7 会議の結果
議題1 委嘱状の交付について
【事務局より委嘱状の交付】
議題2 会長・職務代理の選出について
【委員の互選により会長・職務代理の選出】
議題3 会議の進め方等について
【事務局より資料1~4について説明】
会議及び会議録の取扱いについて【承認】
委員からの主な意見・質問等
J委員
狛江市地域公共交通会議運営規則に記載の分科会がございます。ここにかかる傍聴について、柔軟に取り扱っていただければと考えております。
道路運送法が昨年10月1日に改正され、今までは地域公共交通会議の中で、協議、調整し、承認を得た運賃、料金について、協議運賃としていたのですが、運送事業者が複数いる中でバスの運賃を決めることが、独占禁止法のカルテルに当たる疑いがあるということで、分科会という形で、この規則第7条第2項に記載のメンバーで協議をすることになっております。というわけで傍聴で他の運送事業者が入ってしまうと、公正取引委員会に疑念を持たれかねないということで、他の運送事業者が傍聴できないような形で、配慮していただくことを確認させていただければと思います。
事務局
法改正に基づいて今回の条例改正及び規則制定をしており、規則第7条第3項のとおり、分科会は、原則非公開となっております。
運賃協議会という分科会をもって、今後運賃の協議が必要になった際には別途対応していく所存でございます。
議題4 諮問について
【市長からの諮問書について事務局より会長へ代読】
(概要)本市における公共交通の充実について、貴委員会の意見を求めます。
会長
ただいま市長からの諮問をいただいたことにより、最終的にはこの会議から答申を出すことになります。任期を通じた対応として委嘱期間の最終会議までに議論を進めていきたいと思います。
議題5 こまバスについて
【事務局より資料5から8について説明】
委員からの主な意見・質問等
I委員
昨年度の1便当たり乗車人数が23.7人ですが、この間、運行当初の平成20年、21年頃から増えてきている理由は、どのように分析されていますか。
事務局
福祉バスからの移行により、一般公共バスということで、市民に周知してきたことが、広く認知されたものと感じているところです。
I委員
バス利用者と高齢化の関係や運転免許を返納されている関係もあるのではないかと思うのですが、認知されたという話だけではなく、それ以外の要因は分析されていますか。
事務局
高齢者における運転免許返納につきましては、こまバスが運行してから、タイムラグがありますので、I委員がおっしゃったような形で、高齢者の運転免許の自主返納及び高齢化によりこまバスの乗車人数が増えたという認識を私どもはもっておりません。
こまバスの運行開始より、狛江駅、和泉多摩川駅、喜多見駅で、PRイベントを集中的に実施したこともございますし、市民まつりにつきましては、長年小田急バスにご協力いただいて、バスを路上に展示し、子供たちが制服を着て写真を撮るといったことで、アピールをしてきた実績もございます。各小学校において、狛江市として小学2、3年生の授業に参加し、公共交通及びこまバスの概要説明をさせていただく等、そういった努力が実を結んだと感じています。
会長
こまバスが市民に普及し、利用者が増えていく、そのための努力による効果ではないかということでございます。
I委員
シルバーパスは、1人乗車があるとそれに対して幾ら、1人当たり単価で助成金は発生するのか、教えてください。
F委員
担当が異なりますので、詳しいご説明はこの場ではできないのですが、多分、発行枚数等をベースに配分をしており、少なくとも乗ったから幾らという形ではないのが現状です。タッチするわけでもないため、乗客数の集計ができません。ざっくり言いますとそういうようなシステムでございます。
事務局
こまバスの計算方法とか、一般路線バスの計算方法ということはなく、乗車1回当たり幾ら補助ということはないということです。
シルバーパスにおける予算が年度で決まっており、それに対して走行距離等を基準に、それぞれの運行事業者に配分して補助金として渡されることになっておりますので、一概に1人乗ったから幾らが補助になるという単純な計算ではございません。
そこの点、どうしても詳しい話を知りたければ東京都等に確認をしていただくしかございません。
会長
東京都の福祉の予算から、バス協会を通じて補助が回っていると、それを70歳以上の方は、1人年間2万ちょっとで購入されるものかと思います。非課税の人は1000円でバスを利用できることで、東京都のホームページをご覧になっていただければ、詳しく出ているかなと思いますが、よろしいでしょうか。
議題6 こまバス及び路線バスに対する要望について
【事務局より資料9について説明】
委員からの主な意見・質問等
会長
4月から改善基準告示の改正に対応するために、バス事業者におかれましては、減便、運賃改定等、様々な取組みをされているかと思います。各社の状況につきまして、お話しいただければと思います。
C委員
改善基準告示と乗務員不足で本当に厳しい現状がございます。乗務員の採用も、現状はなかなか追いついていない状況でございまして、現状を維持するのが本当にやっとでございます。大型2種免許の取得者も年々減少している状況ですので、さらなる乗務員確保が困難な状況になってくると思います。現状維持するのが本当に精一杯というところがあり、何とか維持していきたいという考えはございますので、ご理解ご協力いただければと思います。
D委員
お客様につきましては、コロナ禍前の85%程度まで回復しているのですが、100%の回復には至っていない状況で、恐らく回復しないだろうということで会社として取り組んでおります。春には3点に重きを置いてダイヤ改正を実施させていただきました。一つ目は、乗務員不足です。今までは移動実態に合わせたダイヤを策定しておりましたが、乗務員不足に対応して乗務員数に合わせたダイヤへ改正させていただいたところです。二つ目は、バス事業の構造上の優先順位です。事業継続のために不採算路線を中心に効率化をさせていただきました。三つ目が、深夜をはじめ運行時間帯を縮小させていただいたところです。
昨年冬の時点では、1年後の2025年春に効率化をする予定でございましたが、昨年度末から今年度の初めにかけ、急激に乗務員不足が加速しました。そこで現在、今年の夏から秋にかけて、前倒しで更なる効率化を実施する予定でございます。今までは不採算路線を中心に効率化を実施してきたのですが、採算路線につきましても、減収やお客様の輸送等、事業継続リスクが見込まれますが、供給が間に合うと判断できる部分については、効率化を実施させていただかなければいけない状況と今のところは捉えております。
会長
どうもありがとうございました。質問、あるいはご意見等ございますでしょうか。
I委員
この2年間ほどで、京王バスのハイタウンからつつじヶ丘駅に行く路線が実質的に廃止となり、小田急バスのハイタウンから喜多見駅に行く路線は、4時間空くようなダイヤになりました。ハイタウンのすぐそばでは、シルバーパスがあっても乗るバスがなくなったという状況もあり、どうにかならないかと思っております。
乗務員不足の非常に厳しい事情は存じておりますが、その対応として、例えば横浜市営バスでは、バスの運転手の賃金が他の賃金水準と比べて10万円ほど低いと言われるところを改善されると聞いております。若い人が減り、2種免許の取得者が減ったとしても、賃金がよければそれなりに戻ってくることもあるのではないかと思います。
採算、不採算はありますが、公共交通は福祉的な観点で維持、改善しないといけないのではないかと、行政に期待されることもあると思います。乗客も「もっと乗ってくださいよ」ということもありますが、前の議題であったようにシルバーパスで乗っても、それが採算に結びつかない構造もあるようです。
ハイタウンから喜多見駅への路線の4時間空いているダイヤの真ん中に1、2本増やしてもらえるような、何か条件をクリアすれば増やせる等、そういった目安があれば教えていただきたいと思います。
会長
何かコメントはございますか。なかなかうまい答えは、すぐにはないのだろうと思われますが。
D委員
実を言いますと、6月1日付けのダイヤ改正で、弊社では本当に成績の良い路線を間引く形で運行している状況なので、昔であれば、例えば人がいて、利益も保っていれば、増便や新たなバス路線も検討します、というお返事もできたかもしれないのですが、そういった状況に至っていないので、前向きな検討をすることがどうしても今は難しいです。
弊社の目線で言うと、この項目では新しい路線を作るという話になりますが、やはり今はそういった体力はないので難しいと思います。
おっしゃるとおり、給料の話もあると思いますが、それは極論を言えば、ものすごい賃金を上げれば、就職する人が増える可能性もあるとは思いますが、それは経費の話になってきますので、それを保つためにはやはり黒字路線をしっかり維持するのが、前提になってきます。そこのバランスかなと思うのですが、その具体的な施策がまだ弊社としては考えきれていないというのと、なかなか乗務員不足は、こうしたら解決するということは正直答えが出せない状況であると今は考えております。
C委員
こういった公共交通会議に出席している中で、そういったご意見がたくさんあり、ただ、本当にこの場で解決できる問題ではないので、お互いに考えていく必要があると感じております。
会長
ありがとうございました。事務局からはいかがでしょうか。
事務局
この状況は、今日に始まったわけではなく、この数年間、減便傾向にあり、その減便の原因は何かというと利用者がいらっしゃらないということで、昨年の地域公共交通会議でも、運行事業者から、運転手、従業員の給料を誰が払っているのか、これからどう確保していくのかについて、やはり市民に、1人でも多く乗っていただく以外にないと、そういった話がございました。そういった意味では、そのために何をしなければいけないのか、この会議だけで決めるのではなく、行政として運行事業者の苦しいところを理解しながら、新たな交通形態を作ることも含めて何ができるか、狛江市として考えているところでございます。それが昨年度のグリーンスローモビリティの実証運行であったり、また後ほどお話をさせていただく、自動運転車両の活用であったり、またデマンド交通であるとか、そういったものをしっかりとバス事業者、それからタクシー事業者と、狛江市の中で、それぞれがやるのではなく、お互いに連携し合いながら、作り上げていかなければ、様々な問題は解決していかないと思います。
地域公共交通会議で、市民からも公募をさせていただき、このような会議体を持っていますので、そういった委員と連携した様々な取組みを進めていきたいと市として考えているところです。
I委員
もう少しお聞きしたいのですが、ハイタウンのバスで4時間空いているダイヤにもう1便増やすというのは、何か条件はありませんでしょうか。
またこまバスのルート変更についても、不便になった東野川地域に、もう少し路線を伸ばすような形でルート変更ができないか、具体的な検討がありますか。
事務局
こまバスについて、東京バス協会の方、関東運輸局の方に、何度も相談に乗っていただき、お知恵を拝借させていただいますが、決して新しい路線自体を作ることは不可能ではないです。ただ、そうするとシルバーパスが使えなくなります。その影響について、こまバスは、シルバーパスの利用者が約55%いらっしゃる状況もあるので、そういった方々を度外視して新しい路線を作り、シルバーパスを使えなくなる代替案を出すわけにはいかないというのが市の現段階の回答になります。
Ⅰ委員
ルートの一部変更についても、新規路線とみなされ、シルバーパスが使えなくなるということでしょうか。
事務局
その通りです。
会長
こまバスは、市が運行しているバスということで、大変な努力をされているということです。
全国に視野を広げると、路線バスの集約、あるいはスクールバスに一般の人も乗れるようにする混乗と言うようですがそういった取組み、最近ですとライドシェアといった考え方が大分話題になりましたが、そういった様々な取り組みが全国でされています。なかなか、この方法が一番いいというものは今のところないかと思いますが、様々な手段を試しながらやっていくしか今のところはないだろうと、私自身も感じているところです。
議題7 自動運転バス実証運行について
【事務局より資料10について説明】
委員からの主な意見・質問等
事務局
昨年度の地域公共交通会議でも報告させていただきましたが、昨年11月12日から22日まで、グリーンスローモビリティの展示及び実証運行を行わせていただきました。この実証運行により、和泉多摩川駅から多摩川住宅、狛江団地、慈恵医大第三病院方面へのルートにつきましては、交通のニーズがとてもあることを確認することができました。このことから、NTT東日本より、総務省の実証事業公募に対して狛江市を実証地域として、自動運転バスの実証運行を行いたいという提案がございました。
この事業につきましては、運転士が乗車しないレベル4自動運転で必要な遠隔監視拠点への映像等、情報通信について、通信遅延の発生状況や通信品質等といった項目を中心に検証する事業となっております。採択された実証団体につきましては、NTT東日本を代表機関として、ほか4社と狛江市でコンソーシアムを構成しているところです。今年度の段階的な実証運行につきましては、バス事業者にご協力をいただく前段階のものという認識であり、現段階では、お声掛けしていないという状況になっております。
この実証運行は狛江市における新たな交通手段の一つを検討する上で、重要な取り組みであるという位置付けとして、地域公共交通会議にも現況報告をしながら、実証団体と連携を進め、推進していきたいと考えているところです。
会長
ただいま、自動運転バスの実証運行についてご説明ございましたけれども、ご質問等ございましたらお願いします。
F委員
無人運転バスの運行ということですが、例えばこの実証運行の最終目的はどういう形になるのでしょうか。例えば次のステップはどうするのか、最終的にはどういうような形を今考えているかお聞かせいただければと思います。
事務局
NTT東日本や総務省には提出していますが、今の段階でお話しできる範囲が限られていることをご承知の上、お話をさせていただきたいと思います。改善基準告示や乗務員が不足している中、そういった課題をカバーしていくため、歩車分離の道路につきましては、将来的には自動運転バスを活用し、その分、減便している路線に運転手を回していただく可能性も含め、この4年から5年間で、検討したいと考えております。
I委員
実際にここは運転手がいらないから、こちらに回るということになるのは、何年後ぐらいですか。
事務局
それも含めて検証します。
K委員
バスの自動運転ですが、恐らく、バスを含めすべての車が自動運転化したり、道路状況が自動運転に合うように改善されたりしない限り、かなり低速で走ることになると思います。ルートを確認すると、小田急バスの狛江駅から多摩川住宅の路線と、田中橋から多摩川住宅までルートが重なると思うのですが、朝と夕方にかけてかなり道路が渋滞気味で、車両数が多いので、その時間だけ実証運行を避けていただきたいということを要望としてお願いしたいです。
事務局
そういった状況も注視して運行したいと思っておりますが、総務省に採択された実証項目の一つとして、道路が混雑している中での交通安全の確保が、通信によって担保できるかどうかということも実証項目、検証材料になっています。そういった事情もあり、毎回混んでいる道路を走らせるわけではありませんが、混雑した状況についても検証項目として実証運行をすることについては、ご理解いただきたいと思っております。
そういった段階になりましたら、バス事業者にも、しっかり説明をさせていただきたいと思っております。
会長
私からも質問ですが、実際に運行するのは、10月の下旬から1月の中旬までの約3か月間ということでよろしいでしょうか。
事務局
まだ検討中でして、資料のスケジュール案としては、総務省に提出しています。それから既に数か月たち、アンテナ設置等の様々な準備があり、調整を進めているところですが、必ずしもこのスケジュールどおりにいくかどうかにつきましては、あくまでも案という形でとらえていただければと思っております。
会長
この実証運行はお客さんを乗せますか?
事務局
乗客を乗せられるような安全が担保できるのであれば、乗せられるように調整を進めたいと思っております。
もし乗客を乗せることがあっても、定期的に乗客を乗せた運行というより、イベント等そういった限られた日に、無償で体験乗車をしていただき、乗り心地等の感想を確認することができれば、そういったことも一つの検証になると思っております。
会長
はい。ありがとうございます。
初めての取組みなので、心配事も多いかもしれませんが、是非成果をお聞かせいただければと思います。これから具体的に関係機関と中身を詰めていかれ、次の会議で詳細をご報告いただくということになるわけですね。
事務局
そのとおりです。
会長
良い結果を期待しておりますので、是非頑張っていただければと思います。
議題8 公共交通専門委員会の設置について
【事務局より説明】
事務局
公共交通専門委員会を発足させたいと思っており、説明させていただきます。この委員会につきましては、本日の会議でも報告がなされたとおり、元来の運転士不足、改善基準告示の改正等、運行事業者にとっては余り喜べない状況が続いている中、旅客運送サービスも前に進むことが難しくなってきている現状がございます。その現状を変革し、狛江市地域の実情に即した交通手段を確保していくため、有識者や事業者の方々と、新たな公共交通の在り方について、協議していく部門として設置したいと考えております。なお、専門委員会での提案や協議した内容については、内容を精査し、本地域公共交通会議に報告をする方向性で進めたいと考えているところです。
会長
ありがとうございました。公共交通専門委員会の設置について、ご異議、ご質問等ございましたらご発言をお願いいたします。
特段ないようでございますので、ただいまご説明いただいた方向で進めていただくようにお願いしたいと思います。
議題9 その他
【事務局より次回会議の開催日程等について説明・東京バス協会より配布の観光案内パンフレットの概要を説明】
会長
議事がひととおり終わりましたので、本日の会議は、これをもって終了とさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
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