令和2年12月15日号3面(1308号)
市制施行50周年記念事業「コマエ×ミライ×チャレンジ」の表彰式を行いました
市内の小学校4~6年生を対象とした、理数系がテーマの自由研究コンテスト「コマエ×ミライ×チャレンジ」の表彰式を11月9日に行いました。約350作品の応募の中から、特別賞と優秀賞18作品が選出され、市長や協賛企業・団体の代表者から、表彰状の授与と賞品の贈呈を受けました。
入賞作品は、市または教育委員会ホームページに掲載しています。ぜひご覧ください。
氏名 | 作品名 | 内容 | ||
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特別賞 | 小田急電鉄株式会社 | 庭山千滉(狛江第三小学校) | 「色覚障がい対応踏切警報機」 | 色覚障がいのある方でも見やすい警報機の模型を作成 |
国際ソロプチミスト東京-狛江 | 白山梓葉(和泉小学校) | 「見えない菌はどのくらい?」 | 手洗いの有無で菌の量に違いはあるのか、食パンを使って実験 | |
狛江青年会議所 | 竹内柊人(緑野小学校) | 「太陽光クッキング」 | 太陽の熱を利用して水を熱することでラーメンが作れるか実験 | |
城南信用金庫 狛江支店 | 徳光咲季(緑野小学校) | 「クエン酸に秘められた力」 | クエン酸の人体への効果を調査し、クエン酸で汚れは落ちるか実験 | |
東京狛江ロータリークラブ | 炭屋拓生(狛江第五小学校) | 「土で紙は作れるか」 | 土に返る素材で紙を作る方法を考察し、玉ネギの皮で紙は作れるか実験 | |
東京たまがわロータリークラブ | 仲野瑛太朗(狛江第五小学校) | 「植物の蒸散について」 | 植物の蒸散作用が、茎・葉の表裏どこで行われているのか実験 | |
市長賞 | 眞鍋遼大(狛江第三小学校) | 「形の強さ決定戦2020」 | 紙で円柱、四角柱など5種類の模型を作成し、強度を比較 | |
教育長賞 | 大野遥(緑野小学校) | 「打ち水のひみつ」 | 打ち水によって、本当に地面の温度、気温が下がるのか測定 | |
環境賞 | 戸島潤佳(和泉小学校) | 「暑い部屋と涼しい部屋の違いは?」 | 家の中の温度や湿度の違いを調べ、エアコンの省エネ方法を考察 | |
優秀賞 | 近藤祐太(狛江第一小学校) | 「ぼくの体温と気温の変化」 | 季節や室温にあわせて、自分の体温が変化するのか測定 | |
早坂詩緒理(狛江第一小学校) | 「紫キャベツで仲間分け」 | 紫キャベツを使って、いろいろな液体が酸性・アルカリ性・中性のどれにあたるのか調べる実験 | ||
古澤芽愛(狛江第一小学校) | 「バードストライクの新しい解決策の提案」 | 風力発電機によって野鳥が被害に遭わないための対策を考察 | ||
木村匠海(狛江第三小学校) | 「リニアモーターカーのしくみ」 | リニアモーターカーの原理を参考に、磁力と電流を使った実験 | ||
清水茉子(狛江第五小学校) | 「言葉の力」 | 2つの生卵にそれぞれ良い言葉と悪い言葉をかけると、生卵に変化が出るのか実験 | ||
石迫治樹(狛江第六小学校) | 「殺菌はどれだけすごいのか!?」 | 泥水にエタノールなど殺菌に効く液体を混ぜて変化を見る実験 | ||
瀬田実央(狛江第六小学校) | 「私達一人一人の心がけで地球温暖化の加速を防ごう!」 | 地球温暖化の原因を調査し、身近でできる対策の具体的な考察 | ||
高橋優(和泉小学校) | 「のどにぬる薬とだ液について」 | のど薬の働きと唾液の成分をヨウ素液を使って解明 | ||
― | 「電気の実けん」 | 飲み物・調味料・野菜は電気を通すのか実験 |
市ホームページ
今はむかし その320
保健所を設置した頃
太平洋戦争中から続く戦後の食糧難と物不足、激しいインフレーションの中で人々の生活は困窮の極限に達していた。そのうえ外地からの引揚者、復員兵士の帰還が続き、国内の衛生状態も極めて悪く、伝染病流行の恐れがあったり、結核患者や寄生虫保持者が多発する中、GHQの要請もあって、昭和22年9月に新保健所法が制定された。そして、病気にならないように環境をよくすること、伝染病や結核にならないように予防注射をすることを目的に各地に保健所が作られた。
当時の状況は昭和21年の狛江国民学校の学校日誌にも、「6月22日児童・職員にDDTを行う。6月26日から28日まで湘南、玉川、国際の三分校でツベルクリン注射を行う。10月28日初3以下ジフテリア注射を打つ。22年度にも5月14日全児童にDDT散布、9月13日チフス予防注射実施」とある。昭和25年の議会事務報告にも「24年度にジフテリア1名、小児麻痺1名、赤痢1名、疫痢6名(内死亡5)、日本脳炎11名(内死亡1)。24年11月予防接種腸パラチフス1,329名、24年12月から25年5月までに種痘1,165名、乳幼児健康診査178人」とある。
この頃は栄養不足や過酷な生活などから結核が多かった。また、農作物の栽培に屎尿を使っていたから寄生虫保持者も多く、昭和26年の寄生虫予防衛生研究所の調査によると狛江村では対象人数約2,000人のうち75%に回虫卵、10%に十二指腸虫卵があり、T企業の従業員でも約200人中60%の保持者がいたという。発疹チフスはシラミが媒介する。衣類を洗濯するにも石鹸がない。満員電車で人から人に移される。そのためにDDTを散布したのである。
その頃、狛江村は北多摩第一保健所(昭和27年に府中保健所と改称)に属していた。40年7月12日には日頃忘れがちな健康・衛生への関心を高めるためと保健所利用の便を提供するため、また、普段訪れることのない保健所の業務や役割を理解してもらうことを目的に狛江中学校の校庭で動く保健所を行っている。主な内容として、伝染病相談と伝染病予防、成人病相談、母子健康相談、結核検診、食品衛生相談、飼い犬相談、衛生害虫駆除相談、栄養調理講習、血液型検査、献血、薬の相談、医療社会事業相談などを行っている。
昭和44年4月、北多摩地区の人口増加により狛江町の管轄にもなる武蔵調布保健所を新設した。昭和49年には狛江保健相談所ができた。平成9年3月に狛江保健相談所は廃止され、その後、武蔵調布保健所も廃止。今は多摩府中保健所の管轄になっているが新型コロナウイルス感染症の流行で保健所は大忙しである。
井上 孝
(狛江市文化財専門委員)