権利擁護及び権利擁護支援とは

憲法により、「私たちには生まれながらに、ある物事を自分の意思によって、自由に行ったり、他人に要求したりすることのできる権利、個人として尊重される権利、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」が認められています。この権利への侵害、危害等から守ること、本人の意思を尊重し、「その人らしい」生活の実現を目指すことが権利擁護となります。

また、権利擁護支援とは判断能力が十分でなくなっていても地域共生社会※の一員として、一人の人間として尊重されることや、自分が「どの様に生きたい」か、「その人らしい暮らし」とは何か、それが実現できるよう意思決定支援がなされることも重要です。自分自身の力で手続きが難しくなってきたり、権利が侵害されたり(虐待や消費者被害など)して生きづらさを感じる場面でも、必要な支援を受けながら地域社会に参加し、活躍できる支援を目指します。

※ 地域共生社会とは、「制度・分野の枠や『支える側』と『支えられる側』という従来の関係を超えて、住み慣れた地域において、人と人、人と社会がつながりすべての住民が、障害の有無にかかわらず尊厳のある本人らしい生活を継続することができるよう、社会全体で支え合いながら、ともに地域を創っていくことを目指すもの」となっています。

 第二期 成年後見制度利用促進基本計画 最終取りまとめ(案)より

 

成年後見等も含めた権利擁護のことをお考えの皆さまへ

以下のような権利擁護支援制度があります。

◇触法障がい者・高齢者の刑事弁護・福祉的支援

市では以下の事業に取組んでいます。

◆地域福祉権利擁護事業

◆成年後見制度

◆生活困窮に関する相談窓口

◆福祉サービス総合支援事業

◆消費生活相談 

日常生活の支援について(地域福祉権利擁護事業)

 認知症高齢者や知的障がい者、精神障がい者など判断能力が十分でない方を対象に、利用者との契約に基づき、地域で安心して暮らせるように、福祉サービス利用援助を中心として、日常的な金銭管理サービス、重要書類の預かり等の支援をする地域福祉権利擁護事業(日常生活自立支援事業)を狛江市社会福祉協議会で実施しています。

成年後見制度の利用を考えていらっしゃる皆さまへ

 様々な理由によって物事を判断する能力が十分ではない方や、将来に不安をお感じの方(ここでは「ご本人」といいます。)が地域で誰もが安心して自分らしく暮らせるように、ご本人の権利(生活や財産を守り、契約を代わりに行う等)を守る援助者(ここでは「成年後見人等」といいます。)を選び、法的に様々な支援を行う制度があります。

 

ご利用をお考えのご本人(あなた)・家族・地域の皆さまへ

成年後見人等の皆さまへ

地域の関係機関の皆さまへ

相談機関のご案内

利用をお考えのご本人(あなた)・家族・地域の皆さまへ

▶ 成年後見制度とは

▶ 成年後見制度の種類

▶ 成年後見制度以外の日常生活の支援について(地域福祉権利擁護事業)

▶ 任意後見制度とは(手続の流れ、費用)

▶ 法定後見制度とは(手続の流れ、費用)

▶ 法定後見制度における成年後見人等の選任

▶ 成年後見制度利用支援事業(申立費用・成年後見人等報酬助成)について

▶ 後見等開始の審判の請求をする方がいらしゃらない方へ(市長申立て)

▶ 後見等事務を適切に行っていただくための仕組み

 

 

成年後見人等の皆さまへ

▶ 成年後見人等の選任と役割

▶ 市民後見人について

▶ 意思決定支援について

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地域の関係機関の皆さまへ

▶ 医療機関等の皆さまへ

▶ 介護・障がい福祉事業者の皆さまへ

▶ 金融機関等の皆さまへ

相談機関のご案内

 相談内容を迷われている方

▶  相談内容が決まっている方

 

ご本人(あなた)・家族・地域の皆さまへ

成年後見制度とは

 認知症、知的障がい、精神障がいなどの理由で判断能力の十分ではない方々は、財産管理(不動産や預貯金などの管理、遺産分割協議などの相続手続など)や身上保護(介護・福祉サービスの利用契約や施設入所・入院の契約締結、履行状況の確認など)などの法律行為をひとりで行うことが難しい場合があります。また、自分に不利益な契約であることがよくわからないままに契約を結んでしまい、悪質商法の被害にあう恐れもあります。このような判断能力の不十分な方々を法的に保護し、支援するのが成年後見制度です。

※判断能力とは・・・生活の様々な場面で、「選ぶ」・「決める」・「実行する」などの一連の動作をさします。認知症などの病気により、「選ぶ」という動作の段階で「間違えたものを選んでしまう」・「同じものしか選べない」・「選べない」という事が起こったり、「決めることができない」・「決めたことを実行に移せない」・「決めたことと違う実行をしてしまうなど」が起こったりすることです。その頻度が多くなればなるほど日常生活に支援が多く必要となります。判断能力が低下してもご本人の思いがなくなるわけではありません。その思いを実現するためにも、ご本人の意思決定支援が成年後見制度を利用して必要となります。

成年後見制度の種類

 成年後見制度には、法定後見制度の他、任意後見制度があります。

任意後見制度

ご本人に十分な判断能力があるうちに

 あらかじめご本人自らが選んだ人(任意後見人等 )に、判断能力が不十分になったときに、代わりにしてもらいたいことを契約(任意後見契約)で決めておく制度です。

任意後見制度について動画で説明しています。

▷動画

法定後見制度

ご本人の判断能力が不十分になった後

 家庭裁判所によって、成年後見人等が選ばれる制度です。ご本人の判断能力に応じて下記の3つの制度が用意されています。

補助

保佐

後見

判断能力が不十分な方 判断能力が著しく不十分な方 判断能力が欠けているのが通常の状態の方

法定後見制度について動画で説明しています。

▷動画

任意後見・法定後見比較

 

   任意後見   

   法定後見   

成年後見人の選任 ご本人が自分で選ぶ 家庭裁判所が選任する
後見の内容 ご本人が自分の希望をもとに内容を決める 家庭裁判所が定める指針に沿って、成年後見人の判断で行う

後見監督人について

後見監督人の選任が必須

後見監督人の選任は裁判所の判断

利用の流れと開始

①ご本人が判断できるうちに契約

②ご本人の判断能力が低下

③家庭裁判所へ後見監督人選任の申立て

④後見監督人の選任

①ご本人の判断能力が低下

②家庭裁判所へ成年後見人選任の申立て

③成年後見人の選任

 

取消権の有無

取消権がない

取消権がある

居住用不動産売却の許可 契約書で定めておけば、裁判所の許可不要 裁判所の許可が必要

任意後見制度とは(手続の流れ、費用)

 ご本人に十分な判断能力があるうちに、判断能力が低下した場合に備えて、あらかじめご本人自らが選んだ人(任意後見人)に、代わりにしてもらいたいことを契約(任意後見契約)で決めておく制度です。
 任意後見契約は、公証人の作成する公正証書によって結ぶものとされています。その手続や費用については、任意後見制度利用開始(発効)手続の流れをご確認ください。ご本人の判断能力が低下した場合に、家庭裁判所で任意後見監督人が選任されて初めて任意後見契約の効力が生じます。この手続を申立てることができるのは、ご本人やその配偶者、4親等内の親族、任意後見受任者です。

任意後見利用開始(発効)手続の流れ

将来、自分を支援してくれる人を決定

(何を頼みたいかの検討、任意後見受任者の決定)

契約内容を決定

(任意後見受任者と話し合い、委任する内容と報酬を決定)

任意後見契約の締結および、公正証書の作成(公証人役場)

(必要に応じて、見守り、死後事務、遺言などの契約も取り交わす)

公証人から法務局への登記依頼・・・①


判断能力の低下


(主治医または専門医による)診断書の作成


任意後見監督人選任の申立て(家庭裁判所)


任意後見監督人の選任

(家庭裁判所が審理し、任意後見監督人を選任)


任意後見契約の効力発生・・・②

 

概要

 家庭裁判所は、任意後見契約が登記されている場合において、精神上の障害(認知症、知的障害、精神障害など)によって、ご本人の判断能力が不十分な状況にあるときは任意後見監督人を選任することができます。任意後見監督人の選任により、任意後見契約の効力が生じ、契約で定められた任意後見人が、任意後見監督人の監督の下に、契約で定められた特定の法律行為をご本人に代わって行うことができます。
 なお、ご本人以外の方の請求により任意後見監督人選任の審判をするには、ご本人の同意を得る必要があります。(ただし、ご本人が意思表示できないときは必要ありません。)

任意後見制度監督人選任の申立て(詳しくは、任意後見監督人選任の申立ての手引をご確認ください。)
①申立人
②申立先
  • ご本人の住所地の家庭裁判所

詳細は、任意後見監督人選任の申立ての手引のP2をご覧ください。

③申立てに必要な費用
  • 申立手数料 収入印紙800円分
  • 連絡用の郵便切手
  • 登記手数料 収入印紙1,400円分(既に登記印紙1,400円分をお持ちの方は、当分の間、それによって納付していただくこともできます。)

※ ご本人の精神の状況について鑑定をする必要がある場合には、申立人にこの鑑定に要する費用を負担していただくことがあります。
 詳細は、任意後見監督人選任の申立ての手引P6をご覧ください。

④申立てに必要な書類

(1) 申立書 (⑤の書式及び記載例をご利用ください。)
(2) 標準的な申立添付書類

  • ご本人の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 任意後見契約公正証書の写し
  • ご本人の成年後見等に関する登記事項証明書(法務局・地方法務局の本局で発行するもの。取得方法や、証明申請書の書式等については法務省のホームページをご覧ください。)
  • ご本人の診断書(家庭裁判所が定める様式のもの。書式等については成年後見制度における診断書作成の手引 をご覧ください。ただし、ここに掲載された書式は一般的な書式であり、家庭裁判所によっては、項目を付加するなど適宜変更した書式を用意している場合があります。詳細は管轄の家庭裁判所にお問い合わせください。)
  • ご本人の財産に関する資料(不動産登記事項証明書(未登記の場合は固定資産評価証明書)、預貯金及び有価証券の残高が分かる書類(通帳写し、残高証明書等)等)
  • 任意後見監督人の候補者がある場合にはその住民票又は戸籍附票(*)

(*)任意後見監督人の候補者が法人の場合には、当該法人の登記事項証明書

※ 同じ書類は1通で足ります。
※ 審理のために必要な場合は、追加書類の提出をお願いすることがあります。
詳細は、任意後見監督人選任の申立ての手引P4、5をご覧ください。

⑤申立書の書式及び記載例

 

手続の内容に関する説明

Q1.任意後見人の報酬額の目安はどれくらいですか。

A1.任意後見利用開始(発効)手続の流れ①以降、「任意後見契約書」に見守り契約や財産管理契約等を記載し報酬額を設定すると発生します。なお、任意後見利用開始(発効)手続の流れ②以降では、契約で自由に設定できますが、下記のような金額が目安となります。

報酬額の目安※裁判所にて報酬額の見直しの協議が行われており目安の金額に変更の可能性があります。

管理財産の金額

  報酬額(月額)  

1,000万円以下 2万円
1,000万円超5,000万円以下 3万円~4万円
5,000万円超 5万円~6万円

 

Q2.任意後見監督人とは、どのような仕事を行うのですか。

A2.任意後見監督人の仕事は、任意後見人が任意後見契約の内容どおり、適正に仕事をしているかを、任意後見人から財産目録などを提出させるなどして、監督することです。また、ご本人と任意後見人の利益が相反する法律行為を行うときに、任意後見監督人がご本人を代理します。任意後見監督人はその事務について家庭裁判所に報告するなどして、家庭裁判所の監督を受けることになります。

 

Q3.任意後見監督人にはどのような人が選ばれるのですか。

A3.任意後見監督人の仕事の内容(Q2)から、ご本人の親族等ではなく、第三者(弁護士、司法書士、社会福祉士、税理士等の専門職や法律、福祉に関わる法人など)が選ばれることが多くなっています。任意後見受任者ご本人や、その近い親族(任意後見受任者の配偶者、直系血族及び兄弟姉妹)は任意後見監督人にはなれません。また、ご本人に対して訴訟をしている、又はした者、破産者で復権していない者等も同様です。

 

Q4. 任意後見監督人には報酬が支払われるのですか。

A4.任意後見利用開始(発効)手続の流れ②以降、任意後見監督人から報酬の請求があった場合は、家庭裁判所の審判により、ご本人の財産から支払われることになります。

報酬額の目安※裁判所にて報酬額の見直しの協議が行われており目安の金額に変更の可能性があります。

  管理財産額 

報酬額(月額)

5,000万円以下 1万円~2万円
5,000万円超 2万5千円~3万円

 

Q5. ご本人の判断能力が不十分な状況になりましたが、任意後見契約の内容だけではご本人が保護できない場合に法定後見制度を利用することができますか。

A5. 法定後見制度を利用することができます。ただし、ご本人の利益のために特に必要があると認められるときに限ります。

 

Q6. 後見開始等の審判がされた場合、任意後見契約の効力はどうなりますか。

A6. 任意後見監督人が選任される前に後見開始等の審判がされた場合は、任意後見契約の効力は失われませんが、任意後見監督人が選任された後に後見開始等の審判がされた場合は、任意後見契約は終了します。

 

Q7. 取消権とは何ですか。

A7. 後見人が立ち会わずにご本人が不利な契約等をしてしまった場合に、その契約を取り消すことができる権利です。法定後見制度では、すでに判断能力が低下している人が利用するため認められていますが、任意後見制度では認められていません。

任意後見契約公正証書の作成に必要な費用について
作成の基本手数料 11,000円
登記嘱託手数料 1,400円
登記所に納付する印紙代 2,600円
その他 ご本人らに交付する正本等の証書代、登記嘱託書郵送用の切手代など

 

認知症高齢者における任意後見制度の活用編(動画)

 

法定後見制度とは(手続の流れ、費用)

 ご本人の判断能力が不十分になった後、家庭裁判所によって、成年後見人等が選ばれる制度です。ご本人の判断能力に応じて「補助」「保佐」「後見」の3つの制度が用意されています。

法定後見利用開始手続の流れ

申立て準備

(申立人の決定、成年後見人等候補者の検討、申立書類の取寄せ、診断書を主治医に依頼、その他書類の作成)

管轄家庭裁判所への申立て

(狛江市民は立川家庭裁判所へ申立て、電話で面接日時の予約、3日前までに郵便で申立書の送付、家庭裁判所でご本人、申立人、成年後見人等候補者の面接等)

管轄家庭裁判所での審理・審判(1~1か月半程度)

(家庭裁判所がご本人にふさわしい成年後見人等と支援内容を決定、審判書が申立人、ご本人、成年後見人等に通知)

審判確定・登記

(抗告期間(審判書到達後2週間)後に審判の確定、家庭裁判所による審判内容の登記)


成年後見開始

(定められた権限の範囲内でご本人への支援開始、初回報告、定期報告)

成年後見の終了
(ご本人が亡くなった時、ご本人の判断能力が保護を要しない状態に回復した場合※)

 

※主治医の書いた診断書で障害や症状の回復が認められ後見等開始審判の取消しがされた場合

 

法定後見制度の3つの種類(類型)

 法定後見制度は、 判断能力の程度に応じて、「補助」 「保佐」 「後見」の3つの種類(類型) が用意されています。法定後見制度においては、家庭裁判所によって選ばれた成年後見人等(補助人・保佐人・成年後見人)が、ご本人の利益を考えながら、ご本人を代理して契約などの法律行為をしたり、ご本人が自分で法律行為をするときに同意を与えたり、ご本人が同意を得ないでした不利益な法律行為を後から取り消したりすることによって、ご本人を保護・支援します。

 

補助

保佐

後見

対象となる方

判断能力が不十分な方 判断能力が著しく不十分な方 判断能力が欠けているのが通常の状態の方

成年後見人等が同意又は取り消すことができる行為(※1)

申立てにより裁判所が定める行為(※2)(※4 借金、相続の承認など、民法13条1項記載の行為のほか、申立てにより裁判所が定める行為 原則としてすべての法律行為

成年後見人等が代理することができる行為(※3)

申立てにより裁判所が定める行為(※5 申立てにより裁判所が定める行為(※5 原則としてすべての法律行為

※1 成年後見人等が取り消すことができる行為には、日常生活に関する行為(日用品の購入など)は含まれません。
2 民法13条1項記載の行為(借金、相続の承認や放棄、訴訟行為、新築や増改築など)の一部に限ります。
3 ご本人の居住用不動産の処分については、家庭裁判所の許可が必要となります。

※4 補助開始の審判を申し立てる場合には、同意行為目録(補助用)の提出が必要です。提出に当たっては、補助人候補者はどのような行為に同意を必要とするのかご本人と一緒によく話し合って決めてください。

※5 補助・保佐開始の審判を申し立てる場合には、代理行為目録(補助・保佐用)の提出が必要です。提出に当たっては、補助人・保佐人候補者はご本人に代わって行為を行うのかご本人と一緒によく話し合って決めてください。
※ 補助開始の審判、補助人に同意権・代理権を与える審判、保佐人に代理権を与える審判をする場合には、ご本人の同意が必要です。

成年後見人等による支援の内容に等に関する説明

Q1.成年後見人等は何を支援してくれるのですか?

A1.障害や認知症等の程度によって、成年後見人等の支援内容は変わります。原則お金の使い方や色々な契約や手続きの支援になります。どんなことを支援して欲しいか成年後見人等に気持ちを伝えてください。

例:福祉サービス・介護の手続きや契約の支援、保険料や税金の支払やお金の出し入れの支援、分からないまま行った契約の取消、定期的な訪問や状況の確認、入院や施設への入所手続きの支援

Q2.成年後見人等にお願いできないことはなんですか?

A2.食事・掃除等の家事、日用品の買い物、実際の介護、毎日の話相手等はできません。

Q3.成年後見人等とうまくいかない場合途中でやめられますか?

A3.A3.ご本人の気持ちをしっかり聞いて、思うことを第一に考えて支援してくれる制度ですが、気持ちをしっかり聞いてくれないことが続く場合は、専門の窓口  (あんしん狛江等)にご相談ください。なお、成年後見制度は利用すると原則途中でやめることはできません。

法定後見制度事例

補助開始事例

保佐開始事例

後見開始事例

  1. ご本人の状況:軽度の認知症の症状
  2. 申立人:長男
  3. 補助人:申立人
  1. ご本人の状況:中程度の認知症の症状
  2. 申立人:長男
  3. 保佐人:申立人
  1. ご本人の状況:統合失調症
  2. 申立人:叔母
  3. 成年後見人:司法書士
  4. 成年後見監督人:専門職団体が設立した公益社団法人
概要
 ご本人は、最近お米を研がずに炊いてしまうなど、家事の失敗がみられるようになり、また、貸金業者からの借金を繰り返すようになりました。不安になったご本人が長男に相談し、長男が家庭裁判所に補助開始の申立てをし、併せて他人からお金を借りたり、他人の借金の保証人となることについて同意権付与の審判の申立てをしました。
 家庭裁判所の審理を経て、ご本人について補助が開始され、長男が補助人に選任されて同意権が与えられました。その結果、ご本人が長男に相談せずに、貸金業者から借金をしたような場合には、長男がその契約を取り消すことができるようになりました。
概要
 ご本人は1年前に夫を亡くしてから一人暮らしをしていました。以前から物忘れがみられましたが、最近症状が進み、買物の際に1万円札を出したか5千円札を出したか、分からなくなることが多くなり、日常生活に支障が出てきたため、長男家族と同居することになりました。ご本人は、持ち家の老朽化が心配になり、売却して安心したいとの希望を持つようになりましたが、ご自身で進めることは困難でした。そのため、長男にお願いしたいと思い、保佐開始と併せて、持ち家の売却に関する代理権付与も申立てました。家庭裁判所の審理を経て、ご自身について保佐が開始され、長男が保佐人に選任されました。長男は、家庭裁判所から居住用不動産の処分についての許可の審判を受け、ご自身の自宅を売却する手続を進めました。
概要
 ご本人は20年前に統合失調症を発症し、15年前から入院していますが、徐々に判断能力が低下しています。また、障害認定1級を受け障害年金から医療費を支出しています。ご本人の家族構成は母1人子1人でしたが、母が半年前に死亡したため、親族は母方の叔母がいるのみです。亡母が残した自宅やアパートを相続し、その管理を行う必要があるため、母方の叔母は後見開始の審判の申立てをしました。
家庭裁判所の審理を経て、ご本人について後見が開始されました。そして、親族が遠方&高齢で成年後見人等に就任することが困難であり、相続登記など専門知識を要する後見事務が想定されるため専門職の選任が適切と裁判所が判断し、司法書士が選任ました。併せて専門職団体が設立した公益社団法人が成年後見監督人に選任されました。
精神障害者における保佐の活用編(動画)

 

知的障害者における保佐の活用編(動画)

 

法定後見開始の審判の申立てに必要な費用について
 

補助

保佐

後見

申立手数料(収入印紙) 800円(注1) 800円(注2) 800円
登記手数料(収入印紙) 2,600円 2,600円 2,600円
その他 連絡用の郵便切手(注3)、鑑定料(注4)
 

※詳しくは、後見・保佐・補助開始申立ての手引をご確認ください。

(注1)補助開始の審判をするには、補助人に同意権又は代理権を付与する審判を同時にしなければなりませんが、これらの申立てそれぞれにつき収入印紙800円が必要になります。
(注2)保佐人に代理権を付与する審判又は保佐人の同意を得ることを要する行為を追加する審判の申立てをするには、申立てごとに別途、収入印紙800円が必要になります。
(注3)後見・保佐・補助開始申立ての手引のP6をご確認ください。
(注4)後見と保佐では、必要なときには、ご本人の判断能力の程度を医学的に十分確認するために、医師による鑑定を行いますので、鑑定料が必要になります。鑑定料は個々の事案によって異なりますが、ほとんどの場合、10万円以下となっています。
(※)申立てをするには、戸籍謄本、登記事項証明書、診断書などの書類が必要です。これらを入手するための費用も別途かかります。(申立てに必要な書類については、後見・保佐・補助開始申立ての手引のP4、5をご確認ください。)
(※)経済力に余裕がない方については、日本司法支援センター(通称「法テラス」)が行う民事法律扶助による援助(申立代理人費用の立替えなど)を受けることができる場合があります。
 詳しくは法テラスの窓口TEL 0570-078374 (おなやみなし)へお電話ください。

 また、市では法定後見制度を利用する際に必要な経費を助成しています。詳しくは成年後見制度利用支援事業(申立費用・後見人等報酬助成)についてをご覧いただくか、狛江市福祉保健部福祉政策課TEL 03‐3430‐1111(代表)へお電話ください。

法定後見制度における成年後見人等の選任

 成年後見人等は、ご本人のためにどのような保護・支援が必要かなどの事情に応じて、家庭裁判所が選任することになります。ご本人の親族以外にも、法律・福祉の専門家その他の第三者や、福祉関係の公益法人その他の法人が選ばれる場合があります。成年後見人等を複数選ぶことも可能です。また、成年後見人等を監督する成年後見監督人などが選ばれることもあります。

Q.成年後見人等にはどのような人が選ばれますか?

A.家庭裁判所では、後見等の開始の審判をすると同時に成年後見人等を選任します。
 成年後見人等の選任に当たっては、家庭裁判所が、ご本人にとって最も適任だと思われる方を選任します。
申立ての際に、ご本人に法律上又は生活面での課題がある、ご本人の財産管理が複雑困難であるなどの事情が判明している場合には、弁護士、司法書士、社会福祉士など、成年後見人等の職務や責任についての専門的な知識を持っている専門職が成年後見人等に選任されることがあります。
 なお、誰を成年後見人等に選任するかという家庭裁判所の判断については、不服申立てをすることができません。

成年後見制度利用支援事業(申立費用・成年後見人等報酬助成)について

事業概要

 家庭裁判所に後見開始、保佐開始又は補助開始の審判請求をされた方(以下「申立人」といいます。)で、収入や資産等の状況から鑑定費用を負担することが困難と認められる方に対し、申立費用の助成を行います。また、報酬付与の審判により決定された成年後見人等に対する報酬を負担することが困難と認められる方に対し、報酬の助成を行います。

助成対象者

1.居住要件
次のいずれかに該当する方
(1)市内に居住する方
(2)市外の施設等への入所等に伴う狛江市からの転出により、住所地特例として市が保険者となっている方、介護給付費等の支給決定機関となっている方または生活保護の実施機関となっている方
2.資格要件
福祉サービスの観点から成年後見制度を利用することが有用であると認められる次のいずれかに該当する方
(1)生活保護を受けている方
(2)生活保護による保護の基準により算定した最低生活費の額を下回る方
(3)その他市長が特に必要と認める方

助成対象費用

1.申立費用※または報酬の全部または一部
※法定後見開始の審判の申立てに必要な費用については別記のとおり
2.助成額の上限(報酬)
(1)施設入所者 月額18,000円(施設を入所していない月を含む月については、月額28,000円)
(2)その他の者 月額28,000円

助成対象期間(報酬)

 報酬付与審判によって決定された期間

申請方法

 市庁舎2階福祉保健部福祉政策課窓口に狛江市成年後見制度利用支援に係る費用助成申請書を提出してください。

申請できる方

 ご本人、成年後見人、保佐人、補助人、成年後見監督人、保佐監督人、補助監督人

後見等開始の審判の請求をする方がいらっしゃらない方へ(市長申立て)

市長申立てとは

 親族がいない、いても申し立てることを拒否する、またはご本人を虐待している等の場合、ご本人が居住する地域の首長(市区町村長)が家庭裁判所に成年後見制度の利用を申し立てることができます。これを成年後見制度の首長申立てといいます。(老人福祉法第32条、知的障害者福祉法第28条、精神保健および精神障害者福祉に関する法律第51条の11の2)

市長申立ての対象者

 市長申立ての対象者は、判断能力の十分でない高齢者、知的障がい者又は精神障がい者(以下「要支援者」という。)であって、次のいずれかに該当する方です。
(1) 配偶者及び2親等内の親族(以下「配偶者等」といいます。)がいない方
(2) 配偶者等が審判の請求を拒否し、又は配偶者等の虐待の事実等がある方
(3) 音信不通その他の理由により、配偶者等による審判請求を行うことができないと認められる方
 ただし、対象者の4親等内の親族等において審判の請求に係る申立手続等を行うことが明らかであるときは、市長は申立手続等を行いません。

市長申立て費用の求償について

 市長申立てに係る予納すべき費用は、家庭裁判所の定めるところによります。
 市長申立てに係る費用については、家事事件手続法(平成23年法律第52号。以下「法」といいます。)第28条第1項の規定により市長が負担することとされています。
 市長は,負担した市長申立てに係る費用に関し、ご本人又は関係人が負担すべき特別の事情があると判断したときは、市長が負担した市長申立てに係る費用の求償権を確保するため、法第28条第2項の命令に関する職権発動を促す申立てを家庭裁判所に対し行います。その結果、市からご本人または関係人に費用の求償を行う場合がありますので、あらかじめご了承ください。

後見等事務を適切に行っていただくための仕組み

成年後見人等による適切な後見事務を監督する仕組みがあります。
成年後見人等は、裁判所の監督を受けており、定期的な報告が求められます。また、裁判所が必要と判断した場合には監督人が選任されることもあります。

後見制度支援信託又は後見制度支援預貯金の利用

 成年後見人に適切に財産を管理していただくための1つの選択肢として、後見制度支援信託又は後見制度支援預貯金の利用を検討する場合があります。
 後見制度支援信託又は後見制度支援預貯金とは、ご本人の財産のうち、日常的な支払をするのに必要十分な金銭を預貯金等として成年後見人が管理し、通常使用しない金銭を金融機関が信託財産又は特別な預貯金として管理するものです。
 この仕組みを利用することによって、成年後見人は日常的に必要な金銭を管理することになり、財産管理の負担が軽減されるとともに、家庭裁判所への報告も容易になるメリットがあります。
※後見制度支援信託又は後見制度支援預貯金は、成年後見と未成年後見において利用することができます。
 補助、保佐及び任意後見では利用できません。

後見制度支援信託又は後見制度支援預貯金

※ご本人のために急に多額の金銭が必要となることもありますので、家庭裁判所では、指示書を迅速に発行するように配慮しています。

後見制度支援信託又は後見制度支援預貯金の仕組みや手続の流れ

※家庭裁判所は、後見制度支援信託の利用を検討すべきと判断した場合に、弁護士、司法書士等の専門職を後見人(以下「専門職後見人」という)に選任します。(専門職に加え、親族を併せて後見人に選任し、それぞれの役割を分担する場合もあります。)

※後見制度支援信託又は後見制度支援預貯金の利用の適否についての検討
 専門職後見人は、ご本人の生活状況や財産状況を踏まえて検討し、後見制度支援信託又は後見制度支援預貯金の利用に適しているか否かについて、検討し家庭裁判所に報告します。(専門職後見人が後見制度支援信託の利用に適さないと判断し、家庭裁判所に報告することもあります。)
※信託契約締結又は特別な預貯金契約の設定
 家庭裁判所は、後見制度支援信託又は後見制度支援預貯金の利用に適していると判断した場合は、信託契約の締結又は特別な預貯金契約の設定のための指示書を成年後見人に交付します。成年後見人は金融機関に指示書を提出し、信託契約の締結又は特別な預貯金契約の設定をします。
※金融機関からの払戻し・追加信託
 信託契約の締結又は特別な預貯金契約の設定後、金融機関からの払戻しや追加して信託を行う必要が生じる場合があります。
いずれの手続にも家庭裁判所が発行する指示書が必要です。
※後見制度支援信託又は後見制度支援預貯金を利用する際に、専門職が後見人又は後見監督人として関与した場合には家庭裁判所の決定した報酬が必要になります。(別途、金融機関の管理報酬が生じる場合があります。)
 なお、信託契約の締結又は特別な預貯金契約の設定後、専門職が関与する必要性がなくなれば、専門職は辞任します。辞任後、専門職後見人から、親族後見人に対し、専門職後見人が管理していた財産の引継ぎが行われます。(当初専門職後見人のみの選任の場合は、この段階で親族後見人を選任します。)

成年後見人等の皆さまへ

成年後見人等の選任と役割

成年後見人等の役割

 成年後見人等は、ご本人の生活・医療・介護・福祉など、身のまわりの事柄にも目を配りながらご本人を保護・支援します。
具体的には、ご本人の不動産や預貯金等の財産を管理したり、ご本人の希望や体の状態、生活の様子等を考慮して、必要な福祉サービスや医療が受けられるよう、利用契約の締結や医療費の支払などを行ったりします。なお、食事の世話や実際の介護などは、一般に成年後見人等の職務ではありません。
また、成年後見人等はその事務について家庭裁判所に報告するなどして、家庭裁判所または成年後見監督人等の監督を受けることになります。

成年後見人等の選任方法

 家庭裁判所では、後見等の開始の審判をすると同時に成年後見人等を選任します。
 成年後見人等の選任に当たっては、家庭裁判所が、ご本人にとって最も適任だと思われる方を選任します。
 申立ての際に、ご本人に法律上又は生活面での課題がある、ご本人の財産管理が複雑困難であるなどの事情が判明している場合には、弁護士、司法書士、社会福祉士など、成年後見人等の職務や責任についての専門的な知識を持っている専門職を成年後見人等に選任することがあります。
 なお、誰を成年後見人等に選任するかという家庭裁判所の判断については、不服申立てをすることができません。

成年後見人等に選任されたら

 成年後見人等は、選定後速やかに、面談を通じてご本人の生活の状況や今後の生活上の希望等を確認します。また金融機関等へ必要な届出を行い、後見等事務の方針を立てた後、財産目録及び収支予定表を作成し、家庭裁判所に提出します。

※金融機関等へ必要な届出を行う際に、登記事項証明書の提出を求められることがあります。登記事項証明書には後見等の開始の審判の内容が記載されており、法務局で取得することができます。
※財産目録とは、ご本人の預貯金や不動産などの財産がどれくらいあるのかを記載した書面です。
※収支予定表とは、ご本人の収入と支出の予定について、生活状況を踏まえて記載した書面です。

①成年後見人等として何をするか、計画を立てます。
 まず、ご本人がどのような生活をしているか、どのくらい財産を持っているか調べてご本人に合った生活のしかたやお金をどう使っていくかなどをご本人の意思を確認しながら考えます。

②ご本人の希望などを聞いて、必要な手続を行います。
 ご本人の思いや生活の様子を考えて、必要な福祉サービスを利用したり、年金を受け取るために必要な手続を行ったりします。
 ▶ 書式ダウンロード(後見等事務報告(初回))(裁判所ウェブサイト)

③お金のトラブルからご本人を守ります。
 ご本人が、悪質業者にだまされて、必要のないものを買わされるなどのトラブルに巻き込まれた場合には、その契約を取り消すことができます。

④ご本人の生活の様子を家庭裁判所又は後見監督人等に報告します。
 ご本人の健康状態や暮らしぶり、預貯金や不動産がどのくらいあるかについて家庭裁判所に報告します。

注意するべき事柄

 成年後見人等は、ご本人の意向を尊重し、安定した生活を送ることができるよう、ご本人の身上に配慮する必要があります。
 また、財産を適切に管理する義務を負っていますので、成年後見人等がご本人の財産を不適切に管理した場合には、成年後見人等を解任されるほか、損害賠償請求を受けるなど民事責任を問われたり、業務上横領などの罪で刑事責任を問われたりすることもあります。

後見等事務で迷ったり悩んだりしたら

 現在、狛江市第1期成年後見制度利用促進事業計画では、成年後見人等がご本人に身近な親族、福祉・医療、地域等の関係者とチームとなって日常的にご本人を見守り、ご本人の意思や状況を継続的に把握し必要な対応を行っていくことを目指しています。その時々の課題に応じてチームを編成し、ご本人の意思を尊重して支援していきます。
 まずは、あんしん狛江にご相談ください。

後見等事務の報告について

 家庭裁判所は、必要に応じて成年後見人等に後見等事務の状況の報告を求めており、この報告により、成年後見人等が適切に事務を行っているか確認します。
 現在、成年後見人等は、一般的には1年に1回、(後見監督人等が選任されている場合には求めに応じて)決められた時期に後見等事務の状況を報告するよう求められています。
 ▶ 書式ダウンロード(後見等事務報告(定期報告))(裁判所ウェブサイト)

成年後見人等の報酬について

 成年後見人等や後見監督人等は、家庭裁判所に報酬付与の申立てを行った場合には、家庭裁判所の決定した報酬をご本人の財産から受け取ることができます。(家庭裁判所の許可なくご本人の財産から報酬を受け取ることはできません。)
※任意後見監督人についても、家庭裁判所に対して報酬付与の申立てを行った場合には、家庭裁判所の判断により、ご本人の財産から報酬が支払われることになります。
 ▶ 書式ダウンロード(報酬付与申立書)(裁判所ウェブサイト)

 ▶成年後見人等の報酬額のめやす

※裁判所にて報酬額の見直しの協議が行われており目安の金額に変更の可能性があります。

 市では、報酬付与の審判により決定された成年後見人等に対する報酬を負担することが困難と認められる方に対し報酬の助成を行っています。

住所変更等をした場合

 登記事項証明書掲載の内容に変更が生じたときには、法務局に「変更の登記」を申請してください。(申請の手続については、最寄りの法務局におたずねください。)
 また、その際には家庭裁判所に連絡してください。
 ▶ 書式ダウンロード(変更登記の申請方法)

成年後見人等の仕事の終了後の手続について

 成年後見人等の仕事は、ご本人が病気などから回復し判断能力を取り戻して裁判所の取り消しの審判を受けない限り、ご本人が亡くなるまで続きます。申立てのきっかけとなった当初の目的(例えば、保険金の受領や遺産分割など)を果たしたら終わりというものではありません。
 なお、成年後見人等を辞任するには、家庭裁判所の許可が必要となります。
 ▶ 書式ダウンロード(各類型別の終了報告書)(裁判所ウェブサイト)

成年後見人等の仕事の終了の手続

●家庭裁判所への連絡および報告
 ご本人が亡くなった場合等は、まず、家庭裁判所に連絡します。

●法務局への登記の申請
 家庭裁判所に連絡等のほか、法務局に「終了の登記」を申請してください。(申請の手続については、最寄りの法務局におたずねください。)
▶ 書式ダウンロード(各類型別の終了報告書)(裁判所ウェブサイト)

市民後見人について

 市民後見人とは、弁護士や司法書士などの資格をもたない、親族以外の市民による成年後見人等であり、市町村等の支援をうけて後見業務を適正に担います。主な業務は、判断能力が十分でない方の金銭管理、介護・福祉サービスの利用援助の支援などです。市町村等の研修を修了し、必要な知識・技術、社会規範、倫理性を身につけ、登録後、家庭裁判所からの選任を受けてから、成年後見人等としての活動が始まります。

 狛江市では、調布市、日野市、多摩市及び稲城市とともに、多摩南部成年後見センターを共同運営しており、センターでは、5市に在住の市民の方を対象に、毎年「市民後見人養成講座」を開講しています。市民後見人養成講座のお知らせ等は、センターホームページをご覧ください。

市民後見人の活動編(動画)

意思決定支援について

成年後見制度を利用する場面

 令和2年10月に、意思決定支援を踏まえた後見事務のガイドライン(意思決定支援ワーキング・グループ)が公表されました。成年後見人等を含め、ご本人に関わる支援者が常に「意思決定の中心に本人を置く」という本人中心主義を実現するためには、意思決定支援についての共通理解を形成することが必要であるという考えから策定されたガイドラインです。
 成年後見人等が意思決定支援を踏まえた後見事務(保佐事務、補助事務)を行うことができるように、成年後見人等に求められる役割の具体的なイメージが示されています。

▶「意思決定支援を踏まえた後見事務のガイドライン」

医療サービスの提供における連携の場面

 「身寄りがない人の入院および医療における意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン」があります。成年後見制度を利用している方が医療を受ける際には、医療に係る意思決定が困難な場合もあると思われますが、そのような場合に、どのように医療従事者と成年後見人等が連携するのか、成年後見人等に期待される具体的役割についても記載されています。

 詳しくは、

 「身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン」

 をご確認ください。

 【参考】

 第145回厚生労働省市町村セミナー「身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン」作成についての報告

 成年後見制度利用促進ニュースレター第27号抜粋

障がい福祉サービス等の提供をする場面

 「障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン」があります。
 障がいのある方の意思を尊重した質の高いサービスを提供するために作成されました。事業者が、サービス等利用計画や個別支援計画を作成してサービスを提供する際の障がい者の意思決定についての基本的考え方や姿勢、方法、配慮されるべき事項等を整理し、事業者が サービスを提供する際に必要とされる意思決定支援の枠組みが示されています。
 患者ご本人が医療機関を利用している場合には、障がい福祉サービスなど利用計画や個別支援計画作成時の意思決定支援会議に医療機関も参加し、このガイドラインに基づいてご本人の意思決定を支援する場合があります。

 ▶詳しくは「障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン」をご確認ください。

認知症の方の生活支援をする場面

 「認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン」があります。
 認知症の人が自らの意思に基づいた日常生活・社会生活を送れることを目指して、作成されました。認知症の人の意思決定に関わる人が、認知症の人の意思をできるかぎり丁寧にくみ取るために、認知症の人の意思決定を支援する標準的なプロセスや留意点が記載されています。
 患者ご本人が認知症の場合に、意思決定支援チームによる会議に医療機関等も参加し、このガイドラインに基づいてご本人の意思決定を支援する場合があります。

 ▶詳しくは「認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン」をご確認ください。

意思決定支援を踏まえた後見事務における連携の場面

 成年後見人等が、意思決定支援を踏まえて後見事務(保佐事務、補助事務)を行うことができるよう、下記のガイドラインがあります。①施設への入所契約などご本人の居所に関する重要な決定を行う場合、②自宅の売却、高額な資産の売却等、法的に重要な決定をする場合、③特定の親族に対する贈与・経済的援助を行う場合など、直接的にはご本人のためとは言い難い支出をする場合などに使われるガイドラインです。医療機関や介護・福祉サービス事業者と成年後見人等がチームとなって意思決定支援を行うプロセスが掲載されています。

 ▶詳しくは「意思決定支援を踏まえた後見事務のガイドライン」をご確認ください。

成年後見人等を対象とした意思決定支援研修

「意思決定支援を踏まえた後見事務のガイドライン」を全国に普及・啓発していくため、令和2年度から3年度にかけて全都道府県にて開催された「後見人等を対象とした意思決定支援研修」を動画で見ることができます。

▶成年後見人等への意思決定支援研修

地域の関係機関の皆さまへ

医療機関等の皆さまへ

診断書について

 家庭裁判所は、成年後見制度の利用開始に当たって、医師の意見を聴かなければならないとされていますので、申立人に対して、申立書とともに、ご本人の精神の状態について記載された医師の診断書の提出をお願いしています。申立てをする親族等から依頼があった場合には、「診断書(成年後見制度用)」の書式へ記載をお願いします。

 ▶詳しくは「成年後見制度における診断書等作成の手引について」(裁判所ウェブサイト)をご確認ください。

本人情報シートについて

 診断書作成の補助資料となる本人情報シートを添えた、診断書作成の依頼があります。

成年後見人等との連携について

 現在、狛江市第1期成年後見制度利用促進事業計画では、ご本人に身近な親族、福祉・医療、地域等の関係者と成年後見人等がチームとなって日常的にご本人を見守り、ご本人の意思や状況を継続的に把握し必要な対応を行っていくことを目指しています。その時々の課題に応じてチームを編成し、ご本人の意思を尊重して支援していきます。
 医療機関等の皆さまにもチームへの参加をお願いする場合がありますので、その際はご協力をお願いいたします。

市の権利擁護支援の地域連携ネットワークにおけるチームのイメージ(概要)

Q1.権利擁護支援とはどのような支援のことをいうのですか?

A1.認知症、知的障がい、精神障がいなどの理由で判断能力が不十分な人たちの権利を守るために、以下のような目的でなされる支援です。
 ① 「人権」としての権利:必要に応じて、適切になされる権利の回復(救済)
 例 :老人福祉法32 条、知的障害者福祉法28 条、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)51 条の11 の2に基づく市町村長による申立て
 ② 「契約(当事者間の合意)」に基づく権利:必要に応じて、適切になされる権利の行使
 例:福祉サービスや施設入所などの契約

 

Q2.権利擁護支援の地域連携ネットワークとは、どのような仕組みですか?

A2.全国どの地域においても必要な人が成年後見制度を利用できるよう、各地域における相談窓口を整備するとともに、権利擁護支援の必要な人を発見し、適切に必要な支援につなげる地域連携の仕組みです。
 「権利擁護支援の必要な人の発見・支援」、「早期の段階からの相談・対応体制の整備」、「意思決定支援・身上保護を重視した成年後見制度の運用に資する支援体制の構築」という3つの役割を念頭に、既存の保健・医療・福祉の連携(医療・福祉につながる仕組み)に司法も含めた連携の仕組みを構築するものとされ、「チーム」「協議会」「中核機関」を構成要素とします。
 各地域において、ア)広報機能、イ)相談機能、ウ)成年後見制度利用促進機能、エ)後見人支援機能の4つの機能について、段階的・計画的に整備するとともに、オ)不正防止効果に配慮することが求められています。

  狛江市は、狛江市第1期成年後見制度利用促進事業計画に基づき、権利擁護支援の地域連携ネットワークを構築してまいります。

 

Q3.「チーム」とは何ですか?

A3.

権利擁護支援が必要な人について、ご本人の状況に応じ、
・後見等開始前においてはご本人に身近な親族や福祉・医療・地域の関係者が、
・後見等開始後はこれに後見人が加わって、
 協力して日常的にご本人を見守り、ご本人の意思や状況を継続的に把握し、必要な対応を行う仕組みです。
 後見等開始前においては、地域の中で、権利擁護支援が必要な人を発見し必要な支援へ結び付ける(ご本人と社会との関係性を修復・回復させる)機能を果たし、後見等開始後においては、ご本人の自己決定権を尊重し、身上保護を重視した成年後見制度の運用を行うため、法的な権限を持つ成年後見人等と地域の関係者等が協力して日常的にご本人を見守り、ご本人の意思や状況をできる限り継続的に把握し対応する役割を果たします。
 狛江市は、狛江市第1期成年後見制度利用促進事業計画に基づき、必要に応じ、福祉・法律の専門職が専門的助言・相談対応等の支援に参画していただき、できる限り既存の支援の枠組みを活用してチームを編成いたします。

成年後見登記について

 患者ご本人の「成年後見人等」と入院契約等をされる場合は、「登記事項証明書」の提示を求めると、どのような関係にあるのか、代理権を持っているのか等を確認することができます。

 ▶成年後見登記について

意思決定支援について

 医療機関等は、患者ご本人が障がい福祉サービスを利用していたり、認知症の方であったりする場合には、成年後見人等と連携して、次のような場面でご本人の意思決定を支援する場合があります。

障がい福祉サービス等の提供をする場面
認知症の方の生活支援をする場面
患者の皆さまへの配布用チラシ

 医療機関の皆さまが日々接している患者ご本人やそのご家族の方が、判断能力の低下や意思決定が困難であるという理由で必要な医療の提供を受ける機会を逸してしまうことがないように、また、その時に医療現場の皆さまにご負担がかからないように、成年後見制度について日頃から考えていただくためのチラシをご用意しました。データをダウンロードして、今後必要と思われる患者ご本人やご家族の方にお渡しください。

 ▶患者の皆さまへの配布用チラシ

介護・障がい福祉事業者の皆さまへ

本人情報シートについて

 成年後見制度の利用開始の申立の際に、申立人は家庭裁判所に、医師の作成した診断書とともに診断書の補助資料として本人情報シートを提出します。
 本人情報シートは、ご本人の日常生活及び社会生活に関する客観的な情報を、医師や家庭裁判所に提供するために、福祉関係者がご本人の生活状況等の情報をまとめるシートです。具体的には、ソーシャルワーカー(社会福祉士、精神保健福祉士等)としてご本人の支援に関わっている方(介護支援専門員、相談支援専門員、病院・施設の相談員、サービス管理責任者、市町村が設置する地域包括支援センターや、基幹相談支援センター、社会福祉協議会等が運営する権利擁護支援センターの職員等)によって作成されることが想定されています。申立てをする親族等から依頼があった場合には、所定の「本人情報シート」の書式へ記載をお願いします。

 ▶詳しくは「本人情報シート作成の手引」(裁判所ウェブサイト)をご確認ください。

成年後見人等との連携について

成年後見人等との連携については別記のとおり

福祉事業者の皆さまにもチームへの参加をお願いする場合がありますので、その際はご協力をお願いいたします。

成年後見登記について

成年後見登記については別記のとおり

意思決定支援について

介護・障がい福祉サービスの提供においては、成年後見人等と連携して、次のような場面でご本人の意思決定を支援する必要があります。

障がい福祉サービス等の提供をする場面
認知症の方の生活支援をする場面
医療サービスの提供における連携の場面
意思決定支援を踏まえた後見事務における連携の場面
介護・障害福祉サービス利用者への配布用チラシ

 皆さまが日々接している介護・障がい福祉サービスの利用者が、今後も自立した生活を続けられるように、また、皆さまの活動をサポートする環境を整えられるように、成年後見制度について考えていただくためのチラシをご用意しました。
 データをダウンロードして、介護・障がい福祉サービス利用者やそのご家族の方にお渡しください。

 介護・障害福祉サービス利用者への配布用チラシ

金融機関等の皆さまへ

成年後見人等との連携について

成年後見人等との連携については別記のとおり

金融機関等の皆さまにもチームへの参加をお願いする場合がありますので、その際は、ご協力をお願いいたします。

成年後見登記について

成年後見登記については別記のとおり

「成年後見制度の利用が必要かもしれない」と思ったら・・・

 契約者ご本人が判断能力が不十分でケアが必要な方の場合、ご家族が預貯金の引き出しにきた場面で、基本的に「成年後見制度の利用が必要です」とご案内いただいている金融機関等も多いと思われます。その場合は、市福祉相談課あんしん狛江または地域包括支援センターにご相談することをお勧めください。制度をよく理解して申立てを行い利用開始となることで、ご本人の生活を支援するチームを適切に作ることができます。

お客さまへの配布用チラシ

 皆さまが日々接しているお客さまが、認知症や障がい等で今後の手続や契約など、いざという時に困ることがないように、また、その時に皆さまのご負担が増えないように、成年後見制度について日頃から考えていただくためのチラシをご用意しました。データをダウンロードして、お客さまやそのご家族の方にお渡しください。

 ▶金融機関等のみなさまへの配布用チラシ

 住宅・不動産関連のみなさまへの配布用チラシ

 専門家のみなさまへの配布用チラシ

相談機関のご案内

相談内容を迷われている方

Q.成年後見制度について知りたい。 A.市福祉保健部福祉政策課または狛江市社会福祉協議会 あんしん狛江にご相談ください。
Q.成年後見制度を利用するために、書類の書き方を教えて欲しい。 A.狛江市社会福祉協議会 あんしん狛江にご相談ください。
Q.成年後見制度について法律・福祉の専門職に相談したい。 A.法律の専門職の相談については、社会福祉協議会 あんしん狛江の弁護士による苦情・権利擁護相談、市民相談(法律相談)市民法律講座・相談会をご利用いただくか、東京三弁護士会(☎042‐548‐3800)または東京司法書士会 公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート東京支部(☎03‐3353‐8191)にご相談ください。福祉の専門職の相談については、東京社会福祉士会 権利擁護センターぱあとあな東京(☎03‐5944‐8680)にご相談ください。
Q.任意後見制度を利用したい。 A.狛江市社会福祉協議会 あんしん狛江にご相談ください。
Q.成年後見登記制度について知りたい。 A.狛江市社会福祉協議会 あんしん狛江にご相談ください。
Q.身寄りのない認知症高齢者に成年後見人等を選任したいが、誰が後見等開始の申立をするのか分からない。 A.市福祉保健部福祉相談課にご相談ください。
Q.後見等申立をしたいが、申立の費用がない。 A.市福祉保健部福祉政策課にご相談ください。
Q.高齢者や障がい者の虐待について相談したい。 A.高齢者の虐待については地域包括支援センターに、障がい者の虐待については市福祉保健部福祉相談課にご相談ください。
Q.高齢者等を狙った悪質商法や特殊詐欺について相談したい。 A.地域包括支援センターまたは市消費生活センターにご相談ください。
Q.認知症や物忘れのある高齢者、知的障がい者、精神障がい者等の在宅生活を支援するため、日常的な金銭を管理したり、重要な書類の預かりをして欲しい。 A.社会福祉協議会 あんしん狛江にご相談ください。

相談内容が決まっている方

成年後見制度の概要について
市福祉保健部福祉政策課

月曜日~金曜日(祝日及び年末年始を除く。)8:30~17:15 TEL:03-3430-1111(代表) 

狛江市社会福祉協議会 あんしん狛江

月曜日~金曜日(祝日及び年末年始を除く。)8:30~17:15 TEL:03-3488-5603(直通)

住所:狛江市元和泉2‐35‐1

申立費用・成年後見人等報酬の助成について
市福祉保健部福祉政策課

月曜日~金曜日(祝日及び年末年始を除く。)8:30~17:15 TEL:03-3430-1111(代表) 

申立費用・成年後見人等報酬の助成の詳細は別記のとおり

高齢者の権利擁護支援について
岩戸北、岩戸南、猪方、駒井町にお住まいの方:地域包括支援センターこまえ苑

月曜日~土曜日(祝日及び年末年始を除く。)8:30~17:30 TEL:03-3489-2422(直通)

住所:狛江市岩戸南4-17-17

西和泉、中和泉、元和泉、東和泉にお住まいの方:あいとぴあ地域包括支援センター

月曜日~土曜日(第3土曜日,祝日及び年末年始を除く。)8:30~17:30 TEL: 03-5438-3565(直通) 

住所:狛江市元和泉2-35-1あいとぴあセンター内

和泉本町、東野川、西野川にお住いの方:地域包括支援センターこまえ正吉苑

月曜日~土曜日(祝日及び年末年始を除く。)8:30~17:30 TEL: 03-5438-2522(直通)
住所:狛江市西野川2-27-23

障がい者の権利擁護支援について
市福祉保健部福祉相談課

月曜日~金曜日(祝日及び年末年始を除く。)8:30~17:15 TEL:03-3430-1111(代表)

生活困窮に関する相談窓口について
市福祉保健部福祉相談課(こまYELL)

月曜日~金曜日(祝日及び年末年始を除く。)8:30~17:15 TEL:03-3430-1111(代表)

福祉サービス総合支援事業について
弁護士による苦情・権利擁護について※事前予約制

毎月第3水曜日 13:00~16:00 TEL:03-3488-5603(相談料無料)

成年後見制度の利用についての相談、地域福祉権利擁護事業(日常生活自立支援事業)の利用について
狛江市社会福祉協議会 あんしん狛江

月曜日~金曜日(祝日及び年末年始を除く。)8:30~17:15 TEL:03-3488-5603(直通)

住所:狛江市元和泉2‐35‐1

市福祉保健部福祉相談課

月曜日~金曜日(祝日及び年末年始を除く。)8:30~17:15 TEL:03-3430-1111(代表)

後見等開始の申立をする家庭裁判所について

 申立ては、ご本人(認知症、知的障がい、精神障がいなどによって物事の判断能力が十分ではない方)の、住所地(住民登録をしている場所)を管轄する家庭裁判所にしてください。

ご本人の住所地が東京都23区及び東京都内の諸島の方:東京家庭裁判所(後見センター)

月曜日~金曜日(祝日及び年末年始を除く。) 8:30~17:00 TEL:03-3502-5359、5369(直通)

住所:千代田区霞が関1-1-2

ご本人の住所地が多摩26市、瑞穂町、日の出町、奥多摩町及び檜原村の方:東京家庭裁判所立川支部(後見係)

月曜日~金曜日(祝日及び年末年始を除く。) 8:30~17:00 TEL:042-845-0322、0324(直通)

住所:立川市緑町10-4