1 日時

令和元年5月14日(火曜日) 午後2時~4時

2 場所 防災センター301会議室
3 出席者

委員長    宮林 茂幸 
委 員    髙木 生一

       荒井 悟
       加古 厚志
       池座 俊子
       中村 麻子
       環境部長 清水 明
事務局    環境政策課長 植木 崇晴 
       環境政策課水と緑の係長 海老原 悠輔       環境政策課水と緑の係主事 原田 章秀
       環境政策課水と緑の係主事 谷野 龍慈

4 欠席者 下嶋 聖
5 議題

1 緑の実態調査結果について
2 アンケートの結果報告について
3 ワークショップの実施結果について
4 課題の整理と次期計画の骨子について
5 その他
 

6 資料

資料1-1 狛江市緑の実態調査報告書
資料1-2 緑の実態調査結果の概要
資料2-1 狛江市緑の基本計画 市民及び小・中学生アンケート調査報告書
資料2-2 市民及び小・中学生アンケート結果の概要
資料3 市民ワークショップの結果について
資料4 課題整理と次期計画の骨子(案)について
【参考資料】
参考資料1 第3回 狛江市緑の基本計画改定検討委員会の主な意見
参考資料2 現行計画の緑の将来像及び計画の基本方針について
 

7 会議の結果

 (1) 緑の実態調査結果について
○事務局

 資料1-1、1-2について説明
○委員長

 農地が相当減少していることと、地区別に特徴があることがわかった。農地については前回の報告で入っていなかったが、南部地区は特に農地の位置付けが重要である。中部はいわゆる市街地ということもあり、農地は少ないという特徴が出ている。
 1人当たり公園面積は狛江市が26市で1番小さいのか。
○事務局

 はい。
○委員長

 後ほど説明があるが、アンケート結果を見ると、市民はそこまで緑が少ないと実感していないようである。
 何かご質問等はあるか。
○委員

 1人当たり公園面積が減少したのは、人口が増加したからではないかと思う。公園として恒久的に残せるものは、残していかなければならないと思う。
 前回の委員会で、小さい児童遊園などは売却して大規模なものにできないかという意見があったが、実際に可能なのか。資料の公園緑地分布図で149㎡以下の公園緑地がいくつかあるが、100㎡あれば家が一軒建つ大きさである。1人当たり公園面積が小さいことを考えると、公園として有効に利用することを考えるべきではないかと感じる。公園面積を守ることも重要だが、ボール遊びができる公園がないという意見が子どもから出ており、子どもが楽しめる緑のある公園がないと感じている。多摩川や野川があることで、目にする緑が多いが、1人当たり公園面積が小さいことは重く受け止めるべきだと思う。
○委員長

 小規模で活用できていない公園などは処分して、緑を別の場所に配置していくことは考えられるか。
○事務局

 都市計画法の開発行為に伴って整備される公園については、東京都が許可をしているため、東京都との調整は必要と考えられる。それ以外のものについては、売却して公園緑地を統廃合していくことは、様々な検討が必要だが、制度上は可能だと考えている。
○委員長

 委員会でどのように位置付けていくかも含めて、引き続き、総合的に検討していくこととする。
○委員

 農地の減少が進んでいるが、宅地化が主な原因か。
○事務局

 相続税を確保するため、農地を売却する場合が多いと感じている。
○委員

 農地が売却された際に、市が買い取ることはできるのか。
○事務局

 市が買い取り、公園や市民農園などにすることは可能である。一部農地には都市計画施設を都市計画決定しており、将来的に行政が買い取り、公園等を整備することが考えられる。
○委員長

 農地法の改正で農地の位置付けが変わり、大規模に売却される可能性がある。農業者が農業で食べていける、後継者がきちんと続く仕組みを作っていけるとよいと思う。市の位置付けとして、「緑+農+環境」を示し、みんなで農や環境を守っていける仕組みができると面白い。
○委員

 北部・中部・南部の位置付けを考えるにあたって、全体の緑地率の母数には多摩川の面積を含めているが、地区別の面積には含まれていない。資料には、注記をしたほうがいいのではないか。
○委員長

 地区別の緑地には、多摩川があることで緑が多いと感じている市民も多いのではないか。多摩川は国の管理か。
○事務局

 所有は国だが、一部市で占用している。
○委員長

 多摩川の河川敷の面積が含まれていないことは、事務局で資料に明記してほしい。
 

(2)アンケートの結果報告について

○事務局

 資料2-1、2-2に基づき説明
○委員長

 緑が少ないと感じている人は少ないが、年齢によって、高齢者になるほど緑が減少していると感じている人がいることがわかった。また、公園の利用方法を考えること、子ども達への活用の機会を充実させることが必要ということである。さらに、ライフスタイルに合わせた使い方や、防災の視点も取り入れて施策を展開する必要があるということだった。
 何かご質問あるか。
○委員

 問7で、ベビーカーでの利用に関する項目があるが、今まではただ公園があればよいという考えだったが、これからは公園をつくるだけではなく、みんなが利用できる公園をつくっていく必要があるのではないかと感じた。去年の台風や、東日本大震災を考えると、災害時にもみんなが利用できる公園が必要ということも、どこかに強く示していただきたいと感じた。
○委員長

 公園の高度な利用の仕方というか、きちんと利用できる公園が望まれているということ。
 災害時のハザードマップでは、公園緑地はどのように示されているのか。
○事務局

 基本的に最寄りの避難場所に逃げるように示している。
○委員長

 最近の防災の研究で分かってきたことは、個別に指示を出すことが重要ということである。河川敷や山麓などは、個別にあなたはどこに逃げなさいという指示を出しておかなければ、特に高齢者などは迷ってしまうということである。これは防災の話だが、公園のあり方も防災と関わってくるとよいと思う。
 また、危険な場所の情報交換をするようなネットワークをつくっておくとよいと思う。緑をみんなで守っていくための「みどりの情報ネット」のようなものをつくり、市からの情報を掲載したり、市民からの情報をもらったり、お互いに情報交換できるとよいのではないか。危険な場所がある場合にはすぐに手当てができる仕組みがあるとよいと思う。問14では、若い人はクラウドファンディングやSNS等に興味があるという結果が出ているが、こうした方法も取組みに取り入れていけるとよいと思う。
 

(3)ワークショップの実施結果について

○事務局

 資料3に基づき説明
○委員長

 ワークショップには私も3回とも参加したが、非常に熱心な議論がされていた。よい意見をたくさんいただいたと思う。子ども達が非常に積極的に参加しており、具体的な意見が出ていた。
○委員

 花や草を伸ばしておくところをつくるなど、子どもの意見がとても面白いと感じた。
○委員長

 末尾にワークショップの意見がまとめてある。「大切にしたい緑と水辺」については、現在弁財天池周辺は特別緑地保全地区に指定されているが、緑環境保全地区など、みんなで緑を守る地区をつくって指定してはどうか。
 また、「知ることの大切さ」については、学びも重要なことで、グリーンアドベンチャーなど、いろいろなものをつくる機会があるとよいと思う。林野庁では「子ども樹木博士」を認定する制度があり、1級から10級まで分け、ただ樹木を覚えるだけではなく、知識の質まで審査する取組みをしている。
 「四季・彩りを感じる緑」については、なかなか難しいことだが、狛江市の緑が1年間でどのように変遷するか、「四季の緑のこよみ」があると面白いと思う。注意が必要なのは外来種の扱いだが、いろいろな種類の緑がいろいろな場所にあるとよいと思う。
 「気軽に参加できる機会」については、市民参加型の取組みに参加してもよいと考えている市民はいると思うので、今までに活動している市民団体の若返りも兼ねて巻き込んでいけるとよいと思う。
 草木が少ない、単一種が多いという意見や、街路灯がほしい、ゴミがない公園、火が使える公園がほしいという意見もあった。
 市民にどのように関心を持ってもらうか、実際に活動してもらえるかが重要で、そのためには、情報交換できる仕組みの構築が必要だと思う。できるだけ、市民の声で守ってほしい場所を挙げてもらうと、行政としては取り組みやすいのではないか。
 基礎調査結果やワークショップの結果、計画の概要版を公開する際には、緑が減りつつあること、このままではどんどん減ってしまうことをもっと強く示すべきだと思う。それに対して、市民がもっと関わる仕組みをつくること、農地を残すためには農業の保全や農産物を購入してもらうことも重要だということも示せるとよいと思う。

 

(4)現状と課題の方向性について

○事務局

 資料4に基づき説明
○委員長

 まずは、緑をこれ以上減らさないという目標をきちんと示す必要があると思う。また、計画の頭の部分には、21世紀における緑の重要性に触れた上で、狛江市では緑が減っているため、これ以上減らさずに守っていくことが重要、という流れにするとよいと思う。
 基本方針については、緑の活用、緑の創出などがあり、オープンガーデンや、ライフスタイルに合った参加・協働の機会の創出や、四季の彩りなどが具体的に入っている。
 公園については、緑の質を高めていくということが重要になる。質については、公園そのものの質、利用の質、歴史的な位置付けやモニュメントとしての位置付け、地域ごとの特性も考慮することが必要だと思う。
 また、農との関係も強く示していくべきである。農地を減らしてしまうと、狛江市にとっては死活問題だということを示していく必要がある。
 さらに、樹木の保全については、みんなで情報交換していくのがよいと思う。
こうした方針を具体的に示したのが資料の右側で、「みんなで活かして・つくり・高め・育てて・継なぐ こまえの緑」という将来像を掲げている。細かい内容は次回議論してもよいと思うが、将来像や基本方針は、空地の問題や、まちの緑を活かすこと、緑の彩り、公園の魅力など、いろいろなところに関連してくると思う。そのあたりの話は、総合的に課題にまとめることも考えたらよいのかもしれない。皆さんから自由にご意見をいただきたいと思う。
○委員

 庁内委員会においても将来像や基本方針について議論し、改定計画の方向性として、緑の総量は減らさないということと、緑の質に着目することが必要と考えている。緑の実態調査で今回新たに緑視率や接道部緑化の状況を調べたが、改定計画の目標値の設定について、緑の質を測る目標値を設定するべきか、皆さんと共有したいと思う。
○委員長

 大変難しいことだが、目標値を設定して、それに向けて取り組んでいくのがよいと思う。あまり大きな目標を立てると達成が難しくなるので、人口の増減も加味して設定するのがよいと思う。
○委員

 緑の安全性については、街路樹の台帳を作成し、計画的に更新していくのが本来の方法だと思うが、なかなか追いついていないのが現状である。市民の声を基にして、公園管理などの対応を充実させることを考えられるとよいと思う。
○委員長

 市民が参加するという意味でも、早く対応すべき場所を把握する意味でも、「この場所がこんな状態になっている」という情報交換ができるとよいと思う。そのような仕組みを考えてはどうか。
○委員

 アンケート調査結果で、気軽に参加したい、貢献したいという意向があったが、ワークショップでも取組みに熱意のある市民がたくさんいると感じた。植樹や樹名板の作成など、市民が参加しやすく、市民の力を活かす取組みができると、自分たちで緑や公園をつくっている、守っているという実感が得られるのではないか。
○委員

 みどりワーキングで見学会を行った際、マンションの珍しい樹木を撮って写真を集めている参加者がいた。市民が個人でいろいろな情報を蓄えていると思うので、SNSなど情報を投稿、発信できる仕組みがあると、若い人の参加や、狛江市のよさを広げることにつながると思う。
○委員長

 誰でも参加できる仕組みができるとよいと思う。
○委員

 農について、生産緑地の2022年問題を見据えた農地の確保は、農業者に任せるのではなく、市としても対応するべきだと思う。市民農園や体験農園は既にあるが、売りに出される農地から場所を確保して、農業公園を整備してはどうか。市や市民団体が管理し、植え付けや摘み取りをみんなで行うイベントなどを実施すると、気軽に参加できてよいと思う。
○委員長

 現行計画にも同様の施策の記載がある。
○委員

 費用の問題があるとは思うが、実施できるとよいと思う。市で緑の基金をつくる、わずかな土地でも確保して農業公園を整備して市民に開放するなど、計画に書くだけではなく、1つひとつ事例を積み上げていかなければならないと思う。
また、目玉となる事業として、記念植樹制度をつくり、入学や卒業といった人生の区切りで植樹ができるとよいと思う。
○委員

 記念植樹制度により新しく狛江に移り住んだ方や、結婚したり子どもが生まれたりしたタイミングで、思い出を残せるのはよいと思う。狛江市から転出しても、愛着が残ると思う。
○委員

 利用できる土地がないことが課題だと思う。樹木がありすぎる公園や、街路樹も十分あるので、新しい場所を確保する必要があると思う。
○委員

 以前は、苗木をプレゼントするという事業があった。
○委員

 公園の一部などに植樹できる場所を市で確保し、植えてもらうことはできると思う。
○委員

 農業は雑草取りが大変なので、援農の仕組みがあると、農業者は助かると思う。また、都市型農業は農地を拡大できないことも課題の1つだと思う。大豆や稲などの単一品種、農業の専業で十分な収入を得るには、数十haの面積が必要になる。大企業が農業に参画する事例もあるが、農業を続けるには資本力が必要である。
 今後、狛江市の農業は減ってしまうと思うが、減少を食い止めるのは難しいため、そのスピードを少しでも遅らせるように、市民が支援する仕組みが必要だと思う。
○委員長

 農地を潰してしまった結果が、土砂災害などの被害につながっている。狛江市の農業は、面積が小さくても儲かる品種を検討してはどうかと思う。例えばキクラゲや枝豆を栽培して、市内で地産地消をすることで、6次産業化につながる。市民全員で農業を支えることで、恩恵として緑の維持や安心安全な食の確保、健康などにつながる。
 都市農業の新たなあり方を考え、みんなで関わる仕組みができるとよいと思う。
○委員

 相続で生産緑地は確実に減少していく。
 先日、他都市の農業を視察に行ったが、同じ作物でも静岡県ではハウス栽培をして出荷時期を早くしており、そのあたりは狛江市でも参考になると思う。
 また、援農ボランティアは狛江市でも募集をしており、近々説明会がある。そうした制度を活用して、草むしりなどを手伝ってもらえるとよいと思う。
○委員長

 大学でも学生の援農インターンシップがあるが、狛江市でも参加できるとお互いにメリットがあってよいと思う。
 イチゴやブルーベリーなど、新しい技術の導入や品種改良もどんどん進んでいる。市内で売れば、効率的に6次産業化できると思う。ピザ釜を持っているが、収益率は70%でかなりの収入になる。
○委員

 全て農家レストランで販売できると面白い。
○委員長

 農家レストランなどもこれからブームになると思う。栃木県などにはたくさんあるが、都心には少ないと思う。農林水産省の補助を受けることができる。
○委員

 都市型農業は光の当て方がいろいろあると思うし、関わりたい人も多いと思う。
○委員長

 いろいろなご意見があったが、狛江市の緑を考える上で農地は欠かせないということが、計画や目標値にも表れるようにするべきだと思う。また、武蔵村山市では、緑のサポーター制度をつくっている。講習を受けた方が緑のサポーターになり、NPOとして活動していく仕組みである。市民が勉強したり訓練したりしながら、緑の質を向上していく仕組みを、若い人にも参加してもらいながら考えていけるとよい。
 計画の骨子はおおむねよいと思うが、緑を守っていく具体的な取組みを示していけるとよい。また、グリーンカーテンや屋上緑化についても、少し触れられるとよいと思う。さらに、公園のネットワーク、散策コースなども、市民の情報提供をもとに考えられるとよいと思う。ウォーキングなどの健康づくりは結果的に医療費の減少につながり、市にとってもメリットになる。
○委員

 参考資料の公園緑地分布図が面白いと思う。市民アンケート結果で、岩戸北には大きい公園がないというご意見があったが、市内の地域によって公園緑地の分布にばらつきがあるように見える。緑の基本計画にどのように記載できるかわからないが、緑や空地の価値、位置付けや、適正な配置についても市民参加で考えていけるとよいと思う。
○委員長

 南部地区は、農地はあるが、公園緑地が少ないということがよくわかる。ある程度大規模なものは、政策的に増やしていかなければならないと思う。また、緑道などで緑を繋げることや、公園のネットワークも重要になると思う。
○委員

 アンケート結果を見ると、子育て世代は身近な小さな公園で遊具がある場所、小学生はボール遊びができる場所、高齢者は緑が豊かでゆっくり過ごせる場所など、ニーズがはっきりしていると感じた。身近な場所に小さな公園を整備しておいて、小さな子どもが安全に遊びに行ける場所をつくることも必要だと思う。園庭のない認証保育園を認可する場合は、近隣の児童遊園と連携させることも考えられると思う。小さな公園の活用について、近隣住民の方とも一緒に考えていけるとよいと思う。
○委員長

 小規模な公園や児童遊園が集まっている場所は、子ども向けや高齢者向けなど、特徴付けをして、棲み分けするなど考えられるとよいと思う。公園緑地分布図も活用しながら、重点的に公園整備を考えるべき場所の位置付けも考えられるとよいと思う。
 緑の将来像と基本方針は示された案にするということで次回の委員会では、具体的な施策について議論できればと考えている。
 

(5)その他
○事務局

 参考資料1は、前回の検討会でいただいたご意見に対する方向性を記載しているので、お時間のある時にご覧ください。
○委員

 別紙の公園緑地分布図に、緑道を示せないか。他にも、市民農園や樹林地をプロットできると面白いと思う。
○事務局

 緑道は表現が難しい。市民農園は表示を追加する。また、民有地の樹林地は数が多いため難しいが、市有地のものは既に図示している。
○委員長

 次回は6月4日に開催する。本日は以上で終了とする。