令和2年度決算の概要

 令和2年度決算の特徴として、歳入では、個人市民税が所得割額の減、法人市民税が税率の引き下げなどにより減収したものの、固定資産税および市たばこ税などの増により、市税としては過去最大となりました。税連動交付金は、地方消費税の税率引き上げの通年化により、地方消費税交付金などが増、普通交付税は、平成31年度の錯誤措置などによる増により、経常一般財源も過去最大となりました。
 歳出では、各種新型コロナウイルス感染症対策事業を実施した他、子育て教育支援複合施設「ひだまりセンター」の開設、GIGAスクール構想により小・中学校の児童・生徒一人1台のタブレットの配備、保育園の待機児対策に加え、小学生の放課後対策として学童クラブの待機児対策にも取り組み、コロナ禍においても子育て施策の充実を図りました。また、市制施行50周年記念事業を実施するとともに、令和元年東日本台風による災害復旧事業として多摩川緑地公園グランド復旧整備工事も実施しました。
 財政構造の弾力性を示す経常収支比率は、小学校給食調理業務などの増があるものの、幼児教育・保育の無償化の通年化などにより経常経費充当一般財源が減少し、地方消費税交付金などの税連動交付金や普通交付税の増などによる経常一般財源総額が増えたことにより改善しました。また、市債残高を減らし、基金残高を増やすことで、将来負担の抑制に努めることができました。
 今後も、保育園や学童クラブの待機児対策等に取り組むとともに、高齢化などによる社会保障費の増加、公共施設の整備、維持管理費に加え、新型コロナウイルス感染症対策をはじめとする突発的な財政需要等にも対応していくため、規律を持った財政運営に努めていく必要があります。
 詳細は「財政のあらまし(令和2年度決算)」をご覧ください。財政課で1部70円で頒布する他、市ホームページからもご覧になれます。

令和2年度に実施した主な事業

まちの姿1 人権が尊重され、市民が主役となるまち
  • 人権に関する指針の策定に向けて、市民意識調査の内容を中心に検討
  • 多言語アプリ「カタログポケット」を導入
  • ホームページのリニューアルを実施
まちの姿2 安心して暮らせる安全なまち
  • 避難行動要支援者への個別計画策定の勧奨、市外1施設を福祉避難所に指定、災害時対応ホットラインを構築、福祉避難所での訓練の実施
  • 消防団による新型コロナウイルス感染拡大防止広報、排水樋管対応訓練に出動し、排水樋管の操作訓練およびポンプ車による排水訓練を実施
  • 洪水ハザードマップを更新、新たに作成した土砂災害ハザードマップ等の防災情報を更新した防災ガイドを作成・全戸配布
  • 六郷排水樋管の遠隔制御化詳細設計、猪方排水樋管の遠隔制御化基本設計を実施
  • 防犯講演会を開催、自動通話録音機を市民へ無償貸与、町会・自治会等が設置する防犯カメラの経費に対し補助金を交付
まちの姿3 活気にあふれ、にぎわいのあるまち
  • 巨大絵手紙の新設や市制施行50周年記念「絵手紙発祥の地ー狛江」公募展の実施など、絵手紙の魅力を発信
  • 上和泉地域センター体育館の空調設置
  • 農業経営に対する支援として、農業経営改善計画推進事業補助金、認定農業者支援事業補助金を交付
まちの姿4 子どもがのびのびと育つまち
  • 子どもの育ちや発達を総合的かつ継続的に支援するための拠点として、子育て・教育支援複合施設を開設
  • 子ども家庭支援センターを子育て・教育支援複合施設の開設に併せ移転し、新たに子育て家庭の悩みに対して、早期の支援につなげられるように総合相談窓口を設置
  • 子育て・教育支援複合施設にて、子どもの発達に関する相談や通所支援を目的とした児童発達支援センターの運営を開始
  • 児童・生徒の教育上の問題に対し、有資格の専門相談員が相談に応じ、就学に伴い引き続き支援を必要とする児童については、児童発達支援センターから教育支援センターへ情報を引き継ぐ
  • ママパパ学級、ゆりかご狛江、こんにちは赤ちゃん訪問事業、ファーストバースデーサポート等を実施し、妊娠期から育児までの各ライフステージに応じて切れ目のない支援体制を構築
  • 小学校の放課後対策として、令和2年4月に第三小学校放課後クラブを、令和2年7月に駄倉小学生クラブを開設、第五小学校放課後クラブの定員を拡大
  • 待機児対策として、私立認可保育園2園の新設、弾力化による定員拡大、ベビーシッター利用支援事業交通費補助金を新設
  • 子育て世帯の負担軽減のため、令和2年10月から義務教育就学児医療助成制度における小学校1・2年生の所得制限を撤廃
  • 日本語指導員を配置、ALTの配置およびオンラインスピーキングの実施
  • GIGAスクール構想による児童・生徒一人1台のタブレット整備
まちの姿5 いつまでも健やかに暮らせるまち
  • ハンディキャブ運行事業補助金を交付し、公共交通機関を利用することが困難な方の移動支援事業を実施
  • 住民や地域の団体による地域生活課題の把握、共有を目的とし、コミュニティ・ソーシャルワーカーをあいとぴあエリアに続き、こまえ苑エリアに配置
  • 胃・肺・大腸・乳・子宮の5つのがん検診をセットで開始
  • 市民の健康状態の維持・改善を促進する健康ポイント制度の実施
  • 認知症や精神疾患に起因する認知機能低下により、居宅内に大量のごみが蓄積した高齢者に対して、片付けおよびごみ出し費用を助成
  • 地域包括ケアシステムの重点事業として在宅医療・介護連携相談支援事業を展開
  • 生活困窮者の増加および住居確保給付金事業に対応するため、相談員等の体制を強化
  • ひとり親家庭等学習支援事業を実施
まちの姿6 生涯を通じて学び、歴史が身近に感じられるまち
  • 「市制施行50周年記念事業 親子天文教室」、「初心者のための囲碁教室」、「子どもの実験教室」の実施
  • 電子図書館の開始、公衆無線LANサービスや貸出用タブレット端末の整備
  • 市民スポーツ大会、スポレク大会プレイベントを開催
  • 「新狛江市史 通史編」の刊行
  • 猪方小川塚古墳公園と亀塚古墳公園を開園
まちの姿7 自然を大切にし、快適に暮らせるまち
  • ぽかぽか広場の測量および実施設計を実施
  • 白井塚古墳公園の用地取得および土屋塚古墳公園の整備工事を実施
  • 地球温暖化対策住宅用設備導入助成金における助成対象の拡大
  • 都市計画マスタープラン改定および立地適正化計画の策定に向けて、シンポジウム&ワークショップを開催
  • 調布都市計画道路3・4・16号線(岩戸北区間)の設計、測量の実施
まちの姿8 持続可能な自治体経営
  • RPA並びにAI-OCRの試行的導入および実証実験の実施
  • 児童発達支援センター、子ども家庭支援センター、教育支援センターが一体となった複合施設を整備
  • (仮称)高架下学童クラブを整備
  • 第一小学校の児童増対策工事、第三小学校屋内運動場に空調設備を設置
  • 第三中学校自閉症・情緒障がい固定学級等整備工事、第一・第三・第四中学校屋内運動場に空調設備を設置、第一中学校の空調設備を更新

 

一般会計(普通会計)
※令和2年度の普通会計決算額は、一般会計決算額から2,518万7千円の純計処理(会計相互間等の重複額を控除すること)を行っています。

■各会計 決算の状況

会計名/区分  歳入決算額  歳出決算額  歳入歳出差引額
一般会計  406億3,190万円  388億9,936万6千円 17億3,253万4千円
特別会計合計  164億8,270万2千円  161億8,209万4千円  3億60万8千円
  国民健康保険特別会計 75億895万3千円 74億6,052万5千円   4,842万8千円
  後期高齢者医療特別会計  20億6,924万6千円 20億6,271万4千円  653万2千円
  介護保険特別会計 68億8,255万1千円 66億3,690万3千円  2億4,564万8千円
  駐車場事業特別会計  2,195万2千円  2,195万2千円  0円
合計  571億1,460万2千円  550億8,146万円 20億3,314万2千円
公営企業会計  純利益または
(△)純損失
 経常利益または
(△)経常損失
 累積利益剰余金
または(△)欠損金
下水道事業会計  1億2,693万4千円  1億4,779万3千円  1億2,693万4千円


 市民1人当たり換算額 市民83,268人(令和3年1月1日現在)
  • 1人当たり収入額 48万8,000円
  • 1人当たり支出額 46万7,000円

1人当たり支出額内訳

  • 民生費 
    社会福祉や高齢者福祉、児童福祉などに関する経費  19万1,000円
  • 総務費 
    総務管理、税務、戸籍、選挙、統計などに関する経費  13万5,000円
  • 教育費
    学校教育や文化・スポーツ振興などの社会教育に関する経費 4万9,000円
  • 衛生費
    予防接種や健康診査などの保健衛生や清掃に関する経費 2万6,000円
  • 土木費 
    道路や公園などの整備や維持管理に関する経費 2万2,000円
  • 公債費
    借り入れた市債の返済に関する経費  2万円
  • 消防費 
    消防や災害対策などに関する経費  1万4,000円
  • その他支出
    議会運営や商工農業振興、消費者行政などに関する経費  1万円
財政指標

(単位:%)

区分  平成30年度  平成31年度  令和2年度
経常収支比率 財政構造の弾力性を示す比率  91.3  92.7  89.7
公債費負担比率 借金返済額(公債費)の一般財源総額に対する比率  10.4   9.7  8.6
実質公債費比率  実質的に一般財源で負担した借金返済額等の財政規模に対する比率 2.0   1.9   1.7
将来負担比率  特別会計や一部事務組合等も含め、将来負担することが見込まれる金額の財政規模に対する比率  14.3   10.1   6.3

※いずれの数値も低い方が良いとされています。
※実質赤字比率(主な行政サービスを行う一般会計などの赤字の程度)および連結実質赤字比率(一般会計、特別会計全体の赤字の程度)の赤字はありませんでした。
※下水道事業会計の資金不足はありませんでした。

基金

 市の貯金としての役割がある基金は、経済状況等に対応するための積み立て分である財政調整基金と、特定の目的のために積み立てている基金があります。
 基金残高は一時に比べると増加しているものの、他団体と比較すると少なく、今後も見込まれる社会保障費の増加や公共施設の更新に備え、引き続き積み増ししていく必要があります。

市債

 市債は、道路、学校などの公共施設を整備するための建設事業債と一般財源の不足を補うための臨時財政対策債があります。
 市債残高は減っているものの、残高の内訳では臨時財政対策債が半分以上(55.4%)を占めているとともに、他団体と比較しても公債費負担が大きいため、引き続き市債借入額を抑制し、残高の削減に取り組む必要があります。

〔問い合わせ〕財政課