市長対談コーナー

第5回 塩谷 達昭さん(狛江市歯科医師会長)

 市内の各分野においてご活躍されている方(躍動人)に、市長がお話を伺うコーナーです。
 今回の躍動人は、狛江市歯科医師会長の塩谷達昭さんです。日頃から狛江市民の歯の健康のためにご尽力いただいている塩谷会長から、狛江市歯科医師会と市の関わりや、歯の健康の大切さについて伺いました。

狛江市歯科医師会と市の連携~口元から守る市民の健康~

市長 いつも狛江市民の皆様の歯の健康を見守っていただきありがとうございます。休日診療の応急診療所の開設、在宅寝たきり高齢者への訪問歯科医療事業、学校歯科医、乳幼児の歯科健診・歯科相談等、多岐にわたりご尽力いただいている、狛江市歯科医師会の概要について、少し伺えますか。
会長 狛江市歯科医師会は元々北多摩歯科医師会の狛江調布支部でした。昭和56年に北多摩歯科医師会が解散した時に狛江市歯科医師会として発足しました。現在は28名の会員が所属しています。
市長 市と密に連携をとっていただき、おかげさまで口腔衛生関連の事業をスムーズに行うことができています。
会長 毎年市民の方向けに、市民健康フォーラムを開催しています。今年度は残念ながら新型コロナウイルス感染症の影響で中止になってしまいましたが、来年からも毎年開催したいと思っています。私たち歯科医師会としてはできるだけ多くの市民の皆様に、口腔関連からの健康のための知識を得ていただき、ご自身の健康のために役立ててほしいと思っています。
市長 歯科医師会の方々には一生を通じてお世話になりますね。

口の健康の重要性~身体の健康は口元から~

市長 よく健康の基本は口元からと言いますよね。
会長 そうですね。私たち歯科医は歯の修復や機能の改善、口腔関連の病を治すのは当然ですが、身体の入口である場所を預かっている立場ですので、身体の健康のためにできることは多いと思います。
市長 しかし、まだ健康の基本は口元からというキーワードを知らない方も多いですよね。昨年度開催された市民健康フォーラムのテーマは「口から育つ心とからだ、口からはじめる健康、長寿」ということでしたね。
会長 最近では口腔とその周辺の機能の重要性が指摘されており、誤嚥性肺炎の予防や、認知症予防にも関連しています。また、歯周病菌や口腔内細菌が身体の病気の原因にもなっているというデータも増えてきています。
市長 口の中の細菌を除去するのが大切ということになりますね。先生の考える理想的な歯の磨き方とはどんなものでしょうか。
会長 食後に磨いていただくのはもちろんですが、朝起きたときにまず磨いていただきたいと思います。寝ている間に口の中にはさまざまな細菌が増殖しています。その細菌を取り除いてから朝ごはんを食べる。そうすることで、身体の中に有害な細菌を取り込んでしまうのを防ぐことができます。また、外出先から帰ってきてすぐに歯を磨いてうがいをすることで、風邪やインフルエンザの予防になります。
市長 口の健康を保つことは身体全体の健康を保ち、病気の予防にもなるんですね。

人生100年時代~健康長寿社会の実現に向けて~

市長 人生100年時代といわれる中で、8020運動(※80歳になっても自分の歯を20本以上保とうという運動)が大事といわれています。これについては、いかがお考えでしょうか。
会長 近年、8020運動の達成率は5割を超えてきています。しかし、自分の歯が残っていればいるほど、より口腔内が汚れやすくなる。従って、これまで以上の口腔ケアが必要です。
市長 やはり健康に長生きするには歯の健康は大切ですよね。
会長 絶対に大事です。口の中がきれいでないと長生きはできません。認知症やがん、身体の老化にしてもすべて関わっていると思います。日頃から市でも周知に協力していただいており、大変感謝しています。
市長 今後も市民の健康を守るため、行政と歯科医師会の密な連携をよろしくお願いいたします。
会長 こちらこそよろしくお願いいたします。