絵手紙作家で狛江市名誉市民である小池邦夫氏が、令和5年8月31日(木曜日)に逝去されました。82歳でした。

小池氏は、日本における「絵手紙」の第一人者として、絵手紙文化を日本全国に広めるための取り組みにご尽力をされてきました。
昭和36年に絵手紙をかきはじめ、昭和56年に狛江郵便局が開催した日本で初めての絵手紙教室にて講師として指導されたことが発端となり、絵手紙文化が根付きはじめ、全国へと広がっていきました。
平成19年に設置された狛江市の文化事業の柱である「絵手紙発祥の地-狛江」事業では、オブザーバーとして活動され、狛江市が「絵手紙発祥の地」としてまちづくりを推進する原動力としてご尽力されました。

狛江市では、小池氏が狛江市の文化振興に寄与され、絵手紙活動に多大な貢献をされたことから、令和2年に狛江市初の名誉市民の称号を贈呈しています。
また、令和3年には、絵手紙作家の第一人者として絵手紙の普及に係る各種取り組みを牽引し、文化芸術の振興に多大な貢献をされたことから、文化庁長官賞も受賞されています。

市長コメント

狛江市名誉市民である小池邦夫先生の突然の訃報に接し、深い悲しみと喪失感を禁じ得ません。これからも小池先生と一緒に絵手紙によるまちづくりを進めていくためのアイディアを色々と考えていた矢先のことで、誠に残念でなりません。それにもまして、長年にわたり二人三脚で苦楽を共にされてきた奥様のご心痛は察するに余りあるものがあります。
ご遺族の皆様、関係者の皆様方に謹んでお悔やみを申し上げます。

小池先生は、愛媛県松山市のご出身ですが、縁あって昭和49年に狛江市に転入されました。それ以降、約50年にもわたり、狛江市を活動拠点として「絵手紙」の魅力を伝え広げる活動にご尽力されてきました。
私自身、市職員時代に小池先生と出会い、すぐに先生のお人柄と「絵手紙」の素晴らしさに魅了されました。その後、「絵手紙」は狛江市のまちづくりの大きな柱として確立され、いまや市内外問わず多くの方に「絵手紙発祥の地-狛江」と認識されるようになりました。「絵手紙」という文化を育みながら、一方で全国に向けて発信できる力を狛江市に与えていただいたことには、感謝の気持ちが尽きません。

あらためて、全国の多くの絵手紙愛好家から愛され、また狛江市の文化振興に多大な貢献をされた小池先生のご逝去は、狛江市にとっても計り知れない大きな喪失であり、痛惜の念に堪えません。
市民の皆様とともに小池邦夫先生のご功績に想いを馳せ、狛江市への長年のご貢献に深く感謝を申し上げ、心からご冥福をお祈りいたします。

狛江市長 松原 俊雄

 

略歴

昭和16年 愛媛県松山市で生まれる
昭和35年 東京学芸大学書道科に入学
昭和36年 友人・正岡千年に宛て絵手紙をかきはじめる。
昭和53年 『季刊 銀花』に絵手紙を6万枚かき、話題を呼ぶ。
昭和56年 狛江郵便局が開催した日本で初めての「絵手紙教室」にて講師として指導
昭和60年 日本絵手紙協会を創設、会長となる。
平成7年  阪神・淡路大震災の被災者への励ましの手紙と義援金を呼びかけ、7,000通の絵手紙と義援金を避難所に届ける。
平成16年 「郵便の父『前島密賞』」受賞
平成17年 山梨県忍野村に『小池邦夫絵手紙美術館』開館
平成19年 「絵手紙発祥の地-狛江」実行委員会のオブザーバーに就任
平成27年 日本絵手紙協会 名誉会長に就任
令和2年  狛江市初の名誉市民に選出
令和3年  文化庁長官賞を受賞