令和4年度決算の概要

 令和4年度決算の特徴として、歳入については、市税がこれまで過去最大だった令和2年度を超え、過去最大を更新した他、普通交付税や各種交付金も伸びたため、経常一般財源としても過去最大となりました。
 歳出については、物価高騰に伴う各種市民生活・事業者支援の実施や、各種新型コロナウイルス感染症対策を実施しました。子育てしやすいまちづくりとして、義務教育就学児医療費助成の所得制限を、新たに小学校3~6年生まで撤廃するとともに、小・中学校給食の食材料費高騰分への支援も実施しました。学童クラブの待機児対策では、第一小学校放課後クラブの定員を拡大しています。また、ゼロカーボンシティの推進として、本庁舎や防災センターに加え、新たに全小・中学校に100%再生可能エネルギー電気を導入しました。DXの推進では、ぴったりサービスを導入し、転出届や妊娠届、児童手当の新規認定手続き等を来庁不要のオンライン化を図るとともに、庁内業務では文書管理システムの電子決裁や庶務事務システムを導入し、業務改善・効率化を図りました。コロナ禍からの正常化への途上、引き続き、感染症対策を行いつつ、物価高騰対策、子育て支援の充実、脱炭素やDXの推進を図ることができました。
 財政構造の弾力性を示す経常収支比率は、公共施設等の光熱費の増など物件費の増があったものの、扶助費の減もあり、経常経費充当一般財源(歳出、分子)は減、市税や地方消費税交付金等の税連動交付金、普通交付税の増等による経常一般財源(歳入、分母)が大きく増えたことにより改善しました。また、市債残高を減らし、基金残高を増やすことで、将来負担の抑制に努めることができました。
 今後も、子育て支援の充実、学童クラブ等の待機児対策等に取り組むとともに、高齢化等による社会保障費の増加、公共施設の更新、維持管理費、先行きに不透明感のある物価高騰対策に加え、地震や台風等突発的な財政需要等にも対応していくため、規律を持った財政運営に努めていく必要があります。
 詳細は、「財政のあらまし(令和4年度決算)」をご覧ください。財政課で1部140円で頒布している他、市ホームページからもご覧になれます。

令和4年度に実施した主な事業

まちの姿1 人権が尊重され、市民が主役となるまち
  • 地域を支えるさまざまな主体による連携・協働を推進するため、「市民参加と市民協働の推進に関する基本条例」を改正
  • ウクライナの人道支援として、避難民に一時金を交付し、「気持ちつなぐDAY」を実施
まちの姿2 安心して暮らせる安全なまち
  • 市民提案型市民協働事業として、防災まち歩きセミナー(元和泉地区)を開催するとともに、電柱へ想定浸水深テープを設置
  • 災害対応力の向上を図るため、危機管理監(退職自衛官)を配置
  • 震災時において防災情報の確実な伝達を図るため、老朽化した防災行政無線の支柱の建て替えを実施
  • 浸水対策として、猪方排水樋管遠隔操作化工事の着手、六郷排水樋管遠隔操作化工事、分流地区の道路集水ますの浸透化工事、根川第1雨水幹線に逆流防止ゲート設置工事の完了、下水道浸水被害軽減総合計画の策定
まちの姿3 活気にあふれ、にぎわいのあるまち
  • 新たに「ぽかぽか広場」を活用し、多様な市民団体と共催したイベントを実施の他、「こまえ初春まつり」や「ぽかフェス」を開催
  • 光熱費高騰対策として、街路灯の電気料金を負担している商店会等をさらに支援するため、街路灯電気料補助の補助率の引き上げを実施
  • 市内での創業を支援するため、創業支援家賃・改修費補助金の補助件数と申請期間を拡充
  • 令和5年度の「かわまちづくり計画」策定に向けて、市民アンケートや団体ヒアリング等を基に、基本理念および基本方針を決定
  • 観光協会と連携し、市内の代表的なロケ地を巡るロケ地巡りツアーを開催
  • 町会・自治会のデジタル化に寄与することを目的としたデジタル推進講演会を実施
まちの姿4 子どもがのびのびと育つまち
  • 義務教育就学児医療費助成において、小学校3~6年生の所得制限を撤廃、すべての小学生の所得制限撤廃を実現
  • 小学校の放課後対策として、第一小学校放課後クラブの定員を30人拡大
  • 妊婦面談のオンライン化や視力異常の早期発見、早期受診を目的に視機能の屈折検査機器の導入、宿泊産後ケアの実施等、妊娠・出産期から子育て期にわたる切れ目ない支援を実施
  • 学校運営への地域住民等の参画を促進するため、中学校区を一つのゾーンとしたコミュニティスクール制度を導入
  • 学校・家庭・地域の連携を図るため、全小・中学校に地域コーディネーターを配置
まちの姿5 いつまでも健やかに暮らせるまち
  • 個別支援、地域支援および地域づくりを図るため、コミュニティ・ソーシャルワーカーを市内すべての日常生活圏域に配置
  • 多世代が集い関わり合う居場所の確保、気軽に専門職等に相談できる環境を提供するため、多世代・多機能型交流拠点(ふらっとなんぶ)を整備・開設
  • がん患者の心理的および経済的な負担を軽減するため、がん患者ウィッグ等購入費助成金を創設
  • 介護人材の育成、定着を目的に、介護福祉士実務者研修の研修受講費助成を開始
  • 子ども食堂の実施団体に対し、さらなる事業推進のため、補助金額の引き上げを実施
  • 重層的支援体制整備事業を開始し、つなぎの重層化を図るための仕組みとして、オンラインによるつなぐシート登録システムを活用した情報共有制度を構築
まちの姿6 生涯を通じて学び、歴史が身近に感じられるまち
  • 市指定文化財の旧荒井家住宅主屋について、ガバメントクラウドファンディングを活用し、かやぶき屋根の全面的なふき替え工事を実施
  • 情報格差(デジタル・ディバイド)といった地域課題の解決を目的としたスマホ講座の回数を拡充
  • 令和4年12月に市民ホールの改修工事を終え、リニューアル記念事業として自衛隊音楽隊によるコンサートや小中高生コンサートを実施
  • 新図書館整備基本構想を策定
まちの姿7 自然を大切にし、快適に暮らせるまち
  • ゼロカーボンシティ宣言に基づき、温室効果ガス排出削減量や再生可能エネルギーの導入目標、施策の方向性等を示す「ゼロカーボンシティシナリオ」を策定
  • 歩行者利便増進道路(ほこみち)制度実現のため、狛江駅周辺における快適な歩行空間の創出に向けた社会実験を実施し、狛江駅周辺エリア道路利活用方針を策定
  • ぽかぽか広場の緑道部分の工事終了により、広場部分との一体運用を開始
  • 都市計画マスタープラン・立地適正化計画の策定および公表
  • 狛江駅北口地下駐車場の大規模改修工事が完了し、令和4年8月1日より営業再開
まちの姿8 持続可能な自治体経営
  • 効率的な行政運営およびペーパーレス化の推進を目的に、文書管理システムに電子決裁機能や庶務事務システムを導入
  • 転出届や妊娠届等の手続きに来庁不要となる「ぴったりサービス」を導入するとともに、新たなオンライン申請サービスを各課の業務に導入
  • 死亡後の手続きのワンストップ化を図るため、おくやみコーナーを開設
  • デザインの力で質の高い行政を推進するため、「KOMAE Designer’s Lab.」に登録のデザイナーとの協業でポスター等を作成

普通会計決算の状況

※令和4年度の普通会計決算額は、一般会計決算額から5,469万2千円の純計処理(会計相互間等の重複額を控除すること)を行っています。

普通会計決算の状況(円グラフ)

各会計 決算の状況

会計名/区分 歳入決算額  歳出決算額  歳入歳出差引額

一般会計

372億3,379万5千円

350億974万円

22億2,405万5千円

特別会計合計

177億9,556万5千円

175億2,682万1千円

2億6,874万4千円

 

国民健康保険特別会計

79億5,357万1千円

78億2,827万9千円

1億2,529万2千円

後期高齢者医療特別会計

22億6,197万9千円

22億3,713万7千円

2,484万2千円

介護保険特別会計

72億7,574万5千円

71億5,713万5千円

1億1,861万円

駐車場事業特別会計

3億427万円

3億427万円

0円

合計

550億2,936万円

525億3,656万1千円

24億9,279万9千円

公営企業会計 純利益または(△)純損失 経常利益または(△)経常損失 累積利益剰余金または(△)欠損金

下水道事業会計

1億1,766万7千円

1億1,762万6千円

3億7,336万7千円

財政指標

区分 令和2年度 令和3年度 令和4年度

経常収支比率

財政構造の弾力性を示す比率

89.7

87.7 

85.4

公債費負担比率

借金返済額(公債費)の一般財源総額に対する比率

8.6

8.0

7.3

実質公債費比率

実質的に一般財源で負担した借金返済額等の財政規模に対する比率

1.7

1.4

1.1

将来負担比率

特別会計や一部事務組合等も含め、
将来負担することが見込まれる金額の財政規模に対する比率

6.3

△4.5

△13.7

※いずれの数値も低い方が良いとされています。
※実質赤字比率(主な行政サービスを行う一般会計等の赤字の程度)および連結実質赤字比率(一般会計、特別会計全体の赤字の程度)の赤字はありませんでした。
※下水道事業会計の資金不足はありませんでした。

市民1人当たり換算額

市民82,749人(令和5年1月1日現在)

  • 1人当たり収入額
    44万9,000円
  • 1人当たり支出額
    42万2,000円
1人当たり支出額内訳
  • 民生費
    社会福祉や高齢者福祉、児童福祉等に関する経費 21万7,000円
  • 教育費
    学校教育や文化・スポーツ振興等の社会教育に関する経費 5万5,000円
  • 総務費
    総務管理、税務、戸籍、選挙、統計等に関する経費 4万5,000円
  • 衛生費
    予防接種や健康診査等の保健衛生や清掃に関する経費 3万2,000円
  • 土木費
    道路や公園等の整備や維持管理に関する経費 3万円
  • 公債費
    借り入れた市債の返済に関する経費 2万円
  • 消防費 
    消防や災害対策等に関する経費 1万5,000円
  • その他支出
    議会運営や商工農業振興 、消費者行政等に関する経費 8,000円

市債

市の借金である市債は、道路、学校等の公共施設を整備するための建設事業債と一般財源の不足を補うための臨時財政対策債があります。
市債残高は減っているものの、残高の内訳では臨時財政対策債が半分以上(54.0%)を占めているとともに、他団体と比較しても公債費負担が大きいため、引き続き市債借入額を抑制し、残高の削減に取り組む必要があります。

 

基金

 市の貯金としての役割がある基金は、経済状況等に対応するための積み立て分である財政調整基金と、特定の目的のために積み立てている基金があります。
 財政調整基金は翌令和5年度当初における財源不足分の取崩後においても、20億円を維持できる残高を確保できました。基金残高は一時に比べると増加しているものの、他団体と比較すると少なく、今後も見込まれる社会保障費の増加や公共施設の更新に備え、引き続き積み増ししていく必要があります。

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財政課