1 日時

令和元年6月27日(木曜日) 午後6時30分~8時30分

2 場所

狛江市防災センター302・303会議室

3 出席者

委員

熊井会長、中川副会長、太田委員、毛塚委員、西岡委員、

日下委員、加藤委員、渡辺委員、稲葉委員、豊田委員、石森委員
浅見委員、上田委員

事務局

銀林子育て支援課長、竹上企画支援係長、猪野主事
矢野児童青少年課長、中川児童青少年係長
鈴木健康推進課長、小川福祉相談課長

4 欠席者

西岡委員、石谷委員、安諸委員

5 傍聴 3名
6 議題

1 主要テーマのレクチャー
  テーマ 「子どもの貧困について」
   首都大学東京  阿部 彩 教授
  質疑・応答
2 主要テーマのディスカッション
  テーマ 「子どもの貧困について」
3 第2回子ども・子育て会議の主要テーマディスカッションの振り返りについて  
  前回テーマ:「切れ目のない包括的な支援について」
4 その他
  ・各種報告書の配布
  ・保育所入所待機児童数について(第2回子ども・子育て会議報告事項の差替え)

  ・次回以降会議日程
   【確定】7月25日(木曜日) 8月29日(木曜日)
   【候補】9月26日(木曜日)
   いずれも午後6時30分から。
 

7 配布資料

資料1    平成31年度第2回子ども・子育て会議議事録

資料2-1  課題&論点整理シート(子どもの貧困について)

資料2-2  課題&論点整理シート 補足資料

資料2-3  子どもの貧困対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案要旨(6月12日参議院本会議にて可決)

資料3    第2回子ども・子育て会議の主要テーマディスカッションの要旨(切れ目のない包括的な支援について)

資料4 平成31年度 保育所入所待機児童数について(修正版)

8 会議の結果

◆議事1 主要テーマのレクチャー  テーマ 「子どもの貧困について」
○首都大学東京  阿部 彩 教授よりレクチャー
委員 :今日のレクチャーの中で、個人だと支払いが遅れただけでライフラインが止められてしまうが、アメリカではすぐにライフラインは止められないと聞いて、日本もそうすべきだと思った。日本は住居に関して、お金がかかりすぎている。中古住宅の活用をもっと充実させれば、もう少し費用を抑えられると思うのだが、スクラップ&ビルドする風潮にあるので、残念に思う。
教授 :住居に関してはマイホームを持たなければいけないと思ってしまう。貧困のラインは4人家族で244万円、月額で20万円になるのでそこで住居費が10万円かかってしまうと生活が苦しくなると思う。
委員 :貧困とうつ病が関係しているとのことだが、データを取ってみたということか。
教授 :経済階層が高くなればなるほどうつ率が低くなるという統計がある。
委員 :私自身も、気分が落ち込むことがあるが、経済的なことが関係あるのかとも思った。
教授 :原因は一つではないが、貧困層は仕事を失うリスクが高かったり、会社で地位が高くなるといじめられたり、心痛が重なるということもあると思う。
委員 :大阪の貧困ネットワークに取材をした。貧困が恥ずかしいから、声をあげられない状況がある。親が追い詰められてネグレクトや虐待にも結び付いていくと考えられる。声をあげやすい環境を作り、行政につなげるには具体的にはどうすればいいのか。
教授 :支援する側が気付いてあげる姿勢が大事である。国民健康保険料の滞納や保育料の滞納、または保健師が「こんにちは赤ちゃん」で訪問した時に貧困が疑われても自立支援の窓口につなげるなどの対応はしていない。すべての市民と接する職員が、こちらからつなげていくという発想が必要ではないか。
委員 :市民に関わる職員、NPOなどがアンテナを張って、アウトリーチしていくことが大事ということか。
教授 :そうです。
委員 :医療費の助成について、高校生になると医療費がかかるので医者にかかるのをためらうことがある。義務教育の期間の医療費助成の所得制限の撤廃と、高校生まで助成期間を延ばして貧困層の支援をするのはどちらが優先されるべきか。
教授 :所得制限はどれくらいか。
事務局:世帯数ベースで、全体の7割程度をカバーできるように設計されている。
教授 :それぐらいであれば、高校生の助成期間の延伸を優先した方がいいと思う。ぜひ、狛江市で先駆けてやって頂ければと思う。
委員 :現状所得の設定を高くしているので、高校生を対象にする場合、所得制限は落とさざるを得ないと思うが、貧困対策としては有効であるということか。
教授 :高校生は、給食がなくなる、中退するなど、食に関しても、自己肯定感的にしても、一番厳しい状態にあり、危ない職業に吸い取られていく状況があるので、高校生を手厚くするのは重要である。
会長 :東京都4区市は似たような状況に見える。一番驚いたのは、小学校5年生の保護者で「家計が赤字で借金をする」、「家計が赤字で貯蓄を取り崩す」という割合を合わせると50%になる。中学校2年の保護者ではもっと多い。大変厳しい状態だと思った。
阿部先生は岩波新書から「子どもの貧困」、「子どもの貧困2」、日本PHP新書から「貧困を救えない国日本」という対談式の本を出されている。これから参考にしながら進めていきたい。今日は本当にありがとうございました。

◆議事2 主要テーマのディスカッション テーマ「子どもの貧困について」
会長 :今日のレクチャーを聞いて、どう思うか。
委員 :貧困の原因を考えると、虐待と同じように貧困の連鎖がある。勉強が出来る環境がないと、学力が低下し、高校にそもそも受からない。それが経済力の低下につながる。今日の話で、うつの問題が特徴的に出ていた。うつは、薬でコントロール出来たりするが、親子で統合失調症や知的な問題を抱えていたりすると、なかなか連鎖から抜け出せない。それは課題だと思っている。
委員 :学力と収入が必ずしも一致せず、色々な能力が重用され、収入につながるような社会を作ることが必要だと思う。
会長 :失業率と自殺率の推移は一致すると言われている。経済的なものは精神的なものに影響を与えていると思われる。貧困が学力だけではなく、色々なものに影響していくということを認識して、広く伝えていくことが必要ではないか。
委員 :先天的な能力ももちろんあると思うが、教育環境を良いものにしていくことで、授業に参加できなかった子どもが参加できるようになったり、能力を伸ばしていったりすることは出来ると思う。「ことばの相談」に来ているのに、お金に困ってないか聞くことはなかなか出来ないが、もしかしたらという意識を持つことが大事だと今日の講演を聞いて感じた。
委員 :日本の右にならえの精神、みんなと同じでなければならないという意識が声を出せないことにもつながると思う。先ほどの話で出たランドセルも経済的負担が大きく、強制しなくてもいいと思う。
事務局:生活困窮者自立支援制度として、26市で恐らく狛江市だけだと思うが、家庭訪問型で学習支援事業を行っている。勉強するスペースや兄弟の関係で自宅で勉強できない子どもがいる。阿部先生のデータは現場としても納得できるものである。生活保護にも関わっているが、生活保護や生活困窮者は行政に相談しようという発想がなかったり、その能力がなかったりする。虐待は強制的な行政の介入が必要だが、貧困の入口であれば色々手段があり、人の手による支援が必要である。
会長 :生活の支援が必要なのに受けていない世帯が80%いる。貧困のディスカッションはこれからも続けていくので、それについての資料を事務局から説明する。
○事務局より資料2-1、2-2、2-3、3の説明
会長 :子どもの貧困は色々なところに影響していくので、子ども・子育て支援計画で色々な計画をしっかり策定していくことが貧困対策になると思う。資料2-3の中で市町村が子どもの貧困対策の計画を作るように努めるということだが、別に作るということなのか。
事務局:子ども・子育て応援プランの中に貧困対策も組み込んでいく予定である。
会長 :資料2-2で学校に行きたくないと思ったことがある小学生が母親の健康状態に影響される傾向にあると記載されているが、それ以外の要因に配慮する姿勢が必要である。表記により誤解を招くようなことがあってはならない。
委員 :母親ではなく保護者とするべき。責められているように感じると思う。保護者の精神状態は非常に子どもに影響する。困っている人は自分から困っているとは言えないので、寄り添ってあげることによって悩みを聞き、親の精神を安定させることで、子どもも安定する。貧困の意味が、貧しいということではなく色々な生活の要素の悩みを含んでいるので、それを救うことが大事。
委員 :親が学校に行くように促さなかったり、積極的には行きたくない子、親が心配で行けない子など、行きたくない理由は色々ある。
会長 :学校に行きたくない理由を、保護者の健康状態以外でクロス集計してもいいと思う。
委員 : 健康状態というのは、精神的なものか肉体的なものか。
事務局:アンケートでは、「今の健康状態に近いものに○をしてください」という質問で特に指定していない。

◆議事3 第2回子ども・子育て会議の主要テーマディスカッションの振り返りについて
○事務局より説明
会長 :阿部先生からも行政の方から気付いてあげることが大切という話があったが、その意識が切れ目のない支援にもつながっていくと思う。
委員 :支援する側の職員の質を統一することが必要。例えば研修などはしているのか。
委員 :児童青少年部は職員のほとんどが事務職でケースワーカーはそれほどいない。子ども家庭支援センターが相談の部分は担っている。対人援助としては、保育士や学童の指導員が最前線だと思う。研修などでレベルを上げていく必要はあると思うが、経験の差などにより気付きの部分での差はどうしても出てくる。
会長 :それをいかに上げていくかということだと思う。
委員 :研修は強制ではないので、積極的に参加するしないはある。社会福祉士などを採用して、専門職を増やしてはいるが、研修等ではモチベーションはなかなか上がらない。それをフォローする人を配置することが大事だと思っている。
委員 :モチベーションも大事だと思うが、ケースワーカーやスペシャリストを支える体制が必要。狛江市は虐待対策ワーカーが2人ということだったが、疲弊してしまわないよう全体でバックアップしていかなければならないと思う。
委員 :今度の複合施設が出来る際には人員的な充実はさせていきたいと思っている。
会長 :正規職員のことを話していたと思うが、スクールソーシャルワーカーなどの待遇も上げるなどして全体のレベルアップなども考慮すべき。

◆議事4 その他
・各種報告書の配布
・保育所入所待機児童数について(第2回子ども・子育て会議報告事項の差替え)
○事務局より説明
・次回以降の会議について
7月の会議は令和元年7月25日(木曜日)午後6時30分から開催予定
8月の会議は令和元年8月29日(木曜日)午後6時30分から開催予定
9月の会議は令和元年9月26日(木曜日)午後6時30分から開催予定

会長 :これで今日の会議を終了します。
どうも皆さんありがとうございました。