狛江市役所

〝川ガキ〟たちの歓声狛江水辺の楽校

『宝物』探しで太古のロマンに浸る

　カツン、カツン。大人や子どもが、あちこちでタガネをハンマーで岩層に打ち込んでいる。化石探しをしているのだ。
　ここは狛江市の多摩川。二ケ領宿河原堰近くにあり、「化石島」と呼ばれる。「島」といっても、川岸から歩いて渡れる中洲だ。「狛江水辺の楽校」の環境学習の舞台でもある。1月18日に「多摩川生きもの調査会」で、化石掘り体験があった。
　狛江市の主催で、小学生を中心に15人の子どもと保護者14人が参加。「狛江探鳥会」のメンバーの案内で野鳥を観察した後、化石島へ。
　ここは「上総層群飯室層」という約130万年前の泥岩層でできている。これまでに貝やカニ、ウニ、サメの歯などの化石を発見。ジュゴンなどの仲間の大型海牛類の全身骨格化石が、川底から見つかったことも。
　楽校の市民事務局長・竹本久志さん（72）が、後ろに見える高層マンション（地上14階建て）を指す。「かつてはあの最上階付近まで海面だったようです」。参加者らは、化石島周辺が海の底だった太古のロマンに浸る。
　この後、楽校の市民講師の大津伴絵さん（66）が、化石掘りのコツをアドバイス。「（岩層を）横から掘った方がはがれやすい。破片を割って中をよく見てね」
　大津さんはフリーの映像作家。15年ほど前から楽校の活動に加わり、年2～3回、市内の小学校の野外授業で竹本さんと化石掘り体験の講師を務めている。「130万年前の地層が見えていることだけでもすごい」と化石島の魅力を話す。
　「島」で多く見られるのはフスマガイやイズモノユキノアシタガイなど。親子らが協力してハンマーをふるい、化石探しに没頭。長谷川佳久さん（45）と小学1年生の凪初さん（7）は見事に幅5㌢ほどのフスマガイの化石を掘り当てた。「宝物にしたい」。凪初さんは声を弾ませた。
佐藤清孝（元新聞記者）
 

3月は自殺対策強化月間です

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　また、周囲の人は、身近な人の様子がいつもと違うと感じた場合には、どうか勇気を出して声を掛けてみてください。あなたの一言で救われる人がいます。

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