平成30年度決算の概要(1279号6・7面)
平成30年度決算の特徴として、歳入では、市税のうち個人市民税がふるさと納税の影響による減収があったものの、納税義務者の増等により増額となっており、税連動交付金では地方消費税交付金の清算基準の見直し等により減額となりましたが、経常一般財源は前年度に比べて増額しました。歳出では、平成29年度から2カ年事業のあいとぴあセンター・西河原公民館改修工事、平成31年4月開設の北部児童館新築工事や新設保育園整備事業補助金などにより、普通建設事業費が42.7%増と大幅な増額となりました。また、保育定員の拡大に伴い保育所等児童運営費も増額になるなど、子育て支援施策の充実に財源を投入した決算となりました。
財政構造の弾力性を示す経常収支比率は、待機児対策などの経常経費が増えている中においても、臨時財政対策債の発行抑制に努めたため、悪化しましたが、臨時財政対策債を含めない数値は改善しました。
また、市債残高を減らし、基金残高を増やすことができたため、将来負担の抑制にも努めることができました。
今後も、保育園や学童クラブの待機児対策に加え、高齢化などによる社会保障費の増加、子育て支援施策の充実に向けた公共施設の整備、維持管理費など、財政負担が増えていくことが見込まれるため、将来を見据え、今後も規律を持った財政運営に努めていく必要があります。
詳細は、「財政のあらまし(平成30年度決算)」をご覧ください。財政課で1部70円で頒布する他、市ホームページからもご覧になれます。
平成30年度に実施した主な事業
(1)まちづくり推進プロジェクト
- 元和泉市民運動ひろばの開設
- 調布都市計画道路3・4・16号線(電中研前)の整備のための用地取得および電線共同溝整備工事
- 北部地域の子育て支援施設の充実に向けた北部児童館新築工事
- 第五小学校放課後クラブ新築工事および岩戸児童センター改修工事
- 児童増加に対応するための狛江第一小学校改修工事(給食室の増築等)および狛江第五小学校教室等整備工事
- 狛江第三中学校プール等改修工事
- 子育て・教育支援複合施設新築工事の実施設計
- あいとぴあセンター・西河原公民館改修工事
- メビウス∞えきまえ広場の開設
(2)安心で安全なまちづくりプロジェクト
- 防犯協会等の協力による安心安全パトロールや事業所と連携した「ながら見守り活動」の推進
- 特殊詐欺被害防止対策の強化
- 防災兼用農業用井戸の設置
- 安心・安全な道路整備(八幡通り小金橋南交差点改良工事、無電柱化推進計画の策定等)
- 全国瞬時警報システム(J-ALERT)の受信機を新型に更新
- 豪雨や洪水等の災害に備えるため、野川に河川水位監視カメラを設置
- 災害対策用備蓄品・備品の拡充および避難場所標示板の設置拡大
- 災害時等における避難行動要支援者への具体的支援内容を記載した個別計画を作成し、支援体制を強化
- 耐震化啓発訪問の実施
- 狛江市空家等の適切な管理及び利活用に関する条例施行
(3)子ども・子育て支援プロジェクト
- 待機児ゼロの実現に向け、私立認可保育園1園の開園および既存園の定員拡大、平成31年度開設に向けた新設保育施設の整備
- 妊婦面談事業「ゆりかご狛江」の実施
- 子ども食堂への補助制度創設
- 教育支援センター機能強化モデル事業、いじめ対策・不登校支援等推進事業の実施
- 小学校における自閉症・情緒障がい固定学級の開設
- 東京グローバル・ゲートウェイでの英語体験学習の実施
- 小学校3・4年生の外国語授業実施および外国人英語指導時間数の拡充
- 教育ネットワークシステムの構築やタブレットPCの配置台数増による情報教育環境の充実
- 表現力やプレゼンテーション能力を育む「笑育」の実施
- ひとりで抱え込まないために、支援制度や支援機関等を周知する「若者支援ガイド」を作成
(4)いたわりのあるまちづくりプロジェクト
- 認定ヘルパー研修等の開催および団体の育成
- 地域包括支援センターの介護予防活動推進機能の強化
- 地域包括ケアシステム構築に向けた新たな取組み(MCS※の導入、在宅医療介護連携相談支援事業の実施等)
- 住民の地域福祉活動を推進するため、コミュニティソーシャルワーカー(地域福祉コーディネーター)を配置
- 「狛江市医療・介護・地域資源ガイドブック」の配布および「狛江市医療・介護・地域資源マップ」の運用
- こまほっとシルバー相談室の新設
- 生活困窮者の自立支援として子どもの学習支援事業の実施
- 健康ポイント制度の試行実施
- 認知症カフェの開設支援
- 認知症あんしんガイドの作成
※MCSとは、医師や看護師等の医療職、介護事業者等の福祉職、本人やその家族等がSNSでつながり、リアルタイムで本人支援のための情報共有や連絡体制を整えることができる取組みです。
(5)にぎわいのまち「狛江」プロジェクト
- 「ラ・フォル・ジュルネTOKYO2018 プレフェス・ア・コマエ」の開催
- ラグビーワールドカップ2019および東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会開催に向けたイベント等の実施
- こまえ初春まつり、こまえ桜まつり、メビウス∞えきまえ広場での各種イベント等の開催
- 横穴式石室が発見された猪方小川塚古墳の保存整備工事
- 歴史公園の整備に向けた都市計画公園の用地取得等
- 障がい者スポーツの体験・普及事業、プロ選手等によるスポーツ教室の実施
- 市内の商店街活性化のための商業振興プランの策定
- 農作物直売所建て替え等への支援
一般会計
会計名/区分 | 歳入決算額 | 歳出決算額 | 歳入歳出差引額 | |
---|---|---|---|---|
一般会計 | 296億9,679万9千円 | 285億4,257万6千円 | 11億5,422万3千円 | |
特別会計合計 | 184億1,201万3千円 | 179億7,513万3千円 | 4億3,688万円 | |
国民健康保険特別会計 | 81億8,417万2千円 | 81億494万9千円 | 7,922万3千円 | |
後期高齢者医療特別会計 | 19億8,608万1千円 | 19億8,410万7千円 | 197万4千円 | |
介護保険特別会計 | 63億7,792万8千円 | 62億2,045万円 |
1億5,747万8千円 |
|
公共下水道特別会計 | 18億4,053万4千円 | 16億4,232万9千円 | 1億9,820万5千円 | |
駐車場事業特別会計 | 2,329万8千円 | 2,329万8千円 | 0円 | |
合計 | 481億881万2千円 | 465億1,770万9千円 | 15億9,110万3千円 |
市民1人当たり換算額 市民82,481人(平成31年1月1日現在)
- 1人当たり収入額 36万円
- 1人当たり支出額 34万6,000円
1人当たり支出額内訳
- 民生費
社会福祉や高齢者福祉、児童福祉などの経費 18万4,000円 - 教育費
学校教育や文化・スポーツ振興などの経費 3万7,000円 - 総務費
総務管理、税務、戸籍、選挙、統計などの経費 3万4,000円 - 土木費
道路や公園などの整備や維持管理の経費 2万4,000円 - 衛生費
予防接種や健康診査などの保健衛生や清掃などの経費 2万4,000円 - 公債費
借り入れた市債の返済に充てる経費 2万3,000円 - 消防費
消防や災害対策などの経費 1万3,000円 - その他支出
議会運営や商工農業振興、消費者行政などの経費 7,000円
財政指標
(単位:%)
区分 | 平成28年度 | 平成29年度 | 平成30年度 | |
---|---|---|---|---|
経常収支比率 | 財政構造の弾力性を示す比率 | 90.1 | 91.2 | 91.3 |
公債費負担比率 | 借金返済額(公債費)の一般財源総額に対する比率 | 10.8 | 10.6 | 10.4 |
実質公債費比率 | 実質的に一般財源で負担した借金返済額等の財政規模に対する比率 | 3.0 | 2.5 | 2.0 |
将来負担比率 | 特別会計や一部事務組合等も含め、将来負担することが見込まれる金額の財政規模に対する比率 | 23.5 | 17.9 | 14.3 |
※いずれの数値も低い方が良いとされています。
※実質赤字比率(主な行政サービスを行う一般会計などの赤字の程度)および連結実質赤字比率(一般会計、特別会計全体の赤字の程度)の赤字はありませんでした。
※公共下水道特別会計の資金不足はありませんでした。
市債
市債は、道路、学校などの公共施設を整備するための建設事業債と一般財源の不足を補うための臨時財政対策債があります。
市債残高は減っているものの、残高の内訳では臨時財政対策債が半分以上(54.99%)を占めているとともに、他団体と比較しても公債費負担が大きいため、引き続き市債借入額を抑制し、残高の削減に取り組む必要があります。
基金
市の貯金としての役割がある基金は、経済状況等に対応するための積み立て分である財政調整基金と、特定の目的のために積み立てている基金があります。
基金残高は一時に比べると増加しているものの、他団体と比較すると少なく、今後も見込まれる社会保障費の増加や公共施設の更新に備え、引き続き積み増ししていく必要があります。
〔問い合わせ〕財政課