市の下水を受け入れ、広域的に処理している東京都流域下水道は、本年で50年を迎えました。昭和初期までの多摩川は多くの魚類を育み、江戸時代には漁業も盛んでアユを将軍に献上していました。しかし、昭和40年代の高度経済成長期に人口集中と産業の集積が急速に進み、生活排水や工場排水により川の水質が悪化し、生活環境も悪化しました。状況改善のため都では、流域下水道制度を導入し、市町村と一体になり多摩地域の下水道整備を急速に進めました。多摩地域の下水道普及率は平成22年度には99%に達し、処理水の放流先の多摩川の水の半分以上が下水道処理水となっています。水質改善が図られ毎年多くのアユの遡上(そじょう)が確認されています。狛江市でも急激な都市化で多摩川・野川の汚濁をもたらし、昭和41年の台風による水害もあり、昭和44年から下水道整備が始まり、昭和54年3月に全国で4番目の公共下水道完備都市となりました。

 狛江市長 松原俊雄