1 日時

令和4年1月17日(月曜日)午後1時15分~午後4時10分

2 場所   防災センター401会議室
3 出席者

【会長】石川 慶一郎
【委員】鳥塚 鈴子、上村 信彰、小川 かをり

【事務局】
企画財政部長 髙橋 良典
政策室長 冨田 泰
政策室政策法制担当主査 白石 優
政策室政策法制担当主事 丸山 雄規

【説明者】
情報政策課長 安江 真人
情報政策課情報政策係長 久保田 康弘
未来戦略室未来戦略担当主査(兼)情報政策課情報政策係 田代 興大
課税課固定資産係長 藤間 航平
学校教育課長 高橋 治
学校教育課学務保健係長 亀井 真穂
市民課長 杉田 剛
市民課戸籍係長 上村 彰
福祉政策課長 佐渡 一宏
保険年金課国民健康保険係(兼)福祉政策課 北浦 暁光
福祉相談課長 宗像 秀樹
福祉相談課相談支援係長 林 真一郎
子ども政策課長 山口 敦史
子ども政策課手当助成係長 山口 大輔

4 欠席者 【副会長】関 正晴
5 資料 令和4年1月17日個人情報保護審議会資料 [2341KB pdfファイル]
6 議題

(1)諮問事項
 ア AI-OCRにおける読込項目情報の外部提供及び外部提供に係る通知の要否並びに電子計算機処理による結合について(課税課固定資産税係分)
 イ 学校保健安全法に基づく健康診断における検診事業の委託の際の保有個人情報の外部提供及び外部提供に係る通知の要否について
 ウ 戸籍システムのクラウドサービスの導入における保有個人情報の外部提供及び外部提供に係る通知の要否について
 エ 令和3年度子育て世帯等臨時特別支援事業(住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金)の実施に伴う保有個人情報の外部提供及び外部提供に伴う通知の要否並びに記録項目の設定について
 

(2)報告事項
 ア 捜索のための都内自治体及び神奈川県内自治体に対する保有個人情報の外部提供について
 イ 令和3年度狛江市子育て世帯等臨時特別支援事業(子育て世帯への臨時特別給付(先行給付金))事業の対象者への通知に伴う目的外利用及び目的外利用にかかる通知の要否並びに電子計算機処理による記録項目の設定について

7 会議の結果

(1)諮問事項
 ア AI-OCRにおける読込項目情報の外部提供及び外部提供に係る通知の要否並びに電子計算機処理による結合について(課税課固定資産税係分)
【諮問事項の説明】

(担当課)
 《資料による説明》
【質疑】
(会長)
 従来の案件と同様に閉域ネットワークを通して画像データを送り,それを文字データとして処理して利用するものか。
(担当課)
 おっしゃるとおり,閉じられたLGWANの中でLGWAN-ASPという仕組みを利用して処理するものである。
(会長)
 データ自体は委託先の方のサーバーの中に保存されているということでよいか。
(担当課)
 委託先の中にあるサーバーで処理される。
(会長)
 庁舎の職員の方はそこにLGWANでアクセスして,それを仕事で利用するという形でよかったか。
(担当課)
 そのとおりである。
(会長)
 従来の案件と同じ形だが何か意見あるか。
(委員)
 償却資産申告書という帳票を見せていただけないか。
(担当課)
 資料として添付しておらず申し訳ない。こちらである。
(委員)
 この中の氏名と住所と電話番号を活用するのか。
(担当課)
 財産もある。
(会長)
 当該償却資産ということか。
(担当課)
 そのとおりである。
(委員)
 この申告書は法律等で形式が確定されたものなのか。
(担当課)
 市町村によって表現や体裁は多少異なるが,基本的には同じことが記載されている。
(委員)
 記載項目が18項目あるが,これ以外に加えることも可能か。例えば本人同意欄を加えることはできるのか。そのような裁量のある帳票なのか。前回もお願いしたが,できれば本人同意を取ることが望ましい。
(担当課)
 基本的には前回お答えしたようになるべく帳票の中に記載する形にしようと思うが,今回の帳票は法に基づくものであるため,ガイドライン等で形式が定められているかどうかは確認させていただきたい。今後ガバメントクラウドになってくると帳票等の標準化も進んでくるため,同意欄の追加ができるかは都度,確認させていただければと思う。
(委員)
 2ページ目の外部提供する条件について,前回もお聞きしたが,特記仕様書を取り交わすとあるが再委託はどうなっているか。
(担当課)
 前回同様,再委託はない。
(委員)
 結合する市の電子計算機の欄に端末機とあるが何台か。
(担当課)
 基本的には業務で使用する端末を決めてIDとパスワードを付与するため限られた台数となる。
(委員)
 現状,固定資産税係の方は何名いるのか。
(担当課)
 係としては8人である。
(委員)
 では端末機も8台ということか。
(事務局)
 端末機自体は8台だが,償却資産の担当は1名である。
(委員)
 外部提供の形態として,その他の媒体とあるが,電磁的記録媒体ではないのか。区別を教えてほしい。
(担当課)
 CD-ROMやUSB,サーバー系のものだとカセットテープが電磁記録的媒体である。今回はパソコンの方からLGWAN-ASP上のサーバーの中で処理して保存するもののため,その他の媒体としている。
(委員)
 サーバーのハードディスクには保存するというのは電磁記録的媒体ではないのか。
(事務局)
 渡し方の違いである。CD-R等で渡すときは電磁的記録媒体となる。今回のようにネットワークを介して渡すときはその他の媒体となる。
(委員)
 条例第15条第1項第2号の電子計算機処理による結合にはなるのか。
(事務局)
 結合とは狛江市と他の組織とを接続することである。外部提供の媒体については渡し方の話なのでこれとはまた違う話である。
(委員)
 持ち歩かないという点では少し安全である。
(会長)
 ほかに意見等がなければ質疑を終了する。
《担当課退出》

【審議】
(会長)
 では,委員の御意見を伺う。
(委員)
 前回と同様であり,特に問題ないと思う。
(委員)
 本人同意欄についてはどうか。
(会長)
 そこは行政の円滑化との兼ね合いもあると思う。
(委員)
 可能な時は本人同意欄があるのが望ましいという意見を付けて,本件は原案とおりでよいと思う。
(会長)
 引き続きその点について,検討を求めつつ,原案でよいということでよろしいか。
(委員)
 そうである。
(委員)
 今後について,本人同意欄を設けることについて望ましいとのことであったが,それはいつになるのか。基本に立ち返り,外部提供が認められる場合が条例第13条第2項の第1号から第4号まであり,第1号が本人同意があること,最後の第4号が審議会で認められたこととなっている。4つが同列なのかもしれないが,やはり個人的にはまずは第1号から当たってみて,どうしても1から3までに当てはまらない時だけ,審議会に諮るという流れだと思う。同意欄一つ設けることがどうしてできないのかと思う部分もあり,そこはよく検討してほしい。
(会長)
 本件は,業務の効率化が最大の目的であると思う。センシティブな情報であれば,本人の知らないところで外部提供されるのは不安が大きいと思うが,償却資産の情報については外に出さないでほしいという人がはたしてどの程度いるのか。オプション情報を付けることにより扱いが分かれると,迅速に処理しようとしたものにまた時間がかかってしまい,目的からずれてしまう部分があると個人的には思う。
(委員)
 一市民として迅速な対応というのは賛成である。しかし,行政の姿勢としてできるのであれば,提供してほしくないという人が一部であっても,本人同意欄を設けるべきではないかと思う。
(会長)
 例えばそうした場合に人員をさらに増やすとなると人件費等もかかってくえるため,その辺りの兼ね合いかと思う。
(委員)
 外部提供自体を否定しているわけではない。
(事務局)
 委員がおっしゃったように優先順位としてはまず本人同意をとることができないかを主管課とも話して検討する。しかし,会長がおっしゃったように事務の効率性の観点から導入していることもあり,そこを妨げるようだと委託するメリットも薄れてきてしまう。前回,納税課の口座振替の帳票が対象だったが,税の書類という市からお願いして申告してもらうものだと,同意をもらったり,同意をもらうための説明を記載したり,というのが申告の際の障害になる可能性がある。当然,内容によっては本人同意が取れれば審議会には諮問されないので,全部審議会に諮問しているわけではない。
(会長)
 この案件についてはそのような事情で本人同意が難しいということで,原案とおり承認とする。
《一同了承》

イ 学校保健安全法に基づく健康診断における検診事業の委託の際の保有個人情報の外部提供及び外部提供に係る通知の要否について
【諮問事項の説明】

(担当課)
 《資料による説明》
【質疑】
(委員)
 判定に必要なのは生年月日,性別とのことだった。その他の氏名,在籍校,学年,クラス,出席番号は必要なのか。一般的な職場でも名前と紐づけするための番号だけだと思う。
(担当課)
 結果を元に第二次検診もあるため,検査機関の方が間違いなく取り扱うために必要である。
(委員)
 検査機関が直接連絡するのか。
(担当課)
 直接には連絡しない。
(委員)
 検査機関が知っている必要はないのではないか。学校に連絡し,担任や保健の先生だけが知っていて,識別し,連絡するのではないか。
(担当課)
 その方がどの学校のどの方なのかということを紐づけて返していただかないと先生からも連絡できない。
(委員)
 名前をもらえば学校の方で把握できるのではないか。
(会長)
 通し番号とかで管理すればよいと個人的にも思ったが,それ以上の情報が必要という部分について,もう少し詳しく御説明願いたい。
(事務局)
 名前だけだと同姓同名ということもあり,万が一病気があった場合,早期に発見するための検診なので,間違いなくその方だとしっかり特定したいというところで提供を考えている。
(会長)
 男性だったらM,女性だったらF,一中だったら1Cといった形で,名前が判別できないような形をとろうと思えばできると思うが,そこまではやっていないのが現状ということか。令和4年度からということだが,従来はどのようにやっていたのか。
(担当課)
 当日,保護者の方に記入していただき,お子さんに持たせる問診表から検査機関がデータに起こすという形になる。検査の結果と個人の情報を結びつける元になるデータがそもそもないため,検査の結果が出てきたものに個人を結びつける情報を手作業で入力していただいていた。
(委員)
 問診表にはどのような情報が書かされているのか。
(担当課)
 ここに記載した,氏名,生年月日,性別,在籍校,学年,クラス及び出席番号である。
(委員)
 そもそも問診票にそれらの情報がいらなかったのではないか。一般企業の検診でも名前と性別だけだと思う。
(事務局)
 元々この検診は実施しているもので,今までは生徒や保護者の方が書いたものを検査機関に渡していたが,今回からは問診票を配る段階で学校の方で印字して保護者の方に渡すようになるというのが,今回の外部提供だと思う。今まで渡してないものを渡すというよりは,これまで保護者が記入して提供していたものを最初から記入して保護者に渡すというものである。その問診票を作成しているのが委託先である。
(担当課)
 そうである。
(委員)
 今までが過剰に渡していたということもあると思うので,今一度検討したほうがよいとは思う。
(事務局)
 当然,不必要な情報は渡すべきではないが,おそらく学校の方でも,クラスや学籍番号で管理しており,そこは中々切り離せない情報なのではないか。
(会長)
 もう一度事案について把握したいのだが,今までは保護者に書いてもらって検査機関に渡していたが,保護者に書いてもらうような情報を検査機関に先に市の方で渡すということか。
(委員)
 よくわからないが,渡すのはどういう情報か。
(担当課)
 問診票に一から保護者の方が全てを書くのではなくて,少なくともお子さんの情報については,記載されたものが保護者に渡され,そこに普段のお子さんの様子ですとかを追記していただく。
(委員)
 対象の5,000件というのはどのように出された数値か。
(担当課)
 全児童,全生徒の数である。尿検査が全児童,全生徒に毎年行われる。
(委員)
 その年の全児童,全生徒の数ということか。その全員分が相手方に渡るということか。
(担当課)
 そうである。
(委員)
 すでにお子さんの情報が記載された問診票に保護者の方が追記したものが渡るということか。今回の諮問の内容は保護者が書くものではなくて,最初から記載されているお子さんの情報について渡すということでよいか。
(担当課)
 そうである。学校のクラスごとに元々作っている名簿に生年月日と性別が記されたものを渡す。
(委員)
 健康状態等は今回データで渡すものの中には入っていないということでよいか。
(担当課)
 そうである。
(委員)
 学年や出席番号が必要ということはやはり今一つわからない。個人が重複しないようにということであれば,1人ずつナンバーを振り分けるといった方法でよいと思う。
(会長)
 尿の検体を提出するときも容器に名前やクラスを書いて提出するのか。番号で最初から書いておいた方がよいと思う。
(担当課)
 学校で配る際に名前がはっきり書かれたものであれば,その子にきちんと渡るが,数字だけのものをその子に渡したとして,子ども同士も取り替えないということを学校の現場において管理するのはなかなか難しい。家庭でも兄弟がいるような場合だと,どちらの子のものかわからなくなると,検査結果に影響がある。氏名があるというのは学校においては重要である。
(委員)
 では氏名さえ書いてあればよいと思う。学年や出席番号までというのは疑問である。
(委員)
 通知についても無しとあり,「本人が自己情報コントロール権を行使しないことが一般常人の立場から明らか」とあるが,センシティブな情報であるため,個人としてはいかがなものかと思う。書かないと検査受けられないとなった場合,渡したくない人の選択肢がない。
(委員)
 この検診事業に3項目あるが,そのほかに身長,体重等の検査があると思うが,それはここに入らないのか。
(担当課)
 この3つは専門の検査機関で検査が必要である。それ以外は学校において検査ができるものであるため,今回はこの3つについてだけとなっている。
(委員)
 外部提供先のホームページを見ると業務の一部を委託するとあるが,今回の案件も再委託があるのか。
(担当課)
 契約の際に,再委託が含まれる場合は再委託の申し出をしていただいて,こちらが認めた場合だけとなる。
(委員)
 最後の通知の理由について,「学校における児童生徒の保持増進を図る」とあるが「保持増進」の前に「健康の」が抜けているため,修正をお願いする。
(委員)
 外部提供の理由,方法等の欄に「エクセルデータの形式でCD-Rに格納し,授受する」とあるが,これは具体的のどのようにされるのか。
(担当課)
 手渡しである。
(委員)
 CD-Rで渡してもらったとして,提供先にデータが残っていないという確認はどのように行うのか。
(担当課)
 プライバシーマークをとっている事業者であるため,そこはきちんと管理されているものと考えている。
(事務局)
 CD-Rというのはこれまでももらっており,そこは変わらないのではないか。
(担当課)
 そうである。委託先が全て入力したものを報告書としてCD-Rで渡していただいている。
(会長)
 問診票を保護者に書いてもらうようにお願いしていた際に,書かないという方はいらっしゃったのか
(担当課)
 今までのところはない。もともと学校には全て出している情報なので,抵抗はないと思われる。
(委員)
 問診票を外部に出しているということは知らなかったのではないか。
(担当課)
 そこもきちんと同意していただいた上で,提出していただいている。
(会長)
 従来も提供されるということがわかるような仕様にはなっていたのか。
(担当課)
 そうである。
(委員)
 一種の圧力だとは思う。何故と思いながら書いた人はいたと思う。
(会長)
 外部提供先でほかに何か利用するなどされるようであれば,問題かと思うが,そのようなことはないのか。
(担当課)
 特記事項の中でデータの利用については制限している。あった場合は契約に違反していることになり,法的措置をとる形になるため,まずないと思う。
(会長)
 一度は氏名に出席番号等は紐づいたものは行くが,報告さえしてもらえば,そのあとはデータは提供先に残らず,提供先でデータを二次的な利用をすることもないということでよいか。
(担当課)
 当然そのとおりである。
(委員)
 その特記事項は個人が特定できる形で使用しないということか。それともビックデータとしても使用しないということか。
(担当課)
 基本的には他のことには使わないということである。
(委員)
 学会などでよく見る検診結果というのは,厚労省等からの情報提供であり,今回の外部提供先からの提供ではないということか。
(担当課)
 まったく別の事業で検診情報データ化というものがあり,それについては同意された方の情報を提供するというもので,国の協力を受けてやっているため,学会等で使われるものはおそらくそちらからのデータであると思う。
(会長)
 ほかに意見等がなければ質疑を終了する。
《担当課退出》

【審議】
(会長)
 では,委員の御意見を伺う。
(委員)
 これまで問診票に記載し提供していたということだが,それ自体が必要のない情報を過剰に記載していたと思う。これまでと同じだから,エクセルデータでの提供も認めるとはならない。見直してはいかがかと思う。学校の中ではセットの情報であるため,わけるのが面倒というだけの話ではないか。名前だけわかればよい話である。
(委員)
 委託して検査を行うこと自体は必要だと思う。事前に対象者のその他の項目まで入ったものを渡すという必要性は今回の説明では腑に落ちない。その他の項目が必要という合理的な説明をしていただくか,あるいは無くすか,ほかの方法を考えていただくかした方がよいと思う。
(会長)
 その他の項目とは具体的に何か。
(委員)
 在籍校,学年,クラス,出席番号である。名前だけでもよいかと思うが,それだけではあまりにもということであれば,せめてその他の項目だけはいらないのではないかと思った。
(委員)
 学校というのは少し特殊な場所であり,このようなデータが必要だということもわかる気はする。しかし,健康診断情報というのは機微情報であるため,慎重にやっていただきたいところではある。
(会長)
 それは外部提供する情報の種類についてか。それとも委託先での扱いの問題か。
(委員)
 両方である。
(会長)
 事務局に聞きたいのですが,在籍校,学年,クラス,出席番号というのはそれ抜きで可能なものなのか。
(事務局)
 そこまでは我々もわからないが,検査機関というのは狛江市だけと契約しているわけではなく,相手方のフォーマットをある程度尊重しなくてはいけないケースは多いと思う。市としては不必要と思っても,相手方には必要であり,そこの折り合いがつかないとある程度は相手方のフォーマットに従って,項目を決めなければならない部分はあるかもしれない。審議会としての御意見をいただいて主管課で精査していただくというのも一つのやり方かとは思う。また,在籍校等はこれまでどおり保護者に記載していただいてということもできると思うが,その部分は提供先で手作業で入力していただくことになってしまう。
(会長)
 氏名等は記載してあるのに在籍校等だけ記載してもらうのというのも変な話である。検査で得られた情報というのは大変センシティブであるが,今回の案件としては氏名と生年月日が重いくらいであとはおまけのようなものである。提供する情報というよりは,提供先での扱いについての方が重要であり,提供先できちんと管理されているのであればよいのではないかと思うがいかがか。
(委員)
 確かに提供先できちんと廃棄されたかの方が重要である。
(会長)
 それでは,特記仕様書の中で,提供先での管理について,徹底していただくことを条件に,本案件については承認とする。
《一同了承》

ウ 戸籍システムのクラウドサービスの導入における保有個人情報の外部提供及び外部提供に係る通知の要否について
【諮問事項の説明】

(担当課)
 《資料による説明》
【質疑】
(委員)
 資料として付けていただいたものは会社のパンフレットであり,当然いいことしか書いていない。デメリットを教えてもらいたい。戸籍システムのマイナンバー制度導入のためのシステムの在り方についての調査といった国の資料があるが,個人の名前に使用できないものがあるなどといったデメリットもあると記載がある。
(担当課)
 一番のメリットとしては安全性の確保である。また,費用の面でもコストダウンが見込める。
(委員)
 どのくらいか。
(担当課)
 2,500万円から3,000万円くらいかかっているものが,1,800万円から2,000万円くらいになる。また,現在はサーバーを市の方で管理しているが,ゼロカーボンシティの観点からも,市でサーバーを管理するより,外部で管理していただく方がCO2排出量が減るということもある。最後に,職員の事務負担の軽減にもなり,本来の戸籍業務に集中することができる。
(委員)
 デメリットについて使用できない文字があるというのは今も同じか。
(担当課)
 紙にタイプで打っている時代は,各自治体で旧字体の草冠など文字が自由に使用できていたが,システム化すると標準的なものに統一される。狛江市は平成19年に戸籍の電算化をした際に使えなくなった字があり,その対象の方々には説明をしている。
(委員)
 すでに解決しているということか。
(担当課)
 そうである。
(会長)
 戸籍業務の安定性につながるのかと思うが,データセンターの安全性はどうか。例えば地震や火災によって戸籍データが消失する可能性があると思うが,そのあたりはどうか。
(担当課)
 データセンターはティア4という最高レベルのところに依頼する予定であり,これは災害があってもデータ保存の安全性が保たれているというものである。また,仮に機器等に一時停止等の障害が発生しても継続して提供できるというのがティア4のレベルになっている。
(委員)
 犯罪歴というのはこのデータに含まれるのか。
(担当課)
 戸籍システムの中に,懲罰,刑罰も含んでおり,今回のデータにも含まれるものである。
(会長)
 通常個人が取れる戸籍の情報のほかに,付随する個人情報についても提供先に保管してもらうということか。
(担当課)
 そうである。
(委員)
 それはどのような個人情報か。
(担当課)
 膨大なため案件シートには「その他戸籍に記載している事項」としか書いてないが,犯罪歴や戸籍の附票もはいる。
(委員)
 戸籍というの個人情報として最重要という印象を持つので,簡単にその他とするのは不安に思う。そもそもデータを送る先というのはどこにあるのか。
(担当課)
 場所は都内とだけ聞いている。具体的な場所は我々も知らない。そこが襲われてはいけないというセキュリティ上の理由である。
(委員)
 逆に言うとそこで何かがあっても相手方から教えてもらわない限りは,わからないということか。
(担当課)
 そうである。
(委員)
 7割の自治体が利用しているということだが,これは全国で戸籍のクラウドシステムを利用しているのが7割ということか。
(担当課)
 クラウドシステムではなく,戸籍システムのシェアが全国で7割ということである。クラウドシステムはこれからである。
(委員)
 誤解されるため,表現を変えたほうがよい。
(委員)
 耐用年数というのはいくらか。
(担当課)
 5年である。
(委員)
 法務省において認容して差し支えないという回答があるとのことだが,やはり,法務省のお墨付きがないと難しいレベルという意味合いか。
(担当課)
 そうである。もともとは各自治体で管理するというのが法務省の考えだったが,セキュリティが強固なものができたため,そのようなところを使ってもよいとなった。
(委員)
 戸籍法第7条で戸籍等は市町村等の外に持ち出すことはできないとあるが,それを許してもらったということか。
(担当課)
 東日本大震災の時に被災自治体の戸籍が滅失してしまったのを契機として,各システムを入れるようになったが,システムを入れるとバックアップが必要になり,事務負担が大きくなった。その事務負担を軽減でき,セキュリティが担保されたクラウドサービスが出てきて,全国の自治体が機器を入れ替えるタイミングでこのクラウド化をするような流れとなっている。
(委員)
 市民は自分の戸籍が市役所の中にきちんと保管されていると思っているが,そのデータがどこかわからないけど移るとなったとき,どう思うのかというところはある。戸籍事務自体が今のままでもできなくなるというわけではないということか。
(担当課)
 そうである。
(委員)
 このクラウドというのは狛江市にはデータが0になるということか。それとも狛江市でも保存し,何かあったときのバックアップという意味なのか。
(担当課)
 今,市に置いてあるデータがそっくりデータセンターの方に移行する形である。
(委員)
 もしそれをしてほしくないという場合でも戸籍の事務自体はできるのか。
(担当課)
 できる。データセンターとやり取りする端末はあるため,そこから確認することは可能である。
(委員)
 外部には渡したくないという人がいて,その人が戸籍を取りたいと言ってきたとしても,それは可能か。
(担当課)
 従来と変わりなく可能である。敷地内にサーバーがあるか,都内のどこかにサーバーがあるかの違いで事務自体は変わりがない。
(委員)
 仮に自分のデータを渡したくないという人がいた場合,その人だけ渡さないということはできるのか。
(担当課)
 それはできないので,御理解いただくしかない。
(委員)
 外部提供する項目について「家族状況」というのは含まれないのか。
(担当課)
 誤りであり,こちらも含まれる。
(会長)
 ほかに意見等がなければ質疑を終了する。
《担当課退出》

【審議】
(会長)
 では,委員の御意見を伺う。
(委員)
 個人的には外部に渡してほしくないと思うが,時代の流れもあり致し方ないと思う。地方では特殊な漢字が無くなったりしているようである。
(委員)
 通知の欄について「業務の継続性」とあるが,これはどのような意味なのか。
(会長)
 おそらくトラブルが起きた際に,今であればメーカーに問い合わせ等しなくてはいけないが,それがより少なくなるということではないか。あるいは,テロだとかによって長期間ストップしてしまうことがないということかと理解した。
(会長)
 それでは,本案件については承認とする。
《一同了承》

エ 令和3年度子育て世帯等臨時特別支援事業(住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金)の実施に伴う保有個人情報の外部提供及び外部提供に伴う通知の要否並びに記録項目の設定について
【諮問事項の説明】

(担当課)
 《資料による説明》
【質疑】
(委員)
 外部提供先についてはどのように選定しているのか。実績等を見ているのか。
(担当課)
 まず,内田洋行さんについては市の住民基本台帳システムなどを管理していただいているところである。総合キャリアオプションさんについては,今回初めてとなるが,国の方からの通知で早急に給付をするということもあり,各自治体全て同じ業務をやるため,随意契約で適切な業者を市区町村で選んでよいということで,競争ではなく随意契約で行っているところである。
(委員)
 ずっとやっている業者だと馴れ合いとかはないのか。
(担当課)
 令和2年度に特別定額給付金を支給させていただいたが,そのシステムを改修だけして事務を間に合わせるということが必要なため,どうしても内田洋行さんが開発したシステムのアプリケーションを使わざるを得ないというところである。
(委員)
 いろんな市町村がやっているため,どこにでもあるのではないか。
(担当課)
 やはり市区町村ごとのカスタマイズがあり,データベースも違うため,的確で一番早いのは,前回のものを改修の範囲を少なくして使用するのが大切である。
(委員)
 2種類の世帯に対して給付されるが,住民税非課税世帯に対しては税部門の方の目的外ということだが,法律の定めにより利用するということでよいか。
(担当課)
 資料の26,27ページになるが,特定公的給付というものがあり,国の法律の中で,特定公的給付の支給を実施しようとするときは,支給要件の該当性を判定する必要がある者に係る当該判定に必要な情報その他の当該支給を実施するための基礎とする情報を個人番号を利用して管理することができるとあり,こちらはすでに告示をしており,これに基づいて目的外利用するものである。
(委員)
 家計急変世帯については抽出するための目的外利用はないのか。
(担当課)
 こちらはない。申請主義になるため,本人に申請書を記載していただくものとなる。記録項目の設定だけ対象となる。
(会長)
 住民税非課税世帯の抽出という作業について,すでに市の方で把握している情報なのではないかと思うが,あえてこちらに抽出として記載しているのはなぜか。
(担当課)
 税の情報システムといって,令和3年12月10日時点で狛江市に住民票があって,かつ,令和3年の1月1日で非課税だった人の情報というのは住民基本台帳と税の情報システムで把握しているため,そこのCSVデータをまず抽出する。その上で,給付金のシステムの方に取り込み,給付金のシステムで令和2年度の特別定額給付金の方で把握している口座情報があるため,それを一緒に併せて,確認書というものを住民税非課税世帯の方に送る。確認書をプリントアウトするという機能がシステムの方にはあるため,抽出して,取り込み,印字するという作業のために今回そのように記載している。
(会長)
 市役所で持っている情報だけではまだ足りないということか。
(担当課)
 1月1日時点で非課税という情報は課税部門で,12月10日時点の住民票の情報というのは市民課で,それぞれ持っている情報であるため,課税の情報と住民基本台帳の異動の情報,そして口座の情報の3つを元に対象者を絞らなければならないというところで,それらを抽出して給付金システムで絞り込んでいる。そうしないと今回の要件に該当するかどうかというのは職員では判断が難しいのでそこをシステムの方で正しく抽出されたどうかというのをチェックもしてもらっている。
(委員)
 家計急変世帯の対する申請書を出してもらうということだが,これは市報とかそういうもので周知するのか。
(担当課)
 市報でもお伝えし,ホームページでも掲載するとともに福祉関係の事業者,例えばケアマネージャーの事業者さんなどにもこういう対象者がいたら申請していただくようお願いしますと個別に協力をお願いしている。また市の生活困窮の相談窓口でも御案内させていただき,申請を促している。
(委員)
 それは市の職員が対応するということで,案件シートに記載のある窓口の委託の方とはまた別ということか。
(担当課)
 別である。
(委員)
 申請があったら,その中で住民税非課税世帯と同じレベルであることを証明していただく形か。
(担当課)
 そうである。様式の中で所得に関する情報等を記入していただいて,市の職員でチェックした上で,システムの方にも入力し,実際に該当するかどうかというチェックを行う。
(会長)
 外部提供する保有個人情報の項目として納税情報はないが,それはよいのか。
(担当課)
 あくまでも課税に関する情報であるため,納税情報は必要ないが,課税情報は記載がないので,そちらをその他の記録項目として追加させていただきたい。
(委員)
 同じく項目についてだが,性別は必要なのか。また,電子メールアドレスが外部提供する項目にはないが,記録項目に設定する項目にはある。これは一緒ではないのか。
(担当課)
 まず性別については,国から示されている申請書,確認書に性別というのが載っているため,それに倣っている形である。市の方の例規でも記載があるため,申し訳ないが,このままでいかせていただきたい。電子メールアドレスについては,記録項目に設定しないため含まないのが正しい。誤りであるので訂正させていただきたい。
(委員)
 24ページの家計急変世帯の場合の図に「転入前市町村に支給していないことを確認」とあるが具体的にどのように確認するのか。
(担当課)
 申請書の中にチェック項目があり,そこでチェックしていただくという形で確認する。
(委員)
 例えば調布市から転入してきた場合に,調布市に対して確認するという意味ではないのか。
(担当課)
 そういう意味ではなく,あくまでも自己申告である。もし不正が認められた場合は詐欺罪に問われる可能性がございますと注意喚起している。あくまでも本人の自己申告に基づいた性善主義でやらせていただいている。
(会長)
 ほかに意見等がなければ質疑を終了する。
《担当課退出》

【審議】
(会長)
 では,委員の御意見を伺う。
(委員)
 この事業は福祉政策課で行うが,課税情報を課税部署から提供してもらうというのは庁内であれば問題ないのか。
(事務局)
 庁内は外部提供には当たらない。条例の中での主語が「実施機関」であり,実施機関というのは市長や教育委員会のことであるが,市長がやる分には垣根はない。ただし,当然その事務で使用するために収集しているため,目的を超える場合は同じ市長であっても目的外利用となる。
(委員)
 事業自体は国を挙げてやりましょうというものでそれに市としても応えなければならないと思うが,それをするに当たり,慣れたところで随意契約でやっていくことについて,今後もこういう事業が出てきたときに,同じ事業者ばかりになるのはいかがなものかと聞いていて思った。今回の事業自体については特に意見はない。
(委員)
 個人情報の過不足があったりして少し驚いた。訂正をしっかりしてほしい。
(会長)
 それでは,本案件については承認とする。
《一同了承》

(2)報告事項
ア 捜索のための都内自治体及び神奈川県内自治体に対する保有個人情報の外部提供について
(担当課)
 《資料による説明》
【質疑】
(委員)
 対象者は認知症ではなく,身体的な介助が必要な方か。
(担当課)
 行方不明になったのは認知症のある高齢女性で一緒に暮らしている方が身体的な介助が必要な方である。ただし,その女性の方はやりとりもハキハキされるので認知症とわかっている方でないとしっかりしているという印象を持たれると思う。また,わかるときとわからないときの差があり,ある時パッとしっかりされて帰宅できたけれど,帰宅するまで何をされていたかを聞くと事実かどうかわからないことを話されるという状況である。
(委員)
 行方不明認知症高齢者等情報共有サイトというところにそういう方は登録されているのか。
(担当課)
 そういうことがあった場合に,登録する。自治体間にすぐ情報が入って,こういう方がいなくなったので,もし見かけたら連絡くださいと共有するサイトである。今回だと神奈川県内と東京都内の各市区町村の方に情報がいくというものである。
(委員)
 解除するともう情報は残らないのか。
(担当課)
 残らない。
(会長)
 刑事事件でもないので足取りを捜査したとかそういうこともないのか。
(担当課)
 聞き取りをしてもどこまで本当なのかわからないといった状況であるため,調べる手立てがない。持ち物が無くなったということもないので特に事件性はないと思われる。
(会長)
 ほかに意見等ないようであれば報告事項なのでここで終わりとする。
《担当課退出》
 

イ 令和3年度狛江市子育て世帯等臨時特別支援事業(子育て世帯への臨時特別給付(先行給付金))事業の対象者への通知に伴う目的外利用及び目的外利用にかかる通知の要否並びに電子計算機処理による記録項目の設定について
(担当課)
 《資料による説明》
【質疑】
(会長)
 こちらの給付はもう終わっているのか。
(担当課)
 申請の不要な方に対しては昨年の12月27日に支給を行い,高校生世帯と公務員の家庭でお子さんのいる方の情報を持っていないため,その方々の申請を今年になってから受け付けており,今月末に第1回の支給を行う予定である。
(委員)
 電子メールアドレスは記録項目として必要なのか。
(担当課)
 電子申請でやっていただいているので必要である。
(委員)
 31ページの目的外理由,方法等の欄に「認定情報を利用する」とあるが,具体的にどのようなものか。
(担当課)
 報道で所得制限があるという話を見たかもしれないが,児童手当を支給している方が今回対象となり,お子さんがいる方全員が対象ではないため,児童手当に認定されているという情報を利用するということである。
(会長)
 過去にほかの手当を認定する時に得た情報を今回利用したということか。
(担当課)
 既存の手当を支給する際に持っている情報を使用しており,今回の臨時給付金については新たな法律等によって支給することになるので,対象者としては目的外利用ということはわからないと思うが,本来は児童手当のためだけに持っている情報を給付金のために使ったため,目的外利用として報告している。
(会長)
 全く畑違いのものに使ったわけではないということである。
(委員)
 件数は6,900世帯とあるが,外部委託は一切ないのか。
(委員)
 外部委託はない。
(会長)
 ほかに意見等ないようであれば報告事項なのでここで終わりとする。
 

(3)その他

次回の日程について
(事務局)
 例年4月の第3週月曜日に実施しており、4月18日月曜日の午後1時15分からはいかがか。
(会長)
 都合の悪い方がいなければ、次回は4月18日とする。
 それでは、本日の議事はこれで終了したので、閉会する。

(閉会)

 

個人情報保護審議会委員名簿

肩書 選任の区分 氏名
会長 学識 石川 慶一郎
副会長 学識 関 正晴
委員 市民 鳥塚 鈴子
委員 市民 上村 信彰
委員 市民 小川 かをり