1 日時

平成30年8月1日(水曜日)午後6時30分~8時45分

2 会場 狛江市防災センター402、403会議室
3 調整会請求者 近隣住民
4 出席者

近隣住民9人、事業者4人、傍聴者6人
狛江市まちづくり委員: 卯月委員長、澤野副委員長、佐藤委員、加藤委員、津田委員、平野委員、荒山委員、五十嵐委員、岩永委員、栗山委員、小川委員、惣川委員

欠席委員:井上副委員長、寺内委員、三浦委員

事務局:三宅まちづくり推進課長、松野都市計画担当副主幹、富永まちづくり推進担当主査、富岡主任、榊田主任、福井主任

5 議事内容(要旨)

*冒頭、調整会の注意事項について事務局、調整会の流れについて委員長より説明する。

委員長 ただいまより調整会を開催する。事前に近隣住民側、事業者側双方よりヒアリングを行い、まちづくり委員会(以下「委員会」という)として論点を整理した。その内容について、事務局から説明をお願いする。

事務局 近隣住民からの意見として、①当該のマンションは投資的な単身者向けマンションであり、賃借人トラブルに起因する住環境の悪化が予想されるため、所有者居住が見込めるファミリータイプのマンションにしてもらいたいこと、②利回りのよい民泊を始めたら周辺住民に迷惑となること、③管理人が常駐しないことについて、トラブル対応の面で懸念していること、④開放廊下及び階段室に目隠しを設置してもらいたいこと。以上について、改善を求めるというものであった。一方、事業者側の意見は、①管理人は1日毎に午前中作業の予定であり、他の同規模のマンションで問題はおきていないこと、②敷地形状を根拠として単身者向けのタイプとしており、ファミリータイプのマンションに変更する予定はないこと、③民泊の禁止については、管理規約で明確にし、重要事項説明においても確認し担保すること、などの説明があった。

 

まちづくり委員会の意見としては、①ワンルームマンションは近隣住民の意見のようにリスクは大きいが、なぜこのプランなのか、②西側は、駐輪場に行く動線となっており騒音も発生することが考えられるので、近隣との離隔を取るべきではないか、③民泊禁止について規約で約束するとのことだが、分譲マンションの総会で規約が変更されてしまうことが考えられないか、④南側の緑地を近隣住民が使えるものにできないか、という意見が出された。

ヒアリングを基に、検討事項を事業者に示し、それに対する回答を記載した文書を「調整会に向けた論点の整理についての回答」という形でまとめ、本日資料として配付している。

 

委員長 検討事項について近隣住民から補足意見はあるか。ないようであれば、事業者から検討事項に対する回答について説明をお願いする。

 

事業者 【検討事項1】のファミリータイプへの変更の検討のうち、(1)はファミリータイプにすると1戸あたりの販売価格が高額となる。今回の敷地形状では、東向きの住戸が多くなるため、ファミリータイプだと売れ残りのリスクが高まる。住戸数が減ると、一部屋あたりの管理費も高額となり、全体の管理費も減ってしまう。自主管理になった場合に適正な管理ができない可能性がある。ワンルームの方が一部屋あたりの管理費を安く設定でき全体の管理費も増えるので適正な管理がしやすい。また(2)も同様の考えである。【検討事項2】の民泊禁止の実効性のうち、(3)は、管理規約は簡単に変更することはできないと考える。管理規約の変更は、区分所有法第31条に規定されており、特別決議が必要である。特別決議を行うための議決要件は、「区分所有者数の4分の3以上」かつ「議決権の4分の3以上」の賛成である。顧問弁護士に相談したが、管理規約の変更は不可能であるとの見解をいただいている。(4)も(3)と同様の考え方である。(5)については、購入者には管理に関する承認書を提出することになる。(6)は所有者変更時にも、その効力を継承させることを義務付ける。【検討事項3】のマンション管理の実効性のうち(7)については、管理人が帰宅後の残りの半日や、管理人が来ない日は、日神管財が対応する。夜間については、警備会社が対応する。(8)の横浜市の事例と狛江市では環境が違うとの指摘だが、分譲したワンルームマンションを購入者が賃貸としている割合は平均すると約5割である。【検討事項4】の周辺との関係のうち(9)の西側隣地との離隔は、事業敷地の形状が不整形であることから、計画図面以上の間隔を開けることは困難である。(10)の事業区域内に予定している緑地を近隣住民が使用できるか否かについて、外部から観賞することは可能だが、緑地内に立ち入ることは植栽の規模から困難であると考えている。

 

事業者 本日お配りした平面図、立面図、配置図、断面図の内容について説明する。社内で検討した結果、対応可能な箇所として赤字で示した。変更点としてバルコニー面は縦格子だった手すりを1階部分はRC、2階から5階は曇りガラスの手すりとした。各戸玄関前にプライバシー保護のため、曇りガラスを設置した。バーの大きさを小さく、また数を減らすなど配慮した。

 

事業者 配付した資料にある別物件の管理規約をご覧いただきたい。物件購入者には承認書を出していただくことになる。シェアハウスや民泊に関することも規約に盛り込んでいる。また、廃棄物保管施設については、新たに消臭設備を設置することとした。

 

委員長 では、まちづくり委員会で整理した4つの論点について意見交換をしていきたい。

 

1 ファミリータイプへの変更の検討

委員長 事業者からは、ファミリータイプへの変更は困難であるとの回答であるが、これについて意見はあるか。

 

住民 事業収益性の観点や土地の形状が不整形との理由からファミリータイプへの変更は困難であるとの事だが、土地の形状はそれを承知で購入しており理由にならない。また、部屋の間取りを変更するのは単純に隣の部屋とつなげるだけであり難しいことではない。収益性に関してはワンルームなら2,000万円台、ファミリータイプなら4,000万円台以上が想定販売価格であると考えられるが、これも倍の価格になるだけであり、考え方が違うだけである。

 

委員長 事業者としては敷地形状よりも収益性、販売価格を優先して部屋タイプを決めているのか。

 

事業者 仮に販売価格2,000万円の部屋2つをつなげたから単純に4,000万円で販売する訳ではなく、色々な問題があって4,500万円、5,000万円となっていく。また部屋数が少なくなれば、一戸あたりの管理費が高くなるリスクがあり、事業者としてはそのようなリスクは避けたいと考えておりご理解いただきたい。

 

委員 賃貸割合の詳細を知りたい。また資料にあるマンションはファミリータイプの住戸もあるのか。

 

事業者 お配りした資料は日神不動産が販売した物件のうち、その物件を購入した者がさらに賃貸に出している割合である。また、デュオステージは基本的にワンルーム住戸であり、ファミリータイプではない。

 

委員 資料にあるデュオステージにおいて、管理面で問題が起きたことはないか。

 

事業者 グループ会社である日神管財が管理しているが、問題は起きていない。

 

委員 住民が懸念している違法民泊だが、今まで事例はあるか。

 

事業者 弊社の物件は全て民泊を禁止しておりそのような事例はない。

 

委員 ファミリータイプの物件は扱っているのか。

 

事業者 扱っている。

 

委員 私はこの場所にワンルームしか建てられないという理由が納得できない。ファミリータイプの方が近隣に対する迷惑度は低いと考える。2部屋を一つにすればファミリー向けになる。計画上は可能であるが収益上の問題でワンルームにしたいという理解でよろしいか。

 

事業者 販売価格が4,500万円、5,000万円と上がれば高額物件になり、購入者が限定されるため、販売上のリスクが生じる。事業者としては少しでも早く完売し売れ残りというリスクを抑えたいと考える。弊社物件のワンルームタイプマンションで過去にトラブルが起きた事例はなく、その辺りご理解いただきたい。

 

住民 事業区域北西側の隣地境界と計画建物の距離が50cmとあるが、この距離で鉄筋コンクリートの建物が建つと相当な圧迫感になることを理解されているか。もう1つ、ファミリータイプとして販売することを再考できないか。市内の別のファミリー物件では、販売即完売であったと聞いている。狛江市内は低層住居がほとんどでありマンションからの眺望は素晴らしいものであり資産価値もあがると考える。

 

事業者 ご意見として承る。

 

委員 事業者に確認する。ファミリータイプに出来ない理由の一つとして前回までは敷地形状の悪さを挙げていたが、今回はその事に触れておらず話がかみ合っていないと感じる。例えば事業敷地が南北に長いため南向き住戸の数が確保できない、ファミリータイプの場合一部屋最低65㎡以上は確保したいが敷地形状の悪さから確保できない等の理由であれば話はかみ合うと考える。

 

事業者 ファミリータイプの部屋は南向きでないと販売上のリスクが高くなると考えておりご理解いただきたい。

 

委員長 敷地形状と事業収益性の2つの観点からファミリータイプの住戸を設定できないということでよろしいか。

 

事業者 そのとおりである。

 

委員 事業収益性のことだが、ワンルームをつなげてファミリータイプにすると、販売価格が2倍以上になると説明があったが、それは有り得ないと考える。面積が大きいほうが単価は下がるので、説明としては単価が下がるので事業性が悪いといった説明であれば理解できる。通常、面積が増えて単価が上がるといったことはない。

 

委員 販売上のリスクとは具体的に何か。

 

事業者 例えば2,000万円と5,000万円で販売する場合、高価格のほうが売れ残った場合に大きなリスクを抱えることになる。

 

委員 ファミリータイプの部屋に何か付加価値を付けて販売する等の方法もあると考える。

 

事業者 この物件では付加価値を付けるのは難しいと考える。

 

住民 賃貸者しかいないマンションの管理は酷いものである。管理組合自体が機能しないと考える。

 

委員長 ファミリータイプの間取りへの変更についての議論は平行線であるので、次の論点に移る。

 

2 民泊禁止の実効性3マンション管理の実効性

委員長 民泊禁止の実効性及びマンション管理の実効性は管理規約に関することなので一括して議論する。

 

事業者 民泊については管理規約で禁止している。もし仮に民泊が行われているようであれば、管理会社に連絡いただければ適切に対応する。

 

委員 管理規約について。制度上は管理規約の変更は可能であるが、実際は手続き上とても困難であるとの事でよろしいか。

 

事業者 そのとおりである。

 

委員 管理規約の変更は不可能という回答は不正確である。著しく困難であるもので、説明の正確性には気をつけてもらいたい。

 

委員 ゴミの収集方法はどのようになっているのか。

 

事業者 市の清掃部門と事前に協議を行いその方針に従うことになっているが、再度確認をする。

 

委員長 住民側より論点の2及び3について意見はあるか。

 

住民 事業者が事業計画を変えずに進めるのであれば、事業区域周辺にある建設反対看板は撤去しない。ゴミの収集方法、管理人常駐の問題もあるが、ワンルーム住戸で将来にわたり管理組合が機能せずスラム化していく懸念がある事業を認めることはない。

 

4 周辺との関係

住民 駐輪場が事業敷地西側の隣地境界線に沿って計画されているが、駐輪に伴う騒音は相当酷くなる。そのため事業敷地南側や東側に設置すべきである。

 

事業者 敷地西側の駐輪場は避難経路も兼ねている。敷地南側の緑地部分は段差があり避難通路としては不適格なためこのような形状になっている。

 

委員 その説明は以前と違う。敷地南側にスロープや階段を設置することは可能だが、そのようにすると都市計画法に基づく開発行為に該当するため、それを避けるために緑地にするとの説明であった。

 

住民 駐輪場は避難路を兼ねているとのことだが、自転車が置いてあると人が通れないのではないか。

 

委員長 4つの論点について意見交換をしたが、内容については平行線であり双方の歩み寄りはなかったと考える。休憩を挟んだ後、まちづくり委員会より今後の展開についてお示しする。

 

委員長 今後の展開についてまちづくり委員会よりお示しする。4つの論点について委員会より事業者に対し回答を求めたが、事業者の説明は極めて不正確なものであり、誠意ある回答であるとはいえないものであった。そのため再度調整会を行うこととする。4つの論点についてはこのままとし再度事業者から説明を求めることとする。次回の調整会の日程は、事務局と調整の上決めることとする。