インターネット等を利用した選挙運動
インターネットを活用すると、候補者および政党等は、公約、政策および実績などの情報を候補者および政党等が提供するホームページ、ブログ、SNSおよび動画などで発信でき、選挙運動期間中は24時間、政見を主張し、それを拡散できるようになります。有権者にとっては、自分が知りたいときに情報を得ることが可能となります。
また、候補者および政党等と有権者との間で、双方向のやりとりができるので、選挙期間中は、有権者が候補者および政党等に対する支持を表明し、知人に紹介することや候補者および政党等に質問すること、意見を言うことも可能となりました。
インターネット等を利用した選挙運動の種類
ウェブサイト等を利用した選挙運動と電子メールを利用した選挙運動の2つがあります。
ウェブサイト等を利用した選挙運動
インターネット等を利用した選挙運動のうち、電子メールを利用した選挙運動を除いたものをいいます。
例としては、次のとおりです。
- ウェブサイト(いわゆるホームページ)
- ブログ・掲示板
- X(旧ツイッター)、フェイスブックおよびLINEなどの、ユーザー間でやりとりするメッセージ機能は、「電子メール」ではなく、「ウェブサイト等」に含まれる
- 動画共有サービス(YouTube、ニコニコ動画等)
- 動画中継サイト(YouTube、ニコニコ動画の生放送等)
電子メールを利用した選挙運動
電子メールアドレスや携帯電話の電話番号を利用して選挙運動のメッセージを送受信することをいいます。ただし、電子メールを利用した選挙運動は、候補者や政党等に限られており、メールアドレスや氏名等の表示義務や、送信先についての制限があります。
例としては、次のとおりです。
- Eメール
- Eメールを用いてフェイスブックアドレスにメッセージを送信するなどの場合
- SMS(ショート・メッセージ・サービス)
- メールマガジン
なお、電子メールとは、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(特定電子メール法)」第2条第1号に規定する電子メールをいいます。
その中で電子メールとは、「特定の者に対し、通信文その他の情報をその使用する通信端末機器(入出力装置を含む)の映像面に表示されるようにすることにより伝達するための電気通信であって、総務省令で定める通信方式を用いるもの」と定義されています。
具体的には、次の2つが定められています。
- その全部または一部においてシンプル・メール・トランスファー・プロトコルが用いられる通信方式(SMTP方式)
- 携帯して使用する通信端末機器に、電話番号を送受信のために用いて通信文その他の情報を伝達する通信方式(電話番号方式)
インターネット等を利用した選挙運動でできること・できないこと
選挙運動・政治活動等 | 政党等 | 候補者 | 有権者 | |
---|---|---|---|---|
ウェブサイト等を利用した選挙運動 | ホームページ、ブログ等 | 〇 | 〇 | 〇 |
SNS(X<旧ツイッター>、フェイスブック、LINE等) | 〇 | 〇 | 〇 | |
政策動画のネット配信 | 〇 | 〇 | 〇 | |
政見放送のネット配信 ※1 | △ | △ | △ | |
電子メールを利用した選挙運動 | 選挙運動用電子メールの送信 | 〇 | 〇 | × |
選挙運動用ビラ・ポスターを添付したメールの送信 | 〇 | 〇 | × | |
送信された選挙運動用電子メールの転送 ※2 | △ | △ | × | |
ウェブサイト等・電子メールを利用した落選運動 ※3 | 〇 | 〇 | 〇 | |
ウェブサイト等・電子メールを利用した落選運動以外の政治活動 | 〇 | 〇 | 〇 | |
有料インターネット広告 | 選挙運動用の広告 | × | × | × |
選挙運動用ウェブサイト等に直接リンクする広告 | 〇 | × | × | |
挨拶を目的とする広告 | × | × | × |
※1 著作隣接権者(放送事業者)の許諾があれば可
※2 新たな送信者として、送信主体や送信先制限の要件を満たすことが必要
※3 表示義務あり
選挙運動用ウェブサイト等に直接リンクする有料インターネット広告が認められる政党等
政党等については、候補者・政党等の氏名・名称またはこれらの類推事項を表示した選挙運動用有料インターネット広告に該当するものを除き、選挙運動期間中、当該政党等の選挙運動用ウェブサイト等に直接リンクした有料インターネット広告(以下、バナー広告という。)を認めることとしています。政党等の要件は、次のとおりです。
選挙の種類 | 政党等 |
---|---|
衆議院議員 |
〇 候補者届出政党および衆議院名簿届出政党等 |
参議院議員 |
〇 参議院名簿届出政党等および確認団体 |
東京都知事 |
〇 確認団体 |
東京都議会議員 |
〇 確認団体 |
狛江市長 |
〇 確認団体 |
狛江市議会議員 |
× |
禁止される選挙運動用バナー広告
- 候補者・政党等の氏名・名称またはこれらの類推事項を表示した選挙運動用バナー広告
- 1の禁止を免れる行為としてなされる、選挙運動用ではなくても候補者・政党等の氏名・名称またはこれらの類推事項を表示した、選挙運動期間中のバナー広告
- 候補者・政党等の氏名・名称またはこれらの類推事項が表示されていない広告であって、選挙運動用ウェブサイト等に直接リンクした、選挙運動期間中のバナー広告
あいさつ目的のバナー広告の禁止
公職選挙法では、候補者および後援団体によるあいさつを目的とするバナー広告も禁止しています。
電子メールを利用する方法による選挙運動用文書図画
電子メールを利用する方法による選挙運動用文書図画については、候補者・政党等に限って頒布することができます。
選挙運動用電子メールの送信が認められる候補者・政党等
選挙の種類 | 候補者 | 政党等 |
---|---|---|
衆議院(小選挙区選出)議員 |
〇 候補者 |
〇 候補者届出政党 |
衆議院(比例代表選出)議員 |
〇 衆議院名簿登載者 |
〇 衆議院名簿届出政党等 |
参議院(比例代表選出)議員 |
〇 参議院名簿登載者 |
〇 参議院名簿届出政党等 |
参議院(選挙区選出)議員 |
〇 候補者 |
〇 確認団体(当該選挙に所属候補者があるものに限る) |
東京都知事 |
〇 候補者 |
〇 確認団体 |
東京都議会議員 |
〇 候補者 |
〇 確認団体 |
狛江市長 |
〇 候補者 |
〇 確認団体 |
狛江市議会議員 |
〇 候補者 |
× |
選挙運動用電子メールの送信先
送信対象者 | 送信対象電子メールアドレス |
---|---|
あらかじめ、選挙運動用電子メールの送信の求め・同意を選挙運動用電子メール送信者に通知した者 |
選挙運動用電子メール送信者に自ら通知した電子メールアドレス |
政治活動用電子メール (選挙運動用電子メール送信者が普段から発行している政治活動用のメールマガジン等) を継続的に受信している者(その電子メールアドレスを選挙運動用電子メール送信者に自ら通知した者に限り、かつ、その後に政治活動用電子メールの送信を拒否した者を除く。)であって、あらかじめ、選挙運動用電子メールの送信の通知を受け、拒否しなかった者 |
政治活動用電子メールに係る自ら通知した電子メールアドレスのうち、選挙運動用電子メールの送信拒否通知をした電子メールアドレス以外のもの |
選挙運動用電子メール送信者の表示義務
電子メールを利用する方法により選挙運動用文書図画を頒布する者は、当該文書図画に次の事項を正しく表示しなければなりません。
- 送信したメールが選挙運動用電子メールであること
- 送信した者の氏名・名称
- 送信した者に対して、送信拒否通知を行うことができること
- 送信拒否通知を行う際に必要となる電子メールアドレスその他の通知先
禁止されていること
選挙運動を禁止されている人
選挙事務関係者、特定公務員、18歳未満の者および選挙犯罪等により選挙権、被選挙権を有しない者は選挙運動が禁止されています。
そのような方が、特定の候補者を当選させるために次のようなことをすると、法律違反で罰せられるおそれがあります。
- 自分で選挙運動メッセージを掲示板やブログなどに書き込みをする。
- 他人の選挙運動の様子を動画共有サイトなどに投稿する。
- 他人の選挙運動メッセージをSNSなどで広める(リツイート、シェアなど)。
- 送られてきた選挙運動用電子メールを他人に転送する(一般の有権者も禁止されています)。
選挙運動期間外の選挙運動の禁止
選挙運動は、告示(公示)日の立候補の届出が受理されたときから、投票日(選挙期日)の前日までに限り、行うことができます。
この期間外に、投票依頼や選挙を応援する書き込みや更新をすることはできません。
ウェブサイト等や電子メールを印刷し、配布することの禁止
インターネット等を利用した選挙運動は画面上のみで許されたことであり、印刷したものを使用して選挙運動を行ったり、見ることができない方のために印刷をして渡すこともできません。
また、掲載してある選挙公報を選挙期間中に印刷して配布することはできません。いずれも個人の使用範囲内で印刷することは可能です。
虚偽の記載、誹謗中傷の禁止
候補者に関する虚偽事項の記載(うわさ話や発言した事実がないことをSNSなどで広める等)や、自分の身分などの虚偽事項を記載しての書き込み、また事実の有無にかかわらず人の名誉を毀損したり、侮辱することは禁止されています。
関連情報