7 会議の結果
議題1 会議の進め方等について
【事務局より資料1・2の説明】
会議及び会議録の取扱いについて【承認】
議題2 狛江市地域公共交通会議分科会の設置について
【事務局より資料3.4の説明】
委員からの主な意見・質問等
事務局
資料3に関し、4月にこまバス運賃のサービス拡充に関する分科会を開催しました。
資料4のとおり、令和6年7月の市長からの諮問に対する答申に向けて、より専門的・具体的な協議をするための分科会を7月から開催しています。
狛江市地域公共交通会議では答申に向け、旅客運送事業者の現状を踏まえた公共交通の充実に関する方向性の検討や地域公共交通計画の策定を見据えた議論をする必要があります。分科会の第1回では、市と旅客運送事業者等の現状認識の共有等を行い、旅客運送事業者より主に担い手不足と人材確保の困難さに関する課題等についての意見がありました。今後はより深刻な担い手不足が懸念され、持続可能な公共交通の検討が必要です。
(委員補足)
D委員
乗務員不足が深刻化となっており、運転手の高齢化や定年退職増加で、毎年50人規模で減少が続く見込みです。乗務員の処遇改善、外国人採用等対策は講じていますが効果は限定的で、減便や路線再編で対応しています。
C委員
運転士の減少が続き、年齢構成の課題から将来的な輸送力不足が予見されます。朝夕の減便を避けるため、日中を含めた現状維持は難しく、高齢者等の日中の移動には新たな交通手段の検討が必要と認識しています。福祉の視点を含め、地域特性に合わせた対応を模索したいと考えています。
E委員
当社においても人員不足が課題です。23区を含む営業所として、最も平均年齢が高い営業所になっています。人員不足により、車両を動かすことができず、地域の方にも御迷惑をおかけしていると認識しています。キャンペーン等積極的に募集をしていますが、なかなか入社には至らず、今後は女性に向けた募集も進めていきたいと考えています。
(質疑応答)
会長
分科会での内容及びこれまでの御意見について、御質問や御意見等ございますでしょうか。
I委員
電動キックボード等について、許認可はあるのでしょうか、計画に位置付け、市として場所の確保や提供等を行い、推進していく考えということでしょうか。
事務局
シェアサイクルのポート設置については、協定により市役所や公園等の施設に、実証として設置している状況です。シェアサイクル等のポートが増え、身近な交通手段になってきています。こういった手段も積極的に活用することが移動の利便性、豊かな社会に繋がると考えています。様々な交通手段について議論し、公共交通として参加していただける方法を検討していきたいと考えています。
会長
J委員から補足はございますでしょうか。
J委員
許認可について、道路運送法の運送事業には該当しません。有償のレンタカー等の事業に関しても、電動キックボードについては、車両の大きさ等から一概に言えませんが、自動車以外として扱われ、道路運送法には該当しないと思います。
会長
ありがとうございました。道路運送法以外の許認可があろうかと思いますが、その点について、今後事務局で調べていただきたいと思います。
I委員
処遇改善について、他の業種と比較しても高水準なほど、賃金を上げれば、人材が確保できるか等、見込みはありますでしょうか。また現状について都営交通等への転職の影響はありますでしょうか。
F委員
一般論ですが、担い手不足には、少子高齢化も影響しています。その中で運転士を選択するには、給料面以外に不規則な勤務、事故報道を含めた事故のリスク、カスタマーハラスメント等の精神的な影響等のバス運転士特有の状況があり、給料が高いというだけでは、人材の確保が難しいと考えられます。
都営交通等への転職については、都心の物価が基準で条件が良い等も考えられますが、バスの運転士は基本的には地元志向です。早朝に出社するため、基本的には自宅に近い勤務場所を選択します。多摩地域に住んでいる方が、都心で働くには給料面だけでは継続しないということも考えられます。
会長
ありがとうございました。他にいかがでしょうか。
G委員
女性のタクシー乗務員であれば、女性の乗客がより安心できることもあると思い、女性をターゲットとした募集を是非推進してほしいです。
また、先日バスに乗車した際、大変接遇のすばらしい乗務員がいらっしゃいました。ああいった接遇をしていただけると今後もバスに積極的に乗りたい気持ちになると感じました。引き続き社内での教育をお願いしたいと思います。
会長
ありがとうございました。他に御質問いかがでしょうか。
K委員
分科会の議論について、高齢化が進む状況では、財政面の悪化等や都内の他自治体と比較して魅力的なまちではなくなる見込みもできますが、仕方ないという認識でしょうか。企業誘致やベッドタウンからの変化等の目標はないでしょうか。
A委員
御指摘の視点も重要だと考えております。交通の問題は都市の成り立ちや現状を把握することが大事であると考えております。ベッドタウンから大転換というのは状況的に難しいと考えており、人口的には維持されることが見込まれ、高齢化が進む状況が分かっておりますので、確からしい将来予測から方向性の議論をできればと考えております。どのような施策を打ち出せるか考えることが大事だと認識しています。公共の投資だけでなく、民間投資により全てを支える考え方もあるかと思います。冒頭の会長の御挨拶でベストミックスとおっしゃったのはそういった点もあろうかと思います。様々な交通の資源の配分を適正に、効率的、計画的にしていくということかと思います。
会長
ありがとうございました。私も同じような考えで今後議論を深めていきたいと考えております。事務局から今後の進め方の説明をお願いいたします。
(事務局説明)
事務局
今後、残り3回の分科会と2回の回の地域公共交通会議で、旅客運送事業者の現状も考慮しながら市民の交通ニーズに対応するため、技術革新も踏まえた持続可能な公共交通の在り方について、議論し、検討を進めます。
(質疑応答)
I委員
分科会の委員は固定でしょうか。また、傍聴は可能でしょうか。
事務局
資料3の委員に加え、代替交通等の検討においては、専門家をお呼びすることも考えております。また、分科会は、経営上公開できない情報も交えた活発な議論を行うため非公開としております。議論の内容は、地域公共交通会議で報告します。
I委員
市民ニーズの把握が大事であると考えております。計画等ではアンケートやパブリックコメントがあるかと思いますが、早い段階で行っていただき、前提の情報として進めていただきたいと思います。
事務局
諮問への答申のための議論は、市民委員の皆様に参加いただいています。計画の策定にあたっては、市民アンケートやパブリックコメント等を想定しています。
会長
ありがとうございました。他にいかがでしょうか。
J委員
市民への普及啓発について、住民への理解促進にはバス・タクシーの利用促進も含まれますでしょうか。
事務局
利用していただくことが持続可能なサービスになると思いますので、そういった意味で利用促進も重要であると考えています。
J委員
国の支援として補助金と広報啓発という手段がございます。広報啓発にあたって、お話を伺ったバスの運転士の中には、「ありがとう」と感謝されることが多いこと等に魅力を感じている方もいらっしゃいました。先ほどのG委員の御発言のように感じる方が多く乗っていただけると、対応もより良くなると感じています。
利用促進として、他の自治体の例ですと、バスの乗り方講座等も有効ではないかと思います。小さなお子様に向けて行うことで、成長してもバスを利用してくれることに繋がると思います。
会長
ありがとうございました。議題2について、今後も議論を深めたいと思います。
議題3 こまバスの運行状況について
【事務局より資料5.6の説明】
委員からの主な意見・質問等
(事務局説明)
事務局
こまバスの利用状況は資料5のとおり、コロナ禍以降、近年は増加しており、昨年度と比較しても今年度は更に増加している傾向があります。資料6のとおり、8月1日からこまバスはダイヤ改正をし、4便減便しています。
(補足説明)
C委員
昨日現在、本社のお客様センターへの問合せ、御意見等はございません。
(質疑応答)
I委員
利用者が増加している理由について、狛江ハイタウンから喜多見駅の路線バスの減便により、ルートが重なる地域の方はこまバスに乗車しているのではないかと思います。他の交通や高齢化、現金やICカードの乗車も増えているようですから、それ以外のことも含め、様々な理由があるかと思います。市民ニーズの把握として、これから課題として進められるかと思いますが、細かな視点も含め、分析を進めていただきたいと思います。何か最近の傾向など分かったことはありますか。
事務局
高齢化、コロナ禍が明けて移動が活発になっていること、周辺の減便等の影響もあったかもしれません。こまバスとしては順調に利用者が増えてはいますが、すごく多いとは言えず、収支を含めた状況など運営的には厳しい状況です。今後のこまバスの在り方については、こまバス単体ではなく、路線バス、タクシーなどと併せて考えていく必要があると思います。今のこまバスの車両では、大型2種免許が必要です。バス会社としては、こまバスより路線バスの運行を優先すべきという考え方もあろうかと思います。そういったことも弱点になるかもしれません。様々な点で分析や検討を進めたいと思います。
議題4 バス運行事業者からの報告について
【事務局より資料7の説明】
自動運転バス実証運行について【承認】
委員からの主な意見・質問等
(事務局説明)
事務局
昨年度に続き、総務省事業に採択され、自動運転バス実証運行を行う予定です。今年度は小田急バス株式会社様に参加いただいており、運行に向けた御意見などをいただく予定です。検証内容及びスケジュールは資料のとおりです。
(補足説明)
C委員
今年度から狛江市、NTT東日本様とともに自動運転レベル4を目指して自動運転バスの実証をいたします。レベル4による導入をゴールと捉えています。現在の課題としては、バスを走らせるだけではなく、バス停への停車や安全確認、発車など営業上の対応の検討等が挙げられます。また、定時運行の確実性や立ったままの乗車ができない場合、収益性も課題となります。
今後課題を一つずつ解決し、技術の進歩に併せて狛江市の地域特性に合ったものを中心に取り入れ、レベル4自動運転バスの導入を目指したいと思います。
会長
ありがとうございました。レベル4とはどういう状況か御説明いただけますでしょうか。
事務局
レベル1というのは、自家用自動車にあるような自動ブレーキなどのイメージです。レベル2が、アクセル、ブレーキ、ハンドル操作など、基本の自動車の自動走行が可能な状況で、運転士が乗車して、注視する必要がある状況のイメージです。狛江市での実証運行は、昨年度も今年度もレベル2で行っています。レベル3は、自家用自動車で目指されている、運転士の注視が不要な自動運転のイメージです。レベル4が現在自動運転バスで目指している状態である、遠隔監視などの条件が合えば、運転席を無人にして良い、ほぼ完全な自動運転で走行するイメージです。レベル5という条件もなく完全に自動で走行するレベルがありますが、現在、日本ではレベル4までが認められている地域があるという状況です。
会長
ありがとうございました。
(質疑応答)
I委員
昨年度試乗した際、中央線をはみ出した路上駐車車両の回避はできなかったかと思いますが、今年度の実証では何が違うのでしょうか。
事務局
中央線のはみ出しが発生する路上駐車車両の回避においては、自動運転バスの車体のみのセンサーやカメラでは、対向車線の車両速度の把握が十分でないことが想定されています。そのため、今年度は、道路上に新たなセンサーやカメラを設置し、自動運転バス側の情報と認識を一致させながら、速度を把握し、追越しが可能なタイミングのみ、自動で追い越すことを想定しています。
会長
今年度の試乗の予定はどの程度でしょうか。
事務局
昨年度と同様の11月から12月頃で日数も同程度を想定しています。
I委員
自動で追い越す予定の路上駐車車両は、実証団体で用意するのでしょうか。
事務局
昨年度の実証の中で路上駐車車両が多かった路線で実証することとしており、自然に発生している状況を自動で回避することを予定しています。
議題5 その他について
【事務局より次回会議日程について説明】
会長
それでは以上をもちまして、第27回狛江市地域公共交通会議を終了いたします。
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