無公害都市宣言

 近年におけるわが国の驚異的な高度経済成長と、狛江市の急激な都市化傾向は、我々市民に文化生活の享受を可能にしたが反面市民生活の基盤である生活環境を破壊する公害を増大させ大きな社会問題となっている。
 よって狛江市議会は、市民の生活環境を妨げる公害発生の諸要因を究明するとともに、これを追放し、健康で快適な生活を営むことをすべての市民の基本的権利とし、市民生活優先の基本原則を確立するため、ここに狛江市を「無公害都市」とすることを宣言する。

(昭和50年3月25日:東京都狛江市議会)

 


 

狛江市平和都市宣言

 われわれ狛江市民は、「日本国憲法」の前文と世界の恒久平和を達成するという精神および第9条に記された「戦争の放棄、交戦権の否認」を、狛江市および狛江市民の行動原理として高く掲げたい、と思う。
 われわれはこの行動原理は、ヒロシマ、ナガサキ、第五福竜丸と三度にわたる原爆被爆の痛切なる体験にもとづき、かかる悲劇が二度とふたたび人類社会においてくりかえされてはならないとの確信にもとづくものである。
 われわれは、今日の国際社会がわれわれの念願にもかかわらず、絶えざる核軍拡競争と、軍事的緊張の連続であるという事実を深く憂慮し、核軍縮こそ、人類の生存にとって最も優先させるべき課題であるとの認識のうえにたって、全ての核保有国にたいし、核兵器の研究、実験、開発、配備を停止すること、および、率先して核兵器の削減をおこなうこと、および、非核保有国をも含めた核軍縮交渉を開始すること、を希望する。
 われわれの海や大地は、戦争のために汚されることがあってはならず、人類の生存のために利用されるべきものである、と確信するがゆえに、非核三原則を守り、狛江市および狛江市民は、各平和宣言都市と手を結び、核兵器完全禁止・軍縮、全世界の非核武装化にむけて努力することを宣言する。

(昭和57年6月21日:東京都狛江市議会)

 


 

交通安全都市宣言

 市民の最大の幸福は、健康で明るい生活が維持できることである。しかるに、昨今の交通量の増加に伴い生活道路にまで波及し、交通事故を発生させ、市民生活に大きな不安を与えていることはまことに憂慮すべき事態である。
 よって狛江市議会は、市民の生命と安全を守り、健康で明るい連帯のある町づくりを目指し、全市民が一体となって交通事故の絶滅を期するため、ここに狛江市を「交通安全都市」とすることを宣言する。

(昭和62年9月21日:東京都狛江市議会)

 

 


 

暴力団排除に関する宣言

 暴力団のいない明るく住みよい環境をつくることは住民全員の願いであります。
 しかし、暴力団は世論の厳しい批判に挑戦するかのように組織勢力の拡大を進め、新たな資金源を求めて社会各層に浸透し、その不当な行為はますます悪質巧妙化の傾向を強めております。
 さらに、その活動は平穏な日常生活や経済活動に重大な脅威を与えるとともに、対立抗争や銃器発砲事件が市民生活を大きく侵害しております。
 このような暴力団の存在は、平穏で安全な社会を希求する住民の願いを踏みにじるものであり、断じて許されるものではありません。
 よって狛江市は、「暴力団のいない町づくり」を目指し、積極的な活動を展開するとともに、警察のより一層厳しい取り締まりを要請するものである。
 以上のとおり宣言する。

(平成3年9月25日:東京都狛江市議会)

 

 


 

地球環境の保全に関する宣言

 清らかな空気、きれいな水、豊かな緑などの自然環境は、人間を初め地球上に生きるものすべての生命の基盤である。
 しかし大気汚染、水の汚濁、緑や野生生物の減少、そして地球の温暖化などの環境の危機は、私たちと私たちの子供たちの生活を危うくし、すべての生物の生存基盤を失わせようとしている。私たちの住む東京もまた、大気汚染、水質の汚濁などに加えてヒート・アイランドなどの新しい環境問題に直面している。人類は、自然と調和しつつ、健康で快適な生活を送る権利がある。
 私たちは、今自然環境がもたらす恵みと資源を守り育て、自然との共生のもとに調和のとれた都市環境、地球環境をつくり上げていく必要がある。そのためには都民・事業者・自治体が協力し合い、生活や事業活動を見直し、地球環境に優しいものにしていかなければならない。また、世界の諸都市と協調し、環境問題に積極的に取り組まなければならない。
 よって狛江市議会は、地球環境を保全する行動を市民とともに積極的に推し進めることを宣言する。

(平成5年9月22日:東京都狛江市議会)

 

 


 

狛江市『ゼロカーボンシティ』宣言 ~ 2050年二酸化炭素排出量実質ゼロに向けて ~

 近年、地球温暖化が要因とみられる猛暑や豪雨などの異常気象による災害が世界規模で発生し、私たちの生活環境や生命、財産までも脅かす、危機的な状況になり、日本各地でもこれまでに経験したことのない豪雨や台風等により甚大な被害が発生している。
 2015年に合意されたパリ協定では、「産業革命前からの平均気温上昇の幅を2度未満とし、1.5度に抑えるよう努力する」との目標が国際的に広く共有されるとともに、2018年に公表されたIPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)の特別報告書では、「気温上昇を2度よりリスクの低い1.5度に抑えるためには、2050年までに二酸化炭素の実質排出量をゼロにすることが必要」とされている。この目標達成に向け、2020年に日本政府は「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言した。
 狛江市は2020年に市制施行50周年を迎えた。1970年の市制施行にあたり、狛江市制宣言では、よき伝統は、これを受け継ぎ受け伝えるとともに、創意工夫を加え、英知を集結していっそう明るく住みよい生活環境の造成に全力をあげることを決意している。
 いま、ここが狛江市の未来の入り口である。明るく住みよい新たなまちづくりを進めるにあたっては、地球温暖化という課題に向き合い、自然環境との調和を図りながら、持続可能な生活環境を確保していかなければならない。
 「豊かな環境をみんなで未来につなぐまち~水と緑の狛江~」をめざす環境像に掲げる狛江市は、その未来に向けて、貴重な財産である「水と緑」を受け継ぎ、受け伝えるためにも、2050年までに二酸化炭素排出量実質ゼロとする「ゼロカーボンシティ」の実現に、市民や事業者と協働し一体となって取り組むことを宣言する。

(令和3年4月1日:東京都狛江市)