小池邦夫のうちあけ話 12 絵手紙のひと

師友・緒形拳 馴れ合わず四半世紀心通わす

《多くの著名人と絵手紙を通して交流した。中でも、俳優の緒形拳さん(1937~2008)とは四半世紀にわたって心を通わせた》
 出会いは83年1月。新宿のビル1階にある通路のギャラリーでした。僕の絵手紙展の作品を食い入るように見つめていました。獲物を狙うハン ターの眼でしたよ。
 3時間ほどして会場に戻って来て、また真剣に見ていました。声をかけることができなくて、翌日事務所宛に礼状を送ったら、1週間ぐらいして返事が届いた。和紙のはがきに筆ペンで「おもしろかったです」。短くて読みやすい。書はこうあるべきだと、震えるように感動した。
 それから交流が始まり、緒形さんからは年に3、4回、はがきや封書が届いた。中国など海外のロケ地から送られた手紙もあります。
 97年に狛江市の団地から市内の住宅に引っ越したお知らせを送ると、はがきに紙風船の絵とともに大きな力強い字で「転宅のおいわい」。「男の絵手紙」(04年、中央公論新社)に緒形さんの手紙の掲載を依頼して出した手紙の返事は「快諾! 緒形拳」。文の短さ、字の大きさ、線の太さ。三つがそろっている。引き込まれましたね。

《手紙だけのやりとりが続き、展覧会の会場で顔を合わせても言葉は交わさなかった》
 手紙書きは相手と会ってはだめ。会うと馴れ、敬意が薄くなる。だから、緒形さんにも電話をかけず、食事を共にしたこともありません。でも、銀座の鳩居堂画廊で毎年開いていた僕の「墨世界展」を緒形さん夫妻が見にきてくれて、一度だけ一緒に写真を撮ったことがあります。

《緒形さんが生前、季刊「銀花」の愛読者カードにしたため、編集部に送っていた絵手紙に注目する》
 ペラペラの愛読者カードからはみ出すような骨太の墨書もあれば、クレパス画も、ワカメをはった作品もある。詩、書、画、篆刻の4本立てがすごい。「紙の土俵」の上で無心で純粋に描いている。僕の監修で約50点が「緒形拳からの手紙」(10年、文化出版局)として出版された。
 もらった書のうち、中原中也の詩に顔彩で絵を添えた作品など10点近くを軸装して保存しています。緒形さんは僕の目標でした。

 次回は中国で開かれた海外初の絵手紙交流展についてお話します。

(聞き手 元新聞記者・佐藤清孝)

※小池邦夫さん(82歳)が、8月31日(木曜日)に逝去されました。ここに謹んで哀悼の意を表します。なお、詳細は次号で改めてお知らせします。

 


こまえ市民大学

寺子屋から学校へ~日独文化比較・教育編~

日時

10月7日(土曜日)午後2時~4時

定員

先着40人

内容

校庭、職員室、部活がドイツの学校にはありません。在独経験36年の講師の豊かな現地体験を織り交ぜ、日本とドイツの教育を通じて浮かび上がる「日本と日本人の姿」について探ります。

講師

藤井寛さん(ジャーナリスト)

費用

200円(受講料)
※高校生以下無料

会場・申し込み・問い合わせ

9月15日(金曜日)午前10時から、電話または専用フォームで中央公民館 電話(3488)4411へ。

心理学に興味のある小・中学生も大歓迎!「逆さメガネの世界」

日時

10月14日(土曜日)午後2時~4時

定員

先着40人

内容

目の前が上下逆さに見えたり、左右逆さに見えたりする「逆さメガネ」を着け続けたらどのような変化が起きるか体験します。

講師

吉村浩一さん(法政大学名誉教授)

費用

200円(受講料)
※高校生以下無料

会場・申し込み・問い合わせ

9月20日(水曜日)午前10時から、電話または専用フォームで中央公民館 電話(3488)4411へ。

 


運動の習慣化による健康づくり

親子健康フェスタこまえ

日時

9月30日(土曜日)午前10時30分~午後3時(10時15分開場)

会場

市民総合体育館

対象

子ども(生後3カ月~就学前)がいる市内在住・在勤の母親、または市内在園の子どもがいる母親
※家族での参加も歓迎
※予約不要。当日、直接会場にお越しください。

内容
  • スペシャルユニット「らぽぉる」による親子で楽しい音楽ミニLIVE
  • オンライン教室体験(吉永美奈子さん)
  • 親子で動こう!(鈴木大輔さん・今井菜津美さん・戸塚寛子さん)
  • 健康チェックコーナー(体力チェック・体組成チェック・姿勢測定・自律神経測定・血管年齢測定・ベジチェック)
  • 子育て相談コーナー等

※キッズスペース・休憩室・授乳スペースがあります。

子育てママのオンラインヘルスケアレッスン(Zoom)

日程

10月4日(水曜日)から令和6年2月28日(水曜日)までの毎週水・土曜日(全40回)
※12月9日(土曜日)・30日(土曜日)、令和6年1月3日(水曜日)を除く。

時間

各回 午前9時30分~10時(1回30分)

対象

子ども(生後3カ月~就学前)がいる市内在住・在勤の母親、または市内在園の子どもがいる母親
※先着80人にスマートウォッチを貸与します。

内容

幼児の運動能力や意欲アップ、乳児の「泣き」軽減、お母さんの産後の身体機能回復など、専門インストラクターが最適なプログラムを提供します。

費用

500円

申し込み・問い合わせ

申し込みフォームで社会教育課社会教育係へ。