1  日時 令和元年8月22日(木曜日) 午後7時~8時35分
2  場所 防災センター302会議室
3  出席者

委 員 若柳善朗 桑原勇進 田中映子 中山千緒里 下田禎敏 花岡藍子 重国毅 増川邦弘 久保田郁恵(9名)

企画財政部長 髙橋良典 政策室長 田部井則人 政策室協働調整担当 馬場麻衣子 石由貴

傍聴者 8名

4  欠席者 樋口ユミ 樋口豊隆
5 議題

1.開会

(1)前回会議録の確認

2.議題

(1)中間報告フォーラム振り返り

(2)中間報告フォーラムにおける意見等について

(3)今後の進め方について

3.その他

6 提出資料

前回会議録

資料1:中間報告フォーラム 実施報告書案

資料2:中間報告フォーラム アンケート結果

資料3:中間報告フォーラム、議会および子育て支援課からの意見

参考資料1:中間報告フォーラム 基調講演資料

参考資料2:中間報告フォーラム 骨子案

7 会議の結果

1.開会

-事務局より出席者、配布資料および前回会議録の確認-

 

2.議題

(1)中間報告フォーラム振り返り

-資料1、資料2に基づき事務局より説明-

(委員長)フォーラムに出席した委員より感想をいただきたい。

(委員)参加者から多くの意見をいただいた。パブリックコメントの前の、骨子案の段階で意見をいただいたことは良かった。横大道教授にも講義やフォローをいただいたので、自分自身も勉強になった。

(委員)横大道教授の話を聞き、基本的なことを分かった上で始めなければいけないのだと再認識した。ただ、参加者の年齢層が高かったので、もっと若い人にも参加してほしかった。

(委員)若い人や親子連れにも伝わっていけば、子どもの人権問題にも踏み込めるのではと思った。引き続き検討していきたい。

(委員)基本的な人権についての話を聞かせていただき勉強になった。いただいた意見は委員会で検討し、取り入れるところは取り入れていきたい。

(委員長)アンケートを見ても50~70代が大多数だということが分かる。徐々に若い人に向けても広報していきたい。

 

(2)中間報告フォーラムにおける意見等について

-資料3に基づき事務局より説明-

(委員長)「1前文にセクハラ問題について明記してほしい」という意見に対して、意見等あるか。

(委員)条例制定の背景としてセクハラ問題があるのだから、前文でなく経過説明という形で良いかもしれないが、何らかの形で入れるべきである。

(委員)経過説明とはどのようなものを想定しているか。

(委員)第5回委員会の資料1に「条例制定の経緯」として書いてあったが、そのようなイメージである。

(委員)事務局が議会に条例案を提出する際に、提案理由として経過説明をするのでは不十分か。

(委員)議会の議事録には残るかもしれないが、市民の記憶には残らない。

(委員)条例のパンフレットに記載する等、何らかの形で市民の目に触れる形で残したい。

(委員)広く市民に条例を分かってもらうための説明の中に経緯を盛り込むのは良いと思うが、全国的にニュースになった狛江市にとっての恥である問題を条例に盛り込むことは考えられない。冊子やパンフレットによる周知で十分ではないか。どれだけの市民がこの条例に関心があるかも疑問である。セクハラ問題についても当時はニュースにも取り上げられ、騒ぎになったが、だんだん忘れていく人も多い。風化させないという意味で説明に入れるとしても、書き方等検討したい。第2回委員会で市長から条例制定の経緯を聞いたので、委員は背景をわかっているが、他の市民は知らない。今の市長の思いがこういうところにあるということは伝えていきたい。

(委員)横大道教授が「忘れないことは大切なこと」とおっしゃっていたので、パンフレット等何らかの形で伝えていく必要があるとは思う。ただし、条例は市役所の中だけのことではなく市全体のこれからに関することなので、あえて条例の中に残す必要はないと思う。

(委員)セクハラ問題についてきちんと踏まえた条例づくりをしたということが分かるようにするためには、このような人権侵害をしてはならないという具体例の中で「セクシュアルハラスメント」という言葉がないと不足ではないか。

(委員長)法律や条例を制定する際に立法過程を書く場合もある。

(委員)直接的にいつ誰がどのような問題を起こしたと書く必要はない。しかし、問題の記憶がある人が前文を読んだら、あの事件を踏まえてこの条例が作られたのだと想起されるようなものでないと意味がない。

(事務局)前文にはっきりとセクハラ問題について言及するのではなく、制定後の周知において工夫をするという方向性でどうか。

(委員長)制定のいきさつということで残していけば後世にも伝わっていくのでは。『2「基本的人権」、「人権侵害をなくす」、「生存権の保障」を明記してほしい』という意見に対して、意見等あるか。

(事務局)日本国憲法が大きく前提としてあり、その下で狛江市において人権を尊重していこうという趣旨の条例を制定しようとしている。

(委員)フォーラムや感想文で出された市民の意見への対応としては、現在の中間的な検討委員会提案をベースに最小限取り入れるというよりも、内容上の齟齬が出ない限り最大限取り入れることを基本姿勢にすべきだと考える。これは、市民協働を重視する狛江市の基本姿勢にも合致する。

(委員)誰にでも分かりやすい条例を目指しており、今まで難しい言葉を避けて作ってきた。「基本的人権」という言葉はとても固いイメージがある。やわらかい文章の中に固い言葉が入ることによって、読みたくないと思う人がいると思う。

(委員)せっかくいただいた意見は取り入れたい。一般的な条例の他に、子どもにも分かるものの2パターンを作れば良いのでは。

(委員)分かりやすい表現を大切にしたい。また憲法によって保障されていることと同じ内容なので書かなくても良いのでは。

(委員長)骨子案では『守られるべき権利を持つと同時に、相手の権利を守らなければならない。守られる権利と守る義務をあわせて「人権」と位置づける。』とある。守られる権利ばかりでなく、守る権利を位置づけていることで、憲法より広義になっているかもしれない。

(委員)市民の意見が条例に反映されるということが見て取れた方が良い。市のアンケート等に意見を書いても、やっぱり変わらなかった、と感じることがある。皆が参加してこその人権なので、こういった機会に意見を取り入れたい。

(委員)公権力から私人を守る条例ではなく、私人間で互いに尊重しようという条例において、少なくとも「生存権の保障」は馴染まないと思う。

(委員)前市長のセクハラ問題は、大きな権力を持つ権力者によるものである。例えば税金滞納者に対する行為等、公権力の市民に対する人権侵害につながる実例はある。それに対して本条例が関係ないということはない。公権力と市民との関係もしっかり踏まえて入れなければならない。

(委員)公権力から私人を守るということは、他の法律や条例で網羅されている。そのような観点を入れるには、このようなふわっとした条例ではなく、もっと厳しい内容にしなければならない。法律において、税金を取り立てる際にどんな手段を使っても構わないという決まりにはなっていない。

(委員)今回の条例はふんわりしているが、全ての問題に対応しようとしている。差別をしてはならないというだけではなく、生きやすい狛江を作っていくためには全てを視野に入れて基本条例を作っていかなければならない。

(委員長)日本国憲法は個人と国との関係が主だが、市の条例は市と市民、市民と市民がお互いの人権を尊重するという概念を含んでいる。また、生存権の保障についても「人権」という言葉に含まれていると考えて良いと思う。

(事務局)他自治体における人権条例においては、前文に憲法を引用し基本的人権について書いてあるものも多い。難しすぎない表現を用いる等工夫の余地はあるが、フォーラムでいただいた意見として前文に記載する方向で進めてはどうか。

(委員長)一般的に大切な事項と、狛江ならではの部分が入った前文にしたい。次回以降引き続き検討していきたい。『「3~国籍等」の「等」でくくられてしまう当事者の気持ちを考えてほしい』、「4性的指向やLGBT等具体的に書くべき」という意見について、意見等あるか。

(委員)国立市の条例は第2条と第3条に色々と列挙してある。

(委員)とにかく色々なことを具体的に書くことで、実際に差別されている人が安心感を得られるかもしれない。その一方で、そこに書かれていない人がとても目立ってしまうという可能性もある。

(委員)世の中の流れによって人権課題が増えたら、その都度条例改正をして全て載せるのかと考えると現実的に難しい。性的指向や性自認という意見が出たので、これについては記載しても良いと思う。

(委員)できるだけたくさん具体的に記載したい。新しい課題が社会的な問題になって、これも条例に入れようとなれば、条例を改正すれば良いと思う。新しい条例を作ったはずなのに、中身を見たら目新しい内容はなくどこにでもある条例だという結果は避けたい。入れることで問題が起こるような項目はよく考えた方が良いが、外から見ても先進的な条例にするには具体的に書くべきだと思う。

(委員)骨子案には書いていないが、見直し条項を入れる予定はあるか。

(事務局)現時点では入れる予定はない。改正が必要になった時に改めるという認識。

(委員)基本条例なので、そんなに頻繁に改正するものではない。

(事務局)今までの委員会で、何を書くか、どう書くか議論を続けてきた。骨子案では、一番大きなくくりとして年齢、性別、障がい、国籍等と書いている。例えば、性的指向やLGBTは「性別」のくくりに含まれている。細かく書くのであれば、今想定しうる全ての課題を列挙すべきである。または、条文には骨子案のように大きなくくりで書いておき、逐条解説に詳細を書く方法や、制定後、周知の際にパンフレット等に細かく書く方法もある。

(委員)どこまで具体例を盛り込むかという書き方については、あらかじめ客観的な正解があるわけではなく、議論の結論としての市民の認識をどのようにきちん反映させられるかという問題だと考える。狛江の実態を踏まえて何を書き込むかは、最後まで委員会や市民の間で、また議会で議論し続けなければならないと思うが、この検討委員会で具体的な課題は入れないという結論を出してしまうと後々の議論がしづらいと思う。

(委員長)具体的な課題について列挙する方向で引き続き検討したい。「5市の責務」についてはどうか。市は当然責務を負っているという前提であり、一般的には書かないが、はっきりと記載した方が良いか。

(委員)「市が率先して~をする」というイメージの表現はどうか。

(委員)「市は人権を守らなければならない」と書くか。

(委員長)「市は市民一人ひとりを個人として尊重し、市民の権利を守らなければならない」といった内容を一度書いてみたい。

(委員)率先して責任を果たすという意味の文はほしい。「市及び市長は、~のため、率先して役割を果たす」といった表現。

(事務局)国立市の条例では、市長の使命の項目に「~しなければならない」とあり、市の責務には狛江市の骨子案と同様の書き方をしている。

(委員)読んだ印象として、市が先頭に立って条例を推進していくということがわかる文がほしい。

(事務局)市の責務の項目に追記する方向で検討する。

(委員長)「6救済制度」についてはどうか。具体的な手続き等は規則に書くことになる。

(委員)「8子どもの権利」についても相談、救済、支援は重要。何かが起きたら必ず救済、支援が必要になる。

(委員)基本条例とはいえ実効性が問われる。条文で実効性まで担保するには限界があるが、相談に行っても関連機関を紹介されるだけでは人権侵害をなくすための実効性のある条例にはならない。独立した第三者機関も必要ではないか。実効性のあることをやるという姿勢を示さなければならない。今までにはない基本的人権問題に向き合い、相談しやすい体制を作るという中身がほしい。

(委員)川崎市の条例には「人権侵害を受けた者に対する支援」とあり、国立市のものには「人権救済のための措置」とある。「相談」だけではどこまでやるのか不明確である。フォーラムの参加者も人権侵害を受けている人に対して相談や救済を考えてほしいという意見があったので、それが皆に伝わる形で対応を書いた方が良い。

(委員長)相談の項目に「市民一人ひとりが適切に相談や救済を受けられるよう必要な措置を講ずる」と入れても良い。市の方で適宜規則や要綱を制定すれば良い。

(事務局)引き続き検討したい。

(委員長)「7罰則規定」ついてはどうか。横大道教授は罰則を伴う条例は時期尚早であると言っていた。

(委員)その意見に賛成である。

(委員)これまでの議論で罰則は必要ないと結論づけているので入れなくて良い。

(委員長)将来罰則を設ける必要性が出てきたら考え直すことになるだろう。

(委員)罰則とは必ずしも処罰という意味で使っているわけではなく、市の施設の使用を制限するといったペナルティの意味で言っているかもしれない。いずれにせよ罰則に関する議論は既になされている。

(委員)人権侵害をやめさせるための何らかの手段を入れておくべきという意見もある。理念条例の限界が来たら罰則を入れるというのは理解できる。こういう人権侵害があったという事実を匿名でも公表するだけでも抑止力になり、罰則のうちに入る。狛江市において今これをやめさせるためにこの罰則が必要だという事実はないが、隣の川崎市と同レベルのものが必要だという考えもわかる。罰則の強制力によって人権侵害をやめさせるという条例ではないが、罰則自体を否定するものではない。罰則が必要となる事例が起きた際には改めて検討する必要があるだろう。

(委員長)「8子どもの権利」について、意見等あるか。

(委員)なぜこのような意見を出してきたのか。

(事務局)骨子案が決定した際に、庁議において報告するとともに庁内各課からの意見を募った。人権課題を列挙するところで、子どもの権利に関してももう少し触れることができるかもしれないが、子どもについてのみ言及することは難しい。

(委員)子どもの権利について一文でも入れてしまうと、それで終わってしまう。子ども条例は別個にしっかり作った方が良い。

(委員長)狛江市に子どもに関する条例はあるか。

(事務局)今はない。

(委員)この条例に子どもの権利が入っているのだから別個作らなくても良いという判断になるのであれば、弊害になると考えられるが、ここにも入れるし、別にも作るとなれば問題ない。

(委員)子どもを大切にしているよというメッセージになるのであれば入れても良いのでは。法律的な文言にとらわれてしまうと簡易な文章に落ち着き、特徴が失われる傾向にある。前文にどうメッセージを込めるか考えていきたいし、各条文に狛江市はどうするのだという主張を書き込んでも良い。狛江市として子どもをどう守るか、子どもの成長をどうサポートしていくか、主張としての一文があっても良い。

 

(3)今後の進め方について

(事務局)フォーラム、議会、庁内から多くの意見が出されたため、本日は骨子案をもって今一度議論をした。そのため、委員会開催回数を当初の予定より1回多い全9回とさせていただきたい。

 ―了承―

 

3.その他

(事務局)

  • 第7回委員会は10月3日(木曜日)午後7時から開催する。

 

-閉会-