議題1 都市計画マスタープラン改定・立地適正化計画策定について
-事務局より配布資料の説明-
◇計画書の時点案について
<第3章>
委員
71ページの「将来都市構造図(拠点)」で、緑の拠点の中に一般税財団法人電力中央研究所(以下「電力中央研究所」という。)の用地がある。現在、マンションが建っていると思うが、緑の拠点として位置付けられるような場所であるのか。
73ページの「将来都市構造図(軸)」にある重要目的道路軸について、隣接した市町村までつながっている様な広域の形での表現の方が分かりやすいのではないか。
75ページの「将来都市構造図(地区・エリア)」について、以前よりは分かりやすいが、防災環境形成エリアは重要な部分であるため、この凡例マークでは危険な部分と住環境に寄与している部分との違いが分かりにくい。
事務局
71ページについては、現状では公園はなく、マンションが3棟立地している。このエリア一帯は広い空地等がなく、地域住民から電力中央研究所の一部を用地買収して公園を設けてほしいといった要望がある。また、地区計画も定めているため、今後も交渉を続けながら、緑の拠点となる公園を整備していきたいということを示すために「緑の拠点」とした。
73ページの件については、118ページの「補足図:広域的な役割を担う道路軸(市外との道路ネットワーク)」にて広域的な図を示している。
75ページについて、防災環境形成エリアと農住共存エリアは南側に重なっている箇所が多くあり、緑と共存しながら防災も考えていかなければならないエリアである。このようなエリアで畑などの空地を残していくことが、防災に対しても重要であるという意味合いであえて重ねて描いている。表現方法は再検討したい。
委員
それだけの面積を創出できるのか不安ではあるが、内容的には理解した。
委員長
73ページだけでなく、拠点や軸などの図においても、行政境は明確にしなければいけないが、周辺が白地というのは再検討の余地はあるかもしれない。
委員
12ページの表「類似都市(人口規模)との総人口等の比較」に他市との人口比較が書かれているが、人口密度の比較もあった方が狛江市の狭いエリアと言われている特徴がよく見えるのではないか。
事務局
市としての人口密度は、14ページに示しており、人口密度が高い状況となっている。そのほか、18ページにはDID地区の人口密度等を記載しているが、類似団体との人口密度の比較は検討してみたい。
委員長
人口密度は、市域全体か地区単位かでも数値の捉え方が異なってくる。一般市民でも分かりやすく、また、狛江市の特徴が伝わるよう、表現方法を工夫してほしい。
事務局
市域全体で捉えた数値でないと他市のデータを参照しづらいこともある。近隣ではなく、総人口が同等な都市で比較してみるのも良いかもしれない。
委員長
専門的に言うとヘクタール当たり100人が一つの基準になり住宅地の居住環境を評価する。ある程度人口密度が高くても、それが低層住宅地なのか中高層住宅なのかによっても意味合いがかなり違う。
委員
73ページの「将来都市構造図(軸)」を見ると、この赤い矢印の所だけが防災性向上のための道路整備をするように見受けられる。一方、第6章防災指針では「主要幹線道路軸も避難路としての活用の可能性~」というように書かれており、そのあたりの関係性をもう少し分りやすくした方が良い。道路整備の全てが防災性向上に少なからず繋がることになるため、書き方を工夫してほしい。例えば、72ページの「(3)軸」の冒頭説明文の中に、防災性向上という言葉を入れて、軸全体で防災性を向上しているとした方が、第6章防災指針の「主要幹線道路が避難路としての活用の可能性」というところに繋がるのではないかと思う。
事務局
73ページは、既存道路ではなく、これから作らなければいけない道路の説明になっている。既存道路も含め防災にも寄与するということになるため、そのあたりが伝わるよう、表現を再整理したい。
委員長
最終的な将来の拠点や軸の姿を示して、そのために、まだ出来ていない道路や公園などをどう考えていくのか、という書き方にすると、一般市民には分かりやすくなる。
<第4章>
委員
都市機能誘導区域のエリア取りについて、概ね用途地域の境で設定されている。昨今、施設の機能が多様化し、用途地域の運用だけではどうなのかという話もあるが、このエリア取りの考え方を伺いたい。
事務局
90ページの狛江駅周辺については、用途地域の境なども参考としているが、狛江駅北西側は特別緑地保全地区になっており、都市機能の誘導が出来ない場所であるため、そこを除外した形となっている。市役所側の一部飛び出ているところは、リサイクルセンターがあるため含めている。狛江駅南側は世田谷通り、狛江通りを囲ったエリアであるが、狛江通り沿いに図書館を建設する予定のため、広範囲にエリアを定めた。
91ページの和泉多摩川駅周辺では、世田谷通り沿いと和泉多摩川駅東側の用途地域の境を基本として設定している。併せて、北側の狛江第三中学校も含めている。
92ページの喜多見駅周辺は、喜多見駅北側は近隣商業地域の境で区切っている。この北側は、地区計画上も低層住宅エリアとして住環境を重視したエリアとなっているため除外した。駅南側も用途地域境を基本としているが、こちらは調布都市計画道路3・4・16号線の整備が完了した後、道路沿いに多機能の建物が建てられればという考えもあり、このような形で設定した。
93ページの慈恵医大周辺は、医療防災拠点として位置付けている東京慈恵会医科大学附属第三病院(以下「慈恵医大病院」という。)を包含する形としつつ、都営狛江アパートも建て替えの検討が進められていることもあり、複合施設の整備なども見据えて含めている。また、小田急バス狛江営業所は、長距離バスのターミナルにもなっており、交通の拠点として含めて設定した。
94ページのあいとぴあセンター周辺は、既に福祉や健康に関連した市内有数の複合施設がある。用途地域境を基本に設定しているが、それら施設や周辺の公園も考慮しながら区域を設定した。
委員
それぞれに根拠があり納得した。拠点から300m圏の円というのも手掛かりになるものなのか。また、92ページや93ページなどでは、隣接都市の施設立地の様子にも触れても良いのではないかと感じた。
委員長
各区域の設定箇所を横並びで見た際、必ずしも整合性が取れているわけではないが、将来的に、どのような施設が立地してほしいかや、公共・民間両方の施設計画なども見据えた上で戦略的に設定している部分がある。
委員
喜多見駅の狛江市側にも改札口を設けてほしいというアンケート結果が多数あったが、都市機能誘導区域の図に表わすことはできるのか。
事務局
都市機能誘導区域の図に示すことで改札口が出来るわけではない。改札口増設の意見は当然認識しており、そのような意見があったということは214ページの参考コラムに記載している。
委員
承知した。また、97ページの機能区分において、高齢者、医療、文化と分かれているが、一つにまとめる考え方もあるのではないか。ジムなどの健康増進の区分があっても良い。
事務局
この表においては、基本的には、都市再生特別措置法や都市計画運用指針で触れているようなものを整理することになっている。健康増進のためにスポーツジムなどの考えは理解できるが、あえて表現すると体育館などが考えられる。
委員
ジムなどの健康増進の施設があると良い。高齢者は福祉や介護関連の施設ばかりであり、高齢者の健康推進という視点があると良い。
事務局
スポーツジムなどの整理は難しい印象である。ただし、健康推進に寄与するまちづくりは極めて重要であることは理解しているため、福祉系のプランなどで整理していければと考える。
委員長
そのような機能が必要であることは理解できる。体育館の脇に記載することも可能かもしれない。
事務局
そのようなジムが含まれている体育館という表現の仕方もあるかもしれないので検討する。
委員
93ページの慈恵医大周辺の都市機能誘導区域について、区域設定のルールとして、道路や用途地域を境にしなければいけない等の原則はあるのか。
事務局
地形地物や法令区域を基本にすることが多い。大雑把に丸にするなどではなく、明確な区域取りをする必要があるため、おのずと用途地域などが参考となる。
委員
93ページの図で、狛江通りの南側沿道は近隣商業地域に指定されているが、そういった箇所を取り込むなどの考えがあってもよい。都営狛江アパートの東側も棟で区切られているが、何か意図はあるのか。
事務局
都営狛江アパートは、東京都により、団地の建て替え等を別途検討しており、公共施設整備の可能性がある箇所なども想定して、全域ではなく西側の一部区域を含めて設定した。
委員
初めから広めに設定をしておいた方が良いのではないかと思い質問した。
事務局
都営狛江アパートの場合は、あくまでも住宅がメインのため、その中で都市機能を誘導する可能性のあるエリアという点で言えば一部分となる。ご指摘のとおり、可能性を広げるという意味で3分の2程度まで広げて設定した経緯がある。
委員
狛江通りの近隣商業地域なども取り込みながら、より広域で設定した方が構想も広がると感じた。広げすぎてはいけないのか。
事務局
特別そういったものはない。ただし、市域の半分以上が都市機能誘導区域になることは駄目である。ご指摘の狛江通り南側の近隣商業地域を含めることに関しては、その通りとも感じているため再検討したい。
委員
区域内外で何か違いはあるのか。
事務局
都市機能誘導区域に含まれていると、都市再生整備計画などの計画を作成した際、それらに関連した国の補助金等がもらいやすくなる。
委員
そういったことであれば、なおさら広めに設定しておいた方が良いと思う。
委員長
確かに狛江通りについては、片側で病院の建て替えがあるため、もう片側も何かしらの動きはあるかもしれない。メリット・デメリットを見極めた上で、区域取りを再検討してもらいたい。
委員
89ページの「都市機能誘導区域の設定箇所(全体図)」を見た際、鉄道を中心とした公共交通のアクセス性や既存施設の立地を考慮した区域設定がされていると思うが、一方で、防災環境形成エリアとも重なっている印象がある。駅からのアクセス性が低い箇所に都市機能誘導区域を設定しづらいのかもしれないが、浸水する可能性が低いところには都市機能誘導区域がほとんど無い印象を受けた。
事務局
都市機能誘導区域の設定として、まずは、生活利便性の高い3駅に着目した。慈恵医大は医療防災の拠点であり、あいとぴあセンター周辺は健康福祉の拠点である。ご指摘のとおり、慈恵医大周辺以外の箇所では、防災環境形成エリアに被ってはいるが、それがいけないわけではない。防災のことも考えながら都市機能を誘導するといったことを丁寧に考えていければ良いと捉えている。
<第5章>
委員
主要幹線道路と広域幹線の整理が曖昧な印象を受ける。例えば、118ページの補足図では、世田谷通りと調布都市計画道路3・4・7号線(以下「長3・4・7号線」)の2本が広域的な幹線となっているが、前の都市計画マスタープランでは、松原通りも含めた3本であった。現在、松原通りは事業中であるが、調3・4・7号線を特記したいために、この図面を出して主張するというのは如何なものか。都市計画マスタープランの継続性という観点から松原通りを入れて説明をするのが自然ではないか。113ページの表では、松原通りは主要幹線道路となっており、政策目的が明確ではない路線になっている。もう少しメリハリを考えた方が良い。
また、今回の都市計画マスタープランは、多摩川水害に対する対応を強く打ち出しているところが特徴である。多摩川水害の対応を考えると、都市計画道路の優先的な整備の観点が主張として出てこなければいけない。道路・交通の方針の中で、道路に対して、単に防災という一括りではなく、多摩川水害への対応のための優先的整備などのメリハリを付ける必要があるのではないか。
また、小田急線3駅を結ぶベクトルについて、高架下利用の話がされているが、側道についても強調し、側道沿道の商業系土地利用の増進というような表現があるとよい。
事務局
118ページの補足図は、調3・4・7号線を強調するように描いてしまった。松原通りなども大事な都市間を結ぶ道路であり、調布都市計画道路3・4・18号線も同様である。整備済みの道路とそうでない道路を分けながら表示する必要がある。112~113ページの表も未着手の分に関しては、路線単位の順位付けは出来ないが、最優先する路線群などのランク付けがあると分かりやすい。
鉄道側道沿いの土地利用については、道路軸の方では触れていないが、賑わいゾーンとして、109ページの「1-ア-5 にぎわい商業・業務地区での土地利用」と、111ページの「土地利用の方針図」のピンク色の部分として示している。
委員長
松原通りは野川まちづくり協議会の方々も活動しており、これを見ると、松原通りは素っ気ない印象も持ってしまう。色々な意味において重要な路線である。また、3駅連携の側道も重要である。検討をお願いしたい。
委員
129ページに「水と緑の方針図」が示されているが、水と緑の方針は大きく5つの方向性が示されており、その中でも「オ.市内の豊かな緑の確保」という形で2つの方針がある。「3-オ-1 公共空間の緑化推進」に街路樹の整備等が書かれているが、狛江市における街路樹の位置や量が気になった。緑のネットワークを考えていくうえでは、緑の方針図の中に街路樹がどのようにあるのかという事も大事な視点であるため、可能であれば図面上に描いていただきたい。
事務局
公有地だけでは発展性も限られてくるので、民有地の力を得ながら「水と緑のまち」ということを示していく必要があるものと思っているので、もう少し工夫していきたい。
委員長
新しい道路をつくる時も、通常の街路樹だけではなく、狛江市らしい街路樹の計画として、例えば、2列の街路樹などを考えることなども出来ると思う。中学生のアンケートでもそういうニュアンスの回答があったように記憶している。楽しい方向性を検討願いたい。
委員
生産緑地地区の保全は重要なテーマになってくる。127ページの「3-エ-2 生産緑地地区での緑の継承」の取組内容の中に、「狛江市まちづくり条例(小規模開発等事業の手続き)に基づく宅地転換の際の緑の確保・継承、周辺住環境との調和」とある。まちづくり委員会で生産緑地地区が話題になった際、まちづくり条例だけでは対応が難しいのではないかという話があった。ここではまちづくり条例でと書いてあるが、そのあたりはどのような考え方となっているのか。
事務局
まちづくり委員会で協議した内容を基に都市計画マスタープランに追記している。まちづくり条例の改定の意味合いとして示したが、表現方法は改めて検討する。
委員
根本的に生産緑地地区を保全していくには買収が理想だが、財源的にそういう訳にはいかない。賃貸や借り上げ、あるいは緑の条例など、色々な仕組みを組み合わせていけば良いのではないか。
委員長
今回の都市計画マスタープランの改定の時期には、生産緑地地区の問題は、全国的にも大きな問題となる。これまでの検討を踏まえ、狛江市らしい取組を追記出来ると良い。
<第6章、第7章、第8章>
委員
183ページ「災害リスクごとに想定される防災上の課題」の分類に地震が出ているが、地震があった場合の水の供給について、供給所の場所、数などはどのように考えているのか。
事務局
そのような内容は、主には地域防災計画で記載されていると思う。本計画にも対策として194ページに「27)防災兼農業用井戸の設置支援によるまちの防災性向上」を記載している。
委員
234ページに「〈農として保全・活用〉」があるが、項目として、農福連携の部分が入っていないが、入れないということか。
事務局
同ページの「④ 周辺施設との連携の場として活用」と236ページの「(5)農地と住宅が調和する土地利用の推進」に農福連携の言葉を入れている。
委員長
もう少し目立つように書いても良いのではないか。
事務局
農福というよりも福祉の兼ね合いということで見出しを付けても良いかもしれない。書き方は工夫したい。
委員長
その方がニーズは高いかもしれない。
委員
きめ細かい分析を入れ、緻密な内容になっているのは良いが、都市計画マスタープランとして市民に対して示すものとして、最終的にどういう形になるのか。それに向けて相当な編集や取捨選択、あるいは本編と資料編に分けるなど、これから必要になるのではないか。
また、152ページの「(4)浸水シミュレーション」にある2つの図は何を言っているのかよく伝わらない。これは多摩川住宅付近の堤防が決壊すると、1時間後、2時間後にはこうなるという例だと思う。しかし、多摩川住宅付近の堤防決壊では、狛江駅周辺には急激に水は来ないという事を示したいためのシミュレーションにも取れてしまう。
また、狛江駅西口で5時間後の水深が90㎝とあるが、これはハザードマップと数値が異なっており、疑問が出てきてしまう。
事務局
最終的には、都市計画マスタープラン・立地適正化計画の合冊で発行することを考えている。2つの計画を1つにまとめているため、250ページものボリュームになっている。本編としてはこのような形で考えているが、市民の方々への理解促進のため、概要版は別途作成しなければいけないと考えている。浸水シミュレーションについては、国土交通省のホームページでのシミュレーション結果を単純に掲載している。ただし、ご指摘を踏まえ改めて考えると、この内容などは、あえて計画書に掲載しなくても良いとも感じたため、再検討したい。
委員
5時間後に90㎝の浸水というシミュレーション結果と、ハザードマップでの3~4mの浸水深との関係性が分かりづらい。シミュレーション結果としては正しいと思うが、一般的には誰しもが疑問に思ってしまうのではないか。その違いを端的に示せるようでない場合は掲載しない方が良い。
委員長
資料編や概要版などの検討をお願いしたい。
委員
241ページの「8-3 評価指標」の中で、評価の視点でということで「都市機能誘導・居住誘導・公共交通ネットワーク」の3つに分られているが、緑や農地の部分が抜けているが良いか。また、193ページの「6-6 取組施策、スケジュール」では、短期5年、中期10年、長期20年とあるが、この短期・中期・長期でのチェックは必要が無いのかなど、整合性が取られているのか。
事務局
現行の都市計画マスタープランにおいても、取組の進捗管理として、毎年チェックをしていた時期もあったが、まちづくりの大きな動きの中では、毎年の進捗が見られない場合も多くあるため、最近は数年おきのチェックとなっている。「8-3 評価指標」で示している評価指標については、取組施策からある程度厳選した形で、立地適正化計画上、整理が必要な項目である。また、全ての取組を指標化するのは現実的に厳しい面もあるため、4つの厳選した目標値を整理した。緑の総量などのチェックだけを言えば、緑の基本計画の進捗管理にて把握できるものと考える。
委員長
生産緑地地区の問題もあったりするので、全部とは言わないが緑の指標があった方が良いのかとも感じた。
議題2 その他について
事務局
追記で意見がある場合は、3月31日までを目途に、事務局まで意見を提出してほしい。
また、来年度のおおまかなスケジュールとして、6月頃に次回委員会、7~8月の間でのパブリックコメント、パブリックコメント終了後での秋頃の再度委員会の開催、年内での公表を目指して進めていく予定である。
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