第5回狛江市緑の基本計画改定検討委員会(令和元年6月4日会議録要旨)
1 日時 |
令和元年6月4日(火曜日) 午後2時~3時40分 |
2 場所 | 防災センター401会議室 |
3 出席者 |
委員長 宮林 茂幸 副委員長 下嶋 聖 委 員 髙木 生一 荒井 悟 環境政策課水と緑の係主事 原田 章秀 |
4 欠席者 | なし |
5 議題 |
1 次期計画の目標及び施策について |
6 資料 |
資料1 次期計画の目標及び施策について 【参考資料】 |
7 会議の結果 | |
(1) 次期計画の目標及び施策について (資料1のうち、p.1~2を説明) 計画の改定に関しては、今ある緑をこれ以上減らさないためにポイントを絞って検討を進めていく。その中でも、特に重要な点があれば意見がほしい。 今ある農地を保全するために、生産緑地制度や納税猶予措置がある。しかし、相続の際には、路線価をもとに相続税を算出するため、宅地並みの課税額が発生する。納税猶予措置も活用しながら相続税を支払うが、兄弟などがいると農地を分割して相続することになり、宅地化する場合もあり、どうしても農地のまま維持していくことは難しくなる。樹林地でも同様のことがいえる。 例えば、一度宅地化しても再度農地として認められる制度が必要ではないかと思う。緑の基本計画に記載することは難しいかもしれないが、そのような方向性がなければ、農地がなくなってしまう。 土地所有者に営農の意思があれば、再度生産緑地指定の希望を出すことができるとよいと思う。 農地の再指定は営農する農家あるいは新たな就業者等がいなければできないが、後継者がいない場合でも、狛江市では緑や農地を市民共有の財産として残していくという姿勢や施策を具体的に示すことができるとよいと思う。 緑化基金は使い道について市民の合意を得ながら活用していけるとよい。また、市民が緑化基金に寄付をする、市民からお金を集めて進めていくことも考えられる。アンケート調査結果で、若い方はクラウドファンディングなどに興味があるという結果があるので、実際の活動は難しくても、緑や農地を残すために寄付できる仕組みを市で用意して機能させることができるとよいと思う。生産緑地の2022年問題が近づいているので、具体的な施策を1つでも打ち出すことができると、狛江市の新たな農業の位置付けや、農があるまちを残すという姿勢を示すことができる。 具体的に取組みを示すべきだと思う。緑の将来目標に農地を維持しなければ達成できない数値目標を設定するなど、たとえ小さな面積でも、緑地としてでも、残していく必要があると思う。緑化基金の一部を相続税の補填や買取りに充てることができないか。 緑化基金など財政的な問題にも関わるが、市民がクラウドファンディングなどで積極的に支援、参加しながら守る姿勢をつくりあげていくことが必要だと思う。 資料1の7ページ「(4)『農』を活かしたまちを育てよう」の施策に「市民農園・体験農園の推進」とあるが、推進とはどのような意味か。市民農園を確保することなのか、利用者を募集することなのか、「推進」の意図がわかりづらいので、「市民農園・体験農園の確保」に変えてもよいと思う。 基本的な考え方の中に具体的な取組みを示して、積極的に緑を守る姿勢を示すということでよろしいか。 資料1の「見直しの考え方」の「②公園の整備・管理に関する新たな基本方針の追加」について、ただ緑があればいいというわけではなく、手をかけて皆が利用したくなるような公園や緑道にする必要がある。昨年度台風の被害があったように、手をかけていない樹木などはすぐに危険な状態になってしまうので、手入れをしてみんなが利用できる公園にしてほしい。 資料には、「公園の管理や既存の公園の機能と役割分担の見直し等」と記載があるので、さらに「住民に好まれる、地域に密着した公園づくり」が必要だということだと思う。 今の緑道は暗いところもあり、通過するのも嫌という方もいる状況である。そうした部分を改善して、気軽に足を運びたくなる、安らげる場所にしてほしい。 公園の整備・管理に関することは新規に追加する方針なので、「市民による、市民のための」というフレーズを入れるとわかりやすいと思う。 公園の管理・運営について、現在市民が管理している「のびのび公園」や「とんぼ池公園」は、公園の計画段階から周辺の市民が自発的に活動しており、公園の計画づくりやその後の管理をしている。アンケート調査結果をみると、新たに活動に参加してくれる人が少ないという現状が見て取れる。自発的な参加を待っていても、若い方は忙しいので入ってもらえないと思う。例えば野川緑道を取り上げて、多摩川と野川をつなぐ緑道をどのように魅力的にするか、有識者も交えて市民ワークショップなどをして全体像を描く仕掛けをつくってはどうか。大きな方向転換は難しいが、例えば花壇をつくるなど、もっと身近な緑道にできないか。比較的利用者が多く、ジョギングや散歩している方を見るが、もっと魅力的にできたらよいと思う。花の彩りがないという意見があったので、写真映えする場所づくりなど、市民自身が関わって楽しめる、結果として狛江の緑に対する愛着に繋がるような機会を行政から仕掛けるべきだと思う。 市民参加型の公園づくりの講座のようなものが定期的にあると、継続して参加することで意欲的になる。施策のひとつに、「公園づくり市民講座」という内容を入れるとよい。参加してみたいという気持ちがあっても、なかなか行動には結びつかないと思うが、市民講座のようなものがあれば参加に繋がる可能性がある。 アドプト団体も常に募集しているが、なかなか参加者は増えない。参加のハードルが高いと思う。専門家の方が一緒に参加してくれると、参加しやすいと思う。 そうした取組みは各地で始まっているので、取り入れることができるとよい。 コンセプトレベルでまとめると「量から質へ、そして共創」ということだと思う。緑の量については、資料1の7ページにあるように都市緑地法等の改正によって活用できる制度が増えたので、こうした制度を活用してこれ以上緑を減らさない取組みをしていかなければならない。また、なかなか難しいが、財政支援についても考えていく必要がある。 質の問題については、様々な側面があると思う。財政支援のほかに、基金制度や市民によるクラウドファンディングを活用する、あるいは企業参加の要望をするといった仕組みにも触れてはどうか。 狛江市では、ふるさと納税がどのくらいあるか。返礼品を目的として他の市町村に納税するのではなく、例えば一部でも狛江市の緑化基金の方に促せるとよいと思う。同じ額を納税するのであれば、自分の住んでいる市を魅力的にすることに使ってもらいたい。そのためには、魅力ある市民の活動が必要だと思う。 開発行為の許可基準のひとつに緑地の条件があると思うが、どのような行為が該当してくるのか。 戸建住宅の建替えの場合、緑化は努力義務となる。5区画程度の開発の場合は、緑化指導をしており、樹木を植えてもらっている。 今開発されている住宅は全て基準に沿っているか。近年に建設された住宅地でも、全てコンクリートで緑が全くないというところもあるが、それはなぜか。 建蔽率などにより緑化率が変わる。また、敷地内のどこを緑化してもよいため、道路側から見えにくい箇所に樹木を植えている場合もある。 戸建住宅の建替えは、所有者の意向があるので難しいかもしれない。 現在の狛江市の制度の中で取り組むことができるか。 規則を改正することにより、基準を変えることはできる。 例えば敷地面積100㎡の宅地は対象になるか。 現在の基準では基本的に該当しない。 狛江市では、敷地面積100㎡程度の戸建住宅が多いと思う。その建替えの際に何か取組みができないか。 建築指導を行っていないため、敷地面積100㎡程度の戸建住宅の建替えについて市が情報を得られないのが現状である。ある程度の規模であれば、事業者と規制内容について協議している。戸建であっても敷地面積500㎡を超える宅地造成は対象となる。 具体的な施策の内容に入りつつあるが、基準の見直しについて記載することはできるか。 規則を改正することにより緑化率の最低限度の引き上げや、植栽する位置を指定することはできると思う。 基準の見直しの検討については、施策に取り入れる。緑化指導の担当はどの部署か。 環境政策課である。
○事務局 (資料1のうち、p.3以降を説明) クラウドファンディングなど、前半の議論の内容は既に随分取り入れられている。市民講座について、どのように記載していくかは考える必要がある。 新規の施策がいくつかあるが、環境基本計画との整合は取れているか。せっかくの施策が反映できないといけないので、確認してほしい。 担当レベルでは調整をしている。最終的には環境保全審議会で説明をする予定だが、緑に関する部分については環境基本計画がこちらの内容を踏襲する形になる。 全体を通して、とても積極的な姿勢が示されていると思う。 6ページの事例の「調布市公園・緑地機能再編指針」はよい取組みだと思うので、狛江市でも同様のことが検討できるとよい。第4回委員会資料の「公園緑地等分布図」を見ると、149㎡以下の小さな公園が点在している状況なので、整理して活かすことができると魅力的なまちに繋がると思う。資料1の5ページの施策で「公共施設における緑の創出」とあり、公共施設での壁面緑化を進めるとあるが、狛江市防災センターの壁面緑化が全く魅力的ではないと思う。今の季節で葉が痩せている状態というのは設計か手入れがよくないのか、いつになったら綺麗な緑が茂るようになるのかと感じている。 具体的な施策案と事例を示してあり、わかりやすい資料になっている。計画に記載しなくてもよいが、それぞれの施策案の導入可能性を把握しておくことができるとよいと思う。短期・中期・長期のどこで導入できるのかの時間軸や、発信・誘導・条例といった導入方法も含めて、各施策の自己評価をしてはどうか。計画期間で施策をどのように進めていくかの裏付けがなければ、施策は立てたが実行が難しかったとなってしまう。 図で示すか、基本方針の「活・創・高・育・繋」に紐付けするのか、SDGsとの関わりで、各方針がどの項目に関わっているのかわかるように示すことができるとよいと思う。 委員長、副委員長の指摘のとおり、施策の方向性は大筋を書いているので、これから実際にどれだけ具体的に取り組めるかが課題だと思う。10年間の工程表があるとよりよいと思う。3ページに緑の将来目標を示しており、骨格は改定前計画を踏襲しているが、10年間の計画期間で今ある緑を守っていくということと、新たに定める「緑の質を高める指標」をもとに取り組んでいくことが必要かと思う。また、副委員長の指摘のとおり、どのように施策を展開していくかを把握しておくことも必要だと思う。指標として市民講座の実施回数や、緑が豊かになったと思う市民の割合、行政や市民がどのように関わってこれたかを10年後に評価できると、計画の実効性が高まる。 10年間を見据えて、どこから始めるか、どのような方向性で進めるか、実施の計画を明確にしておくと具体的に取り組みやすいと思う。 狛江市では一定面積以下の敷地は取得できないという規制はありるか。世田谷区では100㎡程度の規制をかけていたと思う。 取得について規制はない。第一種低層住居専用地域では、敷地面積の最低限度を100㎡としており、基準値以下に新たに土地を分筆して建築物を建てることはできない。商業地域などについては規制がない。また、一定規模以上の第一種低層住居専用地域における開発行為では、1区画の最低敷地面積を125㎡に定めている。 旗竿敷地では間口の接道2mを確保すれば、手前を駐車場にして、奥の部分に建蔽率を最大限使って建物を建てられるため、さらに空地が少なく、緑も少ない宅地になってしまう。 他部署で危険なブロック塀を撤去する際の費用を補助する制度を今年度から始めている。 補助の申請には書類の提出などがあるため、所有者も造園業者も手続きを面倒に感じてしまい、あまり活用されていないと思う。もっと手続きを簡素化してほしい。 歩いて行けるところに公園があるということも重要である。乳幼児、小学生など子どもの年齢、ボールを使えるなど公園の機能や、現状の公園の分布や地域の特性も踏まえて、特色ある公園づくりを地域の方と一緒に考えていけるとよいと思う。できればその後の管理まで参加してもらえるように、どこかの公園をモデルに仕掛けづくりができるとよい。 遊び型、スポーツ型、休養型、コミュニティー型など、いろいろなモデルを考えられるとよい。特色づくりも含めて、公園の質を高めていくという施策にしてはどうか。地域のニーズに応じた利用しやすい公園づくりを進めていくことができるとよい。当面は、子どもの遊びのニーズを中心に考えてもよいと思う。 地域の方から公募してもよい。数人で集まって、この公園をどのように変えたら使いたい、使いやすい公園になるかというアイデアを出していただくと面白いと思う。 市民講座の中に、公園づくりや生垣づくり、緑化などのカリキュラムを入れてはどうか。カリキュラムを決めて進めると、いくつか具体的なアイデアも出てくると思う。 市内の公園の供用開始年は把握しているか。 はい。 例えば供用開始が古い順にリストアップして、公園の長寿命化という観点から取り組んではどうか。または、地域の方から活用の要望があった順でもよいと思う。 新規の施策がいくつかあるので、「みどりナビ」のような市民からの情報を整理する施策と、市民講座に取り入れられるような施策と、カテゴリに分けて整理するとより見やすくなると思う。また、産官学連携で出前講座なども取り入れると、もっと面白くなると思う。 樹木の安全対策については、どのように施策に取り入れるのか。 樹木や樹林地の台帳のようなものを整理し、情報公開をしていくのがよい。市で「みどりパトロール」を実施すると同時に、市民の方からも情報提供をしていただき、管理できるとよいと思う。 江戸川区では、みどりパトロールを実施しているが、狛江市では難しいか。前回の委員会で、倒木の危険性に関する意見があったが、職員の仕事の範囲や予算の都合もあると思うので、実施は難しいように思う。 本来はみどりパトロールの制度をつくり、パトロールの人員を任命して定期的に点検してもらうのが一番よいと思う。しかし、予算の都合もあるので、当面は市民から情報提供していただく形で進めるのがよいのではないか。 緑道については年1回、造園業者に剪定を委託しているので、そのタイミングで危険な樹木を報告していただくことはできる。また、近隣の住民の方からも情報をもらい、危険なものから順に対応していくことが考えられる。 「狛江みどりの日」のようなものをつくってもよい。新規事業になるが、その日は市民が緑に親しむとともに、一斉にパトロールをして緑の状況を点検するというのはどうか。 市民講座の中に、樹木医を育てる講座を入れ、市民ボランティアのレベルで点検できる制度をつくることも考えられる。最終判断はプロにしてもらう必要があるが、大学などの樹木医を育成する機関と連携するなど、ボランティアでもある程度の点検ができるよう指導することも有効だと思う。 緑に対する市民の声としては、落ち葉が多い、樹木を切って欲しいという意見も多く、市がその要望を受けざるを得ない状況にあると思う。例えばサクラの木は、老朽化して切る必要があっても、「せっかくよい木だったのに切られてしまった」という声を上げる方もいる。市民や行政職員が勉強をして、木を切ることも必要だということや、どのように樹木を管理していくべきなのか、基礎的な知識を共有することが必要である。 樹木や街路樹の管理・情報整備については、○○市が取り組んでいるが、他の自治体ではほとんど実施されていないのが実態と思う。樹齢と整備の関係については、研究が始まったばかりなため判断が難しいが、遊びや運動、落ち葉や花粉といった人間の生活に与える問題とは視点がまったく異なる。様々な問題があるので、まずは樹木の危険度を判断材料にして、管理していくのがよいと思う。例えば、サクラは綺麗に咲いていても、実際は老朽化が進んでいるということがある。その場合は切るのではなく、吊ったり養生したりして寿命を延ばし、見る人にとってもよい手立てを取るとよいと思う。その時々の判断によるので、みどりパトロール制度が今求められている取組みだと思う。公園のネットワークと関連して整備できるとよい。 次回検討委員会は8月19日(月曜日)午後2時から開催する。場所等は改めて連絡する。 本日は以上で閉会とする。 |