1 日時

令和4年12月21日(水曜日)午後6時30分~午後8時30分

2 場所

集合およびリモート形式によるハイブリッド開催

3 出席者

会長:宮城 孝

委員:土岐 毅、石渡 典子、河西 信美、山田 高広、長谷川 泰、大塚 洋、大谷 美樹、小木 都紀子、大井 剛

事務局:
福祉保健部高齢障がい課長高齢者支援係長 保田 朋信
福祉保健部高齢障がい課長高齢者支援主事 佐藤 阿覧

4 欠席者

委員:高橋 公子、耒代 慎平

事務局:福祉保健部高齢障がい課長 髙橋 治

5 議題

(1)地域包括支援センターが抱える課題について
(2)その他

6 提出資料

  1. 【資料1】地域包括支援センターが抱える課題について

※個人情報または非公開とするべき文言が含まれるため、公開を差し控えさせていただきます。

7 会議の結果

(1)地域包括支援センターが抱える課題について

※個人情報または非公開とするべき文言が含まれるため、個別ケースに対する質疑応答について、一部公開を差し控えさせていただきます。

 

(会長)

 今回は、各地域包括支援センターが対応している複合ケースを読み解くことから、現状の課題を明らかにし、委員間で共有をすることを目的とする。そのために、各地域包括支援センターには、「1.複合的な課題を抱えた困難ケースであったが、働きかけにより改善した、または改善の方向性に向かっているケース」(以下、「ケース1」とする。)及び「2.複合的な課題を抱えた困難ケースで、支援の拒否などにより解決の糸口がつかめていないケース」(以下、「ケース2」とする。)の2ケースを提出してもらっている。それでは、あいとぴあ地域包括支援センターより、ケース概要の説明をお願いする。

 

〈あいとぴあ地域包括支援センターより資料1を用いて説明〉

〈地域包括支援センターこまえ苑より資料1を用いて説明〉

〈地域包括支援センターこまえ正吉苑より資料1を用いて説明〉

 

(委員)

 各地域包括支援センターからケースの説明を受け、認知症と精神疾患の複合ケースであること、女性のケースであること、すでに改善が困難な状況にまで悪化しているケースであることが共通点であると感じた。地域における地域包括支援センターの重要性を改めて認識した他、これらのケースは氷山の一角に過ぎず、支援に繋がらないケースも多いのではないかとも感じている。

 また、ケース1のように改善状況にあるケースには、支援に対して協力体制が取れる人間が本人の身近にいるという共通点がある。そういった協力者を起点として、官民の連携体制が解決に重要な糸口である認識をもった。

(会長)

 委員の指摘した共通点、解決策はより良い状況にしていくために重要である。

(委員)

 自分が関わっていて困るケースには、家族に精神疾患があることが多い。一般的な常識が通じず、包丁を持ち出す等、身の危険を感じることもあり、事件につながる不安がある。地域包括支援センターではそういった傾向を持つケースに対して、どのような対策を講じているか、どのようなサービスにつなげればよいと考えるかなどアドバイスがほしい。

(あいとぴあ)

 地域包括支援センターとして関わっている様々なケースの内からこれらのケースを選んだが、それぞれの家庭にそれぞれのバックボーンがあり、個々のケースでオーダーメイドの支援が必要になるため、どのようなサービスにつなげればよいかは一概には言えない。

(こまえ苑)

 様々な支援を行っても受診につながらないケースがある。細く長くつながりを継続しながら、必要なタイミングで医療につなげる必要があると考える。

(正吉苑)

 他の集合住宅でも類似のケースがあり、認知症連携会議でアドバイスをもらうなどしている。

 また、最近関わっている幻聴を持つケースでは、精神保健福祉士からのアドバイスで保健所と連絡を取る等している。さまざまな視点から支援を行うことが重要であると考える。

(委員)

 地域包括支援センターのみならず市の見守りが必要になるのではないか。市と地域包括支援センターで連携が取れていれば、もっと早く介入できたのではないか。

(会長)

 今回提出されたケースには、民生委員があまり登場していない。狛江は、95%の地区で民生委員を確保しており、多摩地域では特に充足率が高い。民生委員としての活動に過大な負担をかけることは適切ではないが、地域ケア会議に民生委員も出席してもらう等、地域包括支援センターと民生委員の連携を密にしてほしい。

(委員)

 来歴を見ると、人生を一人で生きてきたような印象がある。家族や友人関係などの、バックボーンの理解が必要である。訪問するにしても、サービスを利用するにしても、知り合いの一人に窓口となってもらうことができれば、支援もスムーズに行えるのではないか。エンディングノート等を用いて、まだ元気な内に、どう生きたいか、どのような人脈があるのかを書き留めておく必要がある。

(会長)

 本人も支援者も高齢のケースが増えていく中、死後事務は喫緊の課題である。ある調べでは、都内の30の社会福祉協議会は身元保証サービスを始めているとのことである。NPO等でも身元保証サービスを提供しているが、預託金の高さから普及していない。介護保険だけでは解決できないケースに対応するため、身寄りがない人へのサポートも必要である。来年度の高齢者保健福祉計画の改訂の際には十分な検討をお願いする。

(委員)

 今回提出された6つのケースの内、2つのケースが90歳以上である。解決が困難になる前に介入するためにも、90歳以上の市民の見守り体制を市が整えるべきではないか。民生委員、地域の住民との連携を密にしてほしい。

(会長)

 中野区では、15の区民活動センターにそれぞれ3人の職員を配置し、アウトリーチ班を作っている。狛江市でも、行政、地域包括支援センター、民生委員の協力の下、アウトリーチを行ってほしい。その際には、範囲を区切って訪問をすることになると思うが、年齢で区切るのか、手帳の有無で区切るのかも重要な検討事項である。精神疾患を持つ者が高齢者の介護をするような状況では、虐待の可能性も高い。早期発見、早期介入のためにも、アウトリーチの重要性は高い。

 また、今回のような複合ケースはごみ屋敷の通報で見つかることも多く、今回のケースのような、発見された時にはすでに支援が困難になっているケースが極めて多い。それらを早期に発見するには、民生委員の協力は必要不可欠である。特に、高齢化率が50%を超えた集合住宅等は複雑な問題を抱えている世帯が多い傾向にある。

(委員)

 自宅近くの、いわゆるごみ屋敷の通報を市にしたことがあるが、解決には数年かかっていた。自分の事務所の上階がいわゆるごみ屋敷で、水が漏れてしまっていたこともあった。本人に拒否がみられる内は、介入が難しいのではないかと思う。

(事務局)

 ごみ屋敷の通報に対する対応については、福祉相談課へ確認する。市のケースワーカー等が介入している案件については、何らかの対応をしていると思うが、情報が得られない中で対応が困難なケースも考えられる。

(会長)

 本人の支援拒否はどの自治体でもあり得る。他市にあるいわゆるごみ屋敷の居住者は、どのようなアプローチで介入を試みても拒否している。

 セルフネグレクトの場合、社会関係が途絶していることが多い。豊中市の社会福祉協議会では、社会関係からのアプローチをしているようである。それ以前に、孤立しない関係性を構築していく必要があるだろう。

(あいとぴあ)

 家は本人の意思でドアを開けてもらう必要がある。物の溜め込みにも本人の意思があるため、時間をかけてケアを行うことが必要となる。

(会長)

 精神科医の訪問診療は非常に心強い。そのクリニックのホームページでは、行政との協力体制についても積極的な姿勢が見て取れる。大学で、学生の相談室で思春期関係に詳しい医師がアドバイザーになっているように、行政と医師の間でアドバイザー契約を締結し、地域包括支援センターが対応を相談できる体制を整えることも方策の一つではないか。

(こまえ苑)

 訪問診療の開始には契約が必要になるため、アウトリーチ的な対応は困難である現状がある。

(会 長)

 精神疾患の問題が、今後増えていくことが予想される中、地域包括支援センターのセンター長、精神保健福祉士が協働し、精神面でのケアが十分か否かを明らかにしつつ、精神科医にも相談できる体制を整える必要がある。

 また、今回のケースに共通して言えることとして、夫の存在の弱さがある。この年代の男性は、仕事に専念してきたために家庭へ無関心であることが多い。男性への啓発も必要になるだろう。

(委員)

 資料を見ると、精神保健福祉士が積極的にケースに関わっているようである。専門的な知識を身につけた職員でなければ、早期発見は困難であると思う。介護保険の認定審査会でも、精神疾患を持つ家族がいるケースが増えている。早期に見つけることができる目が重要ではないか。

(委員)

 早期発見ができればよいが、関係性が断たれている状態で、問題への糸口を見つけることは非常に難しいと思われる。外に出てこなければ地域にいても、民生委員も問題を認識できない。複雑なケースになってから対応することも増えていくのではないかと思う。認知症であれば初期集中支援チームがあるが、精神疾患関係にはそのような資源が乏しい。
 地域のかかりつけ医に相談できる体制があれば、精神科医にもつなげることができる。重要なことは、問題の糸口をどう見つけるか、そのためにどれだけのエネルギーを割くのか、そして、アウトリーチの網を広げるエネルギーと伴奏支援のエネルギーをどのように配分するのかということである。

(委員)

 難しいとは思うが、市域の小さい狛江だからこそ、何かできることがあるのではないかと思う。他自治体などの関係者と話をすると、コンパクトな狛江は顔と顔がある程度わかる関係性を構築しやすいため、うらやましがられる。そのような関係性にこそ打開策があるのではないだろうか。

(委員)

 狛江団地と多摩川住宅にこまほっとシルバー相談室があり、スタッフがアウトリーチを行っている。すでに開設から一定期間が過ぎているため、相談の実態について、まとめと報告をお願いしたい。

(正吉苑)

 こまほっとシルバー相談室は地域包括支援センターのサテライトではないが、地域包括支援センターこまえ正吉苑の母体団体が運営している。ハイリスクと思われる人へのアウトリーチを行っている他、相談窓口としても機能している。

(会長)

 認知症及び精神疾患に対する精神保健福祉士の対応を見るに、配置の意義については、評価ができるのではないかと思う。しかし、コロナ禍によるストレスから、複合ケースの増加は歯止めが効かない。コミュニティソーシャルワーカー、民生委員等関係者との連携を強化しつつ、予防的な視点を運営方針に反映してほしい。

 

(3)その他

(事務局)

 3点連絡がある。1点目は、次回の地域包括支援センター運営協議会で審議を行う予定である、「令和5年度地域包括支援センター運営方針(案)」についてである。事前に各地域包括支援センターにフォーマットを送付するため、担当箇所の令和5年度版への更新をお願いしたい。

 2点目は、前回の地域包括支援センター運営協議会で受けた質問への回答である。前回、福祉政策課長より、重層的支援体制整備事業について説明をした後、委員より、「NPO法人等に出向いて、市職員が重層的支援体制整備事業について説明をすることは可能か。」との質問を受けた。当時は、すでに担当課長が退席していたため、回答を控えたが、その後担当課へ確認したところ、「可能である。」との回答を受けている。説明を行う日程、場所等については柔軟に対応可能とのことであるため、説明が必要な場合は福祉政策課へ連絡をしてほしい。

 3点目は、次回の地域包括支援センター運営協議会の開催予定についてである。次回の開催は令和5年3月10日(金曜日)を予定している。

(委員)

 質問への回答はありがたいが、前回の地域包括支援センター運営協議会から2カ月以上経っての回答は遅いのではないか。

(事務局)

 会議中に受けた質問については、次回の会議内において回答をすることとしている。

(会長)

 回答については、メール等で事前に行って構わない。

(事務局)

 今後、そのように対応させていただく。