平成21年3月13日

 

 

狛江市議会議長

白 井  明  様

狛江市建設環境常任委員会

委員長  佐々木 貴史

 

 

建設環境常任委員会所管事務調査報告書

 

 

本委員会の所管事務調査について調査した結果を,次のように報告いたします。

 

 

1 調査事件名

自転車対策について

 

2 調査の目的

現在狛江市内には,小田急線の狛江駅及び和泉多摩川駅そして狛江市と隣接して喜多見駅がある。各駅周辺の放置自転車であるが,平日の昼間の調査では,狛江駅周辺で約920台,和泉多摩川駅周辺で約90台,喜多見駅周辺で約110台という状況である。

放置自転車は,各駅周辺の景観はもとより周辺地域の安全対策という観点からも,その対策を早急に講じていかなければならないと考え調査することとし,特に放置台数が最も多い狛江駅周辺の放置自転車の対策について調査を行ってきた。

 

3 調査の結果

現在,狛江駅周辺の放置自転車対策として,撤去を行っている。平成20年度は,平成19年度より撤去回数を増やし72回実施している。しかしながら現在の撤去作業は平日午前中のみで,午後には放置自転車が溢れているという状況である。

駅周辺の放置自転車をなくすには,徹底した撤去作業に取り組むことと駅周辺には自転車を放置しないという市民への周知徹底が必要である。しかし,現在の駐輪場だけでは収容しきれないという現状を踏まえ,その対策について検証を行った。

⑴ 新たな駐輪場の設置について

① 狛江駅周辺への駐輪場の設置について

新たに駐輪場を設置できる可能性のある場所としては,

ア みずほ銀行前

イ (通称)三角地脇地下駐車場入口階段横歩道

ウ (通称)三角地狛江交番裏

エ 北口側道(噴水池~なか卯)

オ 南口歩道(あすなろ~南口ロータリー)

カ 城南信用金庫前

キ (通称)三角地

以上を候補地として検討した。ア~キの候補地すべてに新たな駐輪場を設置した場合,合計で770台から820台程度の自転車を収容することができる。この中でウの(通称)三角地狛江交番裏(収容180台)は,今後のまちづくり等にもそれほど影響がないと意見が一致し,本委員会として行政側に新たな駐輪場の設置場所として要望することとした。

② 鉄道事業者等への要請について

また,議論を進める中,狛江駅前小田急OX狛江店への買い物客やエコルマホールでの行事開催時の参加者用の駐輪場の整備が整えられていないことも放置自転車の起因になっているのではないかということが共通認識となり,「狛江市自転車等の放置防止等に関する条例」に基づいて施設の設置者の責務という観点から,狛江駅北口の駐車場(旧西友)の1階部分を駐輪場として利用し収容台数を確保するため,2月17日に小田急商事株式会社を委員全員で訪問し要望書を提出した。また,現在の小田急線高架下の狛江第1・2駐輪場を2階建ての立体化することにより収容台数を確保するため,小田急電鉄株式会社に要望書を提出した。現在はこれらの回答を待っているところである。

③ 地下式駐輪場の設置について

不足する駐輪場対策として本委員会は,地下式駐輪場に取り組んでいる三鷹市及び世田谷区の設置場所や利用状況を視察してきた。この地下式駐輪場については,費用対効果など今後の検討が必要と考える。

⑵ 徹底した撤去作業について

現在の撤去作業は平日の昼間しか行われていないため,撤去作業日の午後には駅前周辺は放置自転車が溢れているのが現状である。上記に示した新たな駐輪場が設置され収容台数が確保された段階で,平日の昼間だけではなく休日の撤去や終日作業員を配置するなど,駅周辺に放置自転車がなくなるよう徹底した撤去作業等の実施により,自転車を放置できないような取り組みを推進することが必要である。また,新たな駐輪場が設置されてからの取り組みはもとより,現状においても撤去作業の工夫や監視員の配置などの対策を講じていかなければならない。

⑶ 市民への周知について

現在の放置自転車の状況は駅周辺住民そして小田急線やバス利用者,駅周辺施設利用者が安全で安心していられる環境ではない。歩道上を占拠する放置自転車は,高齢者や障がい者,児童生徒など交通弱者にとって大きな障害であるとともに,災害時に緊急車両が通行できない危険性がある。1日に約43,000人の乗降客の行きかう狛江駅周辺の景観を改善するためにも,自転車を放置する市民に対して,自転車利用者の責務を強く訴えていくことが必要である。広報やホームページでの周知徹底など更なる啓発活動が必要である。

⑷ その他

放置自転車をなくしていくことは,多くの市民が問題意識を持っていることであると考える。将来的には狛江市自転車等の放置防止等に関する条例の見直しや狛江市自転車等駐車対策協議会の開催などを含め,より多くの市民の意見を集約し駅周辺の放置自転車をなくすための環境整備や市民意識の向上に取り組むべきである。

 

4 調査の経過

○委員会開催日(合計14回開催)

平成19年6月21日  所管事務調査事項を決定

平成19年8月1日  調査事項の決定。資料要求の決定。

平成19年9月18日  資料(駐輪場の数と受け入れ台数,放置自転車の数、自転車の

法規制、放置自転車解決策、保管・返還率、現状と課題)の説明と質疑。

北口開発時の自転車対策についての資料要求の決定。

平成19年11月2日  前回要求した資料の説明。意見交換。

平成19年12月17日  市側から平成19年10~12月の各駅の自転車乗り入れ調査の

説明・質疑。意見交換。

平成20年2月1日   側から平成20年1月8日の自転車乗り入れ調査の説明・質疑。意見交換を行い、現状把握のため狛江市及び近隣の駅への視察を行う委員派遣承認要求を決定。

平成20年3月12日  狛江駅・和泉多摩川駅・登戸駅・喜多見駅駐輪場の視察に関

する意見交換を行う。

平成20年6月4日  組織改正に伴い所管事務調査事項の変更決定。市側から

平成20年4~5月の各駅の自転車乗り入れ調査の説明・質疑。意見交換。

平成20年8月6日  市側から平成20年6~7月の各駅の自転車乗り入れ調査の

説明・質疑。意見交換。

歩道への駐輪・ラックの設置についての資料要求の決定。

平成20年9月22日  前回要求した資料の説明。意見交換。

平成20年10月31日  市側から平成20年10月の各駅の自転車乗り入れ調査の説明・

質疑。意見交換。駐輪場設置可能場所に置ける台数の資料要求の決定。視察のため委員派遣承認要求を決定。

平成20年12月15日  市側から平成20年11~12月の各駅の自転車乗り入れ調査と

前回要求した資料の説明・質疑。意見交換。

平成21年2月2日  市側から平成21年1月の各駅の自転車乗り入れ調査の説明・

質疑。要望書提出のため委員派遣承認要求を決定。

(平成21年2月20日付で小田急電鉄株式会社に要望書を郵送)

平成21年3月13日  所管事務調査(自転車対策について)報告書を協議,決定。

本会議で報告することに決定。

 

○委員派遣

平成20年2月14日  狛江駅駐輪場・和泉多摩川駅駐輪場・登戸駅駐輪場・喜多見駅

駐輪場に調査のため委員7人を派遣。

平成20年8月29日  三鷹市すずかけ駐輪場・世田谷区立成城北第二自転車等駐輪場

に調査のため委員7人を派遣。

平成21年2月17日  小田急商事株式会社に要望書を提出するため委員7人を派遣。