多摩川流域自治体による広域連携の取組
取組の背景
自治体間の広域連携の取り組みは、各地域の実情に応じてこれまでも様々な分野で展開されてきましたが、そのつながりを生かして、共通する行政課題や行政区域を越えた広域的な課題の解決に取り組む必要性はますます高まっています。
悠久の流れを湛える多摩川に沿って四季折々の自然を共有する自治体において、平成25年5月に発足した多摩川流域連携会議では、現在11市区(八王子市、府中市、調布市、日野市、狛江市、多摩市、稲城市、大田区、世田谷区、川崎市、町田市)が参画し、多摩川流域に共通する課題や広域連携方策に関する情報・意見交換を通じて、市域を越えた取組の実践につなげています。
取組の目的
日本全体の人口は減少傾向にあり、その人口減少による影響は、多摩地域においても重要な課題の1つとなっています。限られた地域資源を効果的・効率的に最大限活用し、将来にわたり質の高い行政サービスを提供していく必要があります。
こうした中、多摩川流域の連携自治体の各市が、人口・財政・土地利用をはじめとする客観的な基礎データのほか、産業データや観光情報など、地域資源やまちの魅力を発信することで、多摩地域の更なる発展につなげていきます。
EBPM(Evidence-based Policy Making、根拠に基づく政策立案)の推進
他自治体との連携により課題を発見し、市の実情を把握するとともに、内閣府が進める、客観的データなど
の根拠に基づく政策立案につなげます。
多摩川流域自治体の魅力を高め、まちの更なる発展、ひいては多摩地域全体の振興にも寄与していきま
す。
基礎データ(市域を超えた広域連携による魅力発信)
八王子市 | 府中市 | 調布市 | 町田市 | 日野市 | 狛江市 | 多摩市 | 稲城市 | 市域全体 | |
人口 (注)総務省「住民基本台帳に基づく人口,人口動態及び世帯数」(2019年1月) |
56万2,460人 | 26万1,1人 | 23万5,169人 | 42万8,685人 | 18万5,393人 | 8万2,481人 | 14万8,745人 | 9万585人 | 199万3,539人 |
面積 | 186.38㎢ | 29.43㎢ | 21.58㎢ | 71.55㎢ | 27.55㎢ | 6.39㎢ | 21.01㎢ | 17.97㎢ | 381.86㎢ |
労働力人口 (注)総務省統計局「労働力調査」(2015年10月) |
25万9,121人 | 12万8,317人 | 11万1,962人 | 18万4,842人 | 8万3,763人 | 3万7,688人 | 6万4,761人 | 4万2,237人 | 91万2,691人 |
人口増減率(3年前比)(2016~2018) (注)総務省「住民基本台帳に基づく人口,人口動態及び世帯数」 |
0.06% | 1.27% | 3.87% | 0.41% | 1.44% | 3.09% | 0.61% | 3.57% |
- |
GDP (注)環境省「地域経済連関表」 |
2兆1,297億円 | 1兆4,631億円 | 8,351億円 | 1兆2,381億円 | 1兆2,370億円 | 1,990億円 | 6,229億円 | 2,519億円 | 7兆9,768億円 |
事業所数 農業(H27) (注)2013年 農業センサス 製造業(H30) (注)H30年度 工業統計調査 商業(H28) (注)H28年度経済センサス活動調査 |
1,197戸 521戸 3,302戸 |
326戸 118戸 1,256戸 |
231戸 87戸 1,104戸 |
849戸 129戸 2,261戸 |
301戸 62戸 675戸 |
118戸 23戸 342戸 |
83戸 21戸 706戸 |
251戸 60戸 324戸 |
3,125戸 934戸 8,866戸 |
狛江市の概要(人・企業にとって魅力となる都市ブランド~コンパクトで住みよいまち~)
狛江市は、副都心新宿から南へ約14km圏内に位置する、人口約8万人の都市です。
東は世田谷区、西及び北は調布市、南は多摩川をはさんで神奈川県川崎市にそれぞれ接しています。
面積は6.39㎢で、埼玉県蕨市に次ぎ、全国で2番目に小さな市です。地形はほとんど平坦ですが、やや西高東低、北側台地から南側多摩川沿岸低地にかけてわずかに傾斜しているため、日照、通風、採光、排水などの面で健康的な居住環境にあり、ベッドタウンとして発展し、多くの地区が閑静な住宅地です。また、地形はほとんど平坦で、徒歩や自転車での移動がしやすいまちです。
交通
市内には小田急線が走っており、狛江駅、和泉多摩川駅から新宿駅までは、約20分でアクセスできます。さらに、途中の代々木上原駅では同じホームで東京メトロ千代田線に乗り換えができ、表参道駅や大手町駅などへも行けます。
また、下り方面には、箱根や江の島、丹沢などの海や山の観光地があります。
都心はもちろんのこと、観光地へも気軽にアクセスできる交通利便性を有しています。
水と緑のまちなみ
市内には多摩川が流れ、自然豊かな公園が点在するなど、水と緑による憩いと集いの場が多くあります。川のほとりでは、野草や野鳥が数多く見られ、四季折々の自然豊かな光景が広がり、また、ジョギングコース、サイクリングコースとして広く親しまれています。多摩川のほとりに立つ五本松は、多摩川50景、新東京百景にも選ばれています。都心の近くに位置しながら、水と緑の安らぎのあるまちです。
東京都多摩地域投資誘致プラットフォームの構築について
多摩地域の企業情報を全国に向けて広く発信します!
狛江市ではこれまで、八王子市、府中市、町田市、日野市、調布市、狛江市、稲城市(全8市)と、連携事業の企画や若手職員の意見交換・交流の場である「多摩川流域連携会議」のつながりを生かし、防災分野・観光分野等で行政区域を越えて連携しながら、共通する行政課題の解決に取り組んできました。
このたび、多摩地域の様々な企業の情報を「東京・多摩」の魅力とともに、全国に向けて広く発信することを目的として、東京都多摩地域投資誘致プラットフォーム「インビテーションtoTAMA」を構築・公開しました。
概要
・多摩地域の様々な企業の情報を「東京・多摩」の魅力とともに、全国に向けて広く発信するプラットフォーム(ホームページ)です。
・各市の基礎情報(人口、面積など)や産業の特性などのほか、まちの魅力、企業向けの支援制度等を紹介しています。
・企業情報のデータベースを活用し、域内の企業情報を検索可能です。サイトを見た企業からの問い合わせをきっかけとして、マッチングなど、企業間の様々な関係構築につながる可能性があります。
・企業データベースの情報登録は無料です。プラットフォーム内の「企業データ登録申請」から企業に関する情報を御登録ください。
東京都多摩地域投資誘致プラットフォーム インビテーションtoTAMA
企業へのサポート
市では、創業セミナー・スクール等の創業支援や、事業資金の融資あっ旋、経営相談等、企業への支援を行っています。また、創業スクールの修了者等に対し高架下商業施設にあるシェアキッチンの利用料等の優遇も行っています。詳細は以下のリンクからご確認ください。
・創業支援
その他の特色ある地域資源
文化・芸術振興
狛江市は、文化・芸術活動への意識が高く、市民に親しまれる音楽と絵手紙の活動が活発です。市内では絵手紙愛好家が多く活動し、絵手紙が駅構内や商店、市内を走るバスなど市内各所に飾られ、狛江のまちを彩っています。また、「音楽の街ー狛江」として、狛江駅前での野外ライブや、市役所でのコンサートを行い、プロのアーティストや公募アーティストの演奏など、誰でも気軽に音楽に参加できる環境づくりを推進しています。
魅力・地域資源
狛江逸品
狛江市では、市内の元気で頑張るお店を支援するため、「わくわく元気!狛江逸品コンテスト」を開催してきました。これまでに、スイーツ、ラーメン、ランチなどのテーマで開催し、珠玉の逸品が選ばれています。
狛江ブランド農産物
狛江ブランド農作物は、GAP(農業生産工程管理)手法の導入により、「統一したチェックリスト」を使い、各生産工程において、項目を1つ1つしっかりと確認・管理しているため、安心・安全でおいしいことが特徴です。平成26年6月15日から「狛江ブランド野菜」として出荷を始め、都内初のGAPへの取組み「狛江ブランド野菜」で、フード・アクション・ニッポンアワード2015食文化・普及啓発部門に入賞しました。平成30年4月1日からは、新たに「狛江ブランド農産物」として名称が変わりました。
これまでの多摩川流域連携会議における取組
1.防災の取組 (1) 災害時における無人航空機(ドローン)を活用した支援活動
2016 年度に調布市及び狛江市がNPO法人と締結した大規模災害等が発生した際、被災状況の調査や、被災地の状況を空撮し、被災状況を反映した地図を作成・提供するなどのドローンを活用した支援活動を行うことを目的とする協定を紹介したことをきっかけに協定の輪が広がり、2019 年4月までに多摩地域の計21 市1区が協定を締結し、より広域的に災害対応能力の向上が期待できる効果的な取組となっています。
2.防災の取組 (2) 令和元年台風第19号への取組
令和元年10月の台風第19号で被害を受けたことから、その教訓を今後の災害対策に生かせるよう、各自治体の被害状況や課題、対応事例などを共有しました。
3.観光振興の取組「Guidoor(ガイドア)」
多言語観光情報サイト「Guidoor」を活用した、観光振興の取組です。
10言語(日本語、英語、中国語、韓国語、フランス語、スペイン語、インドネシア語、タイ語、イタリア語、ロシア語)に対応し、各市の観光情報やイベント情報のほかに、避難所の地図情報を掲載しています。調布市、府中市、多摩市、八王子市では、サイトを運営する一般財団法人モバイルスマートタウン推進財団と「インバウント観光推進に関するパートナーシップ協定」を締結しているほか、都内21の自治体が情報を掲載しています(令和2年10月現在)。
多摩川流域自治体のデータ
以下のリンクから、多摩川流域の各自治体のデータをご確認いただけます。
魅力発信に向けた情報発信による東京都と連携した取組
多摩川流域自治体が広域的に連携しながら取り組んでいる各市ホームページにおける「広域連携による多摩振興に向けた取組」のコンテンツとリンクすることで、企業の投資促進や企業誘致など、まちの活力を高める地域振興に取り組んでいます。
冊子データ
本件について、ホームページの作成と併せ、冊子を作成しました。
表紙・多摩川流域連携会議の取組・広域連携による多摩地域の更なる発展に向けた取組.pdf [ 2931 KB pdfファイル]