。
  • 市史編集専門委員会についても、市史編さん委員会と同様の理由で、対面での開催ができなかったため、『新狛江市史 資料編 近現代5』及び『新狛江市史 民俗編』の構成・内容等については、各担当分野の編集専門委員と随時やりとりをし、内容については了承を得ながら編集作業を進めた旨を報告しました。
  • 資料調査の状況として、新たに旧猪方村の旧家から、近世から近現代にかけての文書約800点、民俗資料20点が発見され、調査を行ったこと、今後刊行予定の『新狛江市史 普及版』の執筆に、その調査成果も含めていく旨を報告しました。また、前年度から引き続き、市内諸家文書の再整理や、寄贈された民俗調査の資料等の整理を進めている旨を報告しました。
  • 史料の保全に向けた古文書のマイクロ撮影・デジタル化委託については、借用史料の撮影を進めるとともに、前回の市史編さん事業において『狛江市史料集』に収録された複写史料についても撮影を行っている旨を報告しました。
  • 民俗調査については、『新狛江市史 民俗編』の刊行に向けて、補足調査等を行ったこと、対面での調査は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から必要最低限にとどめた旨を報告しました。
  • また、事業成果の公表として、文字史料に関する最後の資料編となる『新狛江市史 資料編 近現代5』と、これまでの民俗調査の成果をとりまとめた『新狛江市史 民俗編』、講演会の記録等を掲載した『市史研究 狛江』第8号の編集を行ない、いずれも3月末に納品される旨を報告しました。
  • 市史関連講演会については、令和2年度末に『新狛江市史 通史編』が刊行されたことから、その普及・啓発を目的に、令和3年度には4回実施した旨を報告しました。
  • 講演会は、第1回目は市史編さん専門調査員の山﨑久登氏に、『江戸時代の名主はいかに生きたか』と題して、猪方村善次郎の生涯を通じて、江戸近郊農村の姿や鷹場、改革組合村などについてお話いただいたこと、第2回目は市史編さん専門調査員の中村亮佑氏に『中世の狛江市域』と題して、狛江周辺で活躍した中世武士の姿を中心にお話いただいたこと、第3回目は市史編さん副委員長の菅原昭英氏に『近世の民間信仰には草の根の社会的役割があった』と題して、地域で古くから行われてきた念仏講の変遷を中心にお話いただいたこと、第4回目は市史編さん専門調査員の永江雅和氏に『狛江市と小田急の近現代史』と題して、小田急線の開通時の様子、その後の新線計画に対する住民意識、小田急線の高架複々線化と狛江駅北口再開発の経緯などについてお話いただいた旨を報告しました。なお、第1回目と第2回目については、緊急事態宣言期間中であったため、定員を通常の半分に限ったことから、申込みをしても参加をお断りせざるを得ない方が多く生じたため、講演会の様子を撮影した動画を、市の公式動画チャンネルにて公開した旨を報告しました。

(議題1についての委員意見)

  • 新型コロナウィルス感染拡大防止のため、2年度にわたり、委員会開催が最小限にとどまったことはとても残念である。できるだけ対面での検討を通じて、縦横に意見交換・情報交換を重ねて、市史編さん事業の一層の充実を進めたい。
  • 市史編さん事業の次の発展段階として、資料館を設け、事業の継続を実現してもらいたい。
  • 旧猪方村旧家から文書が発見され、資料調査が行われたようだが、内容によっては『資料編 補遺』や『市史研究』を活用するなどして刊行することを検討することも必要と考える。
  • 刊行物や講演会の開催について、市史編さんの公式サイトをSNSなどに設けて、定期的に発信していくなど、広く一般に周知するための方法を考えてもらいたい。

 

議題2 令和4年度事業計画について:資料2

―資料2に基づき事務局から説明―

  • 市史編さん委員会は、年間4回を予定しており、主に、令和4年度に刊行予定の『新狛江市史 普及版』のコンセプト・構成・内容などについて審議していただくとともに、そのほかに予定している刊行物の内容等についても審議していただく旨を説明しました。
  • 市史編集専門委員会についても、刊行物の編集作業の進捗状況にあわせて開催する予定である旨を説明しました。
  • また、市史編さん委員会・市史編集専門委員会ともに、新型コロナウイルスの状況にもよるが、できるだけ対面で開催する旨を説明しました。
  • 資料調査としては、市内諸家文書等の再整理及び借用史料を中心にマイクロ撮影とデジタル化を進めていくこと、また、平成24年度から選別と受け入れを開始している歴史的公文書についても、整理を進め目録を整備していく旨を説明しました。
  • 刊行物として、『新狛江市史 普及版』、『新狛江市史 考古編』、『市史研究 狛江』第9号の刊行と、近世墓標調査の成果について関連考古学調査報告書としてとりまとめていく予定である旨を説明しました。
  • 関連事業の開催予定として、関連講演会を4回予定していること、講演会の内容は、令和3年度末に『新狛江市史 民俗編』が刊行されるため、民俗に関する内容や、これまで講演会としてはあまり取り上げてこなかった狛江の地形・地質に関する内容、さらに近代史に関する内容などを検討している旨を説明しました。

(議題2についての委員意見)

  • 市史編さん事業の継続と関連事業を調整していく必要がある。令和4年度中にできるだけ対面での委員会を重ねて、具体化していくことを希望する。
  • 市内には市史に対する市民の要望がかなり潜在しているようであり、それを掘り起こしていく作業が進んでいない現状がある。
  • 『新狛江市史 普及版』の概要や体裁などの原案を、できるだけ早く知りたい。
  • 令和4年度の刊行物のなかでも、特に近世墓標調査の成果についての関連考古学調査報告書は特色あるものとして注目している。
  • 『市史研究 狛江』は、令和5年度以降も継続事業として毎年1回刊行してもらいたい。市史編さん事業が終了しても、新しい発見や、残さなければならない重要な資料が出てくると思われるので、それを記録しておくことは、狛江の今後の歴史を残すうえで重要であると考える。
  • 内容豊富な資料編が刊行されたので、さらに新しい史料の提供があると思われる。その場合、『資料編 近現代6』の発行を検討できないか。内容は、昭和を中心にし、補遺として明治・大正も含めてはどうかと考える。
  • 昭和時代の史料は今集めておかなければ消滅してしまう。何十年後にはさらに『新々狛江市史』を発行することになるであろうから、それも視野に入れて現在集められる史料を集めておくべきと考える。
  • デジタルとともに、活字でも残してほしい。デジタルは多くのことを簡単に収録できるが、見る時(調べる時)に1ページごとに開かなければならず、流し読みができない。紙は記録や保管に多くの時間や面積(容積)を必要とするが、利用の段階では重要事項を発見しやすい。そこで、紙(活字)でも多く保管できる博物館や資料館を作ってほしい。
  • 狛江の地形・地質に関する内容の講演会は興味深い。近年の豪雨災害などに際して、地形・地質や実際に起こった史実を現代に紐づけて役立てようとする試みがあると、市史全体に興味をもってもらうきっかけになると思う。

 

議題3 その他

―資料6に基づき事務局から説明―

  • これまでの会議のなかで、編さん事業終了後、歴史資料を将来に向けて確実に保管・管理しながら、市民に向けて活用できるような体制・施設を整備していくことの必要性がたびたび指摘されてきました。とくに、令和3年度第1回の会議においては、改めて委員から、歴史的公文書の選別・保存・活用を含めて、集積した歴史資料を保存・活用していくための体制や施設等について、委員会としての提言をまとめる必要があるとの意見で一致したことから、これを受け、その後各委員との意見交換・情報交換等の内容を踏まえて作成した意見書(案)について説明しました。

(議題3についての委員意見)

  • 資料館(公文書館を含む)を創設してもらいたい。『新狛江市史』編さん事業は、その基礎づくりともいえると考える。
  • 大切な史料の保管や管理を厳しくでき、誰でもが利用し、活用できるような博物館・資料館を作ってほしい。狛江の歴史に関心を持ち、歴史を通して問題意識を持つことは、郷土愛を培い、日本の歴史を理解するうえでも重要なことである。博物館や資料館の活動が活発になれば、さらに貴重な史料が集まると思われる。
  • 令和5年度から、これまでの市史編さん室の体制を基本に、(仮称)市史資料館準備室を設けると良いと考える。
  • 令和5年度以降も、組織として継承していくことが大切だと考える。令和5年度は、とりあえず市史編さん室を継続して、施設等について検討していければ良いと考える。
  • 市史の刊行物の周知や、集められた民俗資料などを展示するための施設の必要性を感じる。廃校になった校舎の一角や、民家園の敷地内などに郷土資料館を設けるのが理想である。市史の刊行物や収集した史料を、広く市民が認知し、誇れる、親しめる共有資産としていくという働きが、市史編さん事業の終了後に新たに始まるようにしてもらいたい。
  • 意見書(案)については、各委員ともに内容を確認の上、了承されました。今後、細かな文言等の修正を行い、委員会からの意見書として市長あてに提出していくことになりました。

 


狛江市市史編さん委員会委員 名簿

肩書 選任の区分 氏名
委員長 学識経験者 森 安彦
副委員長 学識経験者 菅原 昭英
委員 学識経験者 新井 勝紘
委員 学識経験者 稲葉 和也
委員 文化財専門委員 井上 孝
委員 学識経験者・文化財専門委員 谷川 章雄
委員 文化財専門委員 冨永 春芳
委員 公募市民委員 堀井 美智子