平成29年度決算の特徴として、歳入では、ふるさと納税による個人市民税の減などがあったものの、前年度に大きく減額した税連動交付金が多少回復したことなどにより、経常一般財源は前年度に比べて増額しました。しかし、財源不足額は大きく、その補填は普通交付税ではなく、臨時財政対策債の大幅発行により対応することとなりました。歳出では、保育施設新設等による保育定員拡大に伴い保育所運営費が大幅に増額となったことなどにより扶助費が前年度比10.9%増と大きく増えるとともに、平成30年度の新たな保育施設の開設に向けても新たに1施設を整備するなど、保育園の待機児解消に向けた取組みに財源を投入した決算となりました。
 保育所運営費などの経常経費が増加したことで、財政構造の弾力性を示す経常収支比率は前年度より悪化しましたが、市債残高を減らし、基金残高を増やすことができたため、将来負担の抑制に努めることができました。
 今後も、待機児対策に加え、児童の放課後対策や高齢化などによる社会保障費の増加、公共施設の維持更新など、ますます財政負担が増えていくことが見込まれるため、将来を見据え、今後も規律を持った財政運営に努めていく必要があります。
 詳細は「財政のあらまし(平成29年度決算)」をご覧ください。財政課で1部70円で頒布する他、市ホームページからもご覧になれます。

平成29年度に実施した主な事業

(1)まちづくり推進プロジェクト
  • 元和泉市民運動ひろばの整備
  • 北部地域への児童館建設に向けた実施設計
  • 新設放課後クラブの新築工事の設計
  • 狛江第一小学校の児童増加に対応するための実施設計(給食室の増築等)
  • 子育て・教育支援複合施設新築工事の基本設計
  • 福祉作業所の機能集約に向けた狛江駅前仮園舎の改修工事
  • 狛江駅前三角地の整備およびネーミングライツ(メビウス∞えきまえ広場)の導入
  • 調布都市計画道路3・4・16号線(電中研前)の整備に向けた用地取得等
  • あいとぴあセンター・西河原公民館改修工事
  • ビン・缶リサイクルセンター改修工事
(2)安心で安全なまちづくりプロジェクト
  • 自動通話録音機の貸与等による特殊詐欺被害防止対策の強化
  • 安心・安全な道路整備(八幡通り整備に向けた用地取得、路面下空洞化調査等)
  • 被災者生活再建支援システムの導入
  • 地域防災計画および防災ガイドの見直し
  • 支援組織との協定締結に基づく避難行動要支援者登録名簿の提供
  • 新たな障がい者用災害ベストの作製および配布
  • 全ての街路灯・公園灯をリース方式によるLED化に切り替え
  • 運転免許証自主返納支援制度の実施
  • 空家等対策に向けた実態調査の実施
(3)子ども・子育て支援プロジェクト
  • 保育施設の新設(5施設)による保育定員の拡大
  • 翌年度(平成30年度)開設に向けた新設保育施設の整備
  • 認証保育所等入所児童保護者負担軽減補助金の拡充
  • 中学校特別支援教室モデル事業の実施
  • 支援チームによる不登校支援モデル事業および教育支援センター機能強化モデル事業など不登校支援の充実
  • 小学校における自閉症・情緒障がい固定学級設置に向けた検討・準備
  • 中学校特別支援教室(通級)におけるタブレット型ICT機器の導入
  • オンライン英会話授業の実施
  • 人型ロボットを活用したプログラミング教育の実施
  • 就学援助(新入学学用品費)の入学前支給
(4)いたわりのあるまちづくりプロジェクト
  • 認定ヘルパー研修等の開催および団体の育成
  • 生活困窮者の自立支援として子どもの学習支援事業の実施
  • フードバンク狛江と連携した生活困窮者への緊急食糧支援の実施
  • 健康ポイント制度の試行実施
  • 機能強化型地域包括支援センター事業、介護予防活動推進事業の実施
  • 認知症カフェの試行開設
  • 認知症初期集中支援チームによる支援の実施
  • 在宅医療・介護連携相談支援事業の実施
  • 医療・介護・地域資源ガイドブックの作成および医療・介護・地域資源マップの構築
  • 在宅重症心身障がい児(者)を介護する家族等のケアを代替するレスパイト事業の実施
  • 市内3カ所の福祉作業所を統合し、機能集約
  • 健診異常値放置者受診勧奨および糖尿病性腎症重症化予防指導の実施
(5)にぎわいのまち「狛江」プロジェクト
  • 「狛江の日」音楽祭の開催
  • ラグビーワールドカップ2019および東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会開催に向けた魅力の発信
  • 浮世絵の展示会「浮世絵にみる多摩川と武蔵国の記憶」、こまえ初春まつり、こまえ桜まつり、多摩川×いきもの×まつり等イベントの開催
  • 河川敷駐車場およびドッグランの試験運用
  • 多摩川の土手の天端を環境に配慮した保水性舗装により整備
  • 横穴式石室が発見された猪方小川塚古墳の保存整備に向けた実施設計
  • 歴史公園の整備に向けた都市計画公園の用地取得
  • 地区対抗リレーやチャレンジデー、障がい者スポーツの体験・普及事業、プロ選手等によるスポーツ教室の実施
  • 「狛江郷土カルタ」を活用したカルタ大会等の開催
  • 市内での創業者数増を目的とした創業支援事業の実施
一般会計

歳入 円グラフ

 目的別歳出 円グラフ

性質別歳出 円グラフ

■各会計決算の状況

会計名/区分 歳入決算額 歳出決算額 歳入歳出差引額
一般会計 285億8,275万4千円 275億670万4千円 10億7,605万円
特別会計合計 196億2,556万6千円  190億4,132万9千円  5億8,423万7千円
  国民健康保険特別会計 92億8,899万5千円 90億7,124万3千円 2億1,775万2千円 
  後期高齢者医療特別会計 19億1,862万5千円 19億1,651万円 211万5千円 
  介護保険特別会計  63億4,349万7千円 61億6,827万9千円   1億7,521万8千円 
  公共下水道特別会計  20億5,017万6千円  18億6,116万7千円   1億8,900万9千円 
  駐車場事業特別会計 2,427万3千円  2,413万円  14万3千円 
合計   482億832万円  465億4,803万3千円  16億6,028万7千円 
 市民1人当たり換算額 市民81,788人(平成30年1月1日現在)
  • 1人当たり収入額 34万9,000円
  • 1人当たり支出額 33万6,000円
1人当たり支出額内訳
  • 民生費
    社会福祉や高齢者福祉、児童福祉などの経費 17万5,000円
  • 総務費
    総務管理、税務、戸籍、選挙、統計などの経費 3万8,000円
  • 教育費
    学校教育や文化・スポーツ振興などの経費 3万円
  • 衛生費
    予防接種や健康診査などの保健衛生や清掃などの経費 2万6,000円
  • 公債費
    借り入れた市債の返済に充てる経費 2万4,000円
  • 土木費
    道路や公園などの整備や維持管理の経費 2万3,000円
  • 消防費
    消防や災害対策などの経費 1万3,000円
  • その他支出
    議会運営や商工農業振興、消費者行政などの経費 7,000円
 財政指標

(単位:%) 

区分 平成27年度 平成28年度 平成29年度
経常収支比率 財政構造の弾力性を示す比率 88.8 90.1 91.2
公債費負担比率 借金返済額(公債費)の一般財源総額に対する比率 11.3 10.8 10.6
実質公債費比率 実質的に一般財源で負担した借金返済額等の財政規模に対する比率 3.9 3.0 2.5
将来負担比率 特別会計や一部事務組合等も含め、将来負担することが見込まれる金額の財政規模に対する比率 28.4 23.5 17.9

※いずれの数値も低い方が良いとされています。
※実質赤字比率(主な行政サービスを行う一般会計などの赤字の程度)および連結実質赤字比率(一般会計、特別会計全体の赤字の程度)の赤字はありませんでした。
※公共下水道特別会計の資金不足はありませんでした。

市債

 市債は、道路、学校などの公共施設を整備するために国などから借り入れる資金です。
 市債残高は減っているものの、他団体と比較しても公債費負担が大きいため、引き続き市債借入額を抑制し、残高の削減に取り組む必要があります。

市債残高の推移

基金

 市の貯金としての役割がある基金は、経済状況等に対応するための積み立て分である財政調整基金と、特定の目的のために積み立てている基金があります。
 基金残高は一時に比べると増加しているものの、他団体と比較すると少なく、今後も見込まれる社会保障費の増加や公共施設の更新に備え、引き続き積み増ししていく必要があります。

基金残高の推移

〔問い合わせ〕財政課