平成31年度決算の特徴として、歳入では、市税のうち個人市民税がふるさと納税の影響による減収があったものの、納税義務者数の増等により増額となり、市税としては過去最大となりました。税連動交付金では、子ども・子育て支援臨時交付金の創設により増、普通交付税では、錯誤による減があったものの、経常一般財源は前年度に比べて増額しました。歳出では市の最上位計画である狛江市総合基本計画を策定し、これからの市の目指すべき将来像やまちづくりの方向性等を示しました。また、子育て・教育支援複合施設の新築工事に加え、北部児童館の開館、保育園や学童クラブの待機児対策、幼児教育・保育の無償化の実施など、子育て支援施策の充実を図りました。さらに、台風第15号および第19号(令和元年東日本台風)による被災者への支援や公共施設等の原状復旧を行いました。
 財政構造の弾力性を示す経常収支比率は、子育て支援施策の充実等に係る経常経費が増えたことや臨時財政対策債の発行抑制に努めたこと、普通交付税の錯誤などにより悪化しましたが、市債残高を減らし、基金残高を増やすことで、将来負担の抑制に努めることができました。
 今後も、保育園や学童クラブの待機児対策等に取り組むとともに、高齢化などによる社会保障費の増加、公共施設の整備、維持管理費に加え、新型コロナウイルス感染症対策をはじめとする突発的な財政需要等にも対応していくため、規律を持った財政運営に努めていきます。
 詳細は「財政のあらまし(平成31年度決算)」をご覧ください。財政課で1部70円で頒布する他、市ホームページからもご覧になれます。

平成31年度に実施した主な事業

(1)まちづくり推進プロジェクト
  • 調布都市計画道路3・4・16号線(岩戸北区間)の整備のための用地測量等
  • 調布都市計画道路3・4・16号線(電中研前)の整備および北側歩道の開放
  • 野川地域センター改修工事
  • 東野川学童保育所改修工事および児童の受入拡充のための(仮称)高架下学童クラブ新築工事設計
  • 児童増加を見据えた第一小学校児童増対策工事設計、第一小学校屋内運動場空調整備工事
  • 第三中学校自閉症・情緒障がい固定学級整備工事設計
  • 子ども家庭支援センターおよび児童発達支援センター、教育支援センターの機能を持った子育て・教育支援複合施設新築工事
  • 市民ホール改修工事基本設計
  • 市民センター(中央公民館・中央図書館)に関する市民アンケートの実施
(2)安心で安全なまちづくりプロジェクト
  • 町会等の防犯カメラの維持費に対する補助制度の創設
  • 通学路の安全対策として、防犯カメラの設置およびデジタル地図を活用した安全管理の実施
  • ブロック塀等の倒壊による事故を未然に防ぐため、ブロック塀等撤去工事費助成制度の創設
  • 木造住宅耐震改修助成金の限度額引き上げ
  • 支援が必要な高齢者および障がい者に対する家具転倒防止器具の取付支援の実施
  • 第一分団消防ポンプ車の更新
  • コミュニティFMに対する放送設備整備への補助および災害時における情報の放送に関する協定の締結
  • 福祉避難所への防災行政無線戸別受信機の設置および要配慮者に対する備蓄品の整備
  • 重要幹線等の下水道地震対策耐震診断の実施
(3)子ども・子育て支援プロジェクト
  • 待機児ゼロの実現に向け、私立認可保育園1園の開園および翌年度(令和2年度)開設に向けた新設保育園の整備
  • 令和元年10月から、幼児教育・保育の無償化として幼稚園・保育所・認定こども園・就学前の障がい児の発達支援について、市民の利用者負担を軽減もしくは免除したほか、多子世帯に対しては副食費の負担軽減補助制度を創設
  • 北部児童館の開設による北部地域の子育て支援施設の充実
  • ひとり親家庭等専門相談員の配置
  • 就学援助の新入学学用品費等の支給額拡大
  • 聴覚障がいを早期発見するため、新生児を対象とした聴覚検査費用の一部を助成
  • 通常の学級に在籍する発達障がいの児童・生徒への支援として、小・中学校特別支援教室の充実
  • 教育支援センター機能強化モデル事業、いじめ対策・不登校支援等推進事業の実施
  • 東京グローバル・ゲートウェイでの英語体験学習の実施
  • 人型ロボットを活用したプログラミング教育の実施
  • 表現力やプレゼンテーション能力を育む「笑育」の実施
(4)いたわりのあるまちづくりプロジェクト
  • 第6期障害者計画・障害福祉計画、高齢者保健福祉計画・第8期介護保険事業計画策定に向けた市民意識調査等の実施
  • 高齢者の生きがいづくりと支え合いの地域づくりとして、介護ボランティアポイント事業の試行実施
  • 市民の健康づくりへの意欲を高め、健康状態の維持・改善を促進する健康ポイント制度の実施
  • 認知症の人や家族、地域住民、医療・介護の専門職等の自由な交流拠点となる認知症カフェの拡充
  • 在宅療養を要する患者が地域で安心して生活できるよう、慈恵第三病院に在宅療養後方支援病床を確保
  • フードバンク事業への家賃助成のほか、フードバンク狛江と連携した生活困窮者への緊急食糧支援の実施
  • 住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への円滑な入居の促進を図る居住支援協議会の設置
(5)にぎわいのまち「狛江」プロジェクト
  • 令和元年狛江・多摩川花火大会の開催
  • 絵手紙発祥の地―狛江「あつまれ!絵手紙」公募展の開催
  • 令和元年10月からの消費税・地方消費税率引き上げへの対策として、低所得者および子育て世帯への影響を緩和し、地域における消費を喚起するため、プレミアム付商品券事業を実施
  • 令和2年度に開園となる亀塚古墳公園および猪方小川塚古墳公園の整備のほか、さらなる歴史公園の整備に向けた都市計画公園の用地取得
  • 市内の史跡、古墳、旧景観等をつなぐ文化財散策マップの作成
  • ラグビーワールドカップ2019および東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会開催に向けた魅力の発信(パブリックビューイング等の開催)と、国分寺市と連携したスポーツイベントおよび武蔵野市と連携したシティセールス推進事業の実施
  • 各校が作成したオリンピック・パラリンピックカレンダーに基づいたオリンピック・パラリンピック教育の推進
  • 市制施行50周年に向けたロゴマークおよびオリジナルナンバープレートの作成
     
一般会計

 

 

 

■各会計 決算の状況

会計名/区分 歳入決算額 歳出決算額 歳入歳出差引額
一般会計 298億5,781万円  288億7,557万1千円  9億8,223万9千円 
特別会計合計 180億3,358万円   176億1,762万6千円   4億1,595万4千円 
  国民健康保険特別会計 77億8,586万7千円  77億4,892万円  3,694万7千円 
  後期高齢者医療特別会計 20億4,043万2千円  20億3,764万円  279万2千円 
  介護保険特別会計  66億1,740万7千円  64億7,890万3千円 

1億3,850万4千円 

  公共下水道特別会計  15億6,575万5千円  13億2,804万4千円  2億3,771万1千円 
  駐車場事業特別会計 2,411万9千円  2,411万9千円  0円 
合計   478億9,139万円  464億9,319万7千円  13億9,819万3千円 
 市民1人当たり換算額 市民83,257人(令和2年1月1日現在)
  • 1人当たり収入額 35万9,000円
  • 1人当たり支出額 34万7,000円
1人当たり支出額内訳
  • 民生費
    社会福祉や高齢者福祉、児童福祉などの経費 18万6,000円
  • 教育費
    学校教育や文化・スポーツ振興などの経費 3万7,000円
  • 総務費
    総務管理、税務、戸籍、選挙、統計などの経費 3万5,000円
  • 土木費
    道路や公園などの整備や維持管理の経費 2万4,000円
  • 衛生費
    予防接種や健康診査などの保健衛生や清掃などの経費 2万3,000円
  • 公債費
    借り入れた市債の返済に充てる経費 2万2,000円
  • 消防費
    消防や災害対策などの経費 1万3,000円
  • その他支出
    議会運営や商工農業振興、消費者行政などの経費 7,000円
 財政指標

(単位:%) 

区分 平成29年度 平成30年度 平成31年度
経常収支比率 財政構造の弾力性を示す比率 91.2 91.3 92.7
公債費負担比率 借金返済額(公債費)の一般財源総額に対する比率 10.6 10.4 9.7
実質公債費比率 実質的に一般財源で負担した借金返済額等の財政規模に対する比率 2.5 2.0 1.9
将来負担比率 特別会計や一部事務組合等も含め、将来負担することが見込まれる金額の財政規模に対する比率 17.9 14.3 10.1

※いずれの数値も低い方が良いとされています。
※実質赤字比率(主な行政サービスを行う一般会計などの赤字の程度)および連結実質赤字比率(一般会計、特別会計全体の赤字の程度)の赤字はありませんでした。
※公共下水道特別会計の資金不足はありませんでした。

市債

 市債は、道路、学校などの公共施設を整備するための建設事業債と一般財源の不足を補うための臨時財政対策債があります。
 市債残高は減っているものの、残高の内訳では臨時財政対策債が半分以上(54.9%)を占めているとともに、他団体と比較しても公債費負担が大きいため、引き続き市債借入額を抑制し、残高の削減に取り組む必要があります。

 

 

基金

 市の貯金としての役割がある基金は、経済状況等に対応するための積み立て分である財政調整基金と、特定の目的のために積み立てている基金があります。
 基金残高は一時に比べると増加しているものの、他団体と比較すると少なく、今後も見込まれる社会保障費の増加や公共施設の更新、また災害に備え、引き続き積み増ししていく必要があります。

 

 

〔問い合わせ〕財政課