「50年目の伝言」-多摩川水害-

元市長「川を甘く見ていた」

 狛江市で多摩川水害が発生した1974年9月1日は日曜日。渦巻く濁流が本堤防に迫っていた。市は水防活動態勢を強化するため午後4時半、在宅職員全員を非常招集。午後6時、市役所に災害対策本部(本部長=吉岡金四郎市長)を置いた。
 采配を振るったのが総務部長の長谷川良二さん(89)。前年に38歳の若さで就任した。職員550人の大半を水害対策に配置。現場で活動する市消防団、自衛隊、警視庁、東京都、東京消防庁との連絡調整に追われた。
 現場では、堤防がえぐられる「洗掘」が拡大。対策本部は設置後すぐ、猪方地区などに避難命令を出した。が、2日未明から住宅が次々に流失。家財道具をほとんど持ち出せなかった家族から、「避難命令が遅すぎる」との批判を浴びた。長谷川さんは「事態の進行が予想以上に早かった」と振り返る。
 市環境衛生課にいた須田眞立さん(84)は上司の指示で、避難所になった狛江第三小学校の体育館に駆けつけた。だが、大規模水害への備えは不十分だった。「私も避難所の設営訓練を受けたことはなく、学校には支援物資の備蓄もゼロだった」。避難者に配られたのは災害用毛布1枚だけ。須田さんは徹夜で、収容者の安否の問い合わせに応じる電話番をした。
 初日は約1,300人が三小に身を寄せたが、対策本部からの情報は全く入ってこない。「イライラしました」。校庭に配備された消防ポンプ車への断片的な無線を聞きながら、現場の様子をつかむのが精一杯だった。
 現地と対策本部の通信は、2日未明に電話が架設されるまでアマチュア無線隊が担った。長谷川さんは「通信手段の確保には苦労しました」。
 企画広報課職員だった本橋昇さん(77)は月2回発行の広報紙のほか、臨時号として9月10日号と27日号で「水害特集」を組んだ。普段の印刷所では間に合わず、スポーツ新聞社で印刷した。「夜中に校正に行ったことを覚えています」
 同課の山口昭二さん(74)は連日、現場でカメラを構えた。多くの写真は、市が1年後に出した記録集「多摩川堤防決壊記録」に掲載された。
 山口さんが印象深いのは、崩れた小堤防の仮締め切り工事が完成した6日、吉岡市長が満面の笑みを浮かべ、旧建設省の職員と握手している場面だ。「一安心したんでしょう。それまではずっと厳しい表情だったから」
 その吉岡市長は水害が起きた翌月の庁内報「ひろば」で、反省の言葉をつづった。「多摩川が決壊することは夢想をしたことがなく、(中略)われわれは、あまりにも川を甘く見て」いたと。

 佐藤清孝(元新聞記者)

長谷川良二さん

 災害が発生した時に1自治体ができることは限度がある。だが、4月に台湾で起きた地震で、花蓮市の避難所は発災から2時間後にはテントを設置していた。市やNGOの間で連絡体制が整えられている。狛江市にもボランティアとの連携を頑張ってほしい。市外にいる職員は7割を占める。災害に対応するには初動が大切だ。どうすれば早く駆けつけられるか。能登半島地震のように道路が寸断されると交通機関はあてにならない。普段の準備や訓練が大切だ。

 


7月の市民相談

相談名 開催日・時間 相談員 申し込み等
法律相談 毎週月・木曜日
午前9時~午後0時10分
弁護士 事前予約制
(相談日の2週間前から秘書広報室で受け付け)
※夜間相談は相談当日の午後4時まで受け付け。
相続相談 2日(火曜日)・16日(火曜日)
午後1時~4時10分
行政書士会
調布支部
夜間相談 9日(火曜日)
午後6時~7時50分
行政相談 19日(金曜日)
午後1時~4時10分
行政相談委員
事前予約制
(1日(月曜日)から秘書広報室で受け付け。
空きがあれば当日も受け付けます)
※夜間相談は相談当日の午後4時まで受け付け。
※行政相談は17日(水曜日)まで受け付け。
※通訳を希望する方はご相談ください。
 
交通事故相談 16日(火曜日)
午前9時30分~正午
弁護士
土地家屋調査
測量表示登記相談
25日(木曜日)
午後1時~4時10分
土地家屋
調査士会
不動産取引相談 9日(火曜日)
午後1時~4時10分
宅地建物
取引業協会
登記相談 8日(月曜日)
午後1時~4時10分
司法書士会
調布支部
夜間相談 22日(月曜日)
午後6時~7時50分
労働相談 19日(金曜日)
午前9時~午後0時10分
社会保険労務士会
武蔵野統括支部
税務相談 11日(木曜日)
午後1時~4時10分
東京税理士会
武蔵府中支部
※会場は東京税理士会武蔵府中支部
毎週木曜日 午前10時~正午、午後1時~4時
事前予約制 電話042(319)2825
人権身の上相談 18日(木曜日)
午後1時~4時
人権擁護委員 事前予約制
市ホームページから専用フォーム、
または電話で政策室へ)
女性のための
カウンセリング
3日(水曜日)・10日(水曜日)・24日(水曜日)
午前9時~正午
カウンセラー
こころの
カウンセリング
17日(水曜日)
午前9時~正午
カウンセラー
消費生活相談 月~金曜日
午前9時~正午、午後1時~4時
消費生活相談員 地域活性課へ
(午後3時まで受け付け)
更生保護相談  23日(火曜日)
午前10時~正午、午後1時~3時
保護司 第一市民相談室へ
介護保険
苦情相談
 1日(月曜日)・22日(月曜日)
午後1時~4時
介護保険
苦情相談員
福祉総合相談窓口へ
生活困窮の相談 月~金曜日
午前8時30分~午後5時
生活困窮者
自立支援相談員
福祉総合相談窓口
こまYELLへ
こころの
健康相談室
25日(木曜日)
午後1時30分~4時30分
精神科医師 事前予約制
(福祉相談課で受け付け)
住まい探しの相談 2日(火曜日)
午前10時~正午
※次回は8月6日(火曜日)(受付中)
日本地主
家主協会
事前予約制(福祉政策課で受け付け)
ひとり親相談 月~金曜日
午前8時30分~正午、午後1時~5時
専門相談員等 事前予約制
(子ども若者政策課で受け付け)
女性相談
若者相談 9日(火曜日)午前9時~正午 公認心理師等
24日(水曜日) 午後2時~5時
教育相談
(電話相談)
月~金曜日
午前9時30分~午後5時15分
教育相談員 教育支援センター
電話 03(3430)1411へ
健康相談  11日(木曜日)・25日(木曜日)
午前10時~正午
保健師、栄養士 直接2階フロアーへ
年金相談 毎週月・水・金曜日
午前9時~正午、午後1時~4時
社会保険労務士 保険年金課へ
(午後3時30分まで受け付け)
シルバー人材センター
入会相談
8日(月曜日)
午後1時~4時30分
狛江市シルバー人材センター
電話 03(3488)6735※電話予約制